国税徴収法 第110条(国による買入れ)
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国は、前条第一項第三号の規定に該当する場合において、必要があるときは、同条第二項の規定による見積価額でその財産を買い入れることができる。
この条文の基本情報
国による買入れとは何ですか?
定義国による買入れとは、国税徴収法第110条に定められた規定で、「国は、前条第一項第三号の規定に該当する場合において、必要があるときは、同条第二項の規定による見積価額でその財産を買い入れることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第110条(国による買入れ)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第110条の条文原文は「国は、前条第一項第三号の規定に該当する場合において、必要があるときは、同条第二項の規定による見積価額でその財産を買い入れることができる。」で始まります。
- 国税徴収法第110条は第三款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第110条の前の条は国税徴収法第109条です。
- 国税徴収法第110条の次の条は国税徴収法第111条です。
- 国税徴収法第110条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第110条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第110条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/110
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法110条は、公売が不成立となった場合に、必要があるときは国が見積価額でその財産を買い入れることができると定める。滞納者に買取請求権はない。
Q · 公売で誰も買わなかったら、差し押さえられた財産はどうなるの?
国が見積価額で買い入れられる。差押えは自動では解けない
国税徴収法110条により、公売に付しても入札者がない、または入札価額が見積価額に達しないとき(109条1項3号)、国は必要があると認めれば、見積価額でその財産を買い入れることができます。ただし実務での発動例は極めて少なく、通常は見積価額を見直しての再公売が選ばれます。いずれにせよ、売れ残ったことが自動的に差押解除につながるわけではなく、解除が義務となるのは79条の要件を満たす場合に限られます。
解説
差し押さえられた土地が公売に出され、入札はゼロ、あるいは入った札がすべて見積価額に届かなかった。ここで多くの人は「売れなかったのだから、差押えは行き詰まった」と考える。国税徴収法110条はその予想を裏切る。市場が値を付けなかったその財産を、国自身が買い入れることができると定めているからだ。買値は市場が決めた額ではなく、109条2項に基づいて行政側が定めた見積価額である。つまり、債権者である国と、価格を決める税務署長と、買主である国が同じ主体になる場面が、制度としてあらかじめ用意されている。ただし発動できるのは109条1項3号の場合、公売が不成立に終わったときだけで、しかも「必要があるとき」という裁量が挟まる。実務でこの規定が実際に使われる例は極めて少ない。あなたが本当に見るべきなのは、この条文が発動される手前の段階、見積価額がいくらで公告され、換価をどこまで止められるかである。
法的な位置づけ
国税徴収法110条は、国による買入れを定める規定である。公売に付しても入札者がなく、または入札価額が見積価額に達しない場合において、必要があるときは、国が109条2項の見積価額でその差押財産を買い入れることができる。滞納者に買取請求権を認めるものではなく、発動の権限は国の側にのみ属する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公売公告で日付と見積価額を先に押さえる 公売公告・公売通知が届いたら、金額欄より先に「公売の日時」「買受代金の納付期限」「見積価額」の三点を書き出す。110条の買入価格も、配当計算も、残債の額も、すべてこの見積価額から逆算される
- 2.見積価額の算定根拠を書面で照会する 評価方法、占有関係・借地借家関係の反映の有無、附属設備の扱いを税務署に照会し、回答を書面またはメールで残す。後で不服申立てをする場合、この回答が最初の攻め手になる
- 3.納期限から6か月以内なら換価の猶予を申請する 申請による換価の猶予(国税徴収法151条の2)は、納付すべき国税の納期限から6か月以内が入口。公売そのものを止められる可能性があるのはこの段階で、公告が出てからでは選択肢が減る。最新の改正状況を確認のうえ申請する
- 4.すでに公告後なら不服申立てで換価を止める 不服申立てをすると、原則として決定または裁決があるまで換価ができない(国税通則法105条1項ただし書)。公売公告から売却決定までの処分を争う場合、買受代金の納付期限までに申立てる必要がある(国税徴収法171条、最新の改正状況を要確認)
- 5.並行して79条による差押解除と任意売却を検討する 財産の価額が滞納処分費と先順位債権の合計を超える見込みがなければ79条による解除を主張する。同時に、公売価格を上回る任意売却の買主を自分で探し、税務署と解除・配当の段取りを詰めるほうが、手続後に残る滞納額は小さくなりやすい
よくある質問 AI による整理
Q1国税徴収法110条の国による買入れとは?
公売に付しても入札者がない、または入札価額が見積価額に達しない場合に、必要があるときは国が見積価額でその財産を買い入れられる制度です。滞納者の側から買取りを請求することはできません。
Q2公売の見積価額はどうやって決まるの?
税務署長が国税徴収法98条に基づき、財産の種類・現況・占有や権利関係を踏まえて決定します。110条による国の買入価格も、この見積価額がそのまま土台になります。
Q3見積価額は事前に知ることができる?
公売公告で公表されるため、公売の前に確認できます。担保権者や共有者は、その価額で配当が自分のところまで届くかを早い段階で試算できます。
Q4差押えを解除してもらえるのはどんなとき?
国税徴収法79条の要件を満たす場合です。財産の価額が滞納処分費と先順位債権の合計を超える見込みがないときなどに、解除が義務づけられます。売れ残った事実だけでは足りません。
Q5換価の猶予はいつまでに申請するの?
申請による換価の猶予は、納付すべき国税の納期限から6か月以内が入口です(国税徴収法151条の2)。公売公告が出た段階では、原則としてこの扉は閉じています。最新の改正状況をご確認ください。
Q6公売を止める方法はある?
不服申立てをすると、原則として決定または裁決があるまで換価ができません(国税通則法105条1項ただし書)。公売公告を受け取った日が、実質的に最後の窓口になります。
Q7国が買い入れた財産はその後どうなる?
国有財産として管理され、後日あらためて売却に回ることがあります。元の所有者に買い戻す権利は用意されていません。
Q8公売で財産を失っても税金は残る?
売却代金を滞納国税や滞納処分費に充当した後に不足があれば、残額は滞納額として残ります。見積価額の水準が、失う財産と残る債務の両方を同時に決めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公売で売れ残ったら、差押えは解いてもらえるんですか?
自動では解けない。国は110条で見積価額による買入れができるし、見積価額を下げて再度公売に付すこともできる。解除が義務になるのは、財産の価額が滞納処分費と先順位債権の合計を超える見込みがなくなったときなど、79条の要件を満たす場合に限られる。実務のポイント:110条の買入れが実際に発動される例は極めて少ない。現場の定石は値を下げての再公売であり、だから「売れ残った」事実は、値下げ交渉より79条の主張材料として使うほうが筋がいい
Q2税務署に「いっそ国で買い取ってください」ってお願いできますか?
できない。110条は国の側の権限であり、滞納者に買取請求権を与える規定ではない。要件も109条1項3号、つまり公売に付しても入札者がない、または入札価額が見積価額に達しない場合に限られる。実務のポイント:現実的な出口は、公売より高く売れる任意売却を自分で見つけ、税務署と差押えの解除や配当の段取りを詰めること。公売価格は市場価格を下回りやすく、任意売却のほうが手続後に残る滞納額は小さくなるのが通例だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「公売で売れなければ差押えは解けるのか」という問いの立て方が、そもそもずれている。売れ残りが自動的に差押解除につながる仕組みにはなっておらず、解除が義務づけられるのは79条の要件を満たす場合に限られる。売れなかったという事実と、差押えが外れるという結果の間に、条文上の橋は架かっていない
- あなたから見れば見積価額は「役所が付けた参考価格」にすぎない。しかし110条の世界では、その数字がそのまま国の買値になり、配当計算の基礎になり、財産を失った後にあなたに残る滞納額を決める。参考程度と思って読み飛ばした公告の数字が、実は残債の計算式そのものだった
- 「国が買ってくれるなら、税務署に頼んで引き取ってもらおう」と考える人がいるが、向きが逆である。110条は国の側に与えられた権限であって、滞納者に買取請求権を認める条文ではない。発動場面は公売が不成立になった場合に限られ、「必要があるとき」の判断も国が握っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動する主体と場面 | 110条:公売不成立後、国が必要と認めたときに国自身が買主になる | 109条:公売に代えて税務署長が随意契約で売却する(買主は第三者) 79条:一定の要件を満たすとき、税務署長が差押えを解除する |
| 価格の決まり方 | 110条:109条2項の見積価額(競争による価格形成なし) | 109条:見積価額以上での随意契約(98条の見積価額が基礎) 79条:価格ではなく、滞納処分費と先順位債権との比較が判断軸 |
| 滞納者側から動かせるか | 110条:動かせない。買取請求権は認められていない | 109条:買主候補を紹介するなど事実上の働きかけの余地がある 79条:要件該当を主張して解除を求められる、実務上の主戦場 |
| 実務での登場頻度 | 110条:極めて少ない。見積価額を下げた再公売が定石 | 109条:公売不成立後の受け皿として現実的に機能する 79条:無益な差押えの争いとして頻繁に持ち出される |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では公法上の金銭給付義務の執行に強制執行法を準用し、拍売に応買者がないときは債権者の承受または減価・特別拍売で処理する。国庫自身が買主となる明文の規定という形ではない点が日本と異なる
米国連邦税の差押財産の売却では、最高入札額が最低価格(minimum price)に達しない場合、当該財産を合衆国が買い受けたものと宣言できるとされ、国自身が買主となる構造は日本の110条と近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの工場の土地が公売に付されて一件も入札がなかったとしたら、そこで手続は止まるのか? 止まらない。国が見積価額で買い入れる道が条文上は残っている。売却決定と買受代金の納付が済めば所有権は移り、以後その土地は国有財産として管理される。元の所有者に買い戻す権利はない
- あなたは滞納者ではなく、その土地に二番抵当を持つ債権者だ。見積価額が低ければ、配当はあなたのところまで届かない。公売の通知が届いた時点で、その一つの数字がすでに勝負を決めている
- 督促状を三か月放置し、差押えを受け、ついに公売公告が出た。申請による換価の猶予は納付すべき国税の納期限から6か月以内という入口があり、この段階では原則としてその扉は閉じている。残るのは職権による猶予への働きかけと、不服申立てによる換価の停止だ。公告が出てから動く人と、督促状の月に動く人では、選べる手の数が最初から違う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 公売公告と公売通知が届いたら、見積価額と買受代金の納付期限をまず押さえる2. 見積価額の算定根拠(評価方法、占有・借地関係の反映)を税務署に照会し、回答を書面で残す3. 担保権者や共有者なら、その価額で配当がどこまで届くかを試算し、任意売却のほうが回収額が上がるなら滞納者と協議して公売の中止を働きかける4. 争うなら、公売公告から売却決定までの処分に対する不服申立ては買受代金の納付期限までに行う(国税徴収法171条、最新の改正状況をご確認ください)
訴えられた側:1. 納期限から6か月以内なら、申請による換価の猶予(国税徴収法151条の2)をまず検討、公売そのものを止められる可能性がある2. すでに公売公告が出ているなら、不服申立てによる換価の停止(国税通則法105条1項ただし書)が現実的な手になる3. 並行して、財産の価額が滞納処分費と先順位債権の合計を超える見込みがないなら79条による差押えの解除を主張する4. 分割納付を誠実に続けた実績は、猶予の判断で確実に効く
時効(請求できる期限):110条自体に期限はない。動かせる期限は三つ。①申請による換価の猶予は納付すべき国税の納期限から6か月以内(国税徴収法151条の2)②滞納処分に関する不服申立ては処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ公売公告から売却決定までの処分については買受代金の納付期限まで(国税通則法77条、国税徴収法171条)③売却決定と代金納付で所有権は買受人に移り、以後の取消しは実益を失う(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 昭和34年(1959年)現行法制定 現行国税徴収法(昭和34年法律第147号)に置かれた規定。その後の改正履歴は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行国税徴収法(昭和34年法律第147号)の制定に伴い、公売不成立の場合の受け皿として国による買入れの規定が置かれた。その後の改正履歴は人的検証が必要
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