国は、前条第一項第三号の規定に該当する場合において、必要があるときは、同条第二項の規定による見積価額でその財産を買い入れることができる。
要点国税徴収法110条は、公売が不成立となった場合に、必要があるときは国が見積価額でその財産を買い入れることができると定める。滞納者に買取請求権はない。
Q · 公売で誰も買わなかったら、差し押さえられた財産はどうなるの?
国が見積価額で買い入れられる。差押えは自動では解けない
国税徴収法110条により、公売に付しても入札者がない、または入札価額が見積価額に達しないとき(109条1項3号)、国は必要があると認めれば、見積価額でその財産を買い入れることができます。ただし実務での発動例は極めて少なく、通常は見積価額を見直しての再公売が選ばれます。いずれにせよ、売れ残ったことが自動的に差押解除につながるわけではなく、解除が義務となるのは79条の要件を満たす場合に限られます。
差し押さえられた土地が公売に出され、入札はゼロ、あるいは入った札がすべて見積価額に届かなかった。ここで多くの人は「売れなかったのだから、差押えは行き詰まった」と考える。国税徴収法110条はその予想を裏切る。市場が値を付けなかったその財産を、国自身が買い入れることができると定めているからだ。買値は市場が決めた額ではなく、109条2項に基づいて行政側が定めた見積価額である。つまり、債権者である国と、価格を決める税務署長と、買主である国が同じ主体になる場面が、制度としてあらかじめ用意されている。ただし発動できるのは109条1項3号の場合、公売が不成立に終わったときだけで、しかも「必要があるとき」という裁量が挟まる。実務でこの規定が実際に使われる例は極めて少ない。あなたが本当に見るべきなのは、この条文が発動される手前の段階、見積価額がいくらで公告され、換価をどこまで止められるかである。
国税徴収法110条は、国による買入れを定める規定である。公売に付しても入札者がなく、または入札価額が見積価額に達しない場合において、必要があるときは、国が109条2項の見積価額でその差押財産を買い入れることができる。滞納者に買取請求権を認めるものではなく、発動の権限は国の側にのみ属する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
公売に付しても入札者がない、または入札価額が見積価額に達しない場合に、必要があるときは国が見積価額でその財産を買い入れられる制度です。滞納者の側から買取りを請求することはできません。
税務署長が国税徴収法98条に基づき、財産の種類・現況・占有や権利関係を踏まえて決定します。110条による国の買入価格も、この見積価額がそのまま土台になります。
公売公告で公表されるため、公売の前に確認できます。担保権者や共有者は、その価額で配当が自分のところまで届くかを早い段階で試算できます。
国税徴収法79条の要件を満たす場合です。財産の価額が滞納処分費と先順位債権の合計を超える見込みがないときなどに、解除が義務づけられます。売れ残った事実だけでは足りません。
申請による換価の猶予は、納付すべき国税の納期限から6か月以内が入口です(国税徴収法151条の2)。公売公告が出た段階では、原則としてこの扉は閉じています。最新の改正状況をご確認ください。
不服申立てをすると、原則として決定または裁決があるまで換価ができません(国税通則法105条1項ただし書)。公売公告を受け取った日が、実質的に最後の窓口になります。
国有財産として管理され、後日あらためて売却に回ることがあります。元の所有者に買い戻す権利は用意されていません。
売却代金を滞納国税や滞納処分費に充当した後に不足があれば、残額は滞納額として残ります。見積価額の水準が、失う財産と残る債務の両方を同時に決めます。
自動では解けない。国は110条で見積価額による買入れができるし、見積価額を下げて再度公売に付すこともできる。解除が義務になるのは、財産の価額が滞納処分費と先順位債権の合計を超える見込みがなくなったときなど、79条の要件を満たす場合に限られる。業界裏話ヒント:110条の買入れが実際に発動される例は極めて少ない。現場の定石は値を下げての再公売であり、だから「売れ残った」事実は、値下げ交渉より79条の主張材料として使うほうが筋がいい
できない。110条は国の側の権限であり、滞納者に買取請求権を与える規定ではない。要件も109条1項3号、つまり公売に付しても入札者がない、または入札価額が見積価額に達しない場合に限られる。業界裏話ヒント:現実的な出口は、公売より高く売れる任意売却を自分で見つけ、税務署と差押えの解除や配当の段取りを詰めること。公売価格は市場価格を下回りやすく、任意売却のほうが手続後に残る滞納額は小さくなるのが通例だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 発動する主体と場面 | 110条:公売不成立後、国が必要と認めたときに国自身が買主になる | — |
| 価格の決まり方 | 110条:109条2項の見積価額(競争による価格形成なし) | — |
| 滞納者側から動かせるか | 110条:動かせない。買取請求権は認められていない | — |
| 実務での登場頻度 | 110条:極めて少ない。見積価額を下げた再公売が定石 | — |
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