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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

国税徴収法 第90条(換価の制限)

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  1. 果実は成熟した後、蚕は繭となつた後でなければ、換価をすることができない。
  2. 2.前項の規定は、生産工程中における仕掛品(栽培品その他これらに類するものを含む。)で、完成品となり、又は一定の生産過程に達するのでなければ、その価額が著しく低くて通常の取引に適しないものについて準用する。
  3. 3.第二次納税義務者が第三十二条第一項(第二次納税義務の通則)の告知、同条第二項の督促又はこれらに係る国税に関する滞納処分につき訴えを提起したときは、その訴訟の係属する間は、当該国税につき滞納処分による財産の換価をすることができない。保証人が国税通則法第五十二条第二項(担保の処分)の告知、同条第三項の督促若しくはこれらに係る国税に関する滞納処分につき訴えを提起したとき、又は第五十五条第二号(仮登記の権利者に対する差押えの通知)の通知(担保のための仮登記に係るものに限る。)に係る差押えにつき訴えの提起があつたときにおいても、また同様とする。

この条文の基本情報

換価の制限とは何ですか?

定義換価の制限とは、国税徴収法第90条に定められた規定で、「果実は成熟した後、蚕は繭となつた後でなければ、換価をすることができない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 国税徴収法第90条(換価の制限)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
  2. 国税徴収法第90条の条文原文は「果実は成熟した後、蚕は繭となつた後でなければ、換価をすることができない。」で始まります。
  3. 国税徴収法第90条は第一款に置かれています。
  4. 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
  5. 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 国税徴収法第90条の前の条は国税徴収法第89条の4です。
  7. 国税徴収法第90条の次の条は国税徴収法第91条です。
  8. 国税徴収法第90条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第90条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147
  • 本サイト収録国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第90条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/90

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点国税徴収法90条は、果実・蚕・仕掛品の完成前の換価を禁じ、第二次納税義務者や納税保証人が訴えを提起した場合は訴訟係属中の換価を禁じる規定である。差押えの効力自体は止まらない。

Q · 税金を滞納して差し押さえられたら、訴えを起こせば公売は止まるんですか?

本人が訴えても止まりません。止められるのは代わりに払わされる側です

国税徴収法90条3項が換価を止めるのは、第二次納税義務者と納税保証人が告知・督促・滞納処分について訴えを提起した場合に限られます。滞納者本人には適用されず、訴訟段階では行政事件訴訟法25条の執行停止を別に申し立てる必要があります。また1項2項は、果実が成熟する前、蚕が繭になる前、価額が著しく低い仕掛品が完成する前の換価を禁じます。いずれの場合も止まるのは換価だけで、差押えの効力も延滞税の進行も続きます。

解説

差し押さえられた=もう売られる、ではない。国税徴収法90条は、税務署が押さえた財産を換価(公売にかけて現金化すること)できないタイミングを定めている。畑の果実は成熟前、蚕は繭になる前、そして工場や醸造所の仕掛品は完成前。理由は温情ではなく経済合理性で、未熟なまま売れば二束三文にしかならず、国の回収額も滞納者の残る財産も同時に削れるからだ。本命は3項である。第二次納税義務者(他人の会社の税金を追わされる元役員・株主・事業譲受人など)や納税保証人が、その告知・督促・滞納処分について訴えを起こすと、訴訟が続く間、換価は法律上当然に止まる。行政訴訟の世界では、訴えても処分の執行は止まらないのが原則(行政事件訴訟法25条1項)。90条3項は、その原則を法律の側から破っている数少ない条文の一つだ。

法的な位置づけ

国税徴収法90条は換価の制限を定める規定であり、滞納処分により差し押さえた財産のうち、果実は成熟前、蚕は繭となる前、価額が著しく低くて通常の取引に適しない仕掛品は完成前の換価を禁じる。また第二次納税義務者および納税保証人が告知・督促・滞納処分を争う訴えを提起した場合、その訴訟が係属する間は当該国税に係る換価が停止する。差押えの効力自体は存続する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.届いた書面の段階を特定する 書面の名称と日付を確認し、差押調書(差押えの段階)なのか、公売公告・売却決定(換価の段階)なのかを確定する。第二次納税義務の納付通知書・納付催告書であれば、90条3項を使える立場である可能性が高い
  2. 2.本人か第二次納税義務者かを判定する 滞納者本人であれば90条3項は使えないため、換価の猶予または執行停止のルートに切り替える。第二次納税義務者・納税保証人であれば、告知・督促・滞納処分を争う訴えの提起によって、訴訟係属中の換価が止まる
  3. 3.換価の猶予の申請期限を最優先で確認する 実務上最も効くのは訴訟ではなく、国税徴収法151条の2の申請による換価の猶予である。納期限から6か月以内という期限を最初に確認し、財産収支状況書と納付計画を添えて所轄税務署に申請する
  4. 4.審査請求を先に行う(不服申立前置) 処分自体を争う場合、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求を行う(国税通則法77条1項)。係属中は同法105条1項ただし書により原則として換価が止まる。裁決を経ないと取消訴訟は原則提起できない
  5. 5.裁決後に訴えを提起し、換価停止を継投させる 裁決があったことを知った日から6か月以内に取消訴訟を提起する(行政事件訴訟法14条1項)。第二次納税義務者・納税保証人であれば、提起と同時に90条3項により訴訟係属中の換価が停止する。停止に切れ目がないことを書面で徴収担当に示す

よくある質問 AI による整理

Q1換価の制限とは何ですか?

差し押さえた財産を公売等で現金化する手続を、一定の場合に法律上できなくする仕組みです。国税徴収法90条が根拠で、財産の未完成状態と、第二次納税義務者等の訴訟係属の二つの場面を定めています。

Q2差押えと換価は何が違うのですか?

差押えは処分を禁じて財産を確保する段階、換価は公売等で現金化する段階です。90条が止めるのは換価だけなので、差押えの効力は残り、登記や口座の凍結状態も続きます。

Q3国税徴収法90条3項でいつまで換価が止まりますか?

訴訟が係属している間だけです。本条に固有の期間の定めはなく、判決が確定して訴訟が終われば制限は解けます。訴えの取下げや却下でも同様に制限が外れます。

Q4滞納した本人が訴えれば公売は止まりますか?

止まりません。90条3項の対象は第二次納税義務者と納税保証人に限られます。本人が止めるには、国税徴収法151条の2の換価の猶予か、行政事件訴訟法25条の執行停止の申立てが必要です。

Q5仕掛品は差し押さえられても公売できないのですか?

完成品または一定の生産過程に達する前で、価額が著しく低くて通常の取引に適しないものは換価できません(90条2項)。栽培品その他これらに類するものも含まれます。

Q6不服申立ての段階でも公売は止まりますか?

国税通則法105条1項ただし書により、不服申立てが係属している間は原則として換価ができません。90条3項の訴訟段階の制限は、この前段階から続く流れの後半にあたります。

Q7換価が止まっている間、延滞税も止まりますか?

止まりません。90条が制限するのは換価だけで、延滞税は納期限の翌日から積み上がり続けます。訴訟が長引くほど、敗訴したときの残高は増えます。

Q8換価の猶予はいつまでに申請すればいいですか?

申請による換価の猶予(国税徴収法151条の2)は、納期限から6か月以内の申請が必要です。この期限を過ぎると、税務署長の職権による猶予(151条)を願い出るしかなくなります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1差し押さえられた家って、いつ売られちゃうんですか?

差押えと換価は別段階で、換価には複数のブレーキがあります。90条は果実・蚕・仕掛品の完成前換価を禁じ、3項は第二次納税義務者と保証人の訴訟中の換価を禁じ、不服申立て中は国税通則法105条1項ただし書が原則として換価を止めます。実務のポイント:現実に最も効くのは訴訟ではなく、国税徴収法151条の2の申請による換価の猶予です。納期限から6か月以内という申請期限があり、そこを過ぎると職権の猶予(151条)を願い出るしかなくなる

Q2会社の税金なのに、なんで辞めた役員の私に督促が来るんですか?

第二次納税義務です。無償譲受人、同族会社の判定基礎となった株主、事業譲受人などの類型が国税徴収法32条以下に法定されています。告知・督促・滞納処分は争うことができ、訴訟が係属している間は90条3項で換価が止まります。実務のポイント:第二次納税義務者の財産の換価は、原則として主たる納税者の財産を換価に付した後でなければできません(32条4項)。本体の財産がまだ売られていないと指摘するだけで、順番違いの公売を止められる場面がある

間違えやすい点 AI による整理

  • 「差し押さえられたら、あとは順番に売られていくだけ」と思われているが、差押えと換価は別々の段階で、それぞれに別のブレーキがある。90条は果実・蚕・仕掛品の完成前換価を禁じ、3項は第二次納税義務者・保証人の訴訟係属中の換価を禁じる。さらに不服申立ての段階では国税通則法105条1項ただし書が原則として換価を止める
  • 換価が止まることを知っている人でも、止まるのが換価「だけ」であることの重さを見落としている。差押えの効力は続き、延滞税は納期限の翌日から積み上がり続ける(割合は年ごとに告示で変動、最新の改正状況をご確認ください)。訴訟が二年続けば、負けたときの残高は始めた日より確実に増えている
  • 「訴えれば止まるなら、まず訴えよう」という問いの立て方そのものが誤っている。国税に関する処分の取消訴訟は原則として審査請求の裁決を経た後でなければ提起できない(国税通則法115条1項、不服申立前置)。止めるボタンは、順番を守った者の前にしか現れない
比較の観点この条文ほかの条文
止まる対象国税徴収法90条:換価(公売・売却)のみ。差押えの効力と延滞税は継続国税徴収法151条の2:換価に加え、差押えの猶予・解除も検討対象になる
国税通則法105条1項ただし書:不服申立て係属中の換価
使える人第二次納税義務者・納税保証人のみ(1項2項の財産制限は財産の性質による)滞納者本人が申請できる
不服申立てをした者(本人を含む)
発動の仕方訴えの提起により法律上当然に停止(別途の申立て不要)納期限から6か月以内の申請+税務署長の判断が必要
不服申立ての係属により原則として停止
終わり方訴訟の係属が終われば制限は解ける(判決確定・取下げ等)猶予期間の満了、または猶予の取消し
裁決・決定により不服申立てが終了した時点

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
税捐稽徴法第39条、行政執行法第26条

台湾は納税義務者が復査・訴願を行っても原則として執行に移送されるが、税額の一部納付または担保提供により移送を暫緩できる。日本のように訴え提起で当然に換価が止まる構成ではなく、金銭的条件を課す点が異なる

韓国
韓国国税徴収法(국세징수법)および国税基本法の不服手続規定

韓国も公売手続と不服手続の関係を法定するが、換価停止が誰に及ぶかの具体的な条番号は要確認。日本の90条3項のような第二次納税義務者・保証人限定の構成と同一かは検証が必要

ドイツ
AO § 258(einstweilige Einstellung der Vollstreckung)、§ 361(Aussetzung der Vollziehung)

ドイツは執行機関の裁量による執行の一時停止と、不服申立てに伴う執行停止を区別する。日本の90条3項が訴え提起により法律上当然に停止する点と比べ、行政庁または裁判所の判断を経る構造である

アメリカ
IRC § 6330(Collection Due Process)

米国は徴収前の CDP 聴聞請求により levy が停止し、租税裁判所での審査中も停止が続く。滞納者本人が使える停止ボタンがある点で、本人に90条3項が及ばない日本と対照的である

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 親の会社の株を名義だけ持っていたら、ある日「納付通知書」が届いた。第二次納税義務の告知である。指定された期限まで残り20日。ここで何を選ぶかで、自宅の登記が他人名義になる日が決まる。争うなら審査請求が先で、その裁決を経てからの訴え提起で初めて90条3項の換価停止が働く。順番を間違えた三週間は取り戻せない
  • 苗木農家として三年育てた苗を差し押さえられた。それでも出荷サイズに育つまで公売はできない(90条2項)。差押えの効力は効いたまま、水をやり続けるのはあなたである
  • もし、会社の税金の納税保証人として印鑑を押していたとしたら? 会社が飛んだ後、督促はあなたに来る。国税通則法52条の告知や督促を争って訴えを起こせば、90条3項後段で自宅の換価は止まる。ただし止まるのは換価だけで、差押えの効力も、日々積み上がる延滞税も止まらない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 届いた書面の名称と日付を特定し、差押えの段階か換価の段階かを確定する2. 換価を止める本命は訴訟ではなく国税徴収法151条の2の申請による換価の猶予で、納期限から6か月以内という申請期限を最優先で確認3. 処分自体を争うなら処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(国税通則法77条1項)、係属中は同法105条1項ただし書で換価は原則止まる4. 滞納者本人に90条3項は使えないため、訴訟段階では行政事件訴訟法25条の執行停止を別に申し立てる

訴えられた側:1. 告知書の根拠が国税徴収法32条か国税通則法52条かを特定し、自分がどの類型で追及されているかを確認する2. 主たる納税者の財産が換価済みかを問い合わせる。未了なら32条4項の補充性により、あなたの財産の換価は原則できない3. 争うならまず審査請求、裁決後の訴え提起で90条3項が働き係属中の換価が止まる4. 訴訟中も延滞税は進むため、猶予の申請と並行させる

時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間の定めはなく、換価が止まるのは訴訟が係属している間に限られる(判決確定で制限は解ける)。実際に効くのは手前の期限で、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(国税通則法77条1項)、取消訴訟は裁決を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)。換価の猶予の申請は納期限から6か月以内(国税徴収法151条の2)

学説

通説:90条1項2項は換価価値が未成熟な財産の廉価売却を避ける経済的合理性に基づく制限であり、3項は義務の存否を争う手続が係属する間の不可逆的処分を避ける手続保障に基づく制限であって、両者は趣旨を異にすると理解されている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 新設:明治30年法律第21号の旧国税徴収法を全部改正し、昭和34年法律第147号として現行国税徴収法が制定された際に、換価の制限として本条が置かれた

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国税徴収法の全文を見る所属する編章節を開く:第一款

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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