国税徴収法 第91条(自動車等の換価前の占有)
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自動車、建設機械又は小型船舶の換価は、徴収職員が第七十一条第三項(差し押さえた自動車等の占有)の規定によりこれらを占有した後に行うものとする。ただし、換価に支障がないと認められるときは、この限りでない。
この条文の基本情報
自動車等の換価前の占有とは何ですか?
定義自動車等の換価前の占有とは、国税徴収法第91条に定められた規定で、「自動車、建設機械又は小型船舶の換価は、徴収職員が第七十一条第三項(差し押さえた自動車等の占有)の規定によりこれらを占有した後に行うものとする。ただし、換価に支障…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第91条(自動車等の換価前の占有)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第91条の条文原文は「自動車、建設機械又は小型船舶の換価は、徴収職員が第七十一条第三項(差し押さえた自動車等の占有)の規定によりこれらを占有した後に行うものとする。ただし、換価に支障…」で始まります。
- 国税徴収法第91条は第一款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第91条の前の条は国税徴収法第90条です。
- 国税徴収法第91条の次の条は国税徴収法第92条です。
- 国税徴収法第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第91条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法91条は、自動車・建設機械・小型船舶の換価は徴収職員が現物を占有した後に行うと定める。ただし換価に支障がないと認められるときは、占有せずに換価できる。
Q · 差し押さえられた車は、いつ実際に持って行かれるんですか?
占有された日が公売カウントダウンの開始です
国税徴収法91条は、自動車・建設機械・小型船舶を公売で換価するには、徴収職員が71条3項により先に現物を占有していることを原則とすると定めます。登録による差押えだけの段階では車に乗り続けられますが、タイヤロックの装着や引揚げが行われた時点で、手続は書類上の差押えから現実の売却へ切り替わります。ただし、引渡しが確実で換価に支障がないと認められる場合は、占有せずに換価することができます。
解説
「車を差し押さえられた」と聞いて、すぐレッカーで持って行かれる絵が浮かぶなら、順序が逆である。自動車、建設機械、小型船舶の差押えは、登録簿に差押えを書き込むだけで完了する(国税徴収法71条)。あなたは翌朝も同じ車で通勤できる。売れなくなるだけだ。ところが91条は、その先に一段階を挟んだ。公売にかけて現金に換える(換価する)には、徴収職員が先に現物を押さえていなければならない、と定めている。つまり、タイヤロックが装着された日、あるいは引き揚げに来た日こそが、書類上の差押えから現実の売却へ切り替わる合図である。裏を返せば、それまで車はあなたの手元にある。この時間差を知っているかどうかで、換価の猶予(151条の2)を申請できる残り時間の読み方が変わる。
法的な位置づけ
国税徴収法91条は、登録により差し押さえられた自動車、建設機械及び小型船舶の換価について、徴収職員が同法71条3項の規定によりこれらを占有した後に行うことを原則とする規定である。公売における買受人への確実な引渡しを担保する趣旨であり、換価に支障がないと認められる場合には占有を要しないとの例外が置かれている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.差押調書を受け取ったら日付と財産の特定を確認 差押調書の交付日、対象財産(登録番号・車台番号・機械番号)、根拠条文を確認する。まだ公売公告が出ていなければ、猶予交渉と任意売却の余地が残っている段階である
- 2.所有関係を洗い出し、他人の財産なら直ちに疎明 車検証の所有者欄、リース契約書、所有権留保特約を確認する。滞納者の財産でない場合は、契約書の写しを添えて徴収職員に書面で疎明し差押えの解除を求める。占有前に動くことが鉄則である
- 3.占有される前に換価の猶予を申請する 一時の納付で事業継続または生活維持が困難になる事情を、収支明細・資金繰り表・分割納付計画で具体的に示して申請する(151条の2)。占有には保管場所と費用がかかるため、徴収側にも回避の動機がある
- 4.任意売却案を市場価格の根拠付きで提示する 公売の見積価額は市場相場を下回ることが多い。買取査定書や中古市場の相場資料を添え、任意売却で得た代金を納付に充てる案を提示すると、徴収側の回収額も増えるため検討されやすい
- 5.占有されたら公売公告までの日数で行動を切り替える タイヤロック装着や引揚げが行われたら、公売の段取りは固まっている。公売公告は公売の日の少なくとも10日前(95条)であり、完納による公売中止、不服申立てによる換価の制限(90条)のどちらを取るかを即断する
よくある質問 AI による整理
Q1国税徴収法91条とは何ですか?
自動車・建設機械・小型船舶を公売で売却するには、徴収職員が先に現物を占有していることを原則とする規定です。占有が換価の前提条件になります。
Q2差押えの登録がされた車は売却できますか?
できません。差押えの登録が入ると譲渡も担保設定も封じられ、下取りや任意売却の道が閉ざされます。使用だけは占有されるまで続けられます。
Q3差押えから公売までの流れは?
登録による差押え(71条)→ 徴収職員による占有(71条3項・91条)→ 公売公告(95条、公売の日の10日前まで)→ 公売・売却決定という順に進みます。
Q4換価の猶予は誰でも申請できますか?
一時の納付で事業継続や生活維持が困難になる事情があり、納税に誠実な意思が認められる場合に申請できます(151条の2)。収支明細と分割計画の添付が実務上不可欠です。
Q5自動車税や国民健康保険料の滞納でも同じですか?
同じです。地方税法331条などが滞納処分は国税徴収法の例によると定めるため、自治体の徴収職員にも91条の占有ルールがそのまま適用されます。
Q6建設機械を差し押さえられたらどうなりますか?
登録段階では稼働を続けられますが、占有されると現場が止まり売上と納税原資が同時に消えます。占有前に稼働計画と収支を数字で示す交渉が要になります。
Q7公売は途中で止められますか?
公売期日までに完納すれば公売は中止されます。滞納処分に関する不服申立てを適法に行えば、原則としてその判断が出るまで換価が制限されます(90条)。
Q8ローン中の車も差押えの対象になりますか?
所有権留保でディーラーや信販会社の名義なら、滞納者の財産ではなく差押え自体が失当です。車検証の所有者欄と契約書で所有関係を疎明してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1差し押さえられた車、まだ乗っててもいいんですか?
登録による差押えだけの段階なら、使用は続けられる(国税徴収法71条)。禁じられるのは譲渡や担保設定である。徴収職員が71条3項で占有した後は当然使えず、91条はその占有を換価の前提としている。実務のポイント:占有には保管場所と費用がかかるため、徴収側は買受けの見込みが立つまで占有を後回しにすることが多い。つまり占有された日は、公売の段取りがすでに固まった日だと読める。
Q2ただし書の「換価に支障がないと認められるとき」って、どういう場合ですか?
買受人への引渡しが確実に見込める状況を指す。第三者が保管していて引渡しの確約がある場合や、所在と現況が確定していて滅失や隠匿のおそれがない場合などが典型である。ただし、どこまでを支障なしと見るかは事案ごとの判断で、実務上も解釈に幅がある。実務のポイント:占有されないまま公売公告が出るケースは、この但書が使われている可能性が高い。買受けを検討するなら、現況の確認方法を事前に公売担当へ問い合わせるべきである。
間違えやすい点 AI による整理
- 「差押え=その場で持って行かれる」と思われているが、自動車等は登録による差押えが原則で、占有は換価の直前に行われる別の手続である(71条3項、91条)。差押調書が届いた日と車が消える日の間には、通常まとまった時間がある
- 「乗り続けられるなら実害は小さい」と考える人は、深刻度を読み違えている。差押えの登録が入った車は譲渡も下取りもできない。自分で買い手を探して市場価格で任意売却し、その代金を納税に充てるという最も損の少ない出口が、その瞬間に閉ざされる。公売の見積価額は市場相場を下回ることが多く、放置するほど回収額が減り、残る滞納額が膨らむ
- 「いつ持って行かれるのか」を気にし続けるのは、問いの立て方が誤っている。占有の日は結果にすぎない。決めるべきは、公売公告が出る前に換価の猶予(151条の2)を申請するのか、不服申立てで換価の制限(90条)を働かせるのか、それとも任意売却を認めてもらえるよう交渉するのか、という三択である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続段階 | 91条:換価(公売)の直前、占有が売却の前提条件 | 71条:差押えの段階、登録により効力発生 95条:公売公告の段階、公売の日の10日前まで |
| 滞納者への影響 | 占有により使用不能、現場稼働も停止 | 使用は継続可、譲渡・担保設定のみ禁止 買受希望者に情報が公開され、事実上の期限が確定 |
| 例外の有無 | 換価に支障がないと認められるときは占有不要(但書) | 運行等を認める必要があるときは占有しないことができる 公売の性質上、短縮は限定的 |
| 滞納者側の対抗手段 | 換価の猶予(151条の2)、換価の制限(90条)、完納による中止 | 所有関係の疎明による差押解除、超過差押えの主張 公売期日までの完納、買受人選定前の交渉 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公法上の金銭給付義務の執行に強制執行法を準用し、動産は査封と拍売の二段構えで進む。自動車について登録差押えと現実の占有を条文上分離する日本型の規律とは構成が異なる
韓国も国税徴収法により압류(差押え)と매각(売却)を段階的に規律する。日本法の影響を受けた条文構成を持つとされるが、自動車等の占有要件の具体的な条番号は個別確認を要する
ドイツは租税手続法である Abgabenordnung が動産の差押えと換価を規律し、動産執行では原則として執行官の占有(Inbesitznahme)が前提となる点で本条と発想が近い
米国は IRS の levy による差押えと seizure の後、売却の告知を経て公売に至る。現物の押収(seizure)が売却の前提となる点は本条と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし月曜の朝、駐車場に行ったらタイヤに黄色い金具が食い込んでいたら? それは嫌がらせでも予告でもなく、91条が要求する占有が完了したという意味である。ここから公売公告まで一気に進む。公売公告は公売の日の少なくとも10日前(95条)なので、あなたに残された実質的な交渉期間は数週間しかない。この段階で分割納付の話を持ち込んでも、徴収職員はすでに買受人の見込みを立てている
- 信販会社の担当者に電話が入る。「お客様名義の車が差押えを受けています」。所有権留保でディーラー名義のままの車なら、そもそも滞納者の財産ではなく、慌てるのはあなたではなく相手方である
- あなたが公売で相場より安く軽トラックを落札した側だとする。代金を納付したのに現物が滞納者の車庫にあり、鍵も渡されない。そんな事態を防ぐために91条は存在する。徴収職員が先に占有していれば、買受人は確実に引渡しを受けられる。落札前に「現況は占有済みか」を確認する買受人と、しない買受人では、トラブル発生率がまるで違う
取るべき行動
被害を受けた側:車の実質的な所有者が自分(ローン会社、リース会社、共有者、家族名義の実務上の所有者)である場合、まず車検証と契約書で所有者欄を確認する。滞納者の財産でないなら差押え自体が失当であり、徴収職員に書面で所有関係を疎明し、差押えの解除を求める。所有権留保やリースであれば契約書の写しを直ちに提出する。占有されてしまうと引き揚げ費用と保管費用が発生し、回復しても損失が残るため、動くのは占有前が鉄則である。
訴えられた側:1. 差押調書を受け取ったら日付を確認し、公売公告がまだなら猶予交渉の余地がある2. 一時に納付すると事業継続が困難になる事情があるなら、換価の猶予(151条の2)を申請、収支明細と分割計画を添える3. 任意売却で市場価格に近い代金を納付に充てる案を提示する、公売の見積価額より高く売れるなら徴収側にも利益がある4. 事業用の建設機械なら、稼働停止が納税原資を消すことを数字で示す5. 占有された後でも、公売期日までに完納すれば公売は中止される。
時効(請求できる期限):換価の猶予の申請は、原則として納付すべき国税の納期限から6か月以内(国税徴収法151条の2、最新の改正状況をご確認ください)。公売公告は公売の日の少なくとも10日前(95条)で、公告が出た時点で準備期間は10日程度しか残らない。滞納処分に関する不服申立ては処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。本条自体に固有の期間制限はない。
学説
趣旨に関する一般的理解:本条は、登録による差押えでは現物が滞納者の手元に残るため、そのまま公売すると買受人が代金を納付しても引渡しを受けられない危険を負い、入札が集まらず売却価額が下落することを避ける趣旨と理解されている。但書は引渡しが確実な事案で無用な占有を強いないための調整弁である
改正沿革 AI による整理
- 小型船舶登録制度の創設に伴う整備(年次要確認) 小型船舶の登録制度が設けられた際に、登録により差押え可能な財産として小型船舶が本条および71条の対象に加えられたと解されるが、改正年次と改正内容の確定には人的検証が必要である
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