国税徴収法 第71条(自動車、建設機械又は小型船舶の差押え)
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- 道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)の規定により登録を受けた自動車(以下「自動車」という。)、建設機械抵当法(昭和二十九年法律第九十七号)の規定により登記を受けた建設機械(以下「建設機械」という。)又は小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)の規定により登録を受けた小型船舶(以下「小型船舶」という。)の差押えについては、第六十八条第一項から第四項まで(不動産の差押えの手続及び効力発生時期)の規定を準用する。
- 2.前条第三項及び第四項の規定は、自動車、建設機械又は小型船舶の差押えについて準用する。
- 3.税務署長は、自動車、建設機械又は小型船舶を差し押さえた場合には、滞納者に対し、これらの引渡しを命じ、徴収職員にこれらの占有をさせることができる。
- 4.第五十六条第一項(動産等の差押手続)、第五十八条(第三者が占有する動産等の差押手続)及び第五十九条(引渡命令を受けた第三者等の権利の保護)の規定は、前項の規定により徴収職員に自動車、建設機械又は小型船舶を占有させる場合について準用する。
- 5.徴収職員は、第三項の規定により占有する自動車、建設機械又は小型船舶を滞納者又はこれらを占有する第三者に保管させることができる。この場合においては、封印その他の公示方法によりその自動車、建設機械又は小型船舶が徴収職員の占有に係る旨を明らかにしなければならないものとし、また、次項の規定により自動車の運行、建設機械の使用又は小型船舶の航行を許可する場合を除き、これらの運行、使用又は航行をさせないための適当な措置を講じなければならない。
- 6.徴収職員は、第三項又は前項の規定により占有し、又は保管させた自動車、建設機械又は小型船舶につき営業上の必要その他相当の理由があるときは、滞納者並びにこれらにつき交付要求をした者及び抵当権その他の権利を有する者の申立てにより、その運行、使用又は航行を許可することができる。
この条文の基本情報
自動車、建設機械又は小型船舶の差押えとは何ですか?
定義自動車、建設機械又は小型船舶の差押えとは、国税徴収法第71条に定められた規定で、「道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)の規定により登録を受けた自動車(以下「自動車」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第71条(自動車、建設機械又は小型船舶の差押え)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第71条の条文原文は「道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)の規定により登録を受けた自動車(以下「自動車」という。」で始まります。
- 国税徴収法第71条は第四款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第71条の前の条は国税徴収法第70条です。
- 国税徴収法第71条の次の条は国税徴収法第72条です。
- 国税徴収法第71条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第71条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第71条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/71
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法71条は、登録自動車・建設機械・小型船舶の差押えに不動産の手続を準用し、効力は差押書の送達時に生じると定める。営業上の必要があれば運行許可を受けられる。
Q · 差し押さえられて封印が貼られた社用車、もう二度と動かせないんですか?
封印されても、6項の運行許可を申し立てれば動かせる
国税徴収法71条により、登録自動車・建設機械・小型船舶の差押えには不動産の手続が準用され、差押えの効力は差押書が滞納者に送達された時に生じます。税務署長は引渡しを命じて徴収職員に占有させることができ(3項)、封印などの公示方法で運行を止める措置も取られます(5項)。ただし6項により、営業上の必要その他相当の理由があるときは、滞納者だけでなく交付要求をした者や抵当権者の申立てによっても、運行・使用・航行の許可を受けることができます。
解説
社用車のフロントガラスに封印が貼られた朝、その車は動かせなくなる。国税徴収法71条は、登録済みの自動車、登記された建設機械、登録された小型船舶を、不動産と同じ手続(68条1項から4項)で差し押さえられると定める。つまり差押えの効力は登録簿に記載された日ではなく、差押書があなたに届いた瞬間に生じる。役所が登録を入れるのはその後だ。さらに税務署長は引渡しを命じ、徴収職員に現物を占有させることができる(3項)。だが、この条文の本当の使いどころは後半にある。5項では徴収職員があなた自身や第三者に保管させることができ、6項では「営業上の必要その他相当の理由」があるとき、運行・使用・航行の許可を出せる。タクシー、配送トラック、現場のバックホー、漁船。稼ぐ道具を止めれば滞納は膨らむだけで、徴収する側にも得がない。しかもこの許可を申し立てられるのは滞納者だけではなく、交付要求をした者や抵当権者も含まれる。
法的な位置づけ
国税徴収法71条は、登録自動車、登記された建設機械および登録された小型船舶の差押手続を定める規定である。これらは不動産の差押手続(同法68条1項から4項)を準用し、差押えの効力は差押書の送達により生じる。税務署長は引渡しを命じて徴収職員に占有させることができ、営業上の必要その他相当の理由があるときは運行、使用または航行が許可される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.差押書の送達日を確認する 封印を見つけたら、まず差押書がいつ送達されたかを確認する。68条の準用により効力はこの日に発生しており、以後の売却・名義変更は無効になりうる。送達日は不服申立ての起算点にも直結する
- 2.封印には絶対に手を触れず、無断運行しない 5項により封印等は徴収職員の占有を公示するものであり、無断で動かせば刑法96条の封印等破棄罪の領域に入る。滞納という金銭の問題を刑事の問題に転化させない。動かす必要があるなら順序は逆で、先に許可を取る
- 3.6項の運行許可を数字で申し立てる 「営業上の必要その他相当の理由」を抽象的に訴えず、その車両の月間売上、契約先、代替手段がないこと、生まれた売上をどう納付に充てるかを一枚にまとめて申し立てる。徴収側の回収見込みが上がる提案の形にする
- 4.抵当権者・交付要求者にも申立てを依頼する 6項の申立権者には交付要求をした者と抵当権その他の権利を有する者が含まれる。建設機械の抵当権を持つリース会社やメーカーに一報を入れれば、担保価値の毀損を嫌う彼らが自ら申立てを出す。頼む相手は一人ではない
- 5.納税の猶予・換価の猶予と分納協議をセットで出す 運行許可だけを求めるのではなく、国税通則法46条の納税の猶予・換価の猶予の検討と分納計画を同時に提示する。稼働継続と納付原資の確保が一体であることを示すと、担当者の判断材料が揃う
- 6.処分に不服があれば期間内に審査請求する 差押処分そのものに不服がある場合は、処分があったことを知った日の翌日から所定の期間内に審査請求を行う。期間を切らすと争えなくなるため、運行許可の交渉と並行して期限管理をする
よくある質問 AI による整理
Q1国税徴収法71条とは何ですか?
登録自動車、登記された建設機械、登録された小型船舶の差押手続を定める規定です。不動産の差押手続(68条1項から4項)を準用し、税務署長は引渡しを命じて徴収職員に占有させることができます。
Q2車の差押えはいつ効力が生じますか?
68条の準用により、差押書が滞納者に送達された時に効力が生じます。登録簿への記載は第三者に対抗するための手続であり、効力発生の要件ではありません。送達を受けた時点で売却や名義変更はできなくなります。
Q3運行許可の申立ては誰ができますか?
6項により、滞納者本人のほか、その財産について交付要求をした者、抵当権その他の権利を有する者が申し立てられます。リース会社や信販会社など担保権者からの申立ても可能です。
Q4軽自動車も71条で差し押さえられますか?
軽自動車は道路運送車両法上の登録ではなく届出の制度のため、71条の対象外です。動産として56条以下の手続で差し押さえられます。同じ四輪でも手続と公示方法が異なります。
Q5ローンやリース中の車は差し押さえられますか?
所有権留保やリースで登録名義が信販会社・ディーラーのままなら、その車自体は滞納者の財産ではないため71条の差押えは及びません。実務上は滞納者側の契約上の権利が対象になります。
Q6封印された車はどこに置かれますか?
5項により、徴収職員は滞納者本人または現に占有する第三者に保管させることができます。この場合は封印その他の公示方法で徴収職員の占有下にある旨を明示し、運行させない措置が講じられます。
Q7差押えを解除してもらう方法はありますか?
滞納額を完納すれば差押えは解除されます(79条)。完納が難しい場合は国税通則法46条の納税の猶予や換価の猶予を申請し、分納計画とあわせて協議するのが実務上の道筋です。
Q8建設機械や漁船も同じ扱いですか?
建設機械抵当法により登記を受けた建設機械、小型船舶の登録等に関する法律により登録を受けた小型船舶は、自動車と同じく71条の対象です。使用・航行の許可も6項で同様に申し立てられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1差し押さえられた社用車、こっそり乗ったらどうなりますか?
5項により、徴収職員は封印などの公示方法で徴収職員の占有下にある旨を明らかにし、運行させないための措置を講じます。これを無視して動かせば、滞納という金銭の話が刑法96条の封印等破棄罪という刑事の話に変わります。動かす必要があるなら、6項の運行許可が唯一の正規ルートです。実務のポイント:許可の判断材料は「営業上の必要その他相当の理由」。抽象的に頼むのではなく、その車が月いくら稼ぎ、その売上をどう納付に充てるかを数字で書いた申立書にする。徴収側の回収見込みが上がる提案になるからだ
Q2一度差し押さえられたら、もう戻ってこないんですか?
差押えは換価(公売など)に至るまでの保全段階にすぎません。滞納額を完納すれば差押えは解除されますし(国税徴収法79条)、5項により滞納者本人や第三者に保管させる扱いも認められているため、現物が手元に残ったまま進む例は珍しくありません。実務のポイント:自動車や建設機械は公売価格が実勢より大きく下がりやすく、徴収側も現金化の効率が悪いことを知っている。だから稼働を続けて分納するという提案は、情に訴える話ではなく、徴収側にとっても合理的な選択肢として検討される
間違えやすい点 AI による整理
- 「差押えは登録簿に記載された時点で効力が出る」と考えて登録事項証明書を毎日確認する人がいるが、問いの立て方そのものがずれている。68条の準用により、効力は差押書が滞納者に送達された時に生じる。登録は第三者に対抗するための手当てにすぎない。送達を受け取った時点で、あなたはもうその車を売れない
- 自分の車が差押えの対象になることは知っていても、その車を第三者が持っている場面まで想定している人は少ない。整備工場、リース先、家族名義の駐車場。58条の準用により第三者占有でも手続は進み、59条の準用で第三者側の権利保護の枠組みが用意されている。深刻なのは、この枠組みを知らない第三者が、何も主張しないまま引き渡してしまうことだ
- あなたから見れば「まだ普通に走る自分の車」だが、封印が貼られた瞬間、法律から見ればそれは徴収職員の占有下にある物件になる。この落差が一番危ない。許可なく運行すれば、滞納という金銭の問題が、刑法96条の封印等破棄罪という刑事の問題に化ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象財産 | 71条:登録自動車・登記建設機械・登録小型船舶 | 68条:不動産(土地・建物) 70条:船舶・航空機 |
| 手続の準用関係 | 68条1項〜4項を準用、さらに70条3項・4項も準用 | 本体規定(差押手続と効力発生時期の原型) 68条を準用しつつ、監守・保存の措置を独自に規定 |
| 効力発生時期 | 差押書が滞納者に送達された時(68条準用) | 差押書が滞納者に送達された時 差押書が滞納者に送達された時 |
| 使用・稼働の余地 | 6項:営業上の必要等があれば運行・使用・航行の許可あり | 原則として使用収益は継続(占有移転を伴わない) 監守・保存の措置が中心、運航の停止を伴いやすい |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾では公法上の金銭債務の強制執行を法務部行政執行署が担い、車両は動産執行として扱われる。公路監理システムでの査封登記により処分を封じる点で、日本の登録嘱託と機能が近い
韓国も自動車・建設機械・小型船舶の差押えを不動産の手続に準じて処理し、登録原簿への嘱託で公示する構造を採る
中国では税務機関が自ら税収保全措置と強制執行措置を行い、車両の差押え・封印も行政機関の権限として完結する。裁判所を経由しない点は日本の滞納処分と同型
ドイツでは自動車は bewegliche Sachen として動産執行の枠組みで押さえられ、日本のように登録財産を不動産手続に準用する構成は採らない
米国では IRS が levy により裁判所の関与なく自動車等を差し押さえられる。稼働継続を認める仕組みは条文ではなく IRS の economic hardship 判断や分納合意の運用で処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 明日の朝いちで納品があるのに、今日の夕方トラックに封印が貼られたらどうする? 6項の運行許可は、こちらから申し立てなければ出ない。夜のうちに、その運行がなぜ営業上必要かと、生まれた売上をどう納付に回すかを一枚にまとめる。
- あなたは整備工場の経営者で、預かっている顧客の車に徴収職員がやってきた。第三者が占有していても、58条の準用により差押えの手続は進む。ここであなたが立てるべき旗は59条準用の権利保護であり、預り中の修理代金をどう扱うかだ。引渡しに応じる前に、留置権の主張と費用の清算を書面に残しておかないと、車も代金も同時に手元から消える
- 建設会社の資金繰りが詰まり、現場のバックホーに封印が貼られた。5項により保管者が滞納者自身になることは珍しくないが、封印されたまま無断で動かせば刑法96条の封印等破棄罪の領域に踏み込む。動かしたいなら順序は逆で、先に6項の許可を取る。抵当権を持つリース会社も申立権者だと知っていれば、頭を下げる相手は一人ではなくなる
取るべき行動
被害を受けた側:巻き込まれた第三者(整備工場、保管業者、抵当権者、リース会社)の側なら、1. 引渡命令を受けたらその場で応じず、59条準用による権利保護の主張を書面化する2. 留置権、修理代金債権、賃借権など自分の権利を、契約書と作業記録で裏付ける3. 抵当権者であれば、担保価値が落ちる前に6項の運行許可を自ら申し立てる。滞納者からの依頼を待つ必要はない4. 所有権が自社にある留保車両なら、そもそも差押対象外である旨を登録事項証明書で示す
訴えられた側:滞納者の側なら、1. 差押書の送達日を確認する。効力はこの日に発生しており、以後の売却や名義変更は無効になりうる2. 封印を絶対に無視しない。無断運行は刑法96条の問題に転化する3. 6項の運行許可を、営業上の必要(月間売上、契約先、代替手段がないこと)を数字で書いた申立書で求める4. 同時に国税通則法46条の納税の猶予、換価の猶予を検討し、分納計画をセットで提示する5. 処分に不服があれば審査請求の期間を切らさない
時効(請求できる期限):差押え自体に特定の時効はないが、国税の徴収権は法定納期限の翌日から5年で時効消滅する(国税通則法72条)。ただし差押えにより時効は更新されるため、放置しても消えると考えるのは誤り。差押処分に不服がある場合の審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(国税通則法77条、最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国税徴収法の全部改正により制定。登録自動車および登記された建設機械の差押えを、不動産の差押手続を準用して処理する枠組みを定めた
- 2.平成13年(2001年)以降 改正:小型船舶の登録等に関する法律(平成13年法律第102号)の制定に伴い、同法により登録を受けた小型船舶が本条の対象に加えられた
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