国税徴収法 第70条(船舶又は航空機の差押え)
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- 登記される船舶(以下「船舶」という。)又は航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)の規定により登録を受けた飛行機若しくは回転翼航空機(以下「航空機」という。)の差押えについては、第六十八条第一項から第四項まで(不動産の差押えの手続及び効力発生時期)の規定を準用する。
- 2.税務署長は、滞納処分のため必要があるときは、船舶又は航空機を一時停泊させることができる。ただし、航行中の船舶又は航空機については、この限りでない。
- 3.徴収職員は、滞納処分のため必要があるときは、船舶又は航空機の監守及び保存のため必要な処分をすることができる。
- 4.前項の処分が差押書の送達前にされた場合には、第一項において準用する第六十八条第二項の規定にかかわらず、その処分をした時に差押えの効力が生ずる。
- 5.税務署長は、停泊中の船舶若しくは航空機を差し押さえた場合又は第二項の規定により船舶若しくは航空機を停泊させた場合において、営業上の必要その他相当の理由があるときは、滞納者並びにこれらにつき交付要求をした者及び抵当権その他の権利を有する者の申立てにより、航行を許可することができる。
この条文の基本情報
船舶又は航空機の差押えとは何ですか?
定義船舶又は航空機の差押えとは、国税徴収法第70条に定められた規定で、「登記される船舶(以下「船舶」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第70条(船舶又は航空機の差押え)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第70条の条文原文は「登記される船舶(以下「船舶」という。」で始まります。
- 国税徴収法第70条は第四款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第70条の前の条は国税徴収法第69条です。
- 国税徴収法第70条の次の条は国税徴収法第71条です。
- 国税徴収法第70条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第70条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第70条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/70
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法70条は、登記船舶と登録航空機の差押えに不動産の手続を準用し、監守・保存の処分が差押書の送達前にされたときはその処分の時に効力が生じると定める。
Q · 税金の滞納で船や飛行機を差し押さえられたら、いつから効力が出るんですか?
差押えの効力は、差押書の到達前でも監守処分の時に生じます
国税徴収法70条1項は、登記される船舶と航空法の登録を受けた飛行機・回転翼航空機の差押えに、不動産の手続(同法68条1項から4項)を準用します。原則は差押書が滞納者に送達された時に効力が生じますが、4項により、徴収職員が監守・保存のため必要な処分を差押書の送達前にしていたときは、その処分をした時点で効力が生じます。さらに税務署長は一時停泊させることができ(2項、航行中を除く)、営業上の必要その他相当の理由があるときは、滞納者・交付要求をした者・抵当権者らの申立てにより航行を許可できます(5項)。
解説
船は海の上を走り、航空機は空を飛ぶ。それでも国税徴収法は、登記された船舶と、航空法の登録を受けた飛行機・回転翼航空機を、不動産と同じ手続で差し押さえる(68条1項から4項の準用)。原則は差押書があなたに届いた時に効力が生じる。ところが4項に裏口がある。徴収職員が監守・保存のための処分(係留の確保、書類の取上げなど)を先に済ませていたときは、効力はその処分をした時点で発生する。書類を受け取ったときには、もう終わっている。さらに税務署長は、必要があれば船や航空機を一時停泊させられる。ただし航行中の機体・船体には手を出せない(2項ただし書)。一方で5項は出口も用意している。営業上の必要その他相当の理由があれば、滞納者本人だけでなく、交付要求をした者や抵当権を持つ銀行の申立てでも、航行を許可できる。差し押さえられた船が航海を続け、運賃を稼ぎ、その稼ぎが最後は税と債権者に戻る。この構造を知っている船主と知らない船主では、差押えの翌朝にとる行動がまるで違う。
法的な位置づけ
国税徴収法70条は、登記される船舶および航空法の登録を受けた飛行機・回転翼航空機に対する滞納処分としての差押えを規律する規定であり、不動産の差押手続を準用したうえで、一時停泊、監守・保存のため必要な処分、送達前処分による効力発生時期の前倒し、および航行の許可を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.差押調書と根拠条文を確認する 差押調書に記載された根拠条文が70条か、71条(小型船舶等)か、56条以下(動産)かをまず確認する。適用条文により手続、引渡しの要否、その後に取れる手段が変わる
- 2.監守・保存処分の日時を記録し効力発生時期を確定する 徴収職員が係留の確保や書類の取上げなど監守・保存の処分をしたその場で、日時・場所・内容・担当者名を書面に残す。4項により効力がその時点まで遡るため、第三者への譲渡や他の債権者の差押えとの優劣を決める分水嶺になる
- 3.停泊による日々の損失を数字で整理する 係留料・駐機料、乗組員や整備要員の人件費、保険料、リース料、傭船契約の違約金、キャンセルとなる運航スケジュールを一覧化する。5項の「営業上の必要その他相当の理由」を裏づける中核資料になる
- 4.抵当権者・交付要求者と組んで航行許可を申し立てる 5項は申立権者として、滞納者だけでなく交付要求をした者および抵当権その他の権利を有する者を並べている。稼働してこそ担保価値が保たれるという利害が一致するため、金融機関と連名または同時期に申し立てると相当の理由の説得力が上がる
- 5.並行して猶予制度と不服申立ての期限を管理する 換価の猶予や納税の猶予の申請可否を検討し、差押えや停泊処分自体に不服があるなら、処分を知った日の翌日から3か月以内の再調査の請求または審査請求の期限を管理する。単に待ってほしいではなく、代替の回収見込みを数字で示す
よくある質問 AI による整理
Q1国税徴収法70条とは何ですか?
登記される船舶と、航空法の登録を受けた飛行機・回転翼航空機を差し押さえるときの手続を定めた規定です。不動産の差押手続(68条1項から4項)を準用します。
Q2船舶の差押えの効力はいつ発生しますか?
原則は差押書が滞納者に送達された時です。ただし監守・保存のため必要な処分が送達前にされていた場合は、4項によりその処分をした時点まで前倒しされます。
Q3監守及び保存のため必要な処分とは何ですか?
徴収職員が船舶・航空機の逸失や価値の毀損を防ぐために行う処分です。係留の確保や関係書類の取上げなどが想定され、効力発生時期を前倒しする起点にもなります。
Q4税務署は航空機を勝手に停泊させられますか?
2項により、滞納処分のため必要があるときは税務署長が一時停泊させることができます。ただし航行中の船舶・航空機については、安全確保の趣旨から除外されています。
Q5船舶を差し押さえると登記されますか?
70条1項が準用する68条は、差押えにあたり差押えの登記を関係機関に嘱託する仕組みを含みます。登記により第三者に対する公示がなされます。
Q6ドローンは国税徴収法70条の対象ですか?
対象外です。70条が名指しするのは航空法の登録を受けた飛行機と回転翼航空機のみで、無人航空機は該当しません。動産としての差押手続に回ります。
Q7登記のない船はどの条文で差し押さえられますか?
登記も登録もない船は動産として56条以下の手続に、小型船舶登録法の登録を受けた小型船舶は71条の手続に分岐します。同じ船でも根拠条文が変わります。
Q8差し押さえられた船はすぐ売られますか?
差押えと換価は別段階です。換価は公売によるのが原則で、実行までには一定の手続を要します。ただし停泊中も係留料や人件費は発生し続けます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1差し押さえられた船って、もう一歩も動かせなくなるんですか?
動かせる余地がある。5項は、停泊中の船舶・航空機を差し押さえた場合でも、営業上の必要その他相当の理由があれば税務署長が航行を許可できると定めている。実務のポイント:申立てができるのは滞納者だけではない。交付要求をした者と抵当権その他の権利を有する者も名指しされている。銀行と一緒に申し立てられることを知っている船主と、知らずに一人で頭を下げ続ける船主で、結論が変わる
Q2うちの20トン未満の漁船も、この条文で差し押さえられるんですか?
違う手続になる。70条の対象は登記される船舶(一般に総トン数20トン以上)と航空法の登録を受けた飛行機・回転翼航空機。小型船舶登録法の登録を受けた小型船舶は71条(自動車、建設機械又は小型船舶の差押え)で処理される。実務のポイント:どの条文が適用されるかで、引渡しを求められるか、運航を続けられるかが変わる。差押調書に書かれた根拠条文を最初に確認する人は少ない
Q3航行中なら止められないと書いてありますが、出港してしまえば逃げ切れますか?
逃げ切れない。2項ただし書が航行中を除外しているのは安全確保の趣旨であり、差押えの効力や税務署長の権限が消えるわけではない。次の入港地で同じ手続が待つだけである。実務のポイント:船舶の入出港は港湾側の届出や航行情報として把握できる仕組みが整っており、機体も駐機場所が記録に残る。時間稼ぎの間に延滞税(年利ベースで加算)が積み上がり、結果として手取りが減る
間違えやすい点 AI による整理
- 多くの人は「差押えを止められるか」を最初に考えるが、この条文で問われるべきは「効力はいつ生じたか」である。4項がある以上、差押書の到達日は起点ではない可能性がある。問いの立て方を間違えると、監守処分から送達までの空白期間に行った取引の効力を、後から丸ごとひっくり返される
- 「差し押さえられても、すぐ売られるわけではない」ことは知っていても、停泊そのものの破壊力を見誤っている人が多い。船が止まっても、乗組員の給与、係留料、保険料、リース料は一日も止まらない。空港の駐機料も同じである。換価される前に、停泊期間のキャッシュアウトだけで事業が終わる
- 総トン数20トン未満の小型船も同じ条文で処理されると思われがちだが、違う。小型船舶登録法の登録を受けた小型船舶は71条(自動車、建設機械又は小型船舶の差押え)へ、登記も登録もない船は動産として56条以下へ。同じ「船」でも三つの手続に分岐し、効力発生時期も引渡しの扱いも変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象財産 | 70条:登記される船舶、航空法の登録を受けた飛行機・回転翼航空機 | 71条:自動車、建設機械、小型船舶登録法の登録を受けた小型船舶 56条以下:登記も登録もない船・機体(動産) |
| 効力発生時期 | 差押書の送達時。ただし監守・保存処分が先行すればその処分の時(4項) | 登録に係る手続に応じた時点 徴収職員が占有した時 |
| 稼働の継続 | 税務署長の航行許可により運航継続の余地あり(5項) | 運行許可等の別枠の判断 占有により事実上使用不能 |
| 申立権者 | 滞納者、交付要求をした者、抵当権その他の権利を有する者 | 滞納者中心 滞納者中心 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公法上の金銭給付義務の強制執行に民事の強制執行法を準用する構造をとり、船舶・航空機の執行も同法の枠組みで処理される。日本のように税法内部に船舶差押えの専条を置く方式とは異なる
韓国も税法内部に滞納処分としての差押えを規定し、登記・登録財産と動産で手続を分ける構造は日本と類似する。具体的な条番号は現行法の確認を要する
ドイツは租税の強制執行のうち不動産に対するものを民事の強制執行法制に委ね、登記船舶も不動産に準じて扱う。徴収官庁が停泊や航行許可を直接判断する日本型の運用とは設計思想が異なる
米国は IRS が財産種別を問わず levy により差押えを行う一般規定を持ち、船舶・航空機に特化した条文を置かない。稼働継続の可否は個別の手続裁量に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの会社の貨物船が入港した翌朝、徴収職員が桟橋に立っていたら? 消費税と源泉所得税の滞納で差押えが始まる。荷役はあと3日で終わり、次の傭船契約の出港日は6日後。停泊が続けば違約金が発生する。動かせるかどうかは5項の航行許可を誰が、いつ申し立てるかで決まる
- 地方銀行の融資担当として、船舶抵当権を設定した漁船が税務署に差し押さえられたと知る。あなたは債権者なのに、船を「動かしてください」と申し立てる側に回る。船が止まれば水揚げが消え、担保価値も返済原資も同時に蒸発するからだ。5項は抵当権者にも申立権を与えている
- 自社ヘリを1機保有する遊覧飛行会社。滞納処分で差押えを受けた。だが同じ格納庫のグライダーは対象外で、動産として別の手続に回る。70条が名指ししているのは飛行機と回転翼航空機だけである
- 航空機リースを組んだ運航会社の経理担当として、差押書がまだ届いていないから大丈夫だと社長に報告した。数日後、監守処分の日付を見て青ざめる。効力はその日に遡って発生しており、その間に済ませた資産の組み替えは、すべて差押え後の処分として扱われる
取るべき行動
被害を受けた側:抵当権者・交付要求をした債権者・荷主の立場なら、1. 差押えの効力発生時期を確認(監守処分が先行していれば4項でその時点まで遡る)、2. 自分の権利の対抗要件具備時期と比較して優劣を確定、3. 船体・機体を遊ばせると担保価値が落ちるため、5項に基づき自ら航行許可を申し立てる(滞納者の同意を待たなくてよい)、4. 交付要求(82条)を出して換価代金の配当に参加する地位を確保する
訴えられた側:滞納者側なら、1. 監守処分の日時と内容を記録し、差押えの効力発生時期を確定させる、2. 停泊による日々の損失(傭船料、違約金、駐機料、人件費)を数字で整理する、3. 営業上の必要を裏づける契約書・運航予定表を添えて航行許可を申し立て、抵当権者にも同調を求める、4. 並行して換価の猶予・納税の猶予(国税徴収法151条、国税通則法46条)の申請可否を検討する。単に「待ってほしい」では動かない、代替の回収見込みを示す
時効(請求できる期限):差押えや停泊処分に不服があるなら、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求(国税通則法77条1項)。訴訟は原則として裁決を経た後(不服申立前置)、裁決を知った日から6か月以内。航行許可の申立て自体に法定期限はないが、実務上は停泊が長引くほど「相当の理由」の立証材料(有効な運送契約)が失われる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 改正:国税徴収法の全部改正(昭和34年法律第147号)により、旧法を全面的に置き換える形で現行法が制定され、財産の種類ごとに差押手続を書き分ける構成が採られた
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