国税徴収法 第96条(公売の通知)
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- 税務署長は、前条の公告をしたときは、同条第一項各号(第八号を除く。)に掲げる事項及び公売に係る国税の額を滞納者及び次に掲げる者のうち知れている者に通知しなければならない。
- 一公売財産につき交付要求をした者
- 二公売財産上に質権、抵当権、先取特権、留置権、地上権、賃借権その他の権利を有する者
- 三換価同意行政機関等
- 2.税務署長は、前項の通知をするときは、公売財産の売却代金から配当を受けることができる者のうち知れている者に対し、その配当を受けることができる国税、地方税その他の債権につき第百三十条第一項(債権額の確認方法)に規定する債権現在額申立書をその財産の売却決定をする日の前日までに提出すべき旨の催告をあわせてしなければならない。
この条文の基本情報
公売の通知とは何ですか?
定義公売の通知とは、国税徴収法第96条に定められた規定で、「税務署長は、前条の公告をしたときは、同条第一項各号(第八号を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第96条(公売の通知)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第96条の条文原文は「税務署長は、前条の公告をしたときは、同条第一項各号(第八号を除く。」で始まります。
- 国税徴収法第96条は第二款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第96条の前の条は国税徴収法第95条です。
- 国税徴収法第96条の次の条は国税徴収法第97条です。
- 国税徴収法第96条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第96条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第96条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/96
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法96条は、公売公告後、税務署長が滞納者と賃借権者・抵当権者など知れている者へ公告事項と滞納国税額を通知し、債権現在額申立書の提出を催告すべきことを定める。
Q · 大家が国税を滞納して建物が公売になるとき、借りている自分にも通知は来るんですか?
知れている権利者にだけ通知が届き、申立書の期限は売却決定日の前日
国税徴収法96条1項2号は、公売財産上に賃借権を有する者を通知先として明示しています。したがって税務署に存在が知れている賃借人には、公売の日時・場所、売却決定の日時、買受代金の納付期限などの公告事項と、公売に係る国税の額が通知されます。さらに2項により、売却代金から配当を受けられる者には、債権現在額申立書を売却決定の日の前日までに提出すべき旨の催告が併せて行われます。ただし通知が届くのは「知れている者」に限られ、税務署に把握されていない権利者はこの名簿に載りません。
解説
大家が国税を滞納し、住んでいる建物が公売にかけられると、賃借人であるあなたのポストに税務署からの通知が入る。96条1項2号が、公売財産の上に賃借権を持つ者を通知先として名指ししているからだ。抵当権者や質権者だけでなく、留置権者、地上権者、交付要求をした市町村も同じ列に並ぶ。通知の中身は公売の日時と場所、売却決定の日時、買受代金の納付期限といった公告事項に、滞納国税の額が加わる。つまり、この物件の所有者が誰にいくら滞納し、いつ他人の手に渡るのかが、あなたの手元に先に届く。さらに2項が効く。売却代金から配当を受けられる立場の者には「債権現在額申立書を売却決定の日の前日までに出せ」という催告が同時に飛んでくる。その一枚を出し忘れると、あなたの取り分は税務署の調査した数字で決まる。ただし通知が届くのは「知れている者」だけである。税務署に存在を知られていない権利者は、この列に並べない。
法的な位置づけ
国税徴収法96条は公売の通知を定める規定であり、税務署長が公売公告をした場合に、滞納者、交付要求をした者、公売財産上の質権者・抵当権者・先取特権者・留置権者・地上権者・賃借権者等、換価同意行政機関等のうち知れている者へ、公告事項および公売に係る国税の額を通知する義務を課す。2項は債権現在額申立書の提出催告を併せて求める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.封筒を開けたら「売却決定の日時」を最初に探す 税務署名義の公売通知は、消印や差出日ではなく本文に書かれた売却決定の日時が起点になる。債権現在額申立書の提出期限はその前日であり、この一点を押さえないと以降の全ての判断が遅れる
- 2.登記事項証明書で差押登記と自分の権利の先後を確認 法務局または登記情報提供サービスで公売財産の登記事項証明書を取得し、差押登記の受付日と、自分の権利(抵当権登記、建物の引渡し等の対抗要件具備)の先後を確認する。買受人への対抗の可否はここで決まる
- 3.債権現在額申立書を通知の届いた週に提出する 元本・利息・遅延損害金を計算根拠とともに記載した債権現在額申立書を作成し、130条1項に従って提出する。期限直前ではなく通知の届いた週に出すことで、税務署の配当計算の初期案に自分の数字が乗る
- 4.留置権を主張する場合は提出そのものが優先の条件 留置権者は、債権現在額申立書を提出しなければ21条2項の優先を受けられない。現に物を占有していることだけでは配当の優先は確保されないため、提出を最優先の作業として扱う
- 5.処分を争うなら171条の前倒し期限を前提に判断 不動産等について公売公告から売却決定までの処分を争う審査請求は、買受代金の納付期限までという前倒しの特例がある。国税通則法77条の3か月という一般的な感覚で構えると手続が終わっているため、最新の改正状況を確認したうえで早期に専門家へ相談する
よくある質問 AI による整理
Q1公売の通知とは何ですか?
国税徴収法96条に基づき、税務署長が公売公告をした後、滞納者と公売財産上の権利者のうち知れている者へ、公告事項と公売に係る国税の額を知らせる手続です。
Q2公売の通知は誰に届きますか?
滞納者のほか、交付要求をした者、質権・抵当権・先取特権・留置権・地上権・賃借権等を有する者、換価同意行政機関等のうち、税務署に知れている者に届きます。
Q3「知れている者」とはどういう意味ですか?
税務署長が通常の調査で存在を把握できている権利者を指します。登記のない賃借権や留置権は把握されにくく、届け出ていなければ通知先の名簿に載りません。
Q4公売の通知が来なかったらどうなりますか?
知れていない者への不通知は、それだけで公売が違法になるとは限りません。争点は、税務署が通常の調査で把握できたはずの権利者を落としたかという調査の尽くし方です。
Q5換価同意行政機関等とは何ですか?
差押えを先行した行政機関等の同意により他の機関が換価を行う制度に関係する機関等を指します。96条1項3号で通知先として列挙されています。
Q6公売の通知には何が書かれていますか?
公売公告事項(95条1項各号のうち第8号を除く)と、公売に係る国税の額です。公売の日時・場所、売却決定の日時、買受代金の納付期限などが含まれます。
Q7賃借人にも公売の通知は届きますか?
96条1項2号が賃借権を有する者を通知先に挙げているため、知れている賃借人には届きます。ただし通知は明渡命令ではなく、対抗力の有無は別に判断されます。
Q8公売の通知に不服がある場合はどうしますか?
通知自体に固有の不服申立期間はありません。不動産等について公売公告から売却決定までの処分を争う審査請求は、買受代金の納付期限までという前倒し特例があります(171条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1借りてる部屋が公売になるって通知が来たんですけど、追い出されますか?
通知は96条1項2号により賃借権者へ送られるもので、それ自体は明渡しの命令ではない。買受人に賃借権を対抗できるかは、対抗要件(建物なら引渡し)を備えた時期が差押登記より前かどうかで決まる。実務のポイント:公売には競売の引渡命令にあたる制度がない。買受人は明渡しの交渉か訴訟を別に起こす必要があり、その手間が交渉材料になる
Q2債権現在額申立書って、出さないとどうなるんですか?
130条1項が提出を求め、期限は売却決定の日の前日である。提出しない者があれば、税務署長の調査により債権額が確認される(130条2項)。ただし留置権は21条2項が提出を優先の条件としており、未提出は優先権の喪失に直結する。実務のポイント:抵当権者でも登記された債権額と実際の残債や遅延損害金はずれている。計算書を添えて出した者だけが、そのずれを自分側に寄せられる
間違えやすい点 AI による整理
- 「通知が来なかったのだから公売は無効だ」と考える人がいるが、問いの立て方が違う。96条は「知れている者」に限って通知義務を課している。税務署が把握していなかった権利者への不通知は、それだけで公売の違法に直結しにくい。争点になるのは通知の有無ではなく、税務署が通常の調査で把握できたはずの権利者を落としたか、という調査の尽くし方である
- 債権現在額申立書という書類の存在は知っていても、出さなかったときの落差を知らない人が多い。提出がなければ配当額は税務署長の調査で確認される(130条2項)。基準になりやすいのは登記簿に現れた債権額で、自分の帳簿でしか分からない利息や遅延損害金の積み上がりは反映されにくい。書かなかった数字は、存在しなかったことになる
- 留置権は現に物を握っているのだから配当でも当然に優先されると思われがちだが、国税徴収法21条2項は、債権現在額申立書の提出を優先の条件としている。紙を一枚出さないだけで、優先権そのものが手から抜け落ちる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 96条:公売公告後、知れている者への個別通知と申立書の提出催告 | 95条:公売の実施を不特定多数へ向けて公告する 130条:債権現在額申立書の提出と債権額の確認方法 |
| 名宛人 | 滞納者、交付要求者、公売財産上の権利者、換価同意行政機関等のうち知れている者 | 特定の名宛人なし(公告による周知) 売却代金から配当を受けることができる者 |
| 期限の構造 | 申立書提出の催告期限は売却決定の日の前日 | 公売の日から起算した公告期間が問題となる 同じく売却決定の日の前日が提出期限 |
| 怠った場合の効果 | 知れていない者への不通知は直ちに違法とはなりにくく、調査の尽くし方が争点 | 公告手続の瑕疵は公売手続自体の効力に影響しうる 未提出なら税務署長の調査で債権額が確認され、留置権は優先を喪失(21条2項) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では公法上の金銭給付義務の強制執行に強制執行法が準用され、拍売期日は債権者・債務者へ通知される。日本の「知れている者」に相当する限定は、執行機関が把握した債権者の範囲として運用上処理される
韓国も公売公告に加えて利害関係人への個別通知を制度化しており、通知の欠落が公売処分の効力に及ぼす影響が判例上の争点となってきた点で日本と構造が近い
ドイツでは租税の強制徴収も AO が規律し、不動産への執行は ZVG(強制競売法)に依拠する。利害関係人への通知は登記簿記載を基礎に組み立てられ、日本の「知れている者」より登記依存度が高い
米国では IRS が差押財産を売却する際、納税者への差押通知および売却の公告・通知が要件とされる。第三者の権利者は別途 wrongful levy 等の救済手続で保護される構造で、配当申立ての事前催告という日本型の仕組みは持たない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、住んでいるアパートの登記簿に税務署の差押えが入っていたとしたら? 大家からは何の説明もない。ある日ポストに入る公売通知が、次の住まいを探せる最後のシグナルになる。売却決定の日まで残り数週間、確認すべきは自分の入居日と差押登記の日付、どちらが先かという一点である
- 取引先の機械を修理して預かったまま、代金は未払い。留置権があるから配当では守られると考えていた。だが通知に同封された催告書を放置した瞬間、その優先は消える(21条2項)。
- あなた自身が滞納者で、通知を受け取った側だとする。公売公告から売却決定までの処分を争うなら、不動産等については審査請求の期限が買受代金の納付期限まで前倒しされる特例がある(171条、最新の改正状況をご確認ください)。処分を知ってから3か月という通常の感覚で構えていると、手続はすでに終わっている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知が届いたら消印ではなく本文の「売却決定の日時」を先に押さえる。申立書の期限はその前日である2. 登記事項証明書を取り、差押登記と自分の権利(登記または引渡し等の対抗要件)の先後を確認3. 元本、利息、遅延損害金を計算した債権現在額申立書を、期限直前ではなく通知の週に提出(130条1項) 4. 留置権を主張するなら、提出そのものが優先の条件である(21条2項) 5. 手続に不服があるなら171条の期限特例を前提に審査請求の要否を判断
訴えられた側:1. 通知が来た時点で公売公告は既に出ている。手続を止める現実的な道は、換価の猶予の申請(151条、151条の2)や納付計画の申出であり、公売そのものへの不服申立てより実効的な場合が多い2. 通知に書かれた滞納国税の額と延滞税の内訳を自分の納付履歴と照合、計算違いは早期に指摘3. 争うなら171条の前倒し期限に注意、通常の3か月では間に合わない4. 見積価額が不当に低いと考えるなら、その算定根拠の説明を求める
時効(請求できる期限):債権現在額申立書は、公売財産の売却決定をする日の前日まで(96条2項、130条1項)。通知自体に固有の不服申立期間はないが、不動産等について公売公告から売却決定までの処分を争う審査請求は、買受代金の納付期限までという前倒しの特例がある(171条1項、最新の改正状況をご確認ください)。一般の国税に関する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月(国税通則法77条)
学説
通説:96条の通知義務は「知れている者」に限定されるため、税務署長が通常の調査を尽くしてもなお把握できなかった権利者への不通知は、直ちに公売手続の違法をもたらすものではないと解されている。争点は通知の有無そのものではなく、調査義務が尽くされたかに置かれる。
改正沿革 AI による整理
- 換価執行決定制度の導入に伴う改正(年次要検証) 1項3号の「換価同意行政機関等」は、差押えを先行した行政機関等の同意により他機関が換価を行う制度の創設に伴って通知先へ加えられたものとみられる。施行年および改正条項の特定は人的検証を要する
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国税徴収法の全部改正(昭和34年法律第147号)により、公売公告に続く利害関係人への通知と債権現在額申立書の提出催告が現行の形で整備された
- 2.平成26年度税制改正(2014年、施行年は要検証) 改正:換価執行決定制度の創設に伴い、1項3号の「換価同意行政機関等」が通知先に加えられたとみられる。改正条項および施行日の特定は人的検証を要する
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