国税徴収法 第95条(公売公告)
クイックジャンプ
- 税務署長は、差押財産等を公売に付するときは、公売の日の少なくとも十日前までに、次に掲げる事項を公告しなければならない。ただし、公売に付する財産(以下「公売財産」という。)が不相応の保存費を要し、又はその価額を著しく減少するおそれがあると認めるときは、この期間を短縮することができる。
- 一公売財産の名称、数量、性質及び所在
- 二公売の方法
- 三公売の日時及び場所
- 四売却決定の日時及び場所
- 五公売保証金を提供させるときは、その金額
- 六買受代金の納付の期限
- 七公売財産の買受人について一定の資格その他の要件を必要とするときは、その旨
- 八公売財産上に質権、抵当権、先取特権、留置権その他その財産の売却代金から配当を受けることができる権利を有する者は、売却決定の日の前日までにその内容を申し出るべき旨
- 九前各号に掲げる事項のほか、公売に関し重要と認められる事項
- 2.前項の公告は、税務署の掲示場その他税務署内の公衆の見やすい場所に掲示して行う。ただし、他の適当な場所に掲示する方法、官報又は時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲げる方法その他の方法を併せて用いることを妨げない。
この条文の基本情報
公売公告とは何ですか?
定義公売公告とは、国税徴収法第95条に定められた規定で、「税務署長は、差押財産等を公売に付するときは、公売の日の少なくとも十日前までに、次に掲げる事項を公告しなければならない。ただし、公売に付する財産(以下「公売財産」…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第95条(公売公告)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第95条の条文原文は「税務署長は、差押財産等を公売に付するときは、公売の日の少なくとも十日前までに、次に掲げる事項を公告しなければならない。ただし、公売に付する財産(以下「公売財産」…」で始まります。
- 国税徴収法第95条は第二款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第95条の前の条は国税徴収法第94条です。
- 国税徴収法第95条の次の条は国税徴収法第96条です。
- 国税徴収法第95条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第95条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第95条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/95
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法95条は、税務署長が差押財産を公売に付するとき、公売の日の10日前までに財産の内容・日時場所・納付期限等を公告すべきと定める。価額低下のおそれがあれば短縮できる。
Q · 差し押さえられた財産が公売にかけられるとき、いつ、どうやって知らされるの?
公売の10日前までの公告が原則。短縮される場合もあります
国税徴収法95条により、税務署長は公売の日の少なくとも10日前までに、公売財産の名称・数量・性質・所在、公売の方法、公売の日時及び場所、売却決定の日時及び場所、公売保証金の額、買受代金の納付期限などを公告しなければなりません。公告は税務署の掲示場その他税務署内の公衆の見やすい場所への掲示で足り、官報・日刊新聞紙その他の方法を併用することもできます。ただし、不相応の保存費を要する財産や価額が著しく減少するおそれがある財産については、この10日という期間を短縮できます。担保権者等は売却決定の日の前日までに権利の内容を申し出る必要があります。
解説
税務署が差し押さえた財産を売り払うとき、その事実が外の世界に出る唯一の瞬間が公売公告である。国税徴収法95条は、公売の日の少なくとも10日前までに、財産の中身・公売の日時場所・売却決定の日時・保証金の額・買受代金の納付期限を公告せよと定める。多くの人が読み飛ばすのが8号だ。その財産に質権・抵当権・先取特権・留置権を持つ者は、売却決定の日の前日までに権利の内容を申し出よ、と書いてある。登記があれば税務署長の調査で配当計算に入るが、登記に現れない約定利息や遅延損害金、そもそも登記のない留置権は、申し出がなければ配当から静かに抜け落ちる。しかも公告は原則、税務署の掲示場に貼るだけで足りる。滞納者本人と「知れている」担保権者には96条の通知が別途届くが、住所を追えない相手には何も届かないまま手続は進む。
法的な位置づけ
国税徴収法95条は公売公告について定める規定であり、税務署長が差押財産等を公売に付する場合に、公売の日の少なくとも10日前までに、公売財産の内容、公売の方法、公売及び売却決定の日時場所、公売保証金の額、買受代金の納付期限その他の事項を公告すべきことを規定する。公告は税務署の掲示場への掲示により行われる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公告から三つの日付を抜き出す 公売公告を見つけたら、まず「公売の日時」「売却決定の日時」「買受代金の納付の期限」の三つを書き写す。この三つが以降のすべての行動期限の基準になる
- 2.公売財産の特定と自分の立場の確認 「公売財産の名称、数量、性質及び所在」欄と、自分が持つ権利や所有物を突き合わせる。滞納者本人か、質権・抵当権・先取特権・留置権を持つ担保権者か、第三者所有物が混入している所有者かで、以降の動線が分かれる
- 3.担保権者は売却決定の日の前日までに申出 質権・抵当権・先取特権・留置権など売却代金から配当を受けられる権利を持つ場合、元本・約定利息・遅延損害金の実額を記載した債権現在額申立書を、売却決定の日の前日までに提出する(95条1項8号、130条)。登記に現れない利息や留置権は、申し出なければ配当計算から抜け落ちる
- 4.滞納者は納付か換価の猶予を同時並行で用意 一括納付が難しい場合、換価の猶予(国税徴収法151条、151条の2)または納税の猶予(国税通則法46条)を申請する。分割納付計画と担保の有無を同時に準備し、公売の日より前に窓口へ持ち込む
- 5.争うなら買受代金の納付期限前に審査請求 公売公告や見積価額に瑕疵があると考える場合、審査請求は換価財産の買受代金の納付の期限までに行う(171条1項)。納付後は買受人が財産を取得するため、争いは金銭の問題に変質する
よくある質問 AI による整理
Q1公売公告とは何ですか?
税務署長が差押財産を公売にかけることを外部に知らせる手続です。国税徴収法95条により、公売の日の少なくとも10日前までに、財産の内容や公売の日時場所を公告します。
Q2公売公告には何が書かれていますか?
公売財産の名称・数量・性質・所在、公売の方法、公売の日時場所、売却決定の日時場所、公売保証金の額、買受代金の納付期限、買受人の資格要件、担保権者等の申出に関する事項です。
Q3公売保証金はいくら必要ですか?
金額は公告に記載されます。提供させるかどうかと金額は個別の公売ごとに定まり、国税徴収法95条1項5号が公告事項の一つとして掲げています。
Q4債権現在額申立書はいつまでに出すの?
売却決定の日の前日までです。国税徴収法95条1項8号と130条により、質権・抵当権・先取特権・留置権を持つ者は期限までに権利の内容を申し出る必要があります。
Q5公売を止める方法はありますか?
実効性があるのは納付か猶予です。換価の猶予(国税徴収法151条、151条の2)や納税の猶予(国税通則法46条)を申請する道があり、公告を争っても手続自体は止まりません。
Q6公売公告に不服があるとき、いつまでに争える?
換価財産の買受代金の納付の期限までです(国税徴収法171条1項)。納付の時点で買受人が財産を取得するため、その後は実益が大きく下がります。
Q7公告期間の10日は短縮されることがある?
あります。公売財産が不相応の保存費を要し、または価額を著しく減少するおそれがあると税務署長が認めるときは、95条1項ただし書により期間を短縮できます。
Q8市区町村の滞納でも公売公告はありますか?
あります。地方税や公課の滞納処分は国税徴収法の例によるとされるため、差押えの主体が市区町村でも95条の公告手続がそのまま動きます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税務署の掲示板なんて誰も見ませんよ。見逃したらそれで終わりですか?
掲示だけで公告としては成立する。ただし滞納者本人と、登記などで税務署長に「知れている」質権者・抵当権者らには96条の公売の通知が別途届く。逆に、登記に現れない留置権者や住所変更を届けていない者には何も届かないまま手続は進む。実務のポイント:実務では国税庁と自治体の公売情報サイトに数週間前から掲載される。掲示場へ足を運ぶより、その一覧を定期的に検索する方が早く気付ける
Q210日前って短すぎませんか。裁判所の競売と同じ扱いなんですか?
違う。裁判所の不動産競売は売却実施日の2週間前までの公告が原則だが、公売は10日で足り、しかも95条1項ただし書で短縮までできる。税務署長が裁判所を通さず自ら執行できる自力執行力の裏返しである。実務のポイント:短縮が実際に使われるのは生鮮品や相場変動の激しい動産が中心で、不動産で10日ちょうどはまれ。動産を差し押さえられた側は、条文の10日より短いと想定して動いた方がよい
間違えやすい点 AI による整理
- 「公売を止めるにはどう争えばいいか」という問いの立て方そのものが、すでに時間を浪費している。公売公告の段階で争えるのは公告処分の瑕疵であって、滞納の存在自体を蒸し返す場ではない。止めたいのであれば争訟ではなく、換価の猶予(国税徴収法151条、151条の2)か納付、実効性があるのはこの二本だけである
- 公告が10日前でよいことは条文を読めば分かる。だがその10日が、ただし書でさらに短縮されうること、しかも短縮の判断は税務署長が「不相応の保存費を要し、又はその価額を著しく減少するおそれがある」と認めるかどうかで決まることまでは意識されていない。相場の落ちやすい財産を持っている側ほど、準備期間は削られる
- あなたから見れば、公告は「まだ売られていない」という猶予の合図に見える。税務署から見れば、公告は換価手続のカウントダウン開始であり、同時に不服申立ての期限が走り出す起点である。この落差を抱えたまま数週間を過ごすと、買受代金が納付されてから気付くことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の目的 | 95条:不特定多数に対する公売の告知(公告) | 96条:滞納者・知れている利害関係人への個別通知 99条:見積価額の公告(買受判断材料の提供) |
| 名宛人 | 誰でも(掲示場・公売情報サイトを見た者すべて) | 滞納者本人と、税務署長に「知れている」担保権者等 公売への参加を検討する不特定の買受希望者 |
| 時期 | 公売の日の少なくとも10日前まで(ただし書で短縮可) | 公売公告をした後、これに準じて行われる 公売の日までに(財産の種類により前倒し) |
| 見落とした場合の影響 | 権利内容の申出期限(売却決定の日の前日)を逃し配当が実額で計算されない | 住所不明等で通知が届かなくても公告により手続は進行する 価額の妥当性を検討しないまま公売が実施される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公法上の金銭給付義務の強制執行を行政執行署が担い、拍賣公告は強制執行法の規定を準用する。日本のように徴収法自身が公告事項を列挙する構造ではない
韓国も税務当局による自力執行としての公売を採り、公売公告と権利申告(配当要求)の期限を法定する点で日本と構造が近い
ドイツも租税の強制徴収において執行官による公開競売を予定し、期日の公開公告を要求する。裁判所を介さない行政庁の自力執行という点で日本と共通する
米国では IRS が差押財産を売却する際、公売の告知を公表し、かつ納税者に書面で通知することが求められる。告知期間や方法は財務省規則で具体化される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 税務署の掲示場に、あなたの会社の工場設備が公売財産として貼り出されたとしたら? 売却決定の日まであと8日。換価の猶予を申請するか代金を工面するか、この二択を今日中に決めることになる。
- あなたが取引先の倉庫にリースで機械を置いている。取引先が滞納で差押えを受け、公告の「公売財産の名称、数量、性質及び所在」欄にその機械の型番が並んでいた。所有権はあなたにあるのに、公売手続は自動的には止まらない。差押処分そのものを争うか、公売財産から外すよう働きかけるか、動けるのは公告を見つけた人だけである
- 知人に金を貸し、その自宅に二番抵当を設定していた。自宅が国税の滞納で公売にかかる。抵当権は登記されているから配当自体は来る。だが約定利息と遅延損害金の実額は、あなたが売却決定の日の前日までに申し出なければ、税務署長が把握できる範囲でしか計算されない。数百万円が、誰にも咎められないまま消える
取るべき行動
被害を受けた側:担保権者・第三者所有者としての手順。1. 公告の「名称、数量、性質及び所在」で自分の権利の対象かを特定する2. 質権・抵当権・先取特権・留置権を持つなら、売却決定の日の前日までに元本・利息・遅延損害金の実額を記載した債権現在額申立書を提出する(95条1項8号、130条) 3. 自分の所有物が混入しているなら、公売ではなく差押処分そのものを争う4. 争うなら買受代金の納付期限前に動く
訴えられた側:滞納者としての手順。1. 公告日から売却決定日までが実質的に最後の交渉窓である2. 一括納付が無理なら換価の猶予(国税徴収法151条の2)または納税の猶予(国税通則法46条)を申請し、分割納付計画と担保の有無を同時に用意する3. 公告処分や見積価額に瑕疵があると考えるなら審査請求を検討する4. 買受代金が納付された後は原状回復がほぼ不可能になるため、逆算はこの一点から行う
時効(請求できる期限):公告は公売の日の少なくとも10日前まで、ただし保存費が不相応にかかる財産や価額が著しく下がるおそれのある財産は短縮可(95条1項ただし書)。担保権者等の権利内容の申出は売却決定の日の前日まで(同項8号)。公売公告から売却決定までの処分についての審査請求は、換価財産の買受代金の納付の期限まで(国税徴収法171条1項。最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:95条の公告は不特定多数に対する告知手続であり、96条の個別通知とは機能を異にする。公告が適法に行われている限り、個別通知が現実に到達しなかったことのみをもって公売手続が当然に違法となるものではないと解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国税徴収法の全部改正により現行法が制定され、公売公告の事項と期間(公売の日の少なくとも10日前)、掲示による公告方法が体系的に整備された
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める