国税徴収法 第94条(公売)
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- 税務署長は、差押財産等を換価するときは、これを公売に付さなければならない。
- 2.公売は、入札又は競り売りの方法により行わなければならない。
この条文の基本情報
公売とは何ですか?
定義公売とは、国税徴収法第94条に定められた規定で、「税務署長は、差押財産等を換価するときは、これを公売に付さなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第94条(公売)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第94条の条文原文は「税務署長は、差押財産等を換価するときは、これを公売に付さなければならない。」で始まります。
- 国税徴収法第94条は第二款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第94条の前の条は国税徴収法第93条です。
- 国税徴収法第94条の次の条は国税徴収法第95条です。
- 国税徴収法第94条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第94条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第94条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/94
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法94条は、税務署長が差押財産等を換価するときは公売に付さなければならず、その方法は入札または競り売りに限られると定める。随意契約による売却は例外である。
Q · 差し押さえられた家は、税務署が勝手に誰かへ売ってしまうんですか?
いいえ。原則は公売で、入札か競り売りに限られます
国税徴収法94条1項により、税務署長は差押財産等を換価するとき、これを公売に付さなければなりません。2項は方法を入札と競り売りの二つに限定しており、税務署長が特定の相手へ相対で売り渡すことは原則としてできません。例外は同法109条の随意契約による売却など限られた場合だけです。公開競争で価格を形成させる仕組みであり、高く売れるほど滞納者の残債も減ります。ただし公売価格は市場価格を下回ることが多く、不足分は滞納債務として残り続けます。
解説
税金を滞納すると財産を差し押さえられる、そこまでは多くの人が知っている。だが差押えは凍結にすぎず、それだけでは一円も税金は回収されない。凍結した財産を現金に変える手続が換価であり、その原則形態を定めたのが本条だ。「公売に付さなければならない」という書き方に注目してほしい。これは税務署長への命令である。つまり税務署長は、差し押さえたあなたの家や車を、自分の判断で特定の誰かに相対で売り渡すことが原則としてできない。方法も入札か競り売りの二つに限定されている。競争させることで少しでも高く売れという設計であり、これは徴収側の都合であると同時に、あなたの残債を減らす仕組みでもある。裏を返せば、公売は市場価格を下回って落札されるのが通常で、足りない分は債務として残り続ける。だから勝負どころは公売そのものではなく、そこに至る前の段階にある。
法的な位置づけ
国税徴収法94条は、滞納処分における換価の原則形態を定める規定である。税務署長は差押財産等を換価する際、これを公売に付す義務を負い、その方法は入札または競り売りの二つに限定される。相対による随意契約での売却は同法109条の定める場合に限られる例外であり、本条は換価価格の形成を公開競争に委ねる原則を明示している。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.差押調書の日付と納期限を突き合わせる 差押調書を開き、対象税目の納期限がいつだったかを確認する。換価の猶予(国税徴収法151条の2)は申請期限が納期限からの経過月数で決まるため、まず「何か月経ったか」を数字で確定させる
- 2.公売公告より前に換価の猶予・分割納付を申請する 申請による換価の猶予は原則として納期限から6か月以内の申請が要件(同法151条の2)。財産収支状況書などを揃え、税務署の徴収担当部門に提出する。公告後では制度上の入口が閉じている
- 3.不動産は任意売却の可否を金融機関と税務署に打診する 公売は市場価格を下回って落札されるのが通常のため、任意売却で高く売れれば残債が減る。抵当権者の同意と税務署の差押解除の見通しを、公売公告前に並行して確認する
- 4.処分自体に不服があるなら審査請求の期限を確保する 差押えや滞納処分の違法を争うなら、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(国税通則法77条)に審査請求を行う。猶予申請とは別ルートなので、期限を手帳に書き写して並行管理する
よくある質問 AI による整理
Q1公売とは何ですか?
国や自治体が差し押さえた財産を売却し、滞納税に充てる手続です。国税徴収法94条により入札または競り売りで行われ、裁判所ではなく税務署長が主催します。
Q2差押えから公売までどれくらいかかりますか?
法律上一律の期間はありません。ただし公売公告は公売の日の少なくとも10日前までに行われ(同法95条)、公告が出る前であれば換価の猶予などを申請できる余地が残っています。
Q3公売を止める方法はありますか?
公売公告後に税務署へ交渉しても担当者が動かせる余地はほとんどありません。効くのは入口側で、納期限から6か月以内の換価の猶予(同法151条の2)や分割納付の申請です。
Q4官公庁オークションとは何ですか?
税務署や自治体が出品する公売の電子版です。国税徴収法94条2項の競り売り等をインターネット上で実施するもので、中古車から不動産、ブランド品まで並びます。
Q5公売で売れ残ったらどうなりますか?
見積価額を下げて再度公売に付されるのが通常です。それでも売却できない場合は他の財産の差押えや滞納処分の執行停止が検討されます。滞納債務そのものは消えません。
Q6公売の売却代金は何に充てられますか?
滞納国税と滞納処分費に充てられ、抵当権者など他の債権者がいる場合は法定の順位に従って配当されます。すべての充当後に残余があれば滞納者に交付されます。
Q7公売財産は内覧できますか?
不動産の内覧は原則としてできず、外観と公告書類の記載だけで判断することになります。裁判所の競売のような内覧制度がないため、把握しきれないリスクは買受人が負います。
Q8公売の見積価額はどう決まりますか?
税務署長が財産の現況、市場性、権利関係を考慮して決定します。占有者の有無や明渡しの困難さが減価要因となるため、市場価格より低く設定されるのが通常です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公売って、自分で買い戻すことはできないんですか?
滞納者本人は、換価の目的となった自分の財産を買い受けることができません(国税徴収法92条)。安く落として実質的に免脱することを防ぐ趣旨です。実務のポイント:禁じられているのは本人であって、親族や第三者の入札まで一律に封じているわけではありません。ただし本人の資金が実質的に使われた事案では手続の効力が争われうるため、資金の出所は必ず説明できる形にしておくことになります
Q2公売で買った家に人が住んでいたら、どうやって出て行ってもらうんですか?
自分で交渉し、応じなければ明渡しの訴訟を起こすことになります。裁判所の競売にある引渡命令(民事執行法)のような簡易な制度が、滞納処分にはありません。実務のポイント:これが公売物件が相場より安い最大の理由です。占有者付き物件は、明渡し交渉と訴訟に半年から一年、費用も数十万円単位。落札額の安さだけを見て入札した人が、後から総額で市場価格を上回る事態は珍しくありません
Q3入札と競り売りって、どっちで売るか選べるんですか?
選ぶのは税務署長であり、滞納者に選択権はありません。本条2項はこの二つの方法しか許していないので、相対での売却は原則できません。例外として、法が定める場合に限り随意契約による売却が認められます(国税徴収法109条)。実務のポイント:財産の種類で実務の傾向が分かれ、不動産は入札、動産は電子的な競り売りに乗ることが多い。競り売り形式は参加者が多いほど価格が伸びるため、滞納者にとっては競り売りに回る方が有利に働きやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 家が公売にかけられれば借金は帳消しになる、と考える人がいるが、実際は逆方向の深刻さがある。公売は買受希望者が限られるため市場価格を下回って落札されることが多く、落札額を充てても足りない分は滞納債務として残る。家を失った後も給与や預金の差押えは続きうる。失うのは家だけで済まないという点の重さが、ほとんど知られていない
- 「公売を止めるにはどうすればいいか」という問いの立て方自体がずれている。公売は換価手続の出口であって、交渉の窓口ではない。実際に効くのは入口側、すなわち換価の猶予(国税徴収法151条の2)や分割納付の申請であり、公売公告の段階で慌てて税務署に電話しても、担当者に動かせる余地はほとんど残っていない
- 公売と裁判所の競売を同じものだと思っている人が多いが、主催者も根拠法も違う。競売は民事執行法に基づき裁判所が行い、買受人は引渡命令で占有者を排除できる。公売は行政庁が自力で行う手続で、この引渡命令に相当する制度がない。買受人は自分で明渡しを求めることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 売却の方法 | 94条:公売(入札または競り売り)が原則 | 109条:随意契約による相対売却(例外) 151条の2:換価の猶予(そもそも売らない) |
| 適用される場面 | 差押財産等を換価するときの原則形態 | 法が定める限られた場合のみ 納期限から6か月以内に申請し要件を満たす場合 |
| 価格の決まり方 | 見積価額を基礎に公開競争で形成 | 見積価額以上で相対交渉により決定 売却しないため価格形成は生じない |
| 滞納者にとっての意味 | 競争が働くほど落札額が上がり残債が減る | 競争が働かないため価格形成の透明性が課題 事業や生活を維持したまま分割納付できる可能性 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾では滞納税の強制執行を税務機関自身ではなく法務部行政執行署が担い、換価も強制執行法の拍賣手続を準用する。徴収機関と執行機関が分離している点が、税務署長が自ら公売を主催する日本と大きく異なる
韓国は公売の実施を韓国資産管理公社(KAMCO)に委託し、電子入札システム온비드(Onbid)で全国的に実施する運用が定着している。実施主体を専門機関に集約している点で日本と設計思想が異なる
税務機関は差し押さえた財産を法により拍売または変売して滞納税に充てることができる。拍賣(競売)と変売(相対売却)が並列で規定されており、日本のように公売を原則、相対売却を例外と明確に序列づける構造ではない
ドイツも租税債権については行政の自力執行を認め、動産は公の Versteigerung により換価する。不動産は強制競売法(ZVG)の手続に乗せる点で、司法手続との接続が日本より強い
フランスでは公会計官(comptable public)が第三債務者に対する差押えなどの行政的手段を持つ一方、動産の換価は民事執行手続と共通の公開競売(vente aux enchères publiques)の枠組みに従う
IRS は levy により差し押さえた財産を公告のうえ public auction または sealed bid で売却する。裁判所の令状を要しない自力執行である点は日本と共通し、公告と競争入札を要求する構造も本条と近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 住民税や消費税の滞納を放置していたら、ある朝ポストに差押調書が入っていた。まだ売られたわけではない。差押えと換価は別の段階であり、公売公告が出るまでには申請できる制度が残っている。ここで動くか放置するかで、残る債務が数百万円変わる
- 官公庁オークションのサイトで、相場より三割安い中古車と築浅マンションを見つけた。出品者は国や自治体。入札しようとして規約を読むと、内覧不可、占有者の退去は買受人負担と書いてある。裁判所の競売と同じつもりで手を出すと、鍵も渡されない物件の所有者になる
- もし、亡くなった親に多額の国税の滞納があったとしたら? その納付義務は相続人に承継される(国税通則法5条)。あなた自身は一円も滞納していないのに、相続した実家があなたの名義のまま公売にかけられうる
- 公売公告が官報と税務署の掲示場に出た。公告から公売日まで、原則として最短10日(国税徴収法95条)。この10日間に何を申請できるか知らないまま過ごすと、次に届くのは売却決定の通知になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 差押調書の日付と、その税金の納期限を確認。換価の猶予(国税徴収法151条の2)の申請可否は納期限からの経過月数で決まる2. 猶予または分割納付の申請書を、公売公告より前に提出する3. 不動産なら任意売却の可否を金融機関と税務署に打診。公売より高く売れれば残債が減る4. 差押えや滞納処分自体に不服があるなら、審査請求の期限(処分を知った日の翌日から3か月、国税通則法77条)を先に手帳へ書き写す
訴えられた側:買受けを検討する側の防御はこうなる。1. 見積価額と公告記載の権利関係を精査、抵当権や賃借権が消えるのか引き継ぐのかを事前に確定させる2. 内覧できない前提で、外観と登記だけで判断できる金額に上限を切る3. 占有者がいる不動産は、公売に引渡命令の制度がないため明渡し交渉または訴訟の費用を入札額に織り込む4. 買受代金の納付期限は指定された日までで、遅れれば公売保証金を失う。資金の手当てを入札前に完了させる
時効(請求できる期限):申請による換価の猶予は原則として納期限から6か月以内(国税徴収法151条の2)。公売公告は公売の日の少なくとも10日前まで(同95条)。滞納処分に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(国税通則法77条)。買受代金の納付期限は売却決定に際して指定される(同115条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の公売原則は、行政の自力執行力に対する手続的統制として理解される。方法を入札と競り売りに限定することで換価価格の公正な形成と手続の透明性を担保し、随意契約による売却(109条)は原則を掘り崩さない範囲の例外として厳格に解釈される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 改正:国税徴収法の全部改正により現行法が成立(昭和34年法律第147号)。滞納処分の手続体系が整理され、換価は公売を原則とし、その方法を入札または競り売りに限定する規律が置かれた
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