要点国税徴収法 52 条は、差押えの効力が天然果実には及び、法定果実には及ばないと定める。家賃を徴収するには賃料債権を別途差し押さえる必要があるが、債権差押後の利息だけは例外である。
Q · アパートを差し押さえられたら、来月の家賃も国に取られるんですか?
取られません。家賃は法定果実で効力の外です
国税徴収法 52 条 2 項本文により、差押えの効力は法定果実(家賃・地代など)に及びません。建物を差し押さえられても、賃料は従来どおり滞納者に支払われます。税務署が家賃を徴収するには、賃料債権そのものを別途差し押さえる手続(同法 62 条)が必要です。ただし預貯金等の債権を差し押さえた場合の差押後の利息だけは、同項ただし書により例外的に効力が及びます。天然果実(稲・果実・家畜の子)は 1 項本文で原則として効力が及び、換価による権利移転の時までに収取されない分は買受人に帰属します。
アパートを一棟差し押さえられた滞納者が最初に恐れるのは、来月の家賃も国に持っていかれることだ。だが国税徴収法 52 条 2 項は、差押えの効力は法定果実(家賃・地代・利息のように、物を使わせた対価として定期的に入るお金)には及ばない、と言い切っている。建物を押さえられても家賃はあなたの口座に入り続ける。税務署が家賃を取りたければ、賃料債権そのものを別に差し押さえる手続(62 条)を踏むしかない。逆に 1 項は、天然果実(田の稲、果樹の実、家畜の子のように物から自然に生まれる物)には効力が及ぶと定める。ただしあなたが差押財産を使い続けられる場合は及ばない。落とし穴はその括弧の中だ。換価(公売)で権利が移る時までに収穫されていない作物は除外の対象から外れ、買受人のものになる。稲刈りの前に代金納付が済めば、その田の稲はもうあなたの米ではない。
国税徴収法 52 条は、滞納処分による差押えの効力が差押財産から生ずる果実に及ぶ範囲を画する規定である。天然果実には原則として効力が及ぶが、滞納者又は第三者が使用収益できる場合は換価による権利移転時までに収取された分が除外され、法定果実には効力が及ばないが債権差押後の利息は例外とされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
天然果実は物から自然に生まれる産出物(稲・果実・子牛)、法定果実は物の使用対価として受け取る金銭(家賃・地代・利息)です。民法 88 条が定義し、国税徴収法 52 条はこの区別で差押えの効力範囲を分けます。
差押えの効力が差押財産の果実にどこまで及ぶかを定める条文です。天然果実には原則及び(1 項)、法定果実には及ばない(2 項)という二段構造で、債権差押後の利息だけが例外です。
賃料債権が別途差し押さえられていない限り、従来どおり所有者(滞納者)が受け取ります。52 条 2 項本文が法定果実を効力の外に置いているためです。
建物の差押えとは別に、国税徴収法 62 条により賃料債権を差し押さえます。賃借人に債権差押通知書が送達された日から、賃借人は国に支払う義務を負います。
国に回ります。52 条 2 項ただし書が「債権を差し押えた場合における差押後の利息」を法定果実の原則の例外として拾っているためです。
滞納者が使用収益できる場合は 1 項ただし書により収穫できます。ただし換価による権利移転の時までに収取しなかった分は除外され、買受人に帰属します。
子牛は天然果実にあたり 1 項本文で効力が及びます。ただし徴収職員が滞納者に使用収益を許した場合(61 条)は、ただし書により効力が及びません。
建物の差押通知だけなら従来どおり大家に払います。債権差押通知書が届いた日以降は国に払います。取り違えると二重払いのリスクがあります。
建物の差押えだけなら、入居者はこれまでどおりあなたに払います。52 条 2 項本文が、差押えの効力は法定果実に及ばないと定めているからです。税務署が家賃を取るには賃料債権を別に差し押さえる必要があります(62 条)。業界裏話ヒント:徴収の現場では不動産と賃料債権を同時に押さえるのが定石だが、賃借人の把握に時間がかかって数か月ずれることがある。その間の家賃は猶予申請の納付計画に組み込める
差押え後に付いた利息も国に回ります。2 項は法定果実に効力が及ばないのが原則ですが、ただし書が「債権を差し押えた場合における差押後の利息」だけを例外として拾っているからです。業界裏話ヒント:この例外があるため、取立てまでの期間が延びても徴収側は損をしない設計になっている。押さえられた側が「取立てが遅かったのだから利息分は自分のもの」と主張する余地はない
原則として収穫できます。滞納者が差押財産を使用収益できる場合、そこから生じる天然果実に効力は及びません(1 項ただし書、不動産は使用収益が原則として認められる、69 条)。ただし括弧書きが罠で、権利移転の時までに収穫しなかった分は買受人に渡ります。業界裏話ヒント:公売期日は徴収職員の裁量で動く。収穫予定を早めに文書で伝えておくと、実務では収穫後に日程が組まれることが多い
子牛は天然果実にあたり、1 項本文により差押えの効力が及びます。ただし動産でも徴収職員が滞納者に使用収益を許した場合(61 条)は、ただし書によって効力が及ばなくなります。業界裏話ヒント:動産差押えは保管方法が分岐点で、徴収職員が現実に占有するか、滞納者に保管させて使用収益を許すか(60 条、61 条)で果実の帰属が変わる。差押調書の保管方法欄をまず読む
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 効力の対象 | 52 条:差押財産から生ずる果実(天然果実は原則及ぶ、法定果実は及ばない) | — |
| 家賃への到達 | 到達しない(2 項本文) | — |
| 必要な手続の数 | 財産本体の差押え一回で完結 | — |
| 滞納者側の対抗軸 | 使用収益の可否(61 条・69 条)と収取時期の前後 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。