国税徴収法 第88条(参加差押えの制限、解除等)
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- 第八十三条から第八十五条まで(交付要求の制限、解除等)の規定は、参加差押えについて準用する。
- 2.税務署長は、参加差押えの登記をした財産の参加差押えを解除したときは、その登記の抹消を関係機関に嘱託しなければならない。
- 3.税務署長は、電話加入権の参加差押えを解除したときは、その旨を第三債務者に通知しなければならない。
- 4.前二条及び前三項に定めるもののほか、参加差押えに関する手続について必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
参加差押えの制限、解除等とは何ですか?
定義参加差押えの制限、解除等とは、国税徴収法第88条に定められた規定で、「第八十三条から第八十五条まで(交付要求の制限、解除等)の規定は、参加差押えについて準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第88条(参加差押えの制限、解除等)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第88条の条文原文は「第八十三条から第八十五条まで(交付要求の制限、解除等)の規定は、参加差押えについて準用する。」で始まります。
- 国税徴収法第88条は第二節に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第88条の前の条は国税徴収法第87条です。
- 国税徴収法第88条の次の条は国税徴収法第89条です。
- 国税徴収法第88条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第88条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第88条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/88
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法88条は、参加差押えの登記をした財産の参加差押えを解除したとき、税務署長が登記の抹消を関係機関に嘱託しなければならないと定める。滞納者側の申請や費用負担は不要である。
Q · 税金を完納したのに登記簿の参加差押えが消えません。自分で抹消手続をしないといけませんか?
税務署長の義務です。自分で司法書士に頼む必要はありません
国税徴収法88条2項により、参加差押えの登記をした財産の参加差押えを解除したときは、税務署長が登記の抹消を関係機関に嘱託しなければなりません。滞納者側の申請も費用負担も前提とされていません。登記簿から記載が消えていない場合、原因は「解除がまだ行われていない」か「嘱託書は発送済みで登記所の処理待ち」のどちらかです。確認すべきは依頼先ではなく、徴収担当が把握している解除年月日と嘱託書の発送日です。
解説
登記簿の甲区に「参加差押」の四文字が載った不動産は、事実上売れない。買主側の銀行が融資実行を止めるからだ。ではその四文字を消すのは誰の仕事か。88条2項は言い切っている。参加差押えを解除したときは、税務署長が登記の抹消を関係機関に嘱託しなければならない。あなたが司法書士に依頼する場面でも、費用を負担する場面でもない。1項はさらに使える。交付要求の制限・解除・解除請求の規定(83条から85条)が参加差押えにも準用されるため、他に換価が容易な財産で国税の全額を徴収できると認められる状況を作れば、参加差押えが打たれない、あるいは外れる余地が生まれる。3項の電話加入権への言及は時代錯誤に見えるが、参加差押えができる財産が86条で限定列挙されている事実を思い出させる合図でもある。
法的な位置づけ
国税徴収法88条は、参加差押えの解除とその後続手続を定める規定である。1項は交付要求の制限・解除等に関する83条から85条を参加差押えに準用し、2項は登記をした財産の参加差押えを解除した場合における税務署長の抹消登記嘱託義務を、3項は電話加入権の参加差押えを解除した場合における第三債務者への通知義務を規定する。4項は手続の細目を政令に委任する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記簿で「差押」か「参加差押」かを特定する 登記事項証明書を取得し、甲区の記載が差押えか参加差押えか、権利者がどの税務署または地方団体か、登記の受付年月日はいつかを確認する。参加差押えなら先行差押えの主体も併せて読み取る
- 2.徴収担当に解除年月日と嘱託書の発送日を確認する 権利者として記載された税務署の徴収担当に連絡し、参加差押えの解除が済んでいるか、88条2項の抹消登記嘱託書をいつ関係機関へ発送したかを確認する。抹消が遅れている原因が解除前か登記所の処理待ちかをここで切り分ける
- 3.滞納が残る場合は代替財産を提示して制限・解除を交渉する 88条1項が準用する83条を根拠に、換価が容易で他の債権の優先しない財産(預金、上場株式等)で国税の全額を徴収できることを資料で示す。換価に着手された後では主張の説得力が急落するため、着手前に動く
- 4.担保権者は85条準用の解除請求を書面で行う 質権者・抵当権者等の立場であれば、88条1項が準用する85条に基づき解除を請求する。参加差押えの日付、先行差押えの主体と進行状況、自らの回収見込額を数値で示した書面を提出する
- 5.売却決済日から逆算して完納日を前倒しする 解除、嘱託書の発送、登記所での処理という三段階を織り込み、完納日を決済日の2週間以上前に置く。買主側の金融機関には抹消見込み時期を事前共有し、融資実行条件のすり合わせをしておく
よくある質問 AI による整理
Q1参加差押えができる財産は何ですか?
国税徴収法86条が限定列挙しており、動産・有価証券、不動産、船舶・航空機等、電話加入権が対象です。預金などの一般債権には参加差押えができません。
Q2参加差押えの解除が義務になるのはどんな場合ですか?
88条1項が準用する84条により、国税の全額が納付・充当・免除等で消滅したときは解除しなければなりません。徴収機関の裁量で残せる場面ではありません。
Q3参加差押えを外してもらうために代わりの財産を提示できますか?
88条1項が準用する83条により、換価が容易で他の債権の優先しない財産で国税の全額を徴収できるときは制限がかかります。預金や上場株式の提示が交渉材料になります。
Q4抵当権者は参加差押えの解除を請求できますか?
88条1項が準用する85条により、質権者・抵当権者等は一定の要件のもとで解除を請求できます。書面で回収見込みと代替財産を示すことが実務上の要点です。
Q5電話加入権の参加差押えを解除したら誰に通知が行きますか?
88条3項により、通知先は第三債務者です。名義人本人に直接届く仕組みではないため、拘束が付いて外れたことを本人が知らないまま終わる場合があります。
Q6参加差押えの登記が消えるまでどのくらいかかりますか?
法定期間はありません。解除の決定、嘱託書の発送、登記所での処理という三段階を挟むため、実務上は数日から二週間程度を見込むのが安全です。
Q7参加差押えがあると不動産は売れませんか?
法律上の売買禁止ではありませんが、甲区に記載が残ると買主側の融資実行が止まるのが通例です。事実上、抹消登記が済むまで決済は進みません。
Q8参加差押えは放置すれば時効で消えますか?
消えません。国税の徴収権は法定納期限から5年で時効消滅しますが、差押え・参加差押えは時効の更新事由となるため、拘束が続く限り時効は完成しません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税金は全部払ったのに、登記簿の参加差押えがまだ消えません。自分で手続しないとダメですか?
88条2項により、解除したときの抹消登記の嘱託は税務署長の義務であり、あなたの申請も費用負担も不要である。消えていない原因は、解除がまだの場合か、嘱託書が発送済みで登記所の処理待ちの場合のどちらか。まず徴収担当に解除年月日と発送日を聞く。実務のポイント:嘱託書は郵送で登記所に届くため、完納から登記簿に反映されるまで数日から二週間かかることがある。決済日を完納の翌日に設定すると高確率で事故る
Q2参加差押えって交付要求とどう違うんですか。通知が来ても意味が分かりません
交付要求は先行手続の配当に手を挙げるだけだが、参加差押えは先行の差押えが解除された瞬間、参加差押書の送達時にさかのぼって差押えの効力が生じる(87条)。順番待ちではなく待機中の差押えである。対象も86条で限定列挙され、預金などの債権には参加差押えができない。実務のポイント:先行手続がいつまでも換価されないとき、参加差押えをした側は換価を催告できる。止まっている手続を動かす鍵は、後から入った側が握っている
間違えやすい点 AI による整理
- 差押えと参加差押えの違いは知っている人でも、その深刻度を見誤る。参加差押えは順番待ちの札ではない。先行の差押えが解除された瞬間、参加差押書が送達された時にさかのぼって差押えの効力が生じる(87条)。待機しているのは請求権ではなく、差押えそのものである
- 「抹消登記は誰に頼めばいいのか」という問いの立て方自体が誤っている。88条2項は税務署長の職権による嘱託義務であって、当事者の申請を前提にしていない。あなたが探すべきは依頼先ではなく、解除年月日と嘱託の発送日を答えられる担当者である
- 完納すれば登記も自動的に消えると考えられているが、税務署から見れば「解除」と「登記の抹消」は別々の事象で、間に嘱託書の郵送と登記所の処理が挟まる。あなたの目には一続きの出来事でも、法律上は三段階。この落差が決済当日の事故を生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文が扱う場面 | 88条:参加差押えの解除と解除後の後始末 | 86条:参加差押えができる財産と手続の入口 87条:先行差押え解除時の差押えへの転換(効力) |
| 主たる名宛人 | 税務署長(嘱託義務・通知義務を負う) | 税務署長(参加差押書を交付する主体) 参加差押えをした徴収機関と先行差押機関 |
| 滞納者・利害関係人が使える手段 | 83条準用の制限、84条準用の解除義務、85条準用の解除請求 | 対象財産が列挙外であることの指摘(預金等は不可) 先行手続が動かない場合の換価の催告 |
| 登記簿への影響 | 解除により抹消登記が職権で嘱託される | 参加差押えの登記が甲区に記載される 記載自体は変わらず、効力が差押えへ転換する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は「参加差押え」という独立の制度名を持たず、税捐機関による財産処分の制限とその解除、および行政執行における参与分配で同種の機能を分担する。処分制限の登記解除も税捐機関側の職権で行われる
韓国も先行の압류に対して後行の徴収機関が참가압류を行う制度を持ち、선행압류が解除されると참가압류が압류の効力を持つ点で日本と極めて近い。継受関係に由来する構造的類似
ドイツは租税債権の強制徴収を AO の Vollstreckung に一元化し、同一財産への後行の差押えは民事執行法上の Anschlusspfändung 概念で処理する。登記抹消も執行機関側の手続として扱われる
米国は差押えではなく federal tax lien を軸に構成し、納税義務が消滅した場合、IRS は一定期間内に lien の解除証書を発行する義務を負う。公示記録からの除去が納税者側の申請を要しない点は日本88条2項と同趣旨
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 完納の領収証は手元にある。それでも登記簿に参加差押の記載が残っていたら、決済はどうなるのか。買主の銀行は融資実行を止め、決済は延期。契約上の期限まであと10日。このとき効くのは司法書士への追加依頼ではなく、88条2項の嘱託がいつ発送されたかを税務署の徴収担当に確認する一本の電話である
- 休眠状態のNTTアナログ回線を持っている。滞納整理の過程で参加差押えの対象になり、解除の通知はあなたではなく第三債務者であるNTTへ行く(3項)。自分の財産の拘束が付いて外れたことを、本人が最後まで知らないまま終わる類型がここにある
- あなたが融資の担保に取った不動産に、税務署の参加差押えが入った。ここで担保権者は、85条準用の解除請求を検討できる立場に立つ。まず確認すべきは参加差押えの日付と先行差押えの主体。先行手続がいつ動くかで、あなたの抵当権が実際にいくら回収できるかが変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 登記簿を取得し、記載が差押か参加差押か、権利者がどの税務署または地方団体かを特定する2. 国税の全額が消滅していれば84条準用により解除は義務。徴収担当に解除年月日と88条2項の嘱託書発送日を確認3. まだ滞納が残るなら、換価が容易な代替財産(預金、上場株式)を提示し83条準用による制限・解除を交渉4. 担保権者や質権者の立場なら85条準用の解除請求を検討し、書面で理由と回収見込みを示す
訴えられた側:1. 参加差押えを維持したい債権者側なら、対象が86条列挙の財産(動産・有価証券、不動産、船舶等、電話加入権)に該当するかをまず確認。預金などの債権には参加差押えができない2. 先行差押えが長期間換価されないなら、参加差押えをした側から換価の催告ができる(87条)。動かない先行手続を動かす引き金はこちら側にある3. 解除請求を受けたら、代替財産の換価容易性と全額徴収の可否を数値で検証してから応答する
時効(請求できる期限):参加差押えの解除自体に法定の期限はない。ただし国税の徴収権は法定納期限から5年で時効消滅する(国税通則法72条)一方、差押えや参加差押えは時効の更新事由となるため、拘束が続く限り時効は完成しない。「放置すれば5年で消える」という発想は通用しないと考えるべきである(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 改正:国税徴収法の全部改正(昭和34年法律第147号)により、明治30年法律第21号以来の旧法体系を刷新。交付要求・参加差押えを含む滞納処分の手続体系が現行の形に整理された
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