納税者が国税の法定納期限等以前にその財産上に抵当権を設定しているときは、その国税は、その換価代金につき、その抵当権により担保される債権に次いで徴収する。
要点国税徴収法 16 条は、法定納期限等以前に設定された抵当権について、換価代金からその被担保債権を国税より先に配当すると定める。設定が一日でも後なら国税が優先する。
Q · 抵当権を先に登記していれば、滞納している国税より先に配当を受けられますか?
法定納期限等以前の設定なら抵当権が先に配当される
国税徴収法 16 条により、納税者が国税の法定納期限等以前にその財産上に抵当権を設定していれば、換価代金からまず抵当権の被担保債権が支払われ、国税はその次に徴収されます。基準は差押えの先後ではなく、抵当権の設定時期(実務上は登記の日)と法定納期限等の前後です。一日でも後なら 8 条の国税優先が働きます。ただし優先する金額は 18 条により登記された債権額(根抵当権なら極度額)が限度です。
登記簿謄本を隅から隅まで読んでも、絶対に載っていない日付がある。国税の「法定納期限等」だ。国税徴収法16条は、あなたが抵当権を設定した日がその日付以前であれば、公売や競売の換価代金からまず抵当権の被担保債権が支払われ、国税はその次に回ると定める。逆に一日でも後なら、8条の国税優先の原則が牙をむき、税務署が先に持っていく。恐ろしいのは、この日付がどこにも公示されないという点だ。融資判断で見た登記簿がどれだけ綺麗でも、その裏に半年前を法定納期限等とする消費税や源泉所得税が眠っているかもしれない。だから金融機関は登記簿と一緒に納税証明書を要求する。担保の順位は、登記の先後だけで決まっているのではない。見えない日付との勝負でも決まっている。
国税徴収法 16 条は、抵当権と国税の優先劣後を定める規定である。納税者が国税の法定納期限等以前にその財産上に抵当権を設定している場合、当該国税はその財産の換価代金につき、抵当権により担保される債権に次いで徴収される。8 条の国税優先の原則に対する時期基準の例外を構成する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
国税徴収法 15 条 1 項が定める、担保権と国税の優先順位を判定するための基準日です。申告納税なら法定納期限、更正処分による増差税額なら更正通知書を発した日などが基準になります。
登記簿には現れません。実務では納税者に納税証明書その 3 を取得してもらうしかなく、それも証明日時点の情報にすぎない点に注意が必要です。
実務上は登記の受付年月日で判定します。抵当権は登記が第三者対抗要件であるため、登記事項証明書の受付年月日が順位判定の基礎になります。
含まれます。「以前」は基準日当日を含む表現のため、法定納期限等と同日に設定登記した抵当権も 16 条の保護を受けます。
安全ではありません。国税は差押えをしなくても、他の債権者が始めた競売手続に交付要求(国税徴収法 82 条)を出すだけで配当に参加できます。
増額部分の設定時期は増額登記の日として扱われます。その結果、原極度額部分は国税に勝ち、増額部分だけ負けるという分断が起こり得ます。
既存抵当権を抹消して新規設定すると設定時期が新しくなり、その間に法定納期限等が到来した国税に劣後します。債務者変更や移転の付記登記で従前順位を維持できる場合があります。
国税徴収法 133 条により、配当計算書の謄本の発送の日から起算して 7 日を経過した日までに異議を申し立てる必要があります(最新の改正状況をご確認ください)。
設定日が法定納期限等以前なら順位としては優先するが、優先する金額は登記された債権額、根抵当権なら極度額が限度である(国税徴収法18条)。業界裏話ヒント:極度額を後から増額登記すると、増額部分の設定時期は増額登記の日として扱われる。だから根抵当権の極度額は、当初から融資見込みに余裕を持たせて設定しておく。後で足す発想が順位を割る
公示制度がないため登記簿では分からない。実務では納税証明書その3(未納の税額がないことの証明)を取ってもらうしかなく、しかもそれは証明日時点の情報にすぎない。業界裏話ヒント:更正処分による増差税額の法定納期限等は更正通知書を発した日である(国税徴収法15条1項)。税務調査中の企業への担保取得は、調査の決着を待ってから登記した方が順位で有利になる場面がある
危険な読み方である。国税は差押えをしなくても、他の債権者が始めた競売手続に交付要求(国税徴収法82条)を出すだけで配当に参加でき、16条の基準で順位が決まる。業界裏話ヒント:登記簿の差押登記の有無は、国税リスクの指標としてほとんど当てにならない。参加差押や交付要求は登記簿に現れない形で走っていることがあり、配当期日で初めて姿を見せる
既存の抵当権を抹消して新たに設定すれば、設定時期は新しい登記の日になる。その間に法定納期限等が到来していた国税には負ける(国税徴収法16条の反対解釈と8条)。業界裏話ヒント:司法書士がここで差をつける。債務者変更登記や抵当権移転の付記登記を使えば従前順位を維持できる場合があり、抹消と新設定という素直な手順を選んだ瞬間に順位という無形資産を捨てていることがある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 16 条:法定納期限等以前に設定された抵当権と国税の順位 | — |
| 判定基準 | 抵当権の設定時期(実務上は登記日)が法定納期限等以前か | — |
| 効果 | 換価代金から抵当権の被担保債権を先に配当し、国税は次順位 | — |
| 実務上の争点 | 法定納期限等が公示されず、貸主側から確認できない | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。