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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

国税徴収法 第17条(譲受前に設定された質権又は抵当権の優先)

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  1. 納税者が質権又は抵当権の設定されている財産を譲り受けたときは、国税は、その換価代金につき、その質権又は抵当権により担保される債権に次いで徴収する。
  2. 2.前項の規定は、登記をすることができる質権以外の質権については、その質権者が、強制換価手続において、その執行機関に対し、同項の譲受前にその質権が設定されている事実を証明した場合に限り適用する。この場合においては、第十五条第二項後段及び第三項(優先質権の証明)の規定を準用する。

この条文の基本情報

譲受前に設定された質権又は抵当権の優先とは何ですか?

定義譲受前に設定された質権又は抵当権の優先とは、国税徴収法第17条に定められた規定で、「納税者が質権又は抵当権の設定されている財産を譲り受けたときは、国税は、その換価代金につき、その質権又は抵当権により担保される債権に次いで徴収する。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 国税徴収法第17条(譲受前に設定された質権又は抵当権の優先)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
  2. 国税徴収法第17条の条文原文は「納税者が質権又は抵当権の設定されている財産を譲り受けたときは、国税は、その換価代金につき、その質権又は抵当権により担保される債権に次いで徴収する。」で始まります。
  3. 国税徴収法第17条は第三節に置かれています。
  4. 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
  5. 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 国税徴収法第17条の前の条は国税徴収法第16条です。
  7. 国税徴収法第17条の次の条は国税徴収法第18条です。
  8. 国税徴収法第17条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第17条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147
  • 本サイト収録国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第17条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/17

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点国税徴収法17条は、納税者が譲り受けた財産に譲受前から設定されていた質権・抵当権を国税に優先させる規定。登記できない質権は執行機関への証明が必要となる。

Q · 抵当権の付いた不動産を買った後に税金を滞納したら、抵当権と国税はどちらが先に配当を受けるの?

譲受前に設定された抵当権・質権が国税に優先します

国税徴収法17条により、納税者が質権又は抵当権の設定されている財産を譲り受けたときは、国税はその換価代金につき、その担保債権に次いで徴収されます。国税優先の原則(同法8条)の例外であり、ここでは法定納期限等(15条・16条)の前後を問わず、担保権の設定が譲受より前かどうかだけが基準となります。ただし登記をすることができない質権については、質権者が強制換価手続の執行機関に対し譲受前の設定を証明した場合に限り適用されます(同条2項)。

解説

差押えの現場で最初に問われるのは、誰が先に旗を立てたかである。国税徴収法は原則として国税を他の債権に優先させる(8条)が、その優先は無制限ではない。抵当権や質権が設定されたのが、その財産が納税者の手に渡る前だったなら、順序は逆転する。中古マンションをローン付きで買った、事業承継で担保の付いた工場を譲り受けた、そんな場合、前の所有者の時代に登記された抵当権は、あなたの滞納国税より先に換価代金から配当を受ける。理由は単純で、その担保権者には「この財産の将来の持ち主が税金を滞納するか」を知る手立てがなかったからだ。法定納期限等がいつかという15条・16条のものさしは、ここでは使わない。使うのは「譲受の前か後か」という一本の線だけである。ただし2項に罠がある。登記できない質権(動産質など)は、質権者自身が換価手続の執行機関へ「譲受前に設定した」と証明しない限り、この保護を受けられない。証明しなければ、権利があっても土俵に上がれない。

法的な位置づけ

国税徴収法17条は、納税者が質権又は抵当権の設定された財産を譲り受けた場合における国税と担保債権の順位を定める規定である。当該担保権が譲受前に設定されていたときは、国税は換価代金につきその担保債権に次いで徴収される。登記をすることができない質権については、質権者が執行機関に譲受前の設定を証明した場合に限り適用される。

手順

  1. 1.登記事項証明書で二つの日付を並べる 法務局で登記事項証明書を取得し、甲区の所有権移転の日と、乙区の抵当権設定の日を並べて確認する。設定が譲受より前であれば、国税徴収法17条1項の適用対象となる
  2. 2.執行機関へ優先を書面で主張する 差押えを行った税務署等の執行機関に対し、当該担保権が譲受前の設定であること、したがって国税徴収法17条1項により国税に優先することを、条文を明記した書面で主張する
  3. 3.登記できない質権は証明を先に済ませる 動産質など登記できない質権の場合、国税徴収法17条2項により質権者自身が証明しなければならない。公正証書や確定日付ある証書など施行令の定める書面を揃え、配当計算が組まれる前に執行機関へ提出する
  4. 4.配当計算書の内容を確認し、必要なら異議を述べる 執行機関から示される配当計算書で、自らの担保債権が国税より上位に位置づけられているかを確認する。順位に誤りがあれば、配当期日において期間内に異議を述べる

よくある質問 AI による整理

Q1国税徴収法17条とは?

納税者が質権・抵当権の付いた財産を譲り受けた場合、その担保権が譲受前に設定されていれば、換価代金から国税より先に配当を受けられると定める規定です。国税優先の原則の例外にあたります。

Q2国税優先の原則の例外にはどんなものがある?

国税徴収法8条の原則に対し、15条から21条に調整規定が並びます。法定納期限等以前の質権・抵当権、17条の譲受前担保権、不動産保存の先取特権などが代表例です。

Q3国税徴収法16条と17条の違いは?

16条は法定納期限等より前に設定された抵当権を優先させる規定で、比べるのは納期限です。17条が比べるのは納税者がその財産を譲り受けた日であり、ものさし自体が異なります。

Q4登記をすることができる質権とできない質権の違いは?

不動産質など登記で公示できる質権は、登記簿から設定日が確認できます。動産質のように登記制度がない質権は公示手段がないため、17条2項で質権者側に証明責任が課されています。

Q5優先質権の証明はどこに提出する?

強制換価手続の執行機関(税務署長、裁判所、執行官など、その手続を行う機関)に対して提出します。書面の種類は国税徴収法施行令が定めており、公正証書などが用いられます。

Q6譲り受けた財産が差し押さえられたらどうなる?

公売等で換価され、代金が配当されます。譲受前の抵当権が残っていれば、その被担保債権が国税より先に弁済を受け、残額があってはじめて国税に配当が回ります。

Q7無益な差押えとは?

差押財産の見積価額が、優先する債権額と滞納処分費の合計を超えない場合を指します。国税徴収法48条2項により、そのような差押えは禁止され、既にした差押えは解除されます。

Q8抵当権が残っている不動産を国税が公売するとどうなる?

17条が適用される抵当権であれば、換価代金からまず抵当権者へ配当され、国税は次順位になります。残債が見積価額を上回れば、そもそも差押え自体が争われ得ます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1税金って何より優先されるって聞きましたけど、抵当権が勝つことなんてあるんですか?

あります。国税優先の原則(8条)はあくまで原則で、15条から21条に例外が並びます。17条はその一つで、納税者が財産を譲り受ける前に設定されていた質権・抵当権は、換価代金から国税より先に回収できます。実務のポイント:担保評価の実務では、法定納期限等を調べる前に登記簿の所有権移転日を見る担当者のほうが事故が少ない。甲区の日付が与信の生命線になっている

Q2動産に質権を取ってるんですが、黙っていても配当してもらえますよね?

もらえません。17条2項は、登記できない質権について、質権者自身が強制換価手続の執行機関へ譲受前の設定という事実を証明した場合に限り優先を認めます(15条2項後段・3項を準用)。証明は公正証書など定められた書面で行います。実務のポイント:この証明を待ってくれる執行機関はない。だから動産質の実務家は、契約したその日に確定日付を取りに行く

Q3相続で担保付きの不動産をもらった場合も17条が使えますか?

実務上、17条の「譲り受けた」は売買や贈与のような特定承継を指すと解されており、相続のような包括承継は納税義務の承継(国税通則法5条)の枠組みで処理されます。この線引きは実務上、解釈が分かれる余地があります。実務のポイント:同じ不動産を渡すのでも、生前贈与か相続かで適用条文が変わる。事業承継の設計を比べるとき、この差は表に出ないまま結論を動かす

間違えやすい点 AI による整理

  • 「税金には誰も勝てない」は半分しか正しくない。国税優先の原則(8条)の直後には15条から21条まで例外が並び、17条はその中でも特殊で、法定納期限等の前後をまったく問わない。比べる時間軸そのものが違う
  • 17条が担保権者を守る条文だと知っている人でも、2項の証明責任の重さまでは知らないことが多い。動産質のように登記できない質権は、執行機関へ自分から証明しに行かなければ配当表に名前が載らない。負けるのではなく、争う場に立てないまま終わる
  • 「抵当権の設定日と法定納期限等、どちらが先か」という問いの立て方自体が、この場面では誤っている。17条で数えるのは譲受日である。誤った問いに正確に答えても、結論は外れる
比較の観点この条文ほかの条文
順位を分ける基準時17条:納税者がその財産を譲り受けた日16条:国税の法定納期限等
15条:国税の法定納期限等
対象となる担保権17条:譲受財産に付いた質権・抵当権16条:抵当権
15条:質権
証明の要否17条:登記できない質権のみ質権者に証明責任(2項)16条:登記により公示され、原則として証明不要
15条:登記できない質権は質権者が証明(2項後段・3項)
適用場面17条:担保付財産を第三者から譲り受けた納税者16条:納税者自身が自己の財産に抵当権を設定
15条:納税者自身が自己の財産に質権を設定

他国ではどう定めているか 6 か国

台湾
稅捐稽徵法第6条、民法第860条以下

台湾は税捐の優先を原則として普通債権に対するものとし、抵押権との関係は特定の税目を除いて日本ほど強く踏み込まない。したがって「譲受の前後」で切る日本17条のような専用規定は置かれていない

韓国
국세기본법 제35조

韓国は法定期日を基準に、それより前に設定された전세권・질권・저당권を国税に優先させる。日本の15条・16条に近い設計で、17条のような譲受基準の独立規定は持たない

中国
中華人民共和国税収徴収管理法 第45条

中国は欠税の発生時期と担保設定時期の先後で順位を決める。基準時が「欠税の発生」である点で、「譲受」を基準とする日本17条とはものさしが異なる

ドイツ
Abgabenordnung §§ 281 ff.

ドイツは滞納処分において差押えの先後で順位を決め、租税債権に一般的な優先権を与えない立場をとる。担保権者保護は優先権の例外規定ではなく、優先権を置かないこと自体で実現されている

フランス
Code général des impôts art. 1920 et s.

フランスは国庫の先取特権(privilège du Trésor)を認めつつ、対抗要件としての公示手続を課す。公示の有無で担保権者との順位が決まる構造で、基準は公示時期であり譲受時期ではない

アメリカ
Internal Revenue Code § 6323(a)

米国は連邦租税リーエンの通知登録前に権利を得た善意の買主・担保権者に対し、リーエンを対抗できないとする。first in time, first in right の変形であり、公示の先後を基準とする点で日本17条と発想が異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 滞納の噂がある会社から抵当権付きの倉庫を買い取った取引先に融資したら、税務署の差押えが入った。どうなる? 抵当権の登記が所有権移転より前なら、国税はその抵当権の後ろに並ぶ。登記簿の甲区と乙区、二つの日付の前後だけが勝敗を分ける
  • 親の会社から中古の工作機械を譲り受けた。その機械にはリース会社の動産質が付いていた。証明書面を出さなければ、質権者は換価代金を一円も受け取れない
  • 差押通知が届いてから公売までは数週間しかない。あなたが質権者側なら、その間に譲受前の設定を示す公正証書や確定日付ある証書を執行機関へ提出しなければならない。配当計算が組まれた後に持ち込んだ書面は、原則として間に合わない
  • あなたが滞納者本人で、買ったばかりのアパートを差し押さえられた場合。売主の時代に付いた銀行の抵当権が残債付きで残っているなら、公売しても銀行が先に取り、国税に回る金はほとんど残らない。この計算が、無益な差押えの禁止(48条2項)による差押解除の主張材料になる
  • 相続で担保付きの土地を引き継いだ場合はどうか。実務上、17条の「譲り受けた」は売買や贈与のような特定承継を指すと解されており、相続のような包括承継は納税義務の承継(国税通則法5条)という別の枠組みで処理される。買ったのか相続したのかで、適用条文が丸ごと入れ替わる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 登記事項証明書で「所有権移転の日」と「担保権設定の日」を並べ、設定が譲受より前かを確認する2. 前であれば17条1項により国税に優先する旨を執行機関へ主張し、書面に条文を明記する3. 登記できない質権なら、公正証書や確定日付ある証書など施行令が定める書面を揃え、換価手続の早い段階で証明を済ませる4. 配当計算に不服があれば、配当期日で異議を述べ、期間内に次の手続へ進む

訴えられた側:1. 差押財産に前所有者時代の抵当権が残っているなら、残債額と見積価額を並べ、国税に配当が回らない見込みを数字で示す2. 無益な差押えの禁止(48条2項)を根拠に差押解除を求める余地がある3. 並行して換価の猶予(151条、151条の2)や納税の猶予(国税通則法46条)を申請し、時間を確保する4. 滞納処分自体に不服があれば再調査の請求または審査請求を検討する

時効(請求できる期限):本条に固有の期間の定めはない。実務で効くのは手続上の期限で、2項の証明は強制換価手続の配当計算前に執行機関へ届かなければ意味を失う。滞納処分への不服申立ては、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(国税通則法77条)。国税の徴収権自体は法定納期限から5年で時効消滅する(国税通則法72条)。(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:17条の「譲り受けた」は、売買や贈与のような特定承継を指すと解されている。相続のような包括承継は、納税義務の承継(国税通則法5条)という別枠組みで処理されるため、本条の適用場面ではないとされる。もっとも、この線引きは実務上、解釈が分かれる余地がある。

通説:17条2項の証明は、優先を認めてもらうための積極的要件と解されている。証明がなければ質権者は国税に対する優先を主張できず、配当手続において争う地位そのものを得られないという結論になる。

改正沿革 AI による整理

  • 昭和34年(1959年)国税徴収法全部改正 旧法下で不明確だった国税と担保権の順位関係を体系化し、国税優先の原則とその調整規定群(15条から21条)が整備された。本条もこの体系の一部として置かれている。個別の改正履歴は人的検証を要する

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 改正:国税徴収法の全部改正により、旧法下で不明確だった国税と担保権の順位関係が体系化された。国税優先の原則(8条)とその調整規定群(15条から21条)が整備され、本条もこの体系の一部として置かれた。個別の改正履歴は人的検証を要する

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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