要点国税徴収法108条により、税務署長は公売を妨害した者や代金を納付しない買受人を、その事実があった後二年間、公売から締め出せる。制限は雇用主や代理人を立てた者にも及ぶ。
Q · 公売で落札したのに代金が払えなかったら、保証金を諦めるだけで済みますか?
済みません。保証金没収に加え、二年間の公売参加制限が上乗せされます。
国税徴収法108条1項4号により、正当な理由がなく買受代金を納付期限までに納付しない買受人は、その事実があった後二年間、公売の場所への入場や入札等を制限されうる。同条2項の処分を受けた場合、納付済みの公売保証金は3項により国庫に帰属し、返還を定めた100条6項の適用は明文で除外される。さらに1項後段により、制限を受けた者を従業者として使用する者や、その者を入札等の代理人とする者にも同じ二年の制限が及ぶ。事前の弁明手続は国税通則法74条の14により原則適用されず、争う場は事後の審査請求となる。
差し押さえられた不動産や自動車が、国税庁の公売情報サイトに市場価格より安く並んでいる。個人でも入札できる。ここまでは知っている人がいる。知られていないのはその先だ。落札したのに資金繰りがつかず代金を納めなかった、それだけで税務署長はあなたを二年間、公売の場から締め出せる(1項4号)。納めた公売保証金は戻らず国庫に入り、しかも返還を定めた100条6項は明文で適用除外にされる(3項)。さらに効くのが1項後段で、締め出された人を使用人・従業者として使う者、その人を入札の代理人に立てた者まで、同じ二年の制限を受けうる。あなた個人の資金ミスが、勤務先の仕入ルートを止める構造になっている。加えて、これは行政上の措置であり、国税に関する処分なので行政手続法の弁明の機会の規定は原則として働かない(国税通則法74条の14)。反論したければ、自分から審査請求を起こすしかない。
国税徴収法108条は、公売参加の制限を定める規定である。税務署長は、公売の妨害、価額引下げ目的の連合、偽名による買受申込み、正当な理由のない買受代金の不納付、公売財産の故意の損傷などの事実がある者について、その事実があった後二年間、公売の場所への入場制限、退場、入札等の禁止をすることができる。制限は当該者を従業者として使用する者にも及ぶ。
国税徴収法108条に基づき、税務署長が公売の妨害者や代金不納付の買受人を、その事実があった後二年間、公売の場所への入場や入札等から排除できる行政上の措置です。刑罰ではありません。
二年間です。起算点は処分の日ではなく「その事実があつた後」、つまり妨害行為や代金不納付という事実が発生した時点から数えます(108条1項)。
1項後段により、制限対象者を使用人その他の従業者として使用する者、その者を入札等の代理人とする者も同様に制限を受けうる構造です。採用一つで会社の仕入経路が二年止まる余地があります。
不当に価額を引き下げる目的の連合は108条1項2号で入札が無効化されるほか、同じ行為が刑法96条の6の公契約関係競売等妨害に触れれば刑事責任も別軌道で発生します。行政と刑事は相殺されません。
108条5項により、公売不動産の最高価申込者等が暴力団員等である場合、またはその役員に暴力団員等がいる法人である場合、税務署長は最高価申込者等とする決定を取り消すことができます。入札時点で該当していた者も含まれます。
国税に関する処分なので原則として不服申立前置です(国税通則法115条)。処分があったことを知った日の翌日から三か月以内に審査請求を行い、裁決を経てから取消訴訟に進みます。
地方税の滞納処分は地方税法により国税徴収法の滞納処分の例によります。手続の骨格を共有するため、換価の場面で同種の制限が働く余地があります。実際の取扱いは各自治体の徴収部門に確認してください。
108条4項により、税務署長は1項の適用に関し必要があると認めるときは、入札者等の身分に関する証明を求めることができます。名義貸しや制限対象者の関与はこの段階で表面化します。
終わりません。保証金は国庫に帰属し、返還を定めた100条6項は適用除外と明記されています(108条3項)。加えて1項4号により二年間の参加制限がかかりうる。金銭損だけの話ではない。業界裏話ヒント:制限は「できる」規定で税務署長の裁量が働く。期限前に資金不調の事情を書面で申し出た記録があるかどうかで実務の扱いは変わる。事後の電話説明は記録として弱い
1項3号の「偽りの名義で買受申込みをした者」に真正面から当たります。決定は2項で取り消され、保証金は3項で国庫。税務署長は4項で入札者の身分証明を求める権限も持っています。業界裏話ヒント:6号に「実施を妨げる行為をした者」という包括条項がある以上、名義を貸した側も制限の射程に入りうる。頼まれて名前を貸しただけの人が、自分の入札資格を二年失う筋がある
国税に関する法律に基づく処分には、行政手続法第3章(不利益処分)の弁明の機会の付与などが原則として適用されません(国税通則法74条の14)。理由の提示など一部の規定の扱いは同条で個別に定められています。反論の場は事前ではなく事後の審査請求です。業界裏話ヒント:事前手続が薄いぶん、通知書の理由記載が具体性を欠くことがある。まず理由欄が何号のどの事実を指しているかを精査すると、そこ自体が争点になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 108条:公売に参加する資格そのもの(二年間の排除) | — |
| 発動の主体と性質 | 税務署長の裁量による行政上の措置(「できる」規定) | — |
| 代金不納付が起きたときの効果 | 1項4号で二年間の参加制限、2項で決定取消 | — |
| 第三者への波及 | 使用者・代理人を立てた者にも制限が及ぶ(1項後段) | — |
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