要点国税徴収法 158 条は、消費税等(消費税を除く)の滞納者に税務署長が担保提供を命じ、期限内に提供がなければ書面通知で抵当権を設定できると定める。滞納なしが 3 か月続けば解除される。
Q · 税金を滞納したら、承諾なしに工場や土地へ抵当権を付けられるって本当?
本当です。ただし指定期限内に担保を出せば防げます
国税徴収法 158 条により、たばこ税や揮発油税などの消費税等(消費税を除く)を滞納し、その後の徴収確保が難しいと認められると、税務署長は金額と期限を指定して担保の提供を命じます。指定期限までに提供しないと、税務署長は書面で通知するだけで抵当権を設定でき、通知を受けた納税者は抵当権を設定したものとみなされます(3 項・4 項)。登記も税務署長の嘱託で行われ、登記義務者の承諾は不要です(6 項)。ただし滞納のない期間が継続して 3 か月に達したときは、解除しなければなりません(7 項)。
たばこ税、揮発油税、石油ガス税といった個別消費税を滞納すると、税務署長は「金額と期限を指定して担保を出せ」と命じることができる(1項)。出せる担保は国税通則法50条の列挙から選ぶ。ここまでは普通の徴収手続に見える。問題は指定期限を過ぎた後だ。3項で税務署長は、あなたの財産のうち抵当権の目的になるものについて、書面一通で抵当権を設定する旨を通知できる。そして4項は「通知を受けた納税者は抵当権を設定したものとみなす」と書く。あなたの署名も承諾も要らない。登記の嘱託も税務署長が行い、登記義務者であるあなたの承諾も不要(6項)。担保できる金額は前月分の税額の3倍が上限(2項)で、酒税は3項の抵当権設定からは除かれている。ただし出口も条文の中にある。滞納がない期間が継続して3か月に達したとき、税務署長は担保を解除しなければならない(7項)。
国税徴収法 158 条は保全担保について定める規定であり、消費税等(消費税を除く)を滞納した納税者に対し、税務署長が国税通則法 50 条各号の担保の提供を命じ、指定期限までに提供がない場合には書面通知によって抵当権を設定したものとみなす制度を規律する。限度額は前月分の税額の 3 倍(前年の対応 3 か月分に満たないときはその額)とされ、酒税は抵当権設定の対象から除かれる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
滞納が続く納税者から将来分の国税を取りこぼさないよう、税務署長が事前に担保を取る制度です。国税徴収法 158 条が根拠で、応じなければ抵当権設定に進みます。
命令する月の前月分の税額の 3 倍が原則の限度です。ただしその額が前年の対応月から 3 か月分の税額に満たないときは、その前年分の額が限度になります(2 項)。
違法ではありません。4 項が「通知を受けた納税者は抵当権を設定したものとみなす」と定めており、法律による特別の擬制です。民法の合意による設定とは別枠の仕組みです。
処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内に審査請求ができます(国税通則法 77 条)。あわせて 2 項の限度額を超えていないか検算するのが実務的です。
税務署長が関係機関に嘱託します(4 項後段)。嘱託情報と併せて通知書の到達を証する情報を提供すれば足り、登記義務者である納税者の承諾は不要です(6 項)。
影響します。登記簿の権利部に国税徴収法 158 条を原因とする抵当権が記録され、融資審査や与信調査で「国税を滞納している事業者」と読まれる材料になります。
指定金額と指定期限を確定し、期限日をカレンダーに入れることです。期限内は担保の種類を選ぶ権利が納税者側にあり、過ぎると選択権が税務署長へ移ります。
税務署長が解除したうえで登記の抹消を嘱託します。解除を申し出た後は、登記簿謄本を取得して抹消まで完了しているかを自分で確認するのが確実です。
命令書には金額と期限しか書かれないことが多く、種類はあなたが国税通則法50条の列挙(国債・地方債、有価証券、土地、保険を付した建物や船舶、鉄道財団等、税務署長が確実と認める保証人の保証、金銭)から選びます。業界裏話ヒント:保証人の保証や金銭を選べば不動産の登記簿には何も残りません。期限を過ぎた瞬間に選択権が税務署長側へ移り、3項で不動産に抵当権が付く。選べるうちに選ぶかどうかが分岐点です
外れます。158条7項は、命令に係る国税の滞納がない期間が継続して3か月に達したとき、税務署長は担保を解除しなければならないと定めています。8項では資力その他の事情の変化で必要がなくなれば直ちに解除できます。業界裏話ヒント:3か月の到達を役所が先に気付いてくれるとは限りません。起算日を自分で計算して到達日に解除を申し出て、登記の抹消嘱託まで済んだかを謄本で確認すること
1項は「消費税等(消費税を除く。)」と書いており、消費税そのものは本条の対象外です。ただし安全という意味ではありません。消費税の滞納には督促後の差押え、繰上請求、159条の保全差押えという別の経路があります。業界裏話ヒント:新規に発生する滞納国税のうち最も大きな割合を占めるのは消費税で、徴収現場の圧力も最も強い。158条の対象外だから後回しでよいという読み方が一番危険です
3項は抵当権を設定できる国税から酒税を明文で除いています。ただし1項の担保提供命令そのものは酒税にも及びます。酒税には酒税法側に別建ての担保の仕組みがあるためです(条番号と現行効力は要確認)。業界裏話ヒント:酒類製造業では、担保に応じられない状態が続くと問題が出るのは登記簿ではなく製造免許の側になりうる。抵当権が付かないことを軽いと読むと、失うものの種類を読み違えます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 発動のタイミング | 158 条:滞納後、将来分の徴収確保が困難と認められる段階 | — |
| 行われる措置 | 担保提供命令 →(不提供なら)書面通知による抵当権の設定 | — |
| 納税者の関与 | 承諾も署名も不要。通知の到達だけで設定したものとみなす(4 項) | — |
| 外れる条件 | 滞納なしの期間が継続して 3 か月(7 項)/事情変化で直ちに解除(8 項) | — |
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