国税徴収法 第128条(配当すべき金銭)
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- 税務署長は、次に掲げる金銭をこの節の定めるところにより配当しなければならない。
- 一差押財産又は特定参加差押不動産(次条第一項第三号及び第百三十六条(滞納処分費の範囲)において「差押財産等」という。)の売却代金
- 二有価証券、債権又は無体財産権等の差押えにより第三債務者等から給付を受けた金銭
- 三差し押さえた金銭
- 四交付要求により交付を受けた金銭
- 2.第八十九条第三項(換価する財産の範囲等)の規定により差押財産等(同条第一項に規定する差押財産等をいう。以下この項において同じ。)が一括して公売に付され、又は随意契約により売却された場合において、各差押財産等ごとに前項第一号に掲げる売却代金の額を定める必要があるときは、その額は、売却代金の総額を各差押財産等の見積価額に応じて按分して得た額とする。各差押財産等ごとの滞納処分費の負担についても、同様とする。
この条文の基本情報
配当すべき金銭とは何ですか?
定義配当すべき金銭とは、国税徴収法第128条に定められた規定で、「税務署長は、次に掲げる金銭をこの節の定めるところにより配当しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第128条(配当すべき金銭)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第128条の条文原文は「税務署長は、次に掲げる金銭をこの節の定めるところにより配当しなければならない。」で始まります。
- 国税徴収法第128条は第四節に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第128条の前の条は国税徴収法第127条です。
- 国税徴収法第128条の次の条は国税徴収法第129条です。
- 国税徴収法第128条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第128条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第128条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/128
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法128条は、税務署長が配当すべき金銭を売却代金・第三債務者からの給付金・差押現金・交付要求受領金の四類型に限定し、一括換価時は見積価額に応じて按分すると定める。
Q · 差し押さえられた家が公売で売れたら、その代金は全部税務署のものになるんですか?
いいえ。四類型の金銭は法定順位で配当され、剰余は滞納者に返還されます
国税徴収法128条1項は、税務署長が配当すべき金銭を、差押財産等の売却代金、第三債務者等から給付を受けた金銭、差し押さえた金銭、交付要求により交付を受けた金銭の四類型に限定しています。これらは税務署の裁量で処理される資金ではなく、129条以下の順位に従って国税・地方税・抵当権者・交付要求債権者へ配当され、残余があれば滞納者に返還される法定の分配原資です。また2項により、複数の差押財産等が一括換価された場合、各財産ごとの売却代金と滞納処分費の負担は見積価額に応じて按分されます。
解説
税金を滞納して財産を差し押さえられた。競売にかけられ、家が3,000万円で売れた。ここであなたが気にすべきは「いくらで売れたか」ではない。売れた金がどこへ流れるかだ。国税徴収法128条は、税務署長が配当しなければならない金銭を四種類に限定して列挙する。売却代金、第三債務者から取り立てた金銭、差し押さえた現金、交付要求で受け取った金銭。この四つに入る金は、税務署の裁量で処理される「お金」ではなく、法定手続に乗せて分配される義務的な原資になる。つまり、あなたに抵当権者がいれば彼らの取り分が、あなた自身に剰余が出れば返還分が、この条文を起点に計算される。さらに2項は、複数の財産を一括で売ったとき、各財産の見積価額に応じて売却代金を按分すると定める。この按分計算があなたの抵当権者間の優劣を左右し、滞納処分費の負担割合まで決める。売却の後に静かに進む計算が、実は最大の争点である。
法的な位置づけ
国税徴収法128条は、滞納処分における換価代金等の配当原資を画定する規定である。1項は税務署長が配当すべき金銭を四類型に限定し、2項は差押財産等が一括して換価された場合における各財産ごとの売却代金の額および滞納処分費の負担を、見積価額に応じた按分により算定する旨を定める。同法129条以下の配当順位規定が適用される前提を構成する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公売公告の見積価額を財産ごとに控える 公売公告が出たら、対象財産の一覧と各財産の見積価額を財産ごとに書き写す。一括公売なら128条2項により見積価額の比率が売却代金と滞納処分費の按分比率になるため、この数字が配当額の出発点になる
- 2.見積価額を独自査定と照合する 自分の担保物件の見積価額が実勢より低く付けられていないか、不動産業者の査定書または不動産鑑定評価と照合する。乖離があれば、公売前の段階で査定資料を担当の徴収職員に提示する
- 3.売却決定の日の前日までに交付要求書を提出 抵当権者・他の債権者として配当を受けるには、所轄の税務署長に交付要求書を提出する。期限は売却決定の日の前日まで。早く出すほど配当計算に確実に組み込まれ、誤りを発見した際の是正時間も確保できる
- 4.配当計算書の謄本を検算する 謄本が届いたら、売却代金総額・各財産の見積価額・按分額・滞納処分費の負担割合を電卓で再計算する。按分額 = 売却代金総額 × 当該財産の見積価額 ÷ 見積価額の合計、という128条2項の算式に合致するか確認する
- 5.7日以内に異議を書面で申し立てる 計算に誤りがあれば、謄本の交付を受けた日から起算して7日以内に税務署長へ書面で異議を申し立てる(国税徴収法133条2項)。この期間を過ぎると、按分結果がどれだけ不利でも確定する
よくある質問 AI による整理
Q1配当すべき金銭とは?
国税徴収法128条1項が定める四類型の金銭です。差押財産等の売却代金、第三債務者等から給付を受けた金銭、差し押さえた金銭、交付要求により交付を受けた金銭がこれにあたり、法定手続で分配される原資となります。
Q2公売の配当順位はどうなる?
128条で確定した原資を、129条以下の順位に従って配当します。滞納処分費、国税・地方税、抵当権等の担保権、交付要求債権の順序関係は、担保権の設定登記日と国税の法定納期限等の先後で決まります。
Q3交付要求はいつまで?
売却決定の日の前日までに交付要求をする必要があります。この期限を過ぎると、交付要求により受け取るはずだった金銭が128条1項4号の配当原資に組み込まれず、配当計算表に自分の名前が載りません。
Q4配当計算書に異議があるときは?
配当計算書の謄本の交付を受けた日から起算して7日以内に、税務署長へ異議を申し立てます(国税徴収法133条2項)。按分計算や滞納処分費の負担割合の誤りは、この期間内に書面で指摘してください。
Q5見積価額はどうやって決まる?
税務署長が公売財産の評価に基づいて決定し、公売公告で公表されます。一括換価では見積価額の比率がそのまま売却代金の按分比率になるため、実勢と乖離していないかを公告段階で査定書と照合する価値があります。
Q6滞納処分費は誰が負担する?
換価代金等から最優先で徴収されます。一括換価の場合、128条2項により各差押財産等の見積価額に応じて按分負担となるため、特定の財産に処分費が偏れば、その財産の担保権者への配当額が削られます。
Q7公売で剰余が出たらどうなる?
国税・地方税・担保権者・交付要求債権者への配当を終えてなお残余がある場合、滞納者本人に交付されます(国税徴収法129条)。逆に無剰余が見込まれる場合は、公売そのものが制限されることがあります。
Q8差し押さえた現金も配当の対象?
対象です。128条1項3号が「差し押さえた金銭」を明示しています。換価手続を経ずに直接押さえた現金も、税務署が即座に充当できる資金ではなく、法定の配当手続に乗る原資として扱われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公売で家が売れたら、そのお金は全部税務署が持っていくんですか?
いいえ。128条で配当すべき金銭として確定した後、129条の順位に従って、国税・地方税・抵当権者・交付要求債権者に配られ、残余があれば滞納者に返還される。国税が常に一番ではなく、抵当権設定登記が国税の法定納期限等より前なら抵当権が優先する。実務のポイント:この先後関係は登記日と法定納期限等の比較で機械的に決まる。自分の抵当権が国税に勝てるかどうかは、税務署に聞くより先に登記事項証明書と滞納税目の法定納期限を並べれば自分で判断できる
Q2土地と建物をまとめて売られたんですが、代金の内訳ってどう決まるんですか?
128条2項により、売却代金の総額を各財産の見積価額に応じて按分した額が、それぞれの売却代金となる。滞納処分費の負担も同じ比率で割り振られる。実務のポイント:見積価額は公売公告の段階で公表されるが、これに対する不服申立ての実務は難易度が高い。実際に効くのは、公売前に自分で査定書を取って税務署の担当者に提示することだ。売却後に按分結果だけを争っても、前提の数字が動かないため主張が空回りする
Q3取引先が税金を滞納して、うちの売掛金が差し押さえられました。払ったら本当に債務は消えますか?
第三債務者として税務署に支払えば、その範囲で取引先への債務は消滅する。支払った金銭は128条1項2号の配当原資となる。二重に請求されることはない。実務のポイント:差押通知書の到達日以降の弁済は税務署へ、到達前の弁済は取引先へという線引きになるため、通知書の封筒と受領日の記録は必ず残す。到達日が争いになったとき、この一枚が二重払いを防ぐ唯一の証拠になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「差し押さえられた財産の売却代金は、全部税務署が持っていく」と思われている。実際は違う。128条が配当原資を確定させた後、129条以下の順位に従って、抵当権者・質権者・他の交付要求債権者に配られ、残余があれば滞納者本人に返還される。国税が優先するのは法定の順位においてであって、全額を取る権限があるわけではない
- 配当手続を知っている人でも、按分計算の重さを見落としている。複数財産の一括公売では、各財産の見積価額の比率がそのまま配当額の比率になる。見積価額は税務署が決めるが、それが実勢と乖離していれば、特定の抵当権者だけが不当に薄い配当を受ける。売却前の見積価額の段階で動かないと、売却後には手遅れになる
- 「滞納者側から見れば、いくらで売れたかがすべて」と考えがちだが、法律から見れば売却代金と滞納処分費の負担割合は別問題である。128条2項は滞納処分費の按分も同じ規律に置いた。売却代金が高くても、処分費の負担が特定財産に偏れば、その財産の抵当権者への配当は削られる。この落差を知らずに配当計算書を眺めても、どこがおかしいか気付けない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 128条:配当すべき金銭(配当原資)の範囲を四類型に画定 | 129条:配当の原則、配当順位と剰余金の滞納者への交付 133条:配当計算書に対する異議と換価代金等の交付 |
| 答える問い | 何が配当の元手になるのか | 誰にどの順番でいくら配るのか 計算に不服があるときどう争うのか |
| 手続上の位置 | 換価の直後、配当計算の入口 | 配当計算書の作成基準 計算書謄本の交付後、7日以内の異議段階 |
| 利害関係人が動く時点 | 公売公告の見積価額を確認する段階 | 交付要求の提出(売却決定の日の前日まで) 謄本の交付を受けた日から7日以内 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は租税債権の強制徴収を行政執行分署が担い、売却代金の分配は強制執行法の分配表手続を準用する。日本のように徴収機関が自ら配当計算書を作る構造とは、手続主体の設計が異なる
韓国も税務署長が換価代金を配分する自力執行型の構造を採り、配分金銭の範囲と配分順位を法定する点で日本法に近い
ドイツも租税債権について裁判所を介さない行政上の強制執行を認め、換価代金の配分手続を租税基本法(AO)内に置く
米国は IRS による levy(差押え)の売却代金について、まず費用、次に税額、残余は権利者へ返還するという配分順序を法定する。日本の128条+129条の組み合わせに機能的に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自宅と隣接する駐車場を一括公売にかけられた。総額4,000万円。自宅には銀行の抵当権、駐車場には別の債権者の抵当権が付いている。この4,000万円をどう割るかで、どちらの抵当権者が満足するかが変わる。128条2項は「見積価額に応じた按分」と定める。見積価額そのものを争う道が残っている
- 取引先が税金を滞納し、あなたへの売掛債権を差し押さえられた。あなたは税務署に支払った。その金は128条1項2号の「第三債務者等から給付を受けた金銭」として配当原資に入る。あなたはもう二重払いのリスクを負わない。ただし支払った証拠は必ず残すこと
- もし、あなたが滞納者の不動産に二番抵当を持っていて、税務署の公売が進んでいると知ったら? 交付要求をしなければ、あなたの取り分は配当計算に入らない。売却決定の日の前日までという期限がある
- 配当計算書の謄本が届いた。異議を申し立てられる期間は交付を受けた日から起算して7日以内。この一週間を逃せば、按分計算がどれだけ不利でも確定する
取るべき行動
被害を受けた側:抵当権者・他の債権者の立場なら、まず登記と滞納処分の進行状況を確認し、売却決定の日の前日までに交付要求書を提出する。一括公売が予定されているなら、公告の見積価額を財産ごとに控え、自分の担保物件の評価が実勢より低くないか不動産業者の査定と照合する。配当計算書の謄本が届いたら、按分計算と滞納処分費の負担割合を電卓で検算し、異議があれば7日以内に書面で申し立てる
訴えられた側:滞納者側なら、公売中止を狙うより配当の中身を見る方が現実的である。売却代金から法定の順位で配当した後に剰余が出れば返還される(国税徴収法129条)。無剰余なら公売そのものが差し止められる場合もある。換価の猶予(同法151条、151条の2)の申請が可能な段階なら、公売前に動く価値がある。配当計算書が届いたら、自分への返還額の計算根拠を必ず確認する
時効(請求できる期限):配当計算書の謄本の交付を受けた日から起算して7日以内に、税務署長に対して異議を申し立てる必要がある(国税徴収法133条2項)。交付要求は売却決定の日の前日まで(同法82条以下、130条1項)。この二つの期限を過ぎると、計算の当否を争う道は原則として閉じる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国税徴収法(昭和34年法律第147号)の全部改正により現行法が成立。換価代金等の配当に関する章が整備され、配当すべき金銭の範囲を法定する規定が置かれた
- 2.令和元年(2019年) 改正:参加差押えをした税務署長による換価制度の創設に伴い、条文上「特定参加差押不動産」が加えられ、差押財産等の定義に取り込まれた(詳細な施行日等は e-Gov 法令検索で最新の版をご確認ください)
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