災害対策基本法 第98条
クイックジャンプ
前条に規定する法律は、できる限り激甚災害の発生のつどこれを制定することを避け、また、災害に伴う国の負担に係る制度の合理化を図り、激甚災害に対する前条の施策が円滑に講ぜられるようなものでなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第98条は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第98条の条文原文は「前条に規定する法律は、できる限り激甚災害の発生のつどこれを制定することを避け、また、災害に伴う国の負担に係る制度の合理化を図り、激甚災害に対する前条の施策が円滑…」で始まります。
- 災害対策基本法第98条は第八章に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第98条の前の条は災害対策基本法第97条です。
- 災害対策基本法第98条の次の条は災害対策基本法第99条です。
- 災害対策基本法第98条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第98条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第98条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/98
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法98条は、激甚災害対策の法律について、災害のつど特別法を作ることをできる限り避け、国の負担制度を合理化し、施策を円滑に講じられる内容とするよう求める規定。
Q · 大災害のたびに国会で特別な法律を作らないのはなぜ?
激甚災害法で一般制度化し、政令指定で支援を動かすため
災害対策基本法98条は、激甚災害対策の法律について、災害の発生のつど特別法を作ることをできる限り避け、国の負担制度を合理化し、施策が円滑に講じられる内容とするよう求めています。これを受けて激甚災害法が制定され、内閣が政令で激甚災害を指定すると、自治体の復旧事業への国庫補助のかさ上げや中小企業向け融資・保証の特例などが自動的に適用されます。ただし「できる限り」の留保があるため、東日本大震災のように個別の特別法が作られることもあります。
解説
昭和34年(1959年)の伊勢湾台風の後、国会は被災地を支えるために特別措置法を何本も作った。災害が起きるたびに法案を作り、審議し、成立を待つ。その間、自治体は復旧費をどこまで国が持ってくれるのか分からないまま工事を止めていた。本条は、この経験から生まれた「将来の国会への注文書」である。災害ごとに法律を作るのはできる限り避けること。国が費用を負担する仕組みを整理すること。支援がすぐ動く設計にすること。この注文に応える形で、翌年に激甚災害法(激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律)が作られた。あなたが押さえておくべき点は一つだ。大災害の後、国の支援を動かすのは国会の議論ではない。内閣が出す一本の政令(内閣が定める命令)による「激甚災害指定」である。指定されれば、あらかじめ法律に組み込まれた補助率の引上げや融資の特例が自動的に動き出す。ニュースの「激甚指定」という四文字が、あなたの町の復旧費や勤め先の資金繰りに直結している
法的な位置づけ
災害対策基本法第98条は、同法97条が予定する激甚災害対策の法律に対する内容上の要請を定める規定である。具体的には、激甚災害の発生ごとに個別立法を行うことをできる限り避けること、災害に伴う国の負担制度を合理化すること、激甚災害に対する施策が円滑に講じられることの三点を求める。
よくある質問 AI による整理
Q1災害対策基本法98条とは?
激甚災害対策の法律に対し、災害ごとの特別立法をできる限り避け、国の負担制度を合理化し、施策を円滑に講じられる内容とするよう求める立法指針の条文です。
Q2激甚災害法はいつできた?
昭和37年(1962年)に制定されました。前年の災害対策基本法97条・98条が、激甚災害対策を別の法律で一般的に定めるよう求めたことを受けたものです。
Q3激甚災害の指定は誰が決める?
内閣が政令で指定します。国会の議決は不要で、指定と同時に適用される措置も政令で定められます。中央防災会議の意見を聴いたうえで行われます。
Q4激甚指定 いつ決まる?
被害額の調査を経て政令が出されるため、災害から数週間〜数か月かかることがあります。その前に内閣府が「指定見込み」を公表する運用があります。
Q5災害ごとの特別法は違法?
違法ではありません。98条は「できる限り」避けよと定める指針にすぎず、後の国会を法的に拘束しません。東日本大震災では個別の財政特例法が制定されました。
Q6本激と局激の違いは?
本激は地域を限定せず災害そのものを指定する全国規模の指定、局激は市町村単位で指定する局地激甚災害です。適用される措置の範囲が異なります。
Q7激甚災害で国の補助率はどれくらい上がる?
自治体の財政規模と被害額に応じて算定式でかさ上げされるため一律ではありません。公共土木施設の復旧では、通常の国庫負担に上乗せされる仕組みです。
Q8激甚災害指定で個人は何がもらえる?
個人への直接給付は激甚災害法の中心ではありません。住宅被害の支援金は被災者生活再建支援法、休業時の失業手当特例は雇用保険の特例として別に確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1激甚災害に指定されると、結局なにが変わるんですか?
災害対策基本法97条を受けた激甚災害法により、自治体が行う道路や河川などの復旧事業に対する国の補助率が引き上げられ、中小企業や農林漁業者向けの融資・保証の特例などが適用される。指定と適用措置は政令で決まる。実務のポイント:全国規模の「本激」と市町村単位の「局激」があり、適用される措置の範囲が違う。ニュースで「激甚指定」とだけ聞いて安心せず、どちらか、どの措置か、まで確認する人は少ない
Q2災害ごとに特別法を作らないなら、大震災のときも同じルールだけなんですか?
原則は激甚災害法の枠内で対応するが、本条98条は「できる限り」避けよと定めるにとどまる。想定を超える規模の災害では、東日本大震災のように個別の特別法が制定されることもある。実務のポイント:特別法が作られるかどうかで、補助の範囲や期間が大きく変わる。大災害の後は、激甚指定だけでなく国会に特別法案が出ていないかも追うと、支援の全体像が見えてくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「法律で禁じているのだから、災害ごとの特別法はもう作られない」と思われがちだが、そうではない。本条は「できる限り」避けよと言うにとどまり、後の国会を法的に縛る力は弱い。実際、東日本大震災では「東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律」が別途制定された。本条は禁止規定ではなく、立法の方向を示す指針である
- 「激甚災害に指定されれば被災者個人にお金が配られる」という問いの立て方そのものがずれている。激甚災害法の中心は、自治体の復旧事業に対する国の補助率の引上げ、中小企業や農林漁業者向けの融資・保証の特例である。住宅を失った個人への直接の給付は、被災者生活再建支援法など別の制度の役割だ。どの制度に何を申請するかを取り違えると、受け取れるはずの支援を見落とす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 98条:激甚災害対策の法律の内容に対する立法指針 | 97条:激甚災害対策を別に法律で定めるとする根拠規定 91条:災害対策費用は実施責任者が負担する原則 |
| 名宛人 | 将来の立法者(国会) | 国(法律の制定を予定) 国・地方公共団体など災害対策の実施者 |
| 国の財政負担との関係 | 国の負担制度の合理化と施策の円滑化を要請 | 激甚災害時の特別の財政援助を法律で定めることを予定 平時の原則。国の特別負担は例外として別法で上乗せ |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は災害防救法で中央・地方の経費負担と特別予算の措置を定めるが、重大災害時には個別の特別条例が制定されることも多く、本条のような立法指針規定は置かれていない
韓国は特別災難地域の宣布により国庫補助などを一般制度として発動する仕組みで、政令指定で支援を動かす日本の発想に近い
米国は大統領の重大災害宣言により連邦支援が一般制度として発動する。大規模災害では議会が追加の補正予算法を別途成立させる点も日本と類似する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 豪雨で地元の橋が流された。町長が「激甚指定を待っている」と話すのを聞いて、なぜ国会ではなく指定待ちなのか疑問に思った。答えは本条にある。国会で一から議論しなくても、政令での指定一つで国庫補助のかさ上げ(国の補助率の上乗せ)が動く仕組みが、すでに用意されているからだ
- もし、勤め先の工場が地震で操業停止になり、社長から「しばらく休業」と言われたら、どうなる? 災害が激甚災害に指定され、雇用保険の特例措置が適用されると、会社に籍を置いたまま基本手当(失業手当)を受け取れる場合がある。退職届を出すかどうか、あと数日で決めなければならない。その前に、指定の有無と特例の適用状況をハローワークで確認する価値がある
学説
一般的理解:本条は将来の立法者に向けた立法指針であり、「できる限り」の文言から後の国会を法的に拘束する効力は弱い。個別の特別法の制定を禁止する規定ではなく、一般制度による迅速な支援を原則とする政策方針を示すものと解されている
改正沿革 AI による整理
- 昭和36年(1961年) 災害対策基本法の制定時に置かれた条文。翌昭和37年(1962年)の激甚災害法制定の方向付けとなった。その後の改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:災害対策基本法の制定時に置かれた。伊勢湾台風後に個別の特別措置法が相次いだ経験を踏まえ、激甚災害対策を一般的な法律で定める方向を示した
- 災害対策基本法 第97条激甚災害対策を別法律で定めるとする根拠
- 災害対策基本法 第91条災害対策費用の実施者負担の原則
- 激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律 第2条政令による激甚災害と適用措置の指定
- 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法 第3条平時の復旧費国庫負担、激甚法がかさ上げ
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める