要点国税通則法9条の2は、分割型分割で事業を承継した法人に、分割元の滞納国税を連帯納付する責任を課す。分社型分割は除外され、責任は承継財産の価額が上限となる。
Q · 会社を分割したら、元会社の税金からは縁が切れるんですか?
分割型なら承継財産の額まで連帯で払わされる
国税通則法9条の2により、分割型分割で事業を承継した法人は、分割元の法人の滞納国税を連帯で納付する責任を負います。ただし分社型分割(新会社株を分割元の会社が受け取る形)は除外され、責任額は承継した財産の価額が上限です(同条ただし書)。対象は分割日前に納税義務が成立した国税に限られます。M&Aや事業再編では、承継財産の価額と分割元の滞納税額を突き合わせる確認が不可欠です。
不採算部門と借入金は古い会社に残し、儲かる事業だけを新会社へ移す。会社分割はそういう身軽になるための手段だと理解している経営者は多い。だが税金に関しては、その計算式が通用しない。国税通則法9条の2は、分割で事業を引き継いだ会社に、分割した会社の滞納国税を連帯で負わせる。ただし分社型分割(新会社の株が分割元の会社に入るタイプ)は除かれ、対象は分割型分割(株主が新会社の株を受け取り、資産が実質的に外へ出るタイプ)だ。しかも無制限ではない。承継した財産の価額が上限になる。つまり、あなたが受け取った資産の分までは、元会社の税金を肩代わりさせられる。分割契約書に判を押す前に、相手会社に隠れた滞納税がないかを確かめなかった承継法人は、受け取った資産の価値がまるごと税務署に持っていかれる可能性を抱え込むことになる。
国税通則法9条の2は、法人の分割に係る連帯納付責任を定める規定である。分割型分割により事業を承継した法人は、分割元の法人が納付すべき国税について連帯納付の責めを負う。分社型分割は適用対象外とされ、連帯責任の額は分割元から承継した財産の価額を限度とする。
AI 輔助整理,以條文原文為準
分割型分割で事業を承継した法人が、分割元の滞納国税を連帯で納付する責任です。国税通則法9条の2が根拠で、責任額は承継した財産の価額が上限となります。
株を株主が受け取り資産が実質外へ出るのが分割型、新会社株を分割元の会社が受け取るのが分社型です。9条の2の連帯責任は分割型のみに及びます(法人税法2条12号の10)。
分割型分割なら、分割日前に納税義務が成立した分割元の滞納国税が承継法人に連帯で降りかかります。分社型なら及びません。承継財産の価額が責任の上限です。
承継した事業の売上でも分割元の税額全部でもなく、分割で受け取った財産の承継時点の評価額が上限です。優良資産を多く受け取るほど上限も上がります。
登記簿で分割の履歴と分割型か分社型かを確認し、分割元に滞納国税がないかを洗います。滞納税は貸借対照表に載らないため登記履歴の追跡が必要です。
私人は9条の2を使えませんが、会社法759条4項の残存債権者による連帯支払請求や民法424条の詐害行為取消権が並行ルートとして残っています。
分社型分割、信託に係る国税の承継分(7条の2第4項)、信託財産限定責任負担債務となるものが除かれます。まず自社の分割類型を確認することが重要です。
連帯納付責任固有の時効はなく、本税である国税に従います。国税の徴収権は法定納期限の翌日から5年で消滅時効にかかります(国税通則法72条)。
半分本当で半分嘘です。分社型分割(新会社の株を分割元の会社が受け取る形)なら国税通則法9条の2の連帯責任は及びません。しかし分割型分割(株主が新会社株を受け取り資産が実質外へ出る形)だと、承継法人が受け取った財産の価額を上限に滞納税を連帯で負います。業界裏話ヒント:どちらの型に当たるかは経営者の意図ではなく、株を誰が受け取るかという法人税法2条12号の10の形式で決まる。「うちは大丈夫」の自己判断が一番危ない。
承継した事業の売上でも、分割元の税額全部でもありません。あなたが分割で受け取った財産の価額が上限です(9条の2ただし書)。優良な不動産や事業を多く承継したほど、肩代わりの天井も上がります。業界裏話ヒント:この上限は承継時点の財産評価で決まるため、評価額をどう固めるかが交渉の勝負どころ。税務署の請求が評価額を超えていれば、その超過分は最初から争える。
登記簿で分割の履歴と、それが分割型か分社型かを確認し、分割元に滞納国税がないかをデューデリで洗います。分割型なら承継した財産の価額まで連帯責任を負う可能性があります(9条の2)。業界裏話ヒント:滞納税は貸借対照表の負債欄に綺麗に載らないことがある。表面のBSだけ見て安心し、登記簿の分割履歴を辿らないと、買った後で税務署から連帯納付の督促が来る。
9条の2は国税専用の武器なので、私人のあなたは直接は使えません。ただし並行制度があります。会社法759条4項(吸収分割)等の残存債権者による連帯支払請求、そして民法424条の詐害行為取消権です。業界裏話ヒント:詐害的な会社分割に取消しを認めた最高裁判決(最判平成24.10.12)があり、資産を逃がされた債権者の反撃ルートは実在する。「分割されたら泣き寝入り」ではない。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 承継の契機 | 9条の2:分割型分割による事業承継 | — |
| 責任の範囲 | 承継した財産の価額を限度とする有限責任 | — |
| 適用除外 | 分社型分割・信託承継分は除外 | — |
| 対象国税の時点 | 原則、分割日前に納税義務が成立した国税 | — |
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