河川法 第23条の2(流水の占用の登録)
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前条の許可を受けた水利使用(流水の占用又は第二十六条第一項に規定する工作物で流水の占用のためのものの新築若しくは改築をいう。以下同じ。)のために取水した流水その他これに類する流水として政令で定めるもののみを利用する発電のために河川の流水を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の登録を受けなければならない。
この条文の基本情報
流水の占用の登録とは何ですか?
定義流水の占用の登録とは、河川法第23条の2に定められた規定で、「前条の許可を受けた水利使用(流水の占用又は第二十六条第一項に規定する工作物で流水の占用のためのものの新築若しくは改築をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第23条の2(流水の占用の登録)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第23条の2の条文原文は「前条の許可を受けた水利使用(流水の占用又は第二十六条第一項に規定する工作物で流水の占用のためのものの新築若しくは改築をいう。」で始まります。
- 河川法第23条の2は第一款 通則に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第23条の2の前の条は河川法第23条です。
- 河川法第23条の2の次の条は河川法第23条の3です。
- 河川法第23条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第23条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第23条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/23_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法23条の2は、許可済みの水利使用で取水した流水のみを使う従属発電について、流水占用の許可に代えて河川管理者の登録を受ければ足りると定める。
Q · 農業用水路や水道の導水管で発電するとき、河川法の許可は必要?
許可済みの水だけを使い、取水量を変えないなら登録で足りる
河川法23条の2により、23条の許可を受けた水利使用のために取水した流水(または政令で定めるこれに類する流水)だけを使って発電する場合、流水の占用には許可ではなく河川管理者の登録が必要になります。登録をせずに発電すれば無断占用として監督処分(同法75条)の対象になりえます。新たな取水口を設けたり取水量や取水期間を広げたりする場合は登録の対象外となり、23条の許可が必要です。
解説
農業用水路や水道の導水管を流れる水で水車を回したい。その計画を河川事務所に持ち込むと、案内されるのは重い「許可」ではなく、「登録」という別のルートになることがある。平成25年(2013年)の改正で設けられた本条は、23条の許可を受けて取水した水だけを使う発電(いわゆる従属発電)を対象にしている。この種の発電については、水量の配分を一から審査し直すことをやめ、国土交通省令で定める手続による登録で足りるとした。川から取る水の量が一滴も増えないからである。ただし見落とされやすい点が二つある。一つ目は、登録は「手続不要」という意味ではないことだ。登録しないまま発電に流水を使えば無断占用となり、監督処分(役所が撤去や原状回復を命じる具体的な決定)の対象になりうる。二つ目は、対象が許可済みの水利使用で取水した水と、政令で定めるこれに類する流水に限られることだ。水路に別の取水口を一つ足しただけで、手続は重い許可審査に戻る。設計図の線一本の違いで、手続にかかる期間が大きく変わる。
法的な位置づけ
河川法第23条の2は、従属発電の登録制を定める規定である。従属発電とは、同法23条の許可を受けた水利使用のために取水した流水その他政令で定めるこれに類する流水のみを利用する発電をいい、そのために河川の流水を占用する者は、23条の許可に代えて河川管理者の登録を受けることを要する。
手順
- 1.もとになる水利使用の許可書を確認 水利権者が持つ許可書(水利使用規則)を取り出し、取水量・取水期間・目的・取水地点を確認する。慣行水利権の場合は河川法87条のみなし許可にあたるか、取水量が特定できるかを整理する
- 2.発電計画を許可の枠と突き合わせる 発電に使う水がすべて許可済みの水利使用で取水したものか、取水量・期間を一切広げていないかを一行ずつ照合する。新たな取水口や増量があれば登録ではなく23条の許可ルートになる
- 3.河川事務所で事前相談 設計図を固める前に河川管理者の窓口に相談し、従属発電の登録対象に該当するか、必要書類と水利権者の同意書の要否を確定させる
- 4.国土交通省令の様式で登録申請 国土交通省令で定める手続に従い登録申請書を提出する。並行して、再エネ特措法の事業計画認定や電力会社への系統接続検討の申込みも進める
よくある質問 AI による整理
Q1従属発電とは何ですか?
すでに河川法23条の許可を受けて取水した農業用水や水道用水などを、そのまま利用して行う発電です。川から新たに取る水が増えないため、登録制の対象になります。
Q2小水力発電の河川法手続には何がありますか?
使う水の出所で決まります。許可済みの水利使用の水だけを使うなら23条の2の登録、新たに河川から取水するなら23条の流水占用許可が必要です。
Q3従属発電の登録はどこに申請しますか?
その河川の河川管理者に申請します。一級河川の直轄区間は国土交通省の地方整備局・河川事務所、それ以外は都道府県などが窓口になるのが一般的です。
Q4従属発電の登録には水利権者の同意が必要ですか?
発電する者と水利権者が別人の場合、許可済みの水利使用の水を使う関係を示す書類が求められるのが通常です。必要書類は河川事務所に事前に確認してください。
Q5登録せずに水路で発電したら違法ですか?
違法になりえます。河川の流水を無断で占用したことになり、河川法75条の監督処分として設備撤去や原状回復を命じられる可能性があります。
Q6従属発電の登録制度はいつからですか?
平成25年(2013年)の河川法改正で新設されました。小水力発電の導入を促すため、許可済みの水を使う発電の手続を簡素化したものです。
Q7上水道の導水管で発電できますか?
水道用水として許可を受けた水をそのまま使い、取水量を増やさないのであれば、従属発電として登録の対象になりうる典型例です。
Q8従属発電の登録で取水量を増やせますか?
増やせません。登録はもとの許可の取水量・期間の範囲内でのみ効力を持ちます。増量や期間外の取水は新たな占用となり、23条の許可が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1農業用水路で発電したいんだけど、許可じゃなくて登録で本当に済むの?
23条の許可を受けて取水した農業用水だけを使い、取水量も期間も変えないのであれば、本条の登録の対象になる。一方、新しい取水口を設けたり水量を増やしたりすれば、許可が必要になる。実務のポイント:審査で必ず見られるのは、水利権者の手元にある古い許可書である。記載されている取水量が実際の取水とずれていると、発電の話に入る前にそこで止まる。最初に許可書を探し出すことが、実は一番の近道になる
Q2河川法の登録が済んだら、すぐに電気を売れるの?
売れない。本条の登録で片付くのは、河川の流水を使う面だけである。売電するには、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法に基づく事業計画の認定、電力会社との系統連系の協議、電気事業法上の手続が別に必要になる。実務のポイント:実際の事業でボトルネックになりやすいのは、河川の手続より系統(送電網)の空き容量である。河川の相談と同じ時期に、電力会社への接続検討の申込みも進めておくべきである
Q3昔からの慣行水利権で取っている水路でも、登録ルートに乗れるの?
慣行水利権は河川法87条で許可を受けたものとみなされるため、検討の余地はある。ただし、慣行水利権は取水量がはっきりしていないことが多く、従属発電の前提となる水量をどう確定するかが論点になる。実務上の運用は分かれうるため、河川事務所に確認する必要がある。実務のポイント:発電計画をきっかけに取水量を測り直すことになり、慣行水利権そのものを許可水利権に切り替える協議に発展する例もある。地元の水利関係者とは早めに話を通しておくべきである
間違えやすい点 AI による整理
- 「小水力は規模が小さいから、河川法の手続はいらない」と思われがちだが、そうではない。規模の大小にかかわらず、発電のために河川の流水を占用するなら許可か登録のどちらかが必要である。本条は手続を軽くしたのであって、なくしたのではない
- 「許可と登録、どちらが得か」という問いの立て方自体がずれている。どちらを選ぶかは申請者が決めるのではなく、使う水の出所で自動的に決まる。許可済みの水利使用で取水した水(または政令で定めるこれに類する流水)だけを使うなら登録、それ以外の水を使うなら許可である
- 登録で済むことは知っていても、登録しても取水できる範囲は一切広がらないという点の重さは、あまり知られていない。発電量を上げるために、本来の用途の期間外に取水したり、取水量を増やしたりすれば、それは新しい占用であり許可審査の対象になる。登録はもとの許可の枠の中でしか効力を持たない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の種類 | 河川法23条の2:河川管理者の登録 | 河川法23条:流水占用の許可 河川法26条:工作物の新築・改築の許可 |
| 対象 | 許可済みの水利使用で取水した流水等のみを使う発電 | 河川の流水を新たに占用するすべての利用 河川区域内での工作物の新築・改築・除却 |
| 審査の重さ | 取水量が増えないため水量配分の再審査を省略 | 下流利水者・河川環境への影響を含め審査 治水・河川管理上の支障の有無を審査 |
| 違反時 | 無断占用として75条の監督処分の対象になりうる | 75条の監督処分・罰則の対象 75条の監督処分・罰則の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は水権登記制度を採り、水を使う発電にも水権の取得・登記が問題となる。日本のように許可済み水利の転用発電を別枠で簡素化する規定の有無は要確認
韓国も河川水の使用を許可制で管理する。農業用水路等を使う小水力発電の簡素化手続の扱いは要確認
ドイツは水の利用(Gewässerbenutzung)を原則として許可(Erlaubnis/Bewilligung)の対象とする。既存利用水の発電転用の扱いは州法・個別判断による
米国は同じ2013年に、既存の導水路等を使う一定の小水力発電(qualifying conduit)を FERC のライセンス不要・届出手続とした。日本の従属発電登録制と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 土地改良区の理事として、幹線水路の落差を使った小水力発電を提案された。水利権は農業用水としてすでに許可を受けている。発電に回しても取水量が変わらないなら、登録ルートに乗れる可能性は高い。ただし、灌漑期以外にも発電したいなら、その期間の取水が許可の範囲に入っているかを先に確認しておく必要がある。入っていなければ計画全体が崩れる
- 水路に水車を置き、登録しないまま売電を始めたらどうなる? 河川管理者から見れば、許可された目的以外に流水を無断で使っていることになる。河川法75条の監督処分で、発電設備の撤去を命じられることもありうる
- あなたは小さな発電事業者で、再エネ認定のスケジュールから逆算すると、残り二か月で河川側の手続を終えなければならない。新規の許可ではまず間に合わない。従属発電の登録に該当するかどうかを初回相談で確定できるかが、事業計画が持ちこたえるかどうかの分かれ目になる
- 友人が「山の沢水で発電したいけど、河川法の登録で済むよね」と言ってきた。済まない。許可済みの水利使用とは別に新しく水を取るなら、23条の許可が必要になる
- 水道局の職員として、浄水場への導水管の落差で発電する案を検討している。水道用水として許可を受けた水をそのまま使うなら、従属発電の典型例になる。発電する主体と水利権者が同じ組織か別法人かによって、同意書を含めた書類の組み方が変わる(具体的な運用は河川事務所に確認すること)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 登録を拒否された場合は、通知書の理由欄を確認する。登録の拒否は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)にあたるので、審査請求や取消訴訟で争う道がある2. もとになっている許可書(水利使用規則)を取り出し、取水量・期間・目的を発電計画と一行ずつ突き合わせる3. ずれが取水量の問題なのか、水の出所の問題なのかを切り分け、計画の修正で登録要件を満たせるか河川事務所と協議する4. 争うか再申請するかは、期限と費用を比べて決める
訴えられた側:1. 登録しないまま発電していると指摘されたら、まず発電を止め、それ以上の違反を重ねない2. 使っている水がすべて許可済みの水利使用で取水したものであることを、取水記録で説明できるよう準備する3. 速やかに登録申請を出し、経緯を書面で説明する。誠実に対応したかどうかは、監督処分(河川法75条)の判断に影響しうる4. 取水量を増やしていた事実があれば、許可申請が必要になる可能性を前提に動く
時効(請求できる期限):本条そのものに時効はない。登録の拒否などの処分を争う場合は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、知った日から6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)を起こす必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正 従属発電について、23条の許可に代えて登録で流水を占用できる制度を新設した。小水力発電の導入を促すための手続の簡素化である
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:河川法の一部改正により、許可済みの水利使用で取水した流水等のみを利用する従属発電について、流水占用の許可に代えて登録で足りる制度を新設した
- 河川法 第23条流水占用許可、登録の前提となる水利使用
- 河川法 第26条占用のための工作物新築改築の許可
- 河川法 第75条無断占用等に対する監督処分
- 河川法 第87条慣行水利権のみなし許可
- 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法 第9条再エネ発電事業計画の認定(現行効力を要確認)
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