河川法 第23条(流水の占用の許可)
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河川の流水を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、次条に規定する発電のために河川の流水を占用しようとする場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
流水の占用の許可とは何ですか?
定義流水の占用の許可とは、河川法第23条に定められた規定で、「河川の流水を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、次条に規定する発電のために河川の流水を占用し…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第23条(流水の占用の許可)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第23条の条文原文は「河川の流水を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、次条に規定する発電のために河川の流水を占用し…」で始まります。
- 河川法第23条は第一款 通則に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第23条の前の条は河川法第22条の3です。
- 河川法第23条の次の条は河川法第23条の2です。
- 河川法第23条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第23条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第23条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/23
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法23条は、河川の流水を占用しようとする者に河川管理者の許可を義務づける。ただし既存の水利使用に従属する発電は、23条の2の登録で足りる。
Q · 川からポンプで水を引くのに、役所の許可は必要なの?
継続的な取水は原則許可制、バケツ程度なら不要
河川法23条により、河川の流水を占用しようとする者は河川管理者の許可を受けなければなりません。ポンプやパイプを据えて継続的・反復的に取水する場合は、量が少なくても流水の占用にあたりえます。一方、水遊びやバケツで汲む程度の一時的な利用は自由使用として許可は不要です。なお既存の水利使用に従属する発電は23条の2の登録で足ります。普通河川は河川法の対象外で、市町村条例の扱いとなります。
解説
川の水は誰のものか。答えは「みんなのもの」ではない。河川法2条2項は「河川の流水は、私権の目的となることができない」と定めている。だから、ポンプで継続的に川から水を引く行為は許可制になる。農業でも工場でもキャンプ場でも同じで、河川管理者(一級河川なら原則として国土交通大臣、指定区間や二級河川なら都道府県知事)の許可、いわゆる「水利権」が必要だ。バケツで一杯汲む程度の一時的な利用は自由使用として許可は要らない。しかし設備を据えて反復的に取水した瞬間、本条の射程に入る。無許可なら102条で刑事罰の対象になりうる。逆に言えば、一度許可を得た水利権は、後から来た者が簡単には割り込めない強い地位になる。新しい取水で既存の水利使用者(関係河川使用者)が影響を受ける場合、原則としてその同意か損失への手当が求められるからだ(38条から41条)。川沿いで事業を始める前にこの構造を知っているかどうかで、数年がかりの計画が動くか止まるかが決まる。
法的な位置づけ
河川法23条は流水の占用許可を定める規定であり、河川の流水を排他的・継続的に使用しようとする者に、河川管理者の許可を受ける義務を課す。流水が私権の目的とならないとする同法2条2項を前提に、公物である河川の流水の特別使用を許可制により統制する。既存水利使用に従属する発電は23条の2の登録制に委ねられる。
よくある質問 AI による整理
Q1水利権とは何ですか?
河川の流水を継続的・排他的に使用できる権利の通称です。河川法23条の許可により成立する許可水利権と、87条で許可とみなされる慣行水利権があります。
Q2水利権の許可はどこに申請しますか?
河川管理者に申請します。一級河川は原則として国土交通大臣(地方整備局・河川事務所)、指定区間や二級河川は都道府県知事、準用河川は市町村長が窓口です。
Q3流水占用許可の期間はいつまで?
許可には期間が付され、実務上は発電で20年、その他で10年程度とされることが多いです。満了後も取水するには更新の許可が必要です。
Q4川の水を無許可で取水したら違法?
継続的な取水が流水の占用にあたれば、無許可は河川法違反です。102条の罰則の対象になりうるほか、75条の監督処分で設備撤去を命じられることもあります。
Q5小水力発電に水利権は必要ですか?
原則として23条の許可が必要です。ただし農業用水路など既に許可を受けた水だけを使う従属発電は、23条の2の登録で足りる場合があります。
Q6流水占用料はかかりますか?
河川管理者は流水占用料を徴収できるとされ、都道府県知事が管理する河川では条例で額が定められます。用途により減免される場合もあるため窓口で確認が必要です。
Q7普通河川の水を使うのに許可はいる?
一級・二級・準用河川以外の普通河川は河川法の適用外です。多くの市町村が普通河川管理条例を定めているため、条例上の許可が必要かを確認します。
Q8水利権の更新はいつから準備すべき?
期間満了の半年以上前から河川管理者と協議を始めるのが安全です。更新時に河川維持流量の確保など新たな条件が付くことがあり、協議に時間がかかります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1庭の池に川の水をちょっと引くのもダメなんですか?
バケツで汲む程度の一時的な利用は自由使用で、許可は要りません。ただしパイプやポンプで継続的に引き込めば、量が少なくても流水の占用(23条)にあたりえます。なお一級・二級・準用河川以外の普通河川は河川法の対象外で、市町村の条例で扱われます。実務のポイント:迷ったら河川事務所や県の土木事務所に事前相談するのが最も安上がりです。許可不要と判断されることもあり、黙って始めて後で発覚するより圧倒的に有利です
Q2昔から使ってる農業用水、許可書なんて見たことないけど大丈夫?
河川法の施行前などから続く取水は、87条により許可を受けたものとみなされる「慣行水利権」として保護されます。ただし88条で届出が求められています。実務のポイント:慣行水利権は取水量がはっきり記録されていないことが多く、取水施設の改修や用途変更をきっかけに許可水利権への切り替えを求められることがあります。そのとき実績に基づいて取水量が見直されることもあるので、日頃から取水実績を記録しておくと交渉材料になります
Q3水利権って売ったり譲ったりできるんですか?
流水そのものは私権の目的にならず(2条2項)、許可に基づく権利の譲渡には河川管理者の承認が必要です(34条)。勝手に売買しても効力は生じません。実務のポイント:農業用水を都市用水へ回す「水利転用」は実務で行われていますが、多くは権利の売買ではなく、用水の合理化で生まれた余剰分をいったん減らし、別の者に新たに許可する形をとります。売れるものと思って値付けすると、交渉の土台からずれます
間違えやすい点 AI による整理
- 川の水は誰でも自由に使えると思われがちだが、自由に使えるのは水遊びやバケツで汲む程度の一時的な利用(自由使用)に限られる。ポンプやパイプを据えて継続的に取水すれば、量が少なくても流水の占用として許可の対象になりうる
- 許可が要ることは知っていても、無許可の重さを軽く見ている人が多い。102条により1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象になりうるうえ、75条の監督処分で取水設備の撤去や原状回復を命じられることもある(最新の改正状況をご確認ください)。刑罰より、設備投資がまるごと無駄になる経済的打撃の方が大きいことも多い
- 「自分の土地を流れている川なのだから、水も自分のものだろう」という問いの立て方そのものが誤っている。土地の所有と流水の利用権は、法律上きっぱり切り離されている(2条2項)。川沿いの土地を買っても、水を使う権利は一滴もついてこない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 河川法23条:流水の占用一般(農業・工業・水道・発電など) | 河川法23条の2:既存水利使用に従属する発電 河川法87条:河川法施行前などからの慣行による取水 |
| 手続 | 河川管理者の許可(国土交通省令に従い申請) | 河川管理者への登録 許可を受けたものとみなされ、88条の届出が必要 |
| 手続負担 | 関係河川使用者の同意・損失補償等(38条〜41条)の調整が必要になりうる | 許可に比べ簡素化され、小水力発電の参入を容易にする 取水量の記録が曖昧なことが多く、施設改修時に許可水利権への切替えを求められることがある |
| 無許可・違反時 | 102条の罰則、75条の監督処分の対象 | 登録なしの取水は無許可占用として扱われうる 届出の範囲を超えた取水は新規の占用として許可が問題になる |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は水権を登記によって取得・管理する制度をとり、主管機関の許可と登記を要する点で日本の許可水利権と機能的に近い
韓国も河川水の使用を河川管理庁の許可制とし、日本の河川法と構造が類似する
中国は取水許可制度と水資源有償使用制度を組み合わせ、取水許可証の取得を義務づける
ドイツは水域の利用(Benutzung)に原則として官庁の許可(Erlaubnis)または承認(Bewilligung)を要求する
米国西部州は先占順位による水利権を州の許可制で管理し、東部州は沿岸権主義(Riparian Rights)を基本とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 実家の田んぼを継いで、隣の川から水中ポンプで水を揚げようとしたらどうなる? 地域の土地改良区が持つ水利権の枠の外で取水すれば、新規の流水占用として許可が要りうる。土地改良区と河川管理者に確認しないまま始めると、善意のつもりが無許可占用になる
- キャンプ場を経営するあなたは、夏場だけ沢からホースで水を引き、炊事場とシャワーに使ってきた。沢が河川法の適用河川(一級・二級・準用河川)なら「みんなやっている」は通用しない。流水の占用に加え、河川区域内に取水設備を固定していれば土地の占用(24条)や工作物の設置(26条)の許可も問題になる。行政から指導が来た時点で、過去の取水についても説明を求められる
- 工場の取水許可の期間満了まで、残りは半年。更新申請が遅れれば、期間満了後の取水は無許可状態になる。更新時には河川維持流量の確保など新しい条件が付くことも多く、協議に数か月かかるのは珍しくない
- 既存の農業用水路で小水力発電を始めたい。その水路が許可を受けた水だけを使うなら、23条の許可ではなく、23条の2の登録で足りる場合がある
- 雪国の商店街で、冬に川の水を汲み上げて道路に流す消雪設備を自治会で設けることになった。消雪用水も流水の占用にあたる。許可の名義人を誰にするか、占用料と維持管理を誰が負担するかを決めないまま工事を始めるのが最も危ない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 上流の取水で自分の取水量が減ったら、日時・水位・取水量を写真と記録で残す2. 自分の許可書、慣行水利権なら届出記録を確認し、権利の範囲を特定する3. 河川管理者に無許可取水の調査と監督処分(75条)を求める4. 新規の水利使用について通知(38条)を受けたら、同意するか、損失の補償や防止措置を求めるかをすぐ判断する。返答しないまま放置すると、こちらの意見が反映されずに手続が進むおそれがある
訴えられた側:1. 指導の段階で河川管理者と協議に入り、事実関係を説明する。無視して監督処分まで進ませない2. 取水が一時的・少量の自由使用か、慣行水利権の範囲内かを資料で整理する3. 取水を続ける必要があるなら、速やかに許可申請を出す。適用河川かどうか(普通河川なら市町村の条例)も確認する4. 不許可処分や監督処分に納得できなければ、審査請求や取消訴訟で争える
時効(請求できる期限):本条そのものに時効や期限はない。不許可処分や監督処分に対する審査請求は、処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。許可には期間が付され、実務上は発電が20年、その他は10年程度とされることが多い(最新の運用をご確認ください)
学説
通説:流水は私権の目的とならず(2条2項)、23条の許可は公物である河川の特別使用を認める行為と理解される。許可水利権は財産的価値を持ち、38条以下の同意・補償手続を通じて既存使用者が保護される。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)中央省庁等改革関係法、平成13年(2001年)施行 省庁再編に伴い、申請手続を定める省令が「建設省令」から「国土交通省令」に改められた
- 平成25年(2013年)改正 従属発電のための流水占用について23条の2の登録制が新設され、本条に「次条に規定する発電」を許可制の対象から除くただし書が加えられた
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:旧河川法(明治29年)を全面的に改めた現行河川法の制定により、流水の占用許可制が本条として規定された
- 2.平成11年(1999年) 改正:中央省庁等改革関係法により、申請手続を定める省令が建設省令から国土交通省令に改められた(平成13年施行)
- 3.平成25年(2013年) 改正:従属発電の登録制(23条の2)新設に伴い、本条に次条の発電を許可制の対象から除くただし書が追加された
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