河川法 第102条
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- 一第二十三条又は第二十三条の二の規定に違反して、河川の流水を占用した者
- 二第二十六条第一項の規定に違反して、工作物の新築、改築又は除却をした者
- 三第二十七条第一項の規定に違反して、土地の掘削、盛土若しくは切土その他土地の形状を変更する行為をし、又は竹木の栽植若しくは伐採をした者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第102条は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第102条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 河川法第102条は第七章に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第102条の前の条は河川法第101条です。
- 河川法第102条の次の条は河川法第103条です。
- 河川法第102条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第102条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第102条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/102
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法102条は、河川区域内で許可なく流水占用、工作物の新築等、土地の掘削・盛土や竹木の栽植・伐採をした者に、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金を科す。
Q · 自分の土地でも、川沿いなら勝手に盛土や木の伐採をすると罪になるの?
河川区域内なら私有地でも無許可の盛土や伐採は処罰対象
河川法102条により、河川区域(6条)内の土地で、河川管理者の許可なく土地の掘削・盛土・切土や竹木の栽植・伐採をした場合(27条1項違反)、工作物を新築等した場合(26条1項違反)、流水を占用した場合(23条・23条の2違反)は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金の対象となります。登記上の所有地であっても適用され、刑事罰とは別に75条に基づく原状回復命令を受けることもあります。
解説
自分の土地で穴を掘っただけで刑事罰になる。河川法102条は、その「まさか」を現実にする条文だ。堤防の内側など、河川管理者が指定した「河川区域」(6条)に入る土地は、登記上あなたの所有地であっても、掘削・盛土・切土(土を削って形を変える工事)や、竹木を植える・切る行為に河川管理者の許可が必要になる(27条1項)。物置や桟橋を建てる・建て替える・取り壊す場合も同じだ(26条1項)。ポンプで川の水を継続的に引くなら、流水占用の許可か登録が要る(23条・23条の2)。無許可でやれば、一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金に問われる。しかも刑事罰とは別に、河川管理者は原状回復を命じることができる(75条)。罰金を払い終えても、盛った土は自分の費用で撤去しなければならない。工事を始める前に、役所の河川担当窓口でその土地が河川区域に入っているかを確かめる。それだけで、この条文はあなたを捕まえる網から、あなたを守る地図に変わる。
法的な位置づけ
河川法102条は、同法23条・23条の2(流水の占用)、26条1項(工作物の新築等)、27条1項(土地の形状変更及び竹木の栽植・伐採)の許可制に違反した者を、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する罰則規定である。河川区域内の私有地にも適用され、75条の監督処分とは別個に科される。
よくある質問 AI による整理
Q1河川区域とは何ですか?
河川法6条で定める、河川の流水が継続して存する土地や堤防の内側などの区域です。私有地も含まれ、区域内では掘削・盛土・工作物設置などに許可が必要になります。
Q2河川区域かどうか調べる方法は?
登記簿には記載されないため、一級河川なら国の河川事務所、二級河川なら都道府県の土木事務所などの河川担当窓口で、地番を伝えて区域図を確認します。
Q3河川敷に勝手に物置を置くと違法?
河川区域内に工作物を新築する行為は26条1項の許可が必要で、無許可なら102条により一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金の対象になりえます。
Q4川から水をポンプで引くのに許可は必要?
設備を据えて継続的に取水する場合は流水の占用にあたる可能性があり、23条の許可(従属発電なら23条の2の登録)が必要です。無許可なら102条の対象です。
Q5河川法違反の罰金はいくら?
102条の罪は一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金です。ただし罰金とは別に、75条の原状回復命令による撤去費用が発生することがあります。
Q6河川法違反に時効はある?
102条の罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。ただし75条の監督処分には時効がなく、時効後も原状回復を命じられることがあります。
Q7業者に工事を頼んだ場合、誰が罰せられる?
実際に掘削や伐採を行った業者が行為者として責任を問われる可能性があり、法人の業務として行えば両罰規定で会社も罰金の対象になりえます。
Q8河川区域内の土地を買っても大丈夫?
購入自体は可能ですが、盛土・建築・伐採などに許可が必要で利用が制限されます。重要事項説明の内容を確認し、決済前に河川管理者へ区域を確かめることが大切です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分の土地なのに、なんで掘るだけで許可がいるんですか?
河川区域(6条)に入った土地は、私有地であっても洪水時に水が流れる器の一部とみなされ、27条1項で形を変える行為が規制されるからだ。財産権は公共の福祉によって制限されうる(憲法29条2項)。実務のポイント:河川区域は登記簿には出てこない。河川管理者の窓口で区域図を閲覧するか、電話で地番を伝えれば確認できる。この一手間を知っている人だけが、買ってから後悔せずに済む
Q2あとから許可を取れば、罪にはならないですよね?
ならないとは言えない。102条の罪は、無許可で行為をした時点で成立する。ただ実務上、河川管理者はまず是正指導や事後申請の指導から入ることが多く、刑事告発は指導を無視した悪質なケースや繰り返しのケースが中心になる傾向がある。実務のポイント:指導を受けたときの対応はすべて記録に残り、告発するかどうかの判断材料になる。最初の返答を口頭で済ませず、書面で出しておくと後で効いてくる
Q3うちは祖父の代から川の水を田んぼに引いてるけど、許可なんて取ってないよ
旧河川法の時代から続いてきた慣行的な水利は、河川法87条で許可を受けたものとみなされる場合がある。それだけで直ちに23条違反になるわけではない。実務のポイント:みなし許可が及ぶのは従来の慣行の範囲までだ。ポンプを大型化して取水量を増やしたり、引く場所を変えたりすると、新たな占用として許可が必要になりうる。設備を更新するときこそ河川管理者に相談する
間違えやすい点 AI による整理
- 「河川法は川の水の中の話」と思われがちだが、102条が処罰する行為の多くは陸の上で起きる。河川敷の草地も、堤防の内側の私有地も、河川区域に指定されていれば土を一杯盛るだけで27条1項違反になりうる
- 罰金の上限五十万円は知っていても、本当の負担がその先にあることは知られていない。75条による原状回復命令、命令を無視した場合の代執行費用の請求、法人なら両罰規定による会社への罰金。刑事罰は入口にすぎず、財布へのダメージの本体は行政側の是正コストのほうだ
- 「大規模な工事でなければ許可は要らないだろう」という問いの立て方そのものがずれている。許可の要否を決めるのは工事の規模ではなく、場所が河川区域内かどうかだ。政令で定める軽易な行為は除外されるが、どこまでが軽易かを判断するのはあなたではなく河川管理者である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 河川法102条:無許可行為に対する刑事罰 | 河川法27条1項:土地の形状変更等の許可制(行為規範) 河川法75条:河川管理者による監督処分(原状回復命令等) |
| 誰が判断するか | 検察官が起訴し、裁判所が刑を科す | 河川管理者が許可の可否を判断 河川管理者が処分を命じる |
| 効果 | 一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金 | 許可を得れば適法に行為できる 工事の中止・原状回復などを命じられ、不履行なら代執行されうる |
| 期間制限 | 公訴時効3年(刑事訴訟法250条2項6号) | 行為前に申請するのが原則 時効なし。審査請求は3か月、取消訴訟は6か月以内 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も河川区域内の一定行為を許可制とし、違反に罰則を設ける。日本と同様、私有地であっても河川区域内であれば規制対象となる構造
ドイツは水利用を許可制とし、違反は主に秩序違反(過料)として処理される。刑事罰中心ではない点が日本と異なる
米国は航行可能水域での構造物設置や浚渫・埋立てに陸軍工兵隊の許可を要求し、違反には民事・刑事の制裁がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自分の土地に生えた竹を切るのに、誰の許可が要るのか? その土地が河川区域に入っていれば、答えは河川管理者だ。一級河川なら国土交通大臣(実務の窓口は地方整備局の河川事務所)、二級河川なら都道府県知事になる。所有者だからといって自由に切れるわけではない
- 相続した川沿いの畑を駐車場にしようと、砂利を入れて盛土をした。翌月、県の職員が現地に来て「ここは河川区域です」と告げた。登記簿にはそんな記載はどこにもない。だが27条1項の許可は所有権とは別の話であり、知らなかったという事情は、刑事責任よりも、その後の是正交渉で何を主張できるかに響いてくる
- あなたは造園業者で、施主に頼まれて川沿いの桜を三本伐採した。許可を取ったか確認しなかった。実際に伐採したのはあなたなので、102条3号の「伐採をした者」として責任を問われる可能性がある。法人で受けた仕事なら、両罰規定によって会社も罰金の対象になりうる
- キャンプ場の経営者が河川敷にウッドデッキを無許可で設置した。是正指導を二度無視したところで、刑事告発された
- 河川管理者から届いた原状回復命令(75条)の期限まで、あと30日。盛土を撤去する業者の見積もりは数百万円。命令に従わなければ代執行され、その費用も請求される。審査請求の期限は処分を知った日の翌日から3か月だ。争うのか、是正計画を出すのか、今週中に決めなければならない
- 渇水の夏、田んぼの水が足りず、エンジンポンプで川から直接水を引き始めた。一回限りの汲み上げではなく、設備を据えて継続的に取水すれば流水の占用にあたる可能性があり、23条違反の入口に立つことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 上流や隣地で無許可らしい盛土・工作物の設置を見つけたら、日付入りの写真と動画で記録する2. その土地を管轄する河川管理者(一級河川は河川事務所、二級河川は県の土木事務所)に通報し、許可の有無を確認してもらう3. 盛土のせいで自分の土地が浸水したり崩れたりしたなら、刑事とは別に民法709条で損害賠償を請求する4. 通報の日時と担当者名を控え、行政が動かないときの記録にする
訴えられた側:1. 指摘を受けたらその場で工事を止める。続けると悪質性が上がる2. 河川区域の範囲と、どの条項(23条・26条・27条)の問題なのかを担当者に書面で確認する3. 事後の許可申請か原状回復計画を速やかに出す4. 原状回復命令(75条)に不服があれば、審査請求か取消訴訟の期限を確認したうえで弁護士に相談する5. 業者に施工させた場合は、契約上の許可取得の責任分担を確認する
時効(請求できる期限):102条の罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)で、犯罪行為が終わった時から起算する(同253条1項)。無許可の占用状態が続いている場合の起算点は、実務上、解釈が分かれうる。75条の監督処分には時効がなく、刑事の時効が過ぎても原状回復を命じられうる。処分への審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条)
改正沿革 AI による整理
- 昭和39年(1964年) 現行河川法の制定に伴い新設。無許可の流水占用・工作物の新築等・土地の形状変更等を処罰対象とした
- 平成25年(2013年)改正 従属発電の登録制(23条の2)の導入に伴い、1号に23条の2違反が加わった
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴う整備により、「懲役」が「拘禁刑」に改められた
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:現行河川法の制定に伴い新設。無許可の流水占用、工作物の新築等、土地の形状変更等を処罰対象とした
- 2.平成25年(2013年) 改正:従属発電の登録制(23条の2)の導入に伴い、1号に23条の2違反が加えられた
- 3.令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)6月1日施行 改正:刑法等の一部改正に伴う整備により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 河川法 第6条河川区域の定義、規制が及ぶ範囲
- 河川法 第23条流水占用の許可、1号の前提
- 河川法 第26条工作物新築等の許可、2号の前提
- 河川法 第27条土地形状変更等の許可、3号の前提
- 河川法 第75条監督処分、原状回復命令の根拠
- 刑事訴訟法 第250条本罪の公訴時効3年の根拠
- 行政代執行法 第2条原状回復命令不履行時の代執行の一般法
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