河川法 第40条(申出をした関係河川使用者がある場合の水利使用の許可の要件)
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- 河川管理者は、水利使用に関し第二十三条又は第二十六条第一項の許可をしようとする場合において、前条の申出をした関係河川使用者で当該申請に係る水利使用により損失を受けるものがあるときは、当該水利使用を行うことについて当該関係河川使用者のすべての同意がある場合を除き、次の各号の一に該当する場合でなければ、その許可をしてはならない。
- 一当該水利使用に係る事業が関係河川使用者の当該河川の使用に係る事業に比し公益性が著しく大きい場合
- 二損失を防止するために必要な施設(以下「損失防止施設」という。)を設置すれば関係河川使用者の当該河川の使用に係る事業の実施に支障がないと認められる場合
- 2.国土交通大臣は、前項第一号に該当するものとして水利使用に関し第二十三条又は第二十六条第一項の許可をしようとする場合においては、あらかじめ、社会資本整備審議会の意見を聴かなければならない。
この条文の基本情報
申出をした関係河川使用者がある場合の水利使用の許可の要件とは何ですか?
定義申出をした関係河川使用者がある場合の水利使用の許可の要件とは、河川法第40条に定められた規定で、「河川管理者は、水利使用に関し第二十三条又は第二十六条第一項の許可をしようとする場合において、前条の申出をした関係河川使用者で当該申請に係る水利使用により損失を受…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第40条(申出をした関係河川使用者がある場合の水利使用の許可の要件)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第40条の条文原文は「河川管理者は、水利使用に関し第二十三条又は第二十六条第一項の許可をしようとする場合において、前条の申出をした関係河川使用者で当該申請に係る水利使用により損失を受…」で始まります。
- 河川法第40条は第二款 水利調整に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第40条の前の条は河川法第39条です。
- 河川法第40条の次の条は河川法第41条です。
- 河川法第40条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第40条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第40条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/40
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法40条により、申出をした関係河川使用者が損失を受ける水利使用は、全員の同意か、著しい公益性・損失防止施設のいずれかがなければ許可されない。
Q · 漁協が意見を申し出て反対したら、新しい取水は許可されないの?
原則止まる。ただし著しい公益性か損失防止施設があれば例外
河川法40条1項により、39条の意見申出をした関係河川使用者が新しい水利使用で損失を受ける場合、河川管理者はその全員の同意がない限り、①新規事業の公益性が既存事業より著しく大きい場合、②損失防止施設を設置すれば既存事業に支障がないと認められる場合のいずれかでなければ許可できません。国土交通大臣が①を理由に許可するときは、あらかじめ社会資本整備審議会の意見を聴く必要があります(同条2項)。
解説
川の水は誰のものでもないように見える。だが河川法の世界では、すでにその水を使っている者が「先に座っている客」として扱われる。新しく取水したい者が流水の占用(23条)や工作物の設置(26条1項)の許可を申請し、既存の河川使用者がそれによって損失を受ける場合を考える。その既存使用者が39条に基づいて意見を申し出ていれば、河川管理者は原則として許可を出せない。例外は三つしかない。第一に、損失を受ける関係河川使用者の「すべて」が同意した場合。第二に、新しい事業の公益性が既存事業より「著しく」大きい場合。第三に、損失防止施設を設ければ既存事業に支障がないと認められる場合である。ここで見落とされやすい点がある。保護されるのは「申出をした」者だけだ。あなたが既存の水利権者や漁業者なら、通知を受けてから黙っていることは、この拒否権に近い保護を自分から手放すことを意味する。逆にあなたが新規の申請者なら、交渉の相手は役所ではなく、下流で静かに水を使ってきた人々である
法的な位置づけ
河川法第40条は、水利使用に係る流水の占用許可(23条)または工作物新築等の許可(26条1項)について、39条の申出をした関係河川使用者が損失を受ける場合の許可要件を定める規定である。関係河川使用者全員の同意がない限り、公益性が著しく大きい場合または損失防止施設の設置により支障がないと認められる場合に限って許可できる。
手順
- 1.38条の通知と申出期間を確認する 河川管理者から届いた関係河川使用者への通知を開き、申請内容(取水地点・取水量・期間)と意見申出の期限を真っ先に確認して、組合や関係者の予定表に書き込む
- 2.受ける損失を数字で整理する 新規取水によって減る取水量、取水できない時期、漁獲への影響などを、過去の取水記録や漁獲データで具体的な数値にまとめる
- 3.期間内に書面で意見を申し出る 39条に基づく意見の申出を、期限内に書面で提出する。口頭で担当者に伝えるだけでは申出として扱われないおそれがあるため、提出の控えを必ず保管する
- 4.同意するかを条件を見てから判断する 申請者から示される損失防止施設の内容や41条の損失補償の条件を検討し、内容が固まるまで白紙の同意書には署名しない。合意した場合は条件を書面に残す
よくある質問 AI による整理
Q1河川法40条とは何ですか?
新しい水利使用の許可で既存の河川使用者が損失を受ける場合に、許可できる条件を絞る規定です。申出をした使用者全員の同意か、法定の二つの例外が必要です。
Q2関係河川使用者とは誰のことですか?
新たな水利使用の申請によって損失を受けるおそれのある既存の河川使用者で、38条と政令で範囲が定められます。許可を受けた水利使用者や漁業関係の権利者などが典型です。
Q3損失防止施設とはどんなものですか?
新規の水利使用で既存使用者が受ける損失を防ぐために設ける施設です。取水量を調整する設備や魚道などが考えられ、設置すれば支障がないと認められると許可の道が開けます。
Q4河川法40条の許可に不服があるときはどうする?
許可処分に対しては、処分を知った日の翌日から3か月以内の審査請求、知った日から6か月以内の取消訴訟が原則です。原告適格の有無は事案ごとに判断されます。
Q5小水力発電にも河川法40条は関係ある?
関係します。川から発電用に取水するには流水の占用許可が必要で、下流の灌漑用水や漁業の権利者が申出をすれば、その同意か例外要件の充足が求められます。
Q6補償金を払えば同意がなくても許可される?
補償だけでは要件を満たしません。40条の例外は著しい公益性と損失防止施設の二つです。実務上、補償の合意は同意を得るための交渉材料として使われます。
Q7河川法40条は都道府県知事の許可にも適用される?
1項の主語は「河川管理者」なので、知事が管理する河川の許可にも及びます。一方、審議会の意見聴取を定める2項は国土交通大臣が許可する場合の規定です。
Q8河川法40条に反する許可はどうなる?
要件を欠いた許可は違法な処分として、審査請求や取消訴訟で争う対象になり得ます。損失を受ける関係河川使用者の申出記録が、争う際の重要な証拠になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの漁協が反対したら、ダムや取水計画って本当に止まるんですか?
39条の意見申出をした関係河川使用者が損失を受ける場合、全員の同意がなければ、河川管理者は「公益性が著しく大きい」か「損失防止施設で支障がなくなる」場合でなければ許可できない(40条1項)。止まる可能性はあるが絶対ではない。実務のポイント:実務では、反対の目的が計画の中止なのか、補償や施設の上積みなのかで交渉の進め方がまったく変わる。どちらを狙うかを先に組合内で決めておくと、交渉で主導権を握りやすい
Q2通知が来てたのに申出をしてませんでした。もう何もできませんか?
40条の同意要件の保護対象は「前条の申出をした」関係河川使用者に限られるため、その意味での保護は弱くなる。ただし、損失があれば41条の損失補償の問題は別に検討の余地があり、許可処分に対する不服申立ても期間内なら考えられる。実務のポイント:申出の有無は、後になって河川管理者側の記録で確認される。口頭で担当者に不満を伝えただけでは「申出」として扱われないことがあるので、必ず書面で出す
Q3「公益性が著しく大きい」って誰がどう判断するんですか?
一次的には河川管理者が判断する。国土交通大臣が1号を理由に許可する場合は、あらかじめ社会資本整備審議会の意見を聴かなければならない(40条2項)。比べるのは新規事業と既存事業の公益性であり、新規事業が単に有益というだけでは足りない。実務のポイント:この1号ルートは手続が重く時間もかかるため、申請者は実際には損失防止施設と補償で同意を取りに行くことが多い。反対する側は、その現実を交渉材料として使える
間違えやすい点 AI による整理
- 「許可を出すかどうかは役所の裁量で決まる」と思われがちだが、法律から見ればその前提が違う。損失を受ける関係河川使用者が意見を申し出た場合、河川管理者の裁量は40条で縛られる。全員の同意、著しい公益性、損失防止施設の三つのいずれかがなければ、許可してはならないと書かれている
- 既存の水利権者や漁業者は、自分たちが反対すれば計画は止まると知っている。だが、その力が「申出」を条件にしていることの重さを知らない人は多い。39条の通知を放置すれば、40条による保護の対象から外れる。通知書を読まずに片付けることが、そのまま交渉力の放棄になる
- 申請者側から見れば「公益性が大きいのだから当然許可される」かもしれない。だが条文が求めるのは単に「大きい」ことではなく、既存事業と比べて「著しく大きい」ことである。しかも大臣が許可する場合は、事前に社会資本整備審議会の意見を聴く手続が加わる。公益性を理由に押し切る道は、多くの申請者が想像するよりずっと狭い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 河川法40条:申出者が損失を受ける場合の許可要件 | 河川法39条:関係河川使用者の意見申出 河川法41条:許可を受けた者による損失補償 |
| 誰の行為か | 河川管理者(許可の判断) | 関係河川使用者(期間内の申出) 許可を受けた者(補償の支払) |
| 許可への効果 | 同意か例外要件がなければ許可不可 | 申出によって40条の保護対象に入る 許可後の損失を金銭で調整する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は水権の登記制度で水利用を管理する。既存水権者の同意を許可要件とする日本の本条ほど明確な構造かは、個別条文での確認を要する
韓国も河川水の使用を許可制とする。既存使用者との調整の仕組みは日本と比較検討の余地があるが、詳細は要確認
中国は取水許可制度で水資源を国家が配分する。既存使用者の同意権というより、行政による配分管理の色合いが強い
第三者が異議を述べた場合、不利益を附款で回避・調整できるときに限り許可し、それができなくても公益上の理由で許可し得るが補償を要する。本条の二つの例外と構造がよく似ている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 上流で小水力発電の取水計画が持ち上がり、河川管理者から「関係河川使用者」として通知が届いた。灌漑用水を引いている土地改良区の理事であるあなたの手元には、意見を申し出る期限が書かれている。期限は国土交通省令で定める期間で、残りは数日しかない。ここで申し出なければ、40条の同意要件の保護は受けられない
- 新規取水の許可申請を出した事業者側の担当者になったとしよう。下流の漁協一つが同意しない。全員の同意がなければ、「公益性が著しく大きい」か「損失防止施設で支障がなくなる」かのどちらかを役所に説明しなければならない。どちらの道で立証するかを先に決めないと、協議は何年も平行線をたどる
- もし国土交通大臣が「公益性が著しく大きい」ことを理由に、あなたの反対を押し切って許可しようとしたら、どうなる? その前に大臣は社会資本整備審議会の意見を聴かなければならない。手続が飛ばされていないか確認することが、あなたの最初の防御になる
- 魚道を一本造れば済む話だった。損失防止施設の協議を最初から申請者側が持ちかけていれば、許可は二年早く下りていた
取るべき行動
被害を受けた側:1. 38条の通知を受けたら、記載された申出期間をすぐ確認する2. 取水量、取水時期、漁獲などへの具体的な損失を数字で整理し、39条に基づいて期間内に意見を申し出る3. 同意するかどうかは、損失防止施設の内容と41条の損失補償の条件を見てから決める。白紙の同意書には署名しない4. 大臣が公益性を理由に許可する場合は、社会資本整備審議会の意見聴取を経たかを確認し、許可後は審査請求や取消訴訟を検討する(原告適格は事案ごとに判断される)
訴えられた側:1. 申請前に、損失を受けそうな水利権者・漁業権者などを洗い出す2. 全員の同意を目指しつつ、同意が得られない場合に備えて損失防止施設の設計案を用意する3. 公益性の主張は最後の手段と考え、既存事業との比較資料を定量的に作る4. 同意を得た場合も、41条の補償や42条の施設設置の負担について書面で合意を残す
時効(請求できる期限):関係河川使用者の意見申出は、38条の通知を受けてから国土交通省令で定める期間内に行う必要がある(具体的な日数は通知書と河川法施行規則で確認すること)。許可処分に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)が原則である(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)中央省庁等改革関係法による改正(平成13年施行、要確認) 省庁再編に伴い、許可権者が「建設大臣」から「国土交通大臣」へ、意見聴取先の審議会が現行の社会資本整備審議会へ改められたとみられる。改正の年と旧文言は人的検証を要する
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:旧河川法を全面的に改めた現行河川法(昭和39年法律第167号)の制定に伴い、関係河川使用者の保護を図る許可要件として設けられたとみられる(人的検証を要する)
- 2.平成11年(1999年) 改正:中央省庁等改革関係法により、許可権者の表記が国土交通大臣へ、意見聴取先の審議会が社会資本整備審議会へ改められたとみられる(平成13年施行、旧文言は要確認)
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