河川法 第38条(水利使用の申請があつた場合の通知)
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河川管理者は、水利使用に関し第二十三条の許可又は第二十六条第一項の許可(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する許可を除く。)の申請があつた場合においては、当該申請が却下すべきものである場合を除き、国土交通省令で定めるところにより、申請者の氏名、水利使用の目的その他国土交通省令で定める事項を第二十三条及び第二十四条から第二十九条までの規定による許可を受けた者並びに政令で定める河川に関し権利を有する者(以下「関係河川使用者」と総称する。)に通知しなければならない。ただし、当該水利使用により損失を受けないことが明らかである者及び当該水利使用を行うことについて同意をした者については、この限りでない。
この条文の基本情報
水利使用の申請があつた場合の通知とは何ですか?
定義水利使用の申請があつた場合の通知とは、河川法第38条に定められた規定で、「河川管理者は、水利使用に関し第二十三条の許可又は第二十六条第一項の許可(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する許可を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第38条(水利使用の申請があつた場合の通知)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第38条の条文原文は「河川管理者は、水利使用に関し第二十三条の許可又は第二十六条第一項の許可(第二十三条の二の登録の対象となる流水の占用に係る水利使用に関する許可を除く。」で始まります。
- 河川法第38条は第二款 水利調整に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第38条の前の条は河川法第37条の2です。
- 河川法第38条の次の条は河川法第39条です。
- 河川法第38条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第38条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第38条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/38
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法38条は、水利使用の許可申請があると、河川管理者が申請者の氏名や目的を既存の水利権者や漁業権者等の関係河川使用者に通知するよう義務付ける。同意者は対象外。
Q · 上流で新しく川の水を取る申請が出たら、既存の水利権者や漁協に知らせてもらえるの?
原則として通知が届き、意見を述べる機会が与えられる
河川法38条により、水利使用に関する23条・26条1項の許可申請があると、河川管理者は却下すべき場合を除き、申請者の氏名や水利使用の目的などを関係河川使用者(既存の許可を受けた者や政令で定める権利者)に通知しなければなりません。ただし、損失を受けないことが明らかな者、事前に同意した者、登録制の従属発電に係る水利使用は通知の対象外です。通知を受けた者は39条により意見を申し出ることができます。
解説
川の水は早い者勝ちで汲めるものではない。新しく水を取りたい、取水堰を設けたいという申請が河川管理者(一級河川なら国土交通大臣、二級河川なら都道府県知事)に届くと、本条が動き出す。申請を却下する場合を除き、河川管理者は申請者の氏名や水利使用の目的などを、すでに許可を得て川を使っている者と、政令で定める権利者(漁業権者・入漁権者など)に通知しなければならない。この通知を受ける者をまとめて「関係河川使用者」と呼ぶ。あなたが既存の水利権者や漁協の組合員なら、知らないうちに上流の取水量が増えていた、ということが起きにくい作りになっている。通知は手続の始まりにすぎない。受け取った側は意見を申し出ることができ(39条)、河川管理者は原則として、関係河川使用者の同意がある場合、利益が損失を著しく上回る場合、公益上特に必要な場合のいずれかでなければ許可できない(40条)。申請する側から見ると、事前に同意した相手には通知が送られない。つまり通知の宛先リストは、そのまま交渉相手のリストになる。
法的な位置づけ
河川法38条は、水利使用に係る流水の占用許可(23条)等の申請があった場合に、河川管理者が申請内容を関係河川使用者に通知する義務を定める規定である。関係河川使用者とは、同法23条及び24条から29条までの許可を受けた者並びに政令で定める河川に関し権利を有する者をいい、損失を受けないことが明らかな者と同意者は通知対象から除かれる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書の内容と期限を確認する 河川管理者から届いた通知書で、申請者、水利使用の目的、取水量、取水地点を確認し、39条に基づく意見申出の期限をその日のうちに記録する
- 2.自らの水利使用・漁業の実績を集める 過去の取水実績、渇水時の記録、漁獲量などを集め、新規の水利使用によって生じうる損失を数字で示せるよう整理する
- 3.団体内の意思決定手続を確認する 土地改良区や漁協の場合、意見書の提出や同意を理事会決議で行えるか、総会決議が必要かを定款・規約で確認し、期限内に決議を得る
- 4.期限内に意見を申し出る 損失の内容と根拠資料を添えて、河川管理者に意見を申し出る。同意する場合は、補償条件を申請者との書面で固めてから同意する
- 5.許可後の損失を記録し補償を求める 許可が出て実際に損失が生じた場合、その内容を記録し、41条に基づく損失補償を求める。許可処分に不服があれば審査請求・取消訴訟の期限も確認する
よくある質問 AI による整理
Q1関係河川使用者とは?
河川法23条及び24条から29条までの許可を受けた者と、政令で定める河川に関し権利を有する者の総称です。河川法38条で定義されています。
Q2水利権の許可申請 誰に通知される?
既存の許可水利権者や政令で定める権利者などの関係河川使用者に通知されます。ただし同意者と損失を受けないことが明らかな者は除かれます。
Q3水利使用の通知 届かないことはある?
あります。事前に同意した者、損失を受けないことが明らかな者は対象外です。登録制の従属発電に係る水利使用は通知の仕組み自体に乗りません。
Q4水利権 新規申請 漁協の同意は必要?
関係河川使用者がいる場合、その同意があることは40条の許可要件の一つです。同意がなくても、利益が損失を著しく上回る場合などは許可されえます。
Q5小水力発電 水利権 通知 必要?
従属発電で23条の2の登録の対象となる水利使用は、本条の通知の対象から除かれます。それ以外の発電目的の許可申請は通知の対象となります。
Q6河川管理者とは誰のこと?
一級河川は原則として国土交通大臣、二級河川は都道府県知事です。本条の通知義務を負うのはこの河川管理者です。
Q7水利使用の通知を受けたら何ができる?
河川法39条に基づき、国土交通省令で定める期間内に意見を申し出ることができます。損失が生じれば41条の損失補償の問題にもつながります。
Q8慣行水利権でも通知を受けられる?
河川法施行時に既に行われていた流水の占用は許可を受けたものとみなされる場合があり、その場合は関係河川使用者として通知を受ける立場になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1通知が来たけど、返事しなかったらどうなるの?
罰則はない。失うのは、39条に基づいて意見を申し出る機会である。ただし河川管理者が40条で許可するかどうかを判断する際、あなたの損失の大きさを示す材料がないまま判断が進みうる。実務のポイント:申請者側は通知後に反応がないことを事実上の黙認と受け取り、補償の提示額を低めに設定することがある。最初の意見書に具体的な数字があるかどうかで、交渉の出発点が変わる
Q2うちの水利権に影響する許可が、通知なしで出てたら取り消せる?
通知すべき相手への通知漏れは、手続上の瑕疵として許可の違法事由になりうる。ただし取消訴訟を起こすには原告適格(行政事件訴訟法9条)が必要で、既存の水利権者や漁業権者に認められるかは事案ごとに判断され、実務上、解釈が分かれる。実務のポイント:争う前に、通知対象から外された理由が「損失を受けないことが明らかな者」という判断だったのかを、情報公開請求で確認する。外された理由が分かれば、争点を絞り込める
間違えやすい点 AI による整理
- 水利権は役所との一対一の関係だと思われがちだが、実はそうではない。本条によって、新しい申請は既存の水利権者や漁業権者を巻き込んだ多面的な関係になる。許可を出すのは役所だが、許可の扉を実際に開け閉めする要素の一つは、隣の使用者の同意である(40条)
- 既存の使用者から見れば、通知はただのお知らせに見える。だが法律の側から見れば、意見申出、同意、損失補償(41条)へと続く手続の起点である。関係ないと思って放置すれば意見を述べる機会を自分から手放すことになり、後で損失を受けたときに補償交渉の材料が乏しくなる
- 「通知が来ないのは影響がない証拠」という前提そのものが危うい。同意した者と、損失を受けないことが明らかな者は通知の対象外である。さらに23条の2の登録の対象となる水利使用(既存の水利使用に従属する発電など)は、許可申請ではなく登録で進むため、本条の通知の仕組みにそもそも乗らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 河川法38条:許可申請時の関係河川使用者への通知 | 河川法39条:通知を受けた者の意見申出 河川法40条:関係河川使用者がいる場合の許可要件 |
| 義務・権利の主体 | 河川管理者が通知義務を負う | 関係河川使用者が意見を申し出ることができる 河川管理者が許可の可否を判断する |
| 同意の位置付け | 同意者には通知不要 | 意見の内容として同意・不同意を表明しうる 関係河川使用者の同意は許可要件の一つ |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は水権登記制度を採り、登記申請の公告と利害関係人の異議手続を設ける点で、既存利用者の関与を確保する発想が共通する
中国は取水許可制度を採り、許可審査の過程で利害関係者の意見を聴く仕組みを設ける
ドイツは水利用をErlaubnis/Bewilligungに服させ、Bewilligung手続では第三者の異議を考慮する仕組みがある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが理事を務める土地改良区に、河川事務所から見慣れない封書が届いた。上流で小水力発電の水利使用許可申請が出たという通知である。開かずに棚へ戻せば、意見申出の期間は静かに過ぎていく。渇水期に取水口が干上がるかどうかは、この封書への返し方で変わる
- あなたの会社が工場用水の取水を申請し、下流の漁協が同意しなかったら、どうなる? 漁協には通知が届き、意見を申し出る立場になる。河川管理者が許可するには、利益が損失を著しく上回るなど40条の要件を満たさなければならず、審査は長引きうる。着工予定から逆算すると、同意交渉は申請のずっと前に始める必要がある
- 意見申出の期限まで、残された日数はわずかしかない。組合の総会を開く余裕はない。理事会の決議で意見書を出せるか、今夜のうちに定款を確認する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書で申請者、水利使用の目的、取水量、取水地点を確認し、意見申出の期限をその日のうちに控える(39条) 2. 過去の取水実績、漁獲量、渇水時の記録を集め、損失を数字で示せるようにする3. 期限内に意見を申し出る。同意する場合は、補償条件を書面で固めてから同意する4. 許可が出て実際に損失が生じたら、許可を受けた者に損失補償(41条)を求める
訴えられた側:1. 申請前に、取水地点の上下流にいる許可水利権者、慣行水利権者、漁業権者を洗い出す2. 損失が明らかにない相手と同意を得られそうな相手を分け、同意書の取得を先に進める3. 同意が得られない相手については、影響評価と補償案を用意し、40条の要件を満たすための資料を整える4. 内容を十分に説明しないまま形だけ同意を取ると、後の紛争で同意の有効性が争われるおそれがある
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。通知を受けた関係河川使用者の意見申出は、国土交通省令で定める期間内に行う(39条、最新の改正状況をご確認ください)。許可に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)中央省庁等改革関係法 省庁再編に伴い「建設省令」が「国土交通省令」に改められたとみられる(2001年施行、要検証)
- 平成25年(2013年)改正 従属発電の登録制度(23条の2)の新設に伴い、登録の対象となる水利使用を通知対象から除く括弧書きが加えられたとみられる(要検証)
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:河川法(昭和39年法律第167号)の制定により、水利使用の許可申請に係る関係河川使用者への通知制度が設けられた
- 河川法 第23条流水の占用許可、通知の対象となる申請
- 河川法 第23条の2登録制の水利使用、通知対象から除外
- 河川法 第39条通知を受けた者の意見申出
- 河川法 第40条関係河川使用者がいる場合の許可要件
- 河川法 第41条関係河川使用者への損失補償
- 行政手続法 第10条利害関係人の意見聴取の一般則に対する特則
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