河川法 第39条(関係河川使用者の意見の申出)
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前条の通知があつたときは、関係河川使用者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者に対し、当該水利使用によりその者が受ける損失を明らかにして、当該水利使用について意見を申し出ることができる。
この条文の基本情報
関係河川使用者の意見の申出とは何ですか?
定義関係河川使用者の意見の申出とは、河川法第39条に定められた規定で、「前条の通知があつたときは、関係河川使用者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者に対し、当該水利使用によりその者が受ける損失を明らかにして、当該水利使用…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第39条(関係河川使用者の意見の申出)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第39条の条文原文は「前条の通知があつたときは、関係河川使用者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者に対し、当該水利使用によりその者が受ける損失を明らかにして、当該水利使用…」で始まります。
- 河川法第39条は第二款 水利調整に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第39条の前の条は河川法第38条です。
- 河川法第39条の次の条は河川法第40条です。
- 河川法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法39条は、38条の通知を受けた関係河川使用者が、水利使用により受ける損失を明らかにして河川管理者に意見を申し出られると定める。
Q · 上流で新しい取水が申請されたら、下流で水を使っている側は何か言えるの?
言える。ただし拒否権ではなく、損失を示して意見を出す機会
河川法39条により、38条の通知を受けた関係河川使用者(既存の水利使用の許可を受けた者など)は、国土交通省令の手続に従い、新しい水利使用で受ける損失を明らかにして河川管理者に意見を申し出ることができます。意見そのものに許可を止める効力はありませんが、関係河川使用者がいる場合の許可要件(40条)や、許可を受けた者が負う損失補償(41条)の判断の基礎になります。損失は数量と根拠で示すことが重要です。
解説
川の水は「みんなのもの」に見えるが、法律上は違う。下流で田に水を引く土地改良区、取水口を持つ工場、発電用の取水許可を持つ電力会社は、それぞれ河川法上の水利使用の許可(または、許可を受けたとみなされる慣行水利権)を持つ「河川使用者」である。上流で誰かが新しく取水を申請すると、河川管理者(国土交通大臣や都道府県知事。川の管理責任者)は、影響を受ける既存の使用者に通知しなければならない(38条)。39条はその次の一手を定める。通知を受けたあなたは、国土交通省令で定める手続に従い、自分が受ける損失を明らかにしたうえで意見を申し出ることができる。ここが大事なところである。損失を数字と根拠で示した意見は、許可するかどうかの判断(40条)にも、後の損失補償(41条)にも直接つながる。「なんとなく困る」と書いた意見は記録に残るだけで終わる。通知書を受け取ってから最初に動く数週間が、その後数十年続く水の配分を決める
法的な位置づけ
河川法39条は、水利使用の許可申請について38条の通知を受けた関係河川使用者が、国土交通省令で定める手続に従い、当該水利使用により受ける損失を明らかにしたうえで、河川管理者に対し意見を申し出ることができる旨を定める規定である。既存の水利使用者に手続参加の機会を保障し、40条の許可要件判断および41条の損失補償の前提となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書の内容と期限を確認する 河川管理者から届いた38条の通知を開封したら、申請者、取水地点、最大取水量、取水期間、そして意見申出の期限を一覧に書き出す。期限は通知書と最新の河川法施行規則で確認する
- 2.自分の取水実績と損失を数字で整理する 過去数年分の取水量記録、渇水年の不足量、番水の実績、取水施設への物理的影響を集め、新規取水によって生じる損失を数量と金額の見込みで示す
- 3.組織内で意見を決定する 土地改良区や組合など合議が必要な組織は、理事会・総会の招集手続を逆算して早めに開始し、意見書の内容を正式に決定する
- 4.損失を明らかにした意見書を提出する 国土交通省令の手続・様式に従い、損失の内容と根拠資料を添えて河川管理者に意見書を提出する。提出日と受付の記録を保管し、後の40条の同意交渉・41条の補償協議に備える
よくある質問 AI による整理
Q1関係河川使用者とは誰のことですか?
新しい水利使用によって損失を受けるおそれのある、既存の河川使用者を指します。取水の許可を持つ土地改良区、工場、電力会社、水道事業者などが典型です。
Q2河川法39条の意見申出はどこに出すのですか?
河川管理者に対して出します。一級河川の指定区間外なら国土交通大臣(地方整備局・河川事務所)、二級河川などは都道府県知事が窓口になります。
Q3意見書には何を書けばいいですか?
条文は「損失を明らかにして」と求めています。取水量の実績、渇水時の不足量、施設への影響など、損失の内容と数量、その根拠資料を示すのが基本です。
Q4水利権の意見申出に期限はありますか?
国土交通省令の手続に従って行うため、期限は通知書で示されます。具体的な日数は通知書と最新の河川法施行規則で必ず確認してください。
Q5意見を出すと新しい取水許可は出なくなりますか?
意見自体に許可を止める効力はありません。ただし関係河川使用者がいる場合、40条で同意や公益上の必要性などの要件を満たさなければ許可できません。
Q6新規取水で損失が出たら補償はもらえますか?
河川法41条により、水利使用の許可を受けた者は関係河川使用者の損失を補償する義務を負います。協議が整わなければ42条で収用委員会の裁決を求められます。
Q7水利使用の許可に不服があるときはどうすればいいですか?
許可処分に対しては審査請求(行政不服審査法)や取消訴訟(行政事件訴訟法)で争う道があります。期間制限があるため、処分を知ったら早めに専門家へ相談を。
Q8小水力発電でも関係河川使用者への通知はありますか?
小水力発電の取水も原則として河川法の水利使用許可が必要で、既存の河川使用者に影響があれば38条の通知と39条の意見申出の対象になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1意見を出さなかったら、補償ももらえなくなるんですか?
39条は意見を申し出る「ことができる」と定めており、申し出なかったことだけで41条の損失補償を受ける権利が当然に消えるとは条文上書かれていない。ただし実務上は、申出の段階で損失を示していないと、後の協議で損失の存在や程度を立証するのが難しくなる。実務のポイント:補償協議では、手続初期の記録が「当時から主張していた損失」の証拠として重く扱われやすい。期限内に短くてもよいので損失の根拠を出しておくことが、後で効いてくる
Q2慣行水利権しか持っていない昔からの用水組合でも、意見を出せますか?
旧河川法時代からの慣行による水利使用は、河川法施行法などにより河川法上の許可を受けたものとみなされる扱いがあり、関係河川使用者になりうる。ただし取水量や範囲が台帳上はっきりしていないことが多く、まず河川管理者に届出の状況を確認する必要がある。実務のポイント:慣行水利権は「量」の証明が最大の弱点になる。取水の記録、番水表、古い議事録が、意見の説得力をそのまま決める(現行効力を要確認)
間違えやすい点 AI による整理
- 「意見を出せば許可は止まる」と考えるのは誤りである。39条が保障しているのは意見を申し出る機会であって、拒否権ではない。ただし40条により、関係河川使用者がいる場合、原則としてその同意がなければ許可できず、同意がない場合は公益上の必要性などの要件で判断される。意見の役割は、その判断と補償の材料を作ることにある
- 反対の意思を示すことは大切だと分かっていても、その重さを分かっていない人は多い。損失の中身を明らかにしない意見書は、手続上は「申出あり」として扱われても、補償額を決める段階(41条、42条)では数字の根拠にならない。損失を説明する責任は、事実上あなたの側にある
- 「水利権は役所が守ってくれる」と考えるのは、立場を取り違えている。河川管理者は川全体の利用を調整する立場にあり、あなた個人の代理人ではない。新しい水利使用を許可するかどうかを判断する側にいるのだから、あなたの損失をあなたより先に計算してくれることは期待できない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 河川法39条:関係河川使用者が損失を示して意見を申し出る | 河川法38条:河川管理者が関係河川使用者に通知する 河川法40条:関係河川使用者がいる場合の許可要件 |
| 行為の主体 | 関係河川使用者 | 河川管理者 河川管理者(許可の判断) |
| 法的効果 | 意見を述べる機会の保障(拒否権ではない) | 既存使用者に申請を知らせ、意見の機会を開く 同意等の要件を満たさなければ許可できない |
| 後続手続とのつながり | 示した損失が41条の補償協議の基礎資料になる | 通知が39条の意見申出の前提 許可後は41条で補償、協議不成立なら42条で裁決 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では水権登記の申請を公告し、利害関係人が異議を述べる手続が設けられている。既存の水利用者に発言機会を与える点で日本と共通する
ドイツでは Bewilligung の付与に際し、他者に不利益が及ぶ場合の異議(Einwendungen)と調整・補償が規定されている
米国西部の多くの州では、新たな水利権申請を公告し、既存権利者が protest を申し立てる手続を州法で定める。先行取得者優先の原則が強い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし上流に大規模な工業団地ができ、新規取水の通知が土地改良区に届いたら、理事会はどう動けばいい? 渇水年の取水量の記録、田植え期の必要水量、過去の番水(地区ごとに順番で水を回す取り決め)の実績を集め、損失を数量で示す意見書を作る。この作業を担当者一人に任せると、間に合わない
- あなたは小水力発電の事業者で、自分の取水申請が下流の農業用水の権利者に通知された。相手から「損失あり」の意見が出れば、40条で原則として同意か、公益上の必要性の判断が求められ、許可までの期間が延びる。申請前に関係河川使用者を回り、補償の考え方を示しておくかどうかで、事業の開始時期が年単位で変わる
- 通知書の到達から意見申出の期限まで、残された日数は限られている。総会を開かないと意見を決められない組合なら、事務局が臨時総会の招集手続を今週中に始めなければ間に合わない
- 川沿いの工場で冷却水を取水している総務担当者の机に、見慣れない河川事務所の封筒が届いた。中身は上流の新しい水利使用についての通知。担当者が「当社には関係ない」と判断して保管庫に回すと、取水制限がかかる渇水期に初めて影響に気付くことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書に書かれた申請内容(取水地点、最大取水量、期間)と意見申出の期限を確認する2. 自分の取水実績、渇水年の不足量、取水施設への影響を数字で整理する3. 河川法施行規則の様式・手続に沿って、損失の内容と根拠を明らかにした意見書を提出する4. 同意を求められたら、40条の同意と41条の補償の条件を書面で詰める。合意できない場合は42条の収用委員会への裁決申請を視野に入れ、行政書士や弁護士に早めに相談する
訴えられた側:1. 申請前に関係河川使用者を洗い出す(河川管理者への事前相談で把握できる) 2. 影響評価を自分で作り、損失が出る場合の補償の考え方や渇水時の取水調整のルールを先に示す3. 意見が出たら、損失の算定根拠を一つずつ検証し、過大な部分は資料で反論する4. 同意が難しければ、40条の公益性の要件を満たす資料を整え、補償協議を並行して進める
時効(請求できる期限):意見申出の期限は国土交通省令(河川法施行規則)に基づき、38条の通知で示される。具体的な期間は通知書と最新の施行規則で確認すること(最新の改正状況をご確認ください)。許可処分そのものを争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)
学説
条文構造からの一般的理解:39条は関係河川使用者に手続参加の機会を与える規定であり、拒否権を付与するものではない。既存利用の保護は、40条の許可要件と41条・42条の損失補償によって実体的に図られる
改正沿革 AI による整理
- 昭和39年(1964年) 新河川法の制定に伴い、水利調整手続の一部として設けられた。その後の改正の有無と内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:現行河川法の制定に伴い、水利調整手続(通知・意見申出・同意・補償)の一環として設けられた
- 2.平成11年(1999年) 改正:中央省庁等改革に伴う関係法律の整備により、手続を定める省令の名称が「建設省令」から「国土交通省令」に改められた(人的検証を推奨)
- 河川法 第38条関係河川使用者への通知義務、本条の前提
- 河川法 第40条関係河川使用者の同意等の許可要件
- 河川法 第41条許可を受けた者の損失補償義務
- 河川法 第42条補償協議不成立時の収用委員会裁決
- 河川法 第23条流水の占用許可、水利使用の根拠
- 行政手続法 第10条申請処分での利害関係人の意見聴取の一般則
- 行政不服審査法 第18条許可処分への審査請求期間
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