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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 6 分6 分6 分

河川法 第42条(損失の補償の協議等)

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  1. 前条の規定による損失の補償で関係河川使用者に係るものについては、水利使用の許可を受けた者と関係河川使用者とが協議しなければならない。
  2. 2.前項の規定による協議が成立しない場合においては、当事者は、政令で定めるところにより、河川管理者の裁定を求めることができる。
  3. 3.河川管理者は、前項の裁定をする場合において、損失の補償として、損失防止施設を設置すべき旨の関係河川使用者の要求があり、かつ、水利使用の許可を受けた者の意見をきいてその要求を相当と認めるときは、損失防止施設の機能、規模、構造、設置場所等を定めて、当該水利使用の許可を受けた者が損失防止施設を設置すべき旨の裁定をすることができる。
  4. 4.河川管理者は、第二項の裁定をしようとする場合においては、あらかじめ、関係河川使用者が当該河川の使用を行なう土地の所在する都道府県の収用委員会の意見をきかなければならない。
  5. 5.第二項の裁定に不服がある者は、その裁定があつた日から六十日以内に、訴えをもつてその変更を請求することができる。
  6. 6.前項の訴えにおいては、当事者の他の一方を被告としなければならない。
  7. 7.第五項の規定による訴えの提起は、水利使用及び当該水利使用に係る事業の実施を妨げない。

この条文の基本情報

損失の補償の協議等とは何ですか?

定義損失の補償の協議等とは、河川法第42条に定められた規定で、「前条の規定による損失の補償で関係河川使用者に係るものについては、水利使用の許可を受けた者と関係河川使用者とが協議しなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 河川法第42条(損失の補償の協議等)は、日本の河川法に含まれる条文です。
  2. 河川法第42条の条文原文は「前条の規定による損失の補償で関係河川使用者に係るものについては、水利使用の許可を受けた者と関係河川使用者とが協議しなければならない。」で始まります。
  3. 河川法第42条は第二款 水利調整に置かれています。
  4. 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
  5. 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 河川法第42条の前の条は河川法第41条です。
  7. 河川法第42条の次の条は河川法第43条です。
  8. 河川法第42条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第42条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167
  • 本サイト収録河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第42条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/42

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点河川法42条は、水利使用の許可に伴う関係河川使用者への損失補償を当事者の協議で決め、不成立なら河川管理者が裁定し、不服は60日以内の訴えで争うと定める。

Q · 河川管理者の補償裁定に納得できないとき、誰をいつまでに訴えればいいの?

役所でなく相手方の事業者を、裁定の日から60日以内に訴える

河川法42条5項・6項により、裁定に不服がある者は、裁定があった日から60日以内に、訴えによって裁定の変更を請求できます。被告は裁定をした河川管理者ではなく、協議の相手方当事者(水利使用の許可を受けた事業者または関係河川使用者)です。これは形式的当事者訴訟(行政事件訴訟法4条前段)にあたります。なお、訴えを起こしても水利使用や事業の実施は止まりません(7項)。

解説

上流に発電所の取水口や工業用水の取水施設ができると、下流で長年水を使ってきた漁協や農業用水の権利者が損をすることがある。その補償額を決めるのは役所ではない。河川法42条はまず、水利使用の許可を受けた事業者とあなた(関係河川使用者)が直接協議するよう求めている。協議がまとまらなければ、河川管理者(その川を管理する国土交通大臣や都道府県知事)に裁定を求められる。補償はお金だけではない。魚道や取水口の付け替えのような「損失防止施設」を、事業者の費用で造らせる裁定もありうる(3項)。最大の落とし穴は最後の段階にある。裁定に納得できなくても、裁定があった日から60日以内に訴えなければならない。しかも被告は役所ではなく相手方の事業者である。訴えても工事は止まらない(7項)。「裁定」「施設要求」「60日」の三つを知っているかどうかで、交渉で取れるものの中身が変わる。

法的な位置づけ

河川法第42条は、同法41条に基づく関係河川使用者への損失補償の決定手続を定める規定である。補償内容は水利使用の許可を受けた者と関係河川使用者の協議により定め、協議不成立の場合は河川管理者が収用委員会の意見を聴いて裁定する。裁定には損失防止施設の設置を含めることができ、裁定への不服は相手方を被告とする訴えにより争う。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.損失の根拠資料をそろえる 過去数年分の漁獲量・取水量・収穫量などの記録を集め、新たな水利使用による損失額を数字で示せるようにする
  2. 2.事業者と書面で協議する 水利使用の許可を受けた事業者に対し、金銭補償と損失防止施設(魚道・取水口改修など)の両方を書面で要求し、やり取りの記録を残す(1項)
  3. 3.協議不成立なら河川管理者に裁定を申請 協議がまとまらない場合、政令の定める手続に従い河川管理者に裁定を申請する。施設設置を求めるならその旨を明示する(2項・3項)
  4. 4.収用委員会の意見聴取に備える 河川管理者は裁定前に都道府県収用委員会の意見を聴くため、損失の根拠資料を整理して提出できるようにしておく(4項)
  5. 5.不服なら60日以内に相手方を被告として提訴 裁定に不服がある場合、裁定があった日から60日以内に、河川管理者ではなく相手方当事者を被告として裁定の変更を求める訴えを起こす(5項・6項)

よくある質問 AI による整理

Q1河川法42条の裁定とは何ですか?

補償の協議がまとまらないとき、河川管理者が補償の内容を決める手続です。当事者のどちらからでも申請でき、金銭のほか損失防止施設の設置も命じられます。

Q2関係河川使用者とは誰のことですか?

新たな水利使用によって損失を受けるおそれのある既存の河川使用者です。許可水利権者や慣行水利権者、漁業権者などが該当します(河川法38条)。

Q3取水事業の補償は誰が払うのですか?

水利使用の許可を受けた事業者が支払います(河川法41条)。許可を出した国や都道府県が払うわけではなく、河川管理者は裁定する立場にとどまります。

Q4河川法の補償裁定はどこに申請しますか?

その河川の河川管理者に申請します。一級河川の指定区間外は国土交通大臣、二級河川などは都道府県知事が原則です。手続の詳細は政令で定められています。

Q5補償裁定への不服申立て期間はいつまで?

裁定があった日から60日以内に訴えを起こす必要があります(河川法42条5項)。裁定書が届いた日から数えるのではない点に注意が必要です。

Q6補償として魚道の設置を求めることはできる?

できます。関係河川使用者が損失防止施設の設置を要求し、河川管理者が相当と認めれば、事業者に設置を命じる裁定が出せます(42条3項)。

Q7補償裁定に収用委員会は関わりますか?

関わります。河川管理者は裁定前に、関係河川使用者が河川を使用する土地の所在する都道府県の収用委員会の意見を聴かなければなりません(42条4項)。

Q8補償を争う訴訟中も取水工事は続く?

続きます。河川法42条7項は、訴えの提起が水利使用と事業の実施を妨げないと明記しています。訴訟は補償の中身を決め直す手段にとどまります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1裁定の金額に納得いかないんだけど、県を訴えればいいの?

違う。河川法42条5項・6項により、裁定の変更を求める訴えは相手方当事者を被告として起こす。いわゆる形式的当事者訴訟(行政事件訴訟法4条前段)である。実務のポイント:この型を知らずに裁定の取消訴訟を役所相手に起こすと、補償額の中身を争う前に、訴えの適法性で足止めされる危険がある。被告を誰にするかが最初の関門になる

Q2裁判を起こせば、とりあえず工事は止まりますよね?

止まらない。河川法42条7項は、訴えを起こしても水利使用と事業の実施は妨げられないと明記している。実務のポイント:工事そのものを止めたいなら、補償訴訟とは別に、水利使用の許可(23条など)に対する争い方を検討しなければならない。こちらは期限も被告も違う。二つのルートを混同すると、どちらも期限を過ぎてしまう

間違えやすい点 AI による整理

  • 国や県が許可を出したのだから、補償も役所が払うと思われがちである。実際に補償を負うのは水利使用の許可を受けた事業者であり(41条)、河川管理者は協議が決裂したときに裁定する立場にとどまる。請求先を間違えると、交渉が始まる前に時間を失う
  • 「裁定がおかしいなら、裁定を出した役所を訴えて取り消してもらえばいい」という発想そのものがずれている。42条5項・6項は、裁定の変更を求める訴えを、相手方当事者を被告として起こすよう定めている(形式的当事者訴訟)。被告の立て方を間違えると、中身の審理に入る前につまずく
  • 60日という期限は知っていても、その重さまで理解している人は少ない。訴えを起こしても水利使用と事業は止まらない(7項)。訴訟は工事を止める手段ではなく、補償の中身を決め直すためだけの土俵である。工事を止めたいなら、別の手段を考える必要がある
比較の観点この条文ほかの条文
規定の役割河川法42条:補償の決め方(協議・裁定・訴え)河川法41条:補償義務そのもの(誰が払うか)
河川法38条:関係河川使用者の範囲と通知
主な当事者許可を受けた者・関係河川使用者・河川管理者許可を受けた者(補償義務者)
河川管理者(通知義務者)と関係河川使用者
期限裁定変更の訴えは裁定の日から60日以内本条に期限の定めなし
本条に訴訟期限の定めなし

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
水利法

台湾は水権登記制度を中心に既存水権者との調整を行う。日本のような裁定変更の形式的当事者訴訟に相当する明文の型は確認が必要

韓国
하천법

韓国も河川占用許可に伴う損失補償の規定を持ち、協議不成立時は行政機関の裁決手続を経る構造が日本と類似する

ドイツ
Wasserhaushaltsgesetz(WHG)§ 14

ドイツは Bewilligung の際、不利益を受ける者の異議に対し保護措置の負担や補償を命じる仕組みを持ち、施設設置による補償の発想が近い

アメリカ
州水法(prior appropriation)

米国西部では既存水利権者を害しない no-injury rule が中心で、補償よりも許可段階での調整に重点がある

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 上流に小水力発電所の取水許可が出た。あなたの漁協では鮎の漁獲が減る見込みなのに、事業者の提示額は桁が一つ少ない。協議が平行線のままだと、どうなるか? 漁協の側から河川管理者に裁定を申請できる(2項)。お金での補償に加えて、魚道の設置を要求事項に入れておけるかどうかがここで決まる
  • あなたは工業用水の取水許可を得た企業の担当者である。土地改良区が、補償金に加えて取水口の付け替え工事まで求めてきた。協議が決裂すれば、河川管理者は施設の規模や場所まで指定して、あなたの会社に設置を命じる裁定を出せる。裁定の前には、許可を受けた側の意見を聴く手続がある(3項)。費用の試算や代替案は、その場で出せるように準備しておく
  • 裁定書が届いてから40日が経った。不服なら残りは20日、被告は県ではなく相手方の事業者である

取るべき行動

被害を受けた側:1. 損失を数字で示す。過去数年分の漁獲量・取水量・収穫量の記録をそろえる2. 協議の中で、金銭による補償と損失防止施設(魚道、取水口の改修など)の両方を書面で要求し、やり取りを残す3. 協議が決裂したら、政令の定める手続で河川管理者に裁定を申請する(2項)。都道府県の収用委員会の意見が聴かれる点(4項)も踏まえて資料を出す4. 裁定に不服があれば、裁定があった日から60日以内に、相手方の事業者を被告として変更を求める訴えを起こす

訴えられた側:1. 関係河川使用者の損失について、根拠のある独自の試算を作る2. 施設の設置を要求されたら、費用が安く効果が同じ代替案を用意する。裁定前の意見聴取(3項)で必ず提出する3. 裁定の内容に不服があれば、自社の側からも60日以内に変更を求める訴えを起こせる4. 相手から訴えられても事業は続けられる(7項)。ただし判決で補償額が増える場合に備えて、引当てを検討しておく

時効(請求できる期限):裁定の変更を求める訴えは、裁定があった日から60日以内(河川法42条5項)。協議と裁定申請そのものには、本条に期限の定めがない。損失補償請求権の消滅時効について民法166条の一般消滅時効がどう適用されるかは、実務上解釈が分かれる(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:河川法42条5項・6項の訴えは、裁定によって形成された補償の法律関係を当事者間で争う形式的当事者訴訟であり、裁定の取消しではなく補償内容の変更を求めるものと理解されている。

改正沿革 AI による整理

  • 昭和39年(1964年) 新河川法の制定により設けられた。損失補償の協議、河川管理者による裁定、裁定の変更を求める訴えの仕組みを定めた。その後の文言改正の有無と時期は、人の手で検証する必要がある

改正の年表

  1. 1.昭和39年(1964年) 新設:旧河川法(明治29年)に代わる新河川法の制定により、損失補償の協議、河川管理者の裁定、収用委員会の意見聴取、裁定変更の訴えの仕組みが設けられた。その後の文言改正の有無は要検証。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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