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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 9 分9 分9 分

河川法 第43条(流水の貯留又は取水の制限)

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  1. 水利使用の許可を受けた者は、第三十九条の申出をした関係河川使用者に係る前条第一項の協議又は同条第二項の裁定に係る損失を補償した後(損失の補償が損失防止施設の設置に係るものであるときは、当該施設を設置し、かつ、河川管理者の確認を得た後)でなければ、流水を貯留し、又は取水してはならない。ただし、第三十九条の申出をした関係河川使用者の受ける損失であつて河川管理者が当該水利使用の許可に係る流水の貯留若しくは取水の後でなければその程度を確定することができない旨の決定をし、若しくは当該水利使用の許可に係る工作物が完成しなければ当該損失防止施設を設置することができないことその他当該損失防止施設の種類、構造等について特別の事情があることにより、損失防止施設の設置の時期について当該水利使用の許可に係る流水の貯留若しくは取水の後でよい旨の決定をしたもの又は当該水利使用の許可に係る流水の貯留若しくは取水につき同意をした関係河川使用者の受ける損失については、この限りでない。
  2. 2.前項の場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、水利使用の許可を受けた者は、補償金を供託することができる。
  3. 一補償金の提供をした場合において、補償金を受けるべき者がその受領を拒んだとき。
  4. 二補償金を受けるべき者が補償金を受領することができないとき。
  5. 三水利使用の許可を受けた者が補償金を受けるべき者を確知することができないとき。ただし、水利使用の許可を受けた者に過失があるときは、この限りでない。
  6. 四水利使用の許可を受けた者が河川管理者の裁定した補償金額に対して不服があるとき。
  7. 五水利使用の許可を受けた者が差押え又は仮差押えにより補償金の払渡しを禁じられたとき。
  8. 3.前項第四号の場合において補償金を受けるべき者の請求があるときは、水利使用の許可を受けた者は、自己の見積金額を払い渡し、裁定による補償金額との差額を供託しなければならない。
  9. 4.第二項の規定による供託は、水利使用を行なう土地のもよりの供託所にしなければならない。
  10. 5.水利使用の許可を受けた者は、第二項に規定する供託をしたときは、遅滞なく、その旨を補償金を取得すべき者に通知しなければならない。
  11. 6.水利使用の許可を受けた者は、第二項に規定する供託をしたときは、遅滞なく、供託物受入の記載ある供託書の写しを添付して、その旨を河川管理者に届け出なければならない。

この条文の基本情報

流水の貯留又は取水の制限とは何ですか?

定義流水の貯留又は取水の制限とは、河川法第43条に定められた規定で、「水利使用の許可を受けた者は、第三十九条の申出をした関係河川使用者に係る前条第一項の協議又は同条第二項の裁定に係る損失を補償した後(損失の補償が損失防止施設の設置…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 河川法第43条(流水の貯留又は取水の制限)は、日本の河川法に含まれる条文です。
  2. 河川法第43条の条文原文は「水利使用の許可を受けた者は、第三十九条の申出をした関係河川使用者に係る前条第一項の協議又は同条第二項の裁定に係る損失を補償した後(損失の補償が損失防止施設の設置…」で始まります。
  3. 河川法第43条は第二款 水利調整に置かれています。
  4. 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
  5. 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 河川法第43条の前の条は河川法第42条です。
  7. 河川法第43条の次の条は河川法第44条です。
  8. 河川法第43条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第43条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167
  • 本サイト収録河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第43条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/43

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点河川法43条は、水利使用の許可を受けた者が、39条の申出をした関係河川使用者への損失補償を終えるまで流水の貯留・取水を禁じる。補償金は一定の場合に供託できる。

Q · 水利使用の許可が下りたら、すぐにダムに水を貯めてもいいの?

原則不可。申出者への補償が済むまで取水禁止

河川法43条1項により、水利使用の許可を受けた者は、39条の申出をした関係河川使用者への損失補償を終えるまで、流水を貯留したり取水したりできません。補償が損失防止施設の設置である場合は、施設を設置して河川管理者の確認を受けるまで待つ必要があります。例外は、河川管理者が「取水後でよい」と決定した損失と、取水に同意した者の損失です。

解説

ダムの完成式典が終わっても、ゲートを閉じて水を貯めることが法律上許されない場合がある。河川法43条は、水利使用の許可(川の水を継続的に取ったり貯めたりするために、河川管理者から受ける許可)を得た事業者でも、第39条の申出をした関係河川使用者(下流で農業用水を取っている土地改良区や、漁業権を持つ漁協など、既にその川を使っている者)への損失補償を済ませるまでは取水も貯留もできない、と定めている。補償の内容が損失防止施設(魚道や取水口の付け替えなど、被害を防ぐための設備)であれば、施設を造り、河川管理者の確認を受けるまで一滴も取れない。つまり、許可よりも先に補償が求められる仕組みである。ただし落とし穴がある。この「補償が先」の保護を受けられるのは、39条の申出をした者だけである。通知を受け取って放置した既存利用者は、事業者を待たせる手段を自ら手放したことになる。一方、事業者の側にも逃げ道が用意されている。相手が補償金の受取りを拒んだ場合や、裁定額に不服がある場合などは、補償金を供託(法務局の供託所に金銭を預けて、支払ったのと同じ扱いにする手続)して前に進める。どちらの立場であっても、勝負は通知が届いた最初の数週間で決まる

法的な位置づけ

河川法43条は、水利使用の許可を受けた者による流水の貯留・取水の開始時期を規律する規定であり、39条の申出をした関係河川使用者に対する損失補償の完了(損失防止施設の場合は設置と河川管理者の確認)を取水の前提条件とする。あわせて、受領拒否等の5事由がある場合の補償金供託と、供託後の通知・届出義務を定める。

手順

  1. 1.39条の申出者を洗い出して管理表を作る 38条の通知に対して39条の申出をした関係河川使用者を全員リスト化し、損失の内容、補償の形(金銭か損失防止施設か)、協議の状況を一覧で管理する
  2. 2.協議を進め、まとまらなければ裁定を求める 申出者ごとに補償の協議を行い、合意できない場合は42条に基づき河川管理者の裁定を求める。協議の経過は書面で記録しておく
  3. 3.必要なら1項ただし書の決定を早めに求める 損失の程度が取水後でなければ確定できない場合や、工作物の完成後でなければ防止施設を設置できない場合は、工事着手前の段階で河川管理者に取水後でよい旨の決定を求める
  4. 4.補償金を支払うか、事由を確認して供託する 補償金を支払う。受領拒否・受領不能・確知不能・裁定額への不服・差押えのいずれかに当たる場合は、水利使用を行う土地の最寄りの供託所に供託する。裁定額に不服で相手から請求がある場合は、見積額を払い渡し差額を供託する
  5. 5.供託後、遅滞なく通知と届出を済ませる 供託したら遅滞なく補償金を取得すべき者に通知し、供託物受入の記載がある供託書の写しを添付して河川管理者に届け出る。全申出者の補償完了を確認してから取水を始める

よくある質問 AI による整理

Q1河川法43条とは?

水利使用の許可を受けた者が、39条の申出をした既存の河川使用者への損失補償を終えるまで、流水の貯留・取水を禁じる規定です。補償金の供託ルールも定めています。

Q2損失防止施設とは何ですか?

新しい取水による既存利用者の被害を防ぐための設備で、魚道や取水口の付け替えなどが例です。補償がこの形の場合、設置と河川管理者の確認が済むまで取水できません。

Q3補償前に取水したらどうなる?

43条1項に違反する取水となります。河川管理者による監督処分(河川法75条)の対象となり、許可の取消しなどにつながるおそれがあります。

Q4河川法の補償金はどこに供託する?

水利使用を行う土地の最寄りの供託所に供託しなければなりません(43条4項)。事業者の本社所在地の供託所ではない点に注意が必要です。

Q5補償が取水の後でよい場合はある?

あります。損失の程度が取水後でなければ確定できない場合や、工作物の完成後でなければ防止施設を設置できない場合などに、河川管理者が決定すれば取水が先になります。

Q6取水に同意したら補償はもらえない?

同意した者の損失には「補償が先」というロックが掛からなくなります。補償を受ける権利自体が直ちに消えるわけではありませんが、取水開始を止める手段は失われます。

Q7補償を受ける人が分からないときは?

事業者が権利者を確知できない場合は供託できます(43条2項3号)。ただし戸籍や登記の調査を怠るなど事業者に過失があれば、この方法は使えません。

Q8差押えされた補償金はどう払う?

補償金の払渡しが差押えや仮差押えで禁じられている場合は、供託によって補償を済ませることができます(43条2項5号)。供託後は通知と届出が必要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1うちの漁協、通知が来たのに申出し忘れてたんですけど、もう補償はもらえないんですか?

43条の「補償が先、取水は後」という保護は、39条の申出をした関係河川使用者に限られる。補償義務を定める41条も申出を前提にしているため、申出がなければ補償請求の足場はかなり弱くなる。とはいえ、損害の実態によっては民法709条など別の法律構成を検討する余地は残る。実務のポイント:漁協が理事の交代期に通知を見落とす例は珍しくない。通知の宛先を組合長個人ではなく事務局の共有アドレスや窓口に登録し直しておくだけで、この事故はかなり防げる

Q2相手がいくら言っても補償金を受け取らないんです。このままずっと取水できないんですか?

補償金を実際に提供したうえで受領を拒まれたのであれば、43条2項1号により供託でき、供託によって取水への道が開ける。供託先は水利使用を行う土地の最寄りの供託所である(同条4項)。実務のポイント:「提供した」ことの証拠が弱いと、後で供託の有効性を争われる。金額と期日を明記した書面を内容証明郵便で送り、拒否の回答も記録に残しておく。これが供託を有効にする生命線になる

Q3裁定で決まった補償額が高すぎます。払わずに争いながら取水するのはダメですか?

裁定額に不服があれば、その額を供託して取水に進むことができる(43条2項4号)。ただし相手から請求があれば、自社の見積額は先に支払い、裁定額との差額だけを供託しなければならない(同条3項)。供託した後は、遅滞なく相手への通知と河川管理者への届出が必要である。実務のポイント:見積額を低く出しすぎると、相手が直ちに支払いを請求してきたときに交渉上の信用を失い、その後の増減訴訟でも不利な印象を与える。見積額は裁判で説明できる根拠付きで出すべきである

間違えやすい点 AI による整理

  • 「許可が出たのだから、もう水を取ってよいはずだ」と事業者は考えがちである。だが許可は入口にすぎない。43条は許可と取水開始の間に補償という関門を置いており、許可書を手にしただけで取水すれば違法な取水となる。許可そのものが取り消されるリスク(河川法75条の監督処分)も生じる
  • 既存の水利権者は「自分の権利は古いのだから、当然守られる」と信じている。権利が古いことは事実だが、43条の「補償が先」の保護は、39条の申出という手続を踏んだ者にしか及ばない。権利の古さではなく、期限内に手を挙げたかどうかで守られるかが決まる。この落差に気付くのは、たいてい取水が始まった後である
  • 供託について、受け取る側は「拒否し続ければ事業を止められる」と考え、事業者は「供託すれば何でも解決する」と考える。どちらも問いの立て方を誤っている。受領を拒めば事業者は供託して進めるし、事業者の供託も5つの事由のどれかに当たらなければ有効にならない。本当の争点は、どの事由で供託されたかという点にある
比較の観点この条文ほかの条文
規定の役割河川法43条:補償完了まで取水・貯留を禁止し、供託ルールを定める河川法42条:補償の協議と河川管理者の裁定
河川法41条:水利使用に伴う損失補償義務
効果取水開始のタイミングを補償の後にロックする補償の内容・金額を確定させる
補償を支払う義務そのものを発生させる
前提39条の申出+42条の協議または裁定補償義務の存在と協議の不成立
39条の申出をした関係河川使用者の損失

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたは地元漁協の理事。上流に発電用の取水堰を造るという通知が河川管理者から届いたが、組合長は「どうせ国の事業だ」と言って書類を棚に置いたままである。39条の申出期限は通知に書かれている。その日を過ぎれば、アユの遡上が減っても、取水開始を補償の後まで待たせる足場は失われる
  • もし事業者が「補償金を供託したので明日から取水します」と通知してきたら、どうなる? まず確認すべきは、43条2項の5つの供託事由のどれに当たるのかである。補償金の提供をされた事実がないのに「受領拒否」を理由にしていれば、その供託自体の有効性を争う余地がある
  • あなたは小水力発電ベンチャーの事業開発担当。許可は下りたが、下流の土地改良区との補償協議がまとまらず、河川管理者の裁定が出た。その金額が高すぎると感じている。相手から請求があれば、自社の見積額をまず支払い、裁定額との差額を供託しなければならない(43条3項)。差額を払わずに取水を始めれば、違反状態での取水になる
  • 補償の相手が相続で20人近くに分かれ、誰が権利者なのか分からない。過失なく確知できないなら供託できる(43条2項3号)。ただし戸籍や登記を調べずに「分からない」と言えば過失ありとされ、この道は閉ざされる
  • 供託した翌週、社内で「通知は来月まとめて出そう」という話になっている。5項と6項はどちらも「遅滞なく」と定めている。補償を受ける者への通知と、供託書の写しを添えた河川管理者への届出、この2つを今週中に出さないと、許可の監督処分を受ける口実を自分から作ることになる

取るべき行動

被害を受けた側:(既存の水利権者・漁業権者の場合)1. 38条の通知を受け取ったら、記載された期限内に必ず39条の申出をし、予想される損失を具体的に書く2. 協議では金銭補償だけでなく、魚道や取水口の付け替えといった損失防止施設を求めることも検討する。施設型の補償であれば、施設の設置と河川管理者の確認が済むまで取水は止まる3. 供託の通知が来たら、5つの事由のどれに当たるのかを確認し、事由がなければ供託の有効性を争う4. 取水開始の時期について安易に同意しない。同意すれば1項本文の保護は及ばなくなる

訴えられた側:(水利使用の許可を受けた事業者の場合)1. 申出者の一覧と補償状況を管理表にまとめ、全員分の補償が済むまでは取水しない2. 損失の程度が確定できない場合や施設の設置が工事完了後でなければできない場合は、早めに1項ただし書の決定を河川管理者に求める3. 協議が行き詰まったら、2項の事由に当たるかを確認したうえで、水利使用を行う土地の最寄りの供託所に供託する4. 供託後は遅滞なく相手方へ通知し、供託書の写しを添えて河川管理者へ届け出る。裁定額に不服があり、相手から請求を受けたときは、見積額を支払ったうえで差額を供託する

時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はなく、補償金請求権には一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、または行使できる時から10年)が適用される。実務上の期限は前段階にあり、39条の申出は38条通知に記載された期間内に行う必要がある。裁定に不服がある場合の訴えにも期間制限がある(河川法42条、最新の改正状況をご確認ください)。供託後の通知と届出は「遅滞なく」とされている

改正沿革 AI による整理

  • 昭和39年(1964年)河川法制定 旧河川法を全面的に改めた現行河川法の制定時に置かれた規定とみられる。その後の改正の有無や内容は人による検証が必要

改正の年表

  1. 1.昭和39年(1964年) 新設:旧河川法を全面的に改めた現行河川法の制定時に設けられたとみられる規定。その後の改正の有無と内容は e-Gov 法令検索の改正履歴で要確認

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河川法の全文を見る所属する編章節を開く:第二款 水利調整

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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