河川法 第48条(危害防止のための措置)
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ダムを設置する者は、ダムを操作することによつて流水の状況に著しい変化を生ずると認められる場合において、これによつて生ずる危害を防止するため必要があると認められるときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、関係都道府県知事、関係市町村長及び関係警察署長に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置をとらなければならない。
この条文の基本情報
危害防止のための措置とは何ですか?
定義危害防止のための措置とは、河川法第48条に定められた規定で、「ダムを設置する者は、ダムを操作することによつて流水の状況に著しい変化を生ずると認められる場合において、これによつて生ずる危害を防止するため必要があると認められる…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第48条(危害防止のための措置)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第48条の条文原文は「ダムを設置する者は、ダムを操作することによつて流水の状況に著しい変化を生ずると認められる場合において、これによつて生ずる危害を防止するため必要があると認められる…」で始まります。
- 河川法第48条は第三款 ダムに関する特則に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第48条の前の条は河川法第47条です。
- 河川法第48条の次の条は河川法第49条です。
- 河川法第48条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第48条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第48条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/48
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法48条は、ダム操作で流水の状況が著しく変化し危害のおそれがある場合、ダム設置者に関係知事・市町村長・警察署長への事前通知と一般への周知措置を義務づける。
Q · ダムが放流する前に鳴るサイレンは、法律で決まっているの?
はい。河川法48条がダム設置者に事前通知と周知を義務づけています
河川法48条により、ダムを設置する者は、操作によって流水の状況に著しい変化が生じ、危害防止のため必要と認められるときは、事前に関係都道府県知事・関係市町村長・関係警察署長へ通知し、一般にも周知させる措置をとらなければなりません。具体的な方法は政令(河川法施行令)で定められ、実務ではサイレン、スピーカー、警報車、立札などを組み合わせます。放流そのものを禁止する規定ではなく、事前の警告を尽くすことを求める規定です。
解説
河原でバーベキューをしていて、遠くからサイレンが聞こえた。多くの人は気にも留めないが、あの音は偶然鳴ったものではない。河川法48条は、ダムを設置する者に対して、操作によって流れが急に変わり、危険が生じうる場合には、事前に知事・市町村長・警察署長へ通知し、さらに一般の人にも知らせる措置(サイレン、立札、警報車の巡回など。具体的な方法は政令で定める)をとるよう義務づけている。つまりサイレンは、ダムの側が法律上の義務を果たしている合図であり、「これから水が来る」という予告である。ここで覚えておくべきことは二つある。第一に、知らせる責任はダムの側にあるが、聞いた後に逃げるのはあなた自身だ。第二に、知らせ方が不十分で被害が出たときは、ダム設置者の責任を問う手がかりになりうる。同じ一つのサイレンが、命を守る合図にも、事故後に責任を追及する材料にもなる。
法的な位置づけ
河川法48条は、ダム操作に伴う危害防止措置を定める規定であり、ダム設置者に対し、操作により流水の状況に著しい変化が生じ危害防止の必要がある場合、政令に従って関係都道府県知事・関係市町村長・関係警察署長へ事前に通知するとともに、一般に周知させる措置をとる義務を課す。ダム操作自体を制限するものではなく、下流への事前警告を義務化する点に特色がある。
手順
- 1.操作の影響を事前に評価する 放流量の変更が下流の流水の状況に「著しい変化」を生じさせるか、警報区間内に人が立ち入る可能性があるかを操作規程(河川法47条)に照らして判断する
- 2.関係機関へ事前通知する 政令の定めに従い、関係都道府県知事・関係市町村長・関係警察署長へ、操作の開始予定時刻と内容を操作前に通知し、送信時刻を記録する
- 3.下流の一般周知を実施する 警報区間でサイレン・スピーカー放送・警報車の巡回・立札などを組み合わせ、河原にいる人が避難できる時間的余裕を確保して周知する
- 4.操作と周知の記録を保存する サイレン作動時刻、巡回経路、通知時刻、放流開始時刻を一体で保存し、事故発生時に周知を尽くしたことを説明できる状態にしておく
よくある質問 AI による整理
Q1ダム放流の通知義務とは?
河川法48条に基づき、ダム設置者が操作で流れが急変するおそれがあるとき、事前に知事・市町村長・警察署長へ知らせる義務です。
Q2ダム放流 サイレン 何分前に鳴る?
法律は「あらかじめ」と定めるのみで、全国一律の分数はありません。具体的な時間や方法は政令とダムごとの操作規程・運用で決まります。
Q3ダム放流で流されたら賠償請求できる?
通知・周知が不十分だった場合、設置者が公的機関なら国家賠償法、民間企業なら民法709条・717条などで請求を検討できます。
Q4ダム放流 警報区間 調べ方は?
ダム管理者(国土交通省の事務所、都道府県、電力会社など)のウェブサイトや、河川沿いの立札・看板で確認できることが多いです。
Q5ダムの放流は違法になる?
放流自体は正当な操作でありえます。違法性が問われるのは、事前の通知や一般への周知を尽くさないまま危険な操作をした場合です。
Q6ダム放流の通知は誰に届く?
法律上の通知先は関係都道府県知事、関係市町村長、関係警察署長です。一般の人へは通知ではなく「周知措置」で知らせる仕組みです。
Q7発電用ダムも放流前に知らせる義務がある?
あります。河川法48条は「ダムを設置する者」に義務を課しており、許可を受けて設置された発電用・利水用ダムも主な対象です。
Q8河川法48条に違反したらどうなる?
義務違反は河川管理者による監督処分の対象になりうるほか、事故が起きた場合は民事上の過失判断で重く評価される可能性があります(罰則の適用は要確認)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1放流のサイレンって、どこまで聞こえる範囲で鳴らす義務があるんですか?
48条は「一般に周知させるため必要な措置」を求め、具体的な方法は河川法施行令に委ねている。実務では、警報区間を区切ってサイレン、スピーカー、警報車、立札を組み合わせて周知している。実務のポイント:警報区間はダムごとの操作規程や関連資料で決まっていることが多い。事故の後は「現場がその区間に含まれていたか」がまず確認される
Q2サイレンが鳴ったのに逃げ遅れたら、やっぱり自己責任になりますか?
周知が適切だったと認められれば、ダム設置者の責任は否定されやすく、仮に責任が認められても過失相殺(民法722条2項)で賠償額が大きく減る。ただし、鳴ってから水位が上がるまでの時間が短すぎた場合は評価が変わりうる。実務のポイント:争点は「鳴ったか」だけでなく「逃げる時間があったか」になる。だからサイレンの作動時刻の記録が決め手になる
Q3国や県が管理している治水ダムも、この条文の対象なんですか?
48条が置かれた「ダムに関する特則」の款は、主に河川法26条の許可を受けて設置されるダム(発電用・利水用など)を念頭に置いている。河川管理者自身が管理するダムについては、操作規則など別の枠組みで同じような通知・周知が行われている(適用関係は要確認)。実務のポイント:事故後に誰を相手に何を問うかは、そのダムの設置者が誰かで変わる。最初にダムの名前と管理者を確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「晴れているから川は安全だ」と思いがちだが、下流の水位を決めるのは頭上の空ではなく、上流のダムの操作である。48条があるのは、雨が降っていない下流でも、人の判断によって水の状況が急変しうるからだ
- サイレンが鳴ることは知っていても、それが法律にもとづく「危害防止の措置」だという重さを知る人は少ない。サイレンは雰囲気づくりの演出ではなく、法律上の義務として行われる警告である。無視して河原に残った結果は、民事でも過失相殺(民法722条2項)としてあなたに返ってくる
- 「ダムが放流したせいで流されたのだから、全部ダムが悪い」と考えるのは視点がずれている。法律から見た問いは「放流したか」ではなく、「事前に通知と周知を尽くしたか」である。放流そのものは正当な操作でありうる。争点は警告の中身と時間的余裕にあり、そこを押さえないまま責任追及を始めると空振りに終わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 河川法48条:操作前の通知と一般周知(危害防止措置) | 河川法47条:ダムの操作規程の策定 河川法52条:洪水時の河川管理者による操作指示 |
| 義務を負う者 | ダムを設置する者 | ダムを設置する者(規程を定め承認を受ける) 指示を受けたダム設置者(指示主体は河川管理者) |
| 発動のタイミング | 流水の状況に著しい変化を生じる操作の前 | ダムの運用開始前・平常時のルール作り 洪水による災害発生のおそれがある緊急時 |
| 下流の人との関係 | 避難の時間を確保する直接の警告 | 操作の予測可能性を高める間接的な保護 治水全体の観点からの操作調整 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも水庫の放流前に下流へ警報を発する運用があり、水利法と関連規則の枠組みで管理される(具体的条文は要確認)
韓国でもダム管理と放流時の安全確保が専用法で規律される(放流通知の具体的条文は要確認)
米国では FERC 所管の水力発電ダムに緊急行動計画(EAP)の策定を求め、下流への警報体制を規律する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 夏の渓流キャンプ。上流側の空は晴れていて、テントは中州に張った。夕方、聞き慣れない長いサイレンが谷に響く。現地で晴れていても、上流のダムが放流を始めれば水位は上がる。場所によっては数十分で中州が消えることもある
- 上流のダムに「放流中」の立札も、サイレンも、警報車もなかったとしたら、釣り人が流されたときの責任はどうなる? 48条の周知措置が尽くされていたかどうかが、ダム設置者の過失を判断するうえで最初に見られる論点になる
- あなたは電力会社の発電用ダムの運転担当者。深夜、急な増水で放流量を増やす判断を迫られている。関係市町村と警察署への通知と、下流での周知を済ませないまま操作すれば、下流で事故が起きたとき会社もあなたの判断も厳しく問われる
- 町役場の防災担当に、ダム管理者から放流開始の通知が届いた。受け取って終わりではない。これを住民の避難行動につなげられるかどうかは、受け取った自治体側の動きにかかっている
- ラフティングツアーの会社を経営する友人から「上流ダムの放流予定って、こっちから問い合わせないと分からないの?」と聞かれた。法律上の通知先は自治体と警察である。事業者は自分から情報を取りに行く仕組みを作っておかないと、通知の流れの外に置かれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず命を優先し、高い場所へ避難する。その後、けがの治療記録と被害品を保全する2. サイレンの有無と時刻、立札の位置、警報車の巡回の有無を自分と同行者の記憶で書き残し、現場を撮影する3. ダム設置者と自治体に、通知と周知の記録(時刻と方法)の開示を求める。公的機関には情報公開請求も使える4. 設置者が公的機関であれば国家賠償法、民間企業であれば民法709条、717条による請求を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 操作前の通知(知事・市町村長・警察署長あて)と周知措置を、時刻つきで記録に残す運用を徹底する2. 河川法施行令が定める方法と操作規程(47条)どおりに実施したことを示せるよう、ログを保存する3. 事故が起きたら、サイレンの作動記録と警報車の巡回経路を直ちに確保する4. 周知が尽くされていても、被害者側の過失相殺(民法722条2項)が主張できるかを検討する
時効(請求できる期限):本条自体に特有の時効はない。放流事故で損害賠償を請求する場合、損害および加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年(民法724条、724条の2)。国家賠償請求にも国家賠償法4条により民法の時効が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:本条はダム操作の自由を前提に、下流の危害防止のための手続的義務を課すものと理解される。義務の履行状況は、放流事故における設置者の過失や営造物管理の瑕疵を判断する際の重要な考慮要素となる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:新河川法(昭和39年法律第167号)の制定に伴い、「ダムに関する特則」の一条として設けられた
- 河川法 第44条ダムの定義と従前機能維持義務
- 河川法 第47条ダムの操作規程の策定義務
- 河川法 第49条ダム設置者の観測義務
- 河川法 第52条洪水時の河川管理者による操作指示
- 河川法 第26条ダム等工作物設置の許可
- 国家賠償法 第2条公の営造物管理瑕疵による賠償責任
- 災害対策基本法 第56条市町村長による警報の伝達・警告
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