河川法 第64条(負担金の納付又は支出)
クイックジャンプ
- 国土交通大臣が行なう一級河川の管理に要する費用のうち、第六十条第一項の規定により都道府県が負担すべき費用又は前条第一項の規定により利益を受ける都府県が負担すべき費用は、政令で定めるところにより、国庫に納付しなければならない。
- 2.都道府県知事が行なう河川の管理に要する費用のうち、第六十条第二項後段若しくは第六十二条の規定により国が負担すべき費用又は前条第三項の規定により利益を受ける都府県が負担すべき費用は、政令で定めるところにより、当該都道府県知事の統轄する都道府県に対して支出しなければならない。
この条文の基本情報
負担金の納付又は支出とは何ですか?
定義負担金の納付又は支出とは、河川法第64条に定められた規定で、「国土交通大臣が行なう一級河川の管理に要する費用のうち、第六十条第一項の規定により都道府県が負担すべき費用又は前条第一項の規定により利益を受ける都府県が負担すべき…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第64条(負担金の納付又は支出)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第64条の条文原文は「国土交通大臣が行なう一級河川の管理に要する費用のうち、第六十条第一項の規定により都道府県が負担すべき費用又は前条第一項の規定により利益を受ける都府県が負担すべき…」で始まります。
- 河川法第64条は第三章 河川に関する費用に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第64条の前の条は河川法第63条です。
- 河川法第64条の次の条は河川法第65条です。
- 河川法第64条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第64条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第64条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/64
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法64条は、一級河川の管理費用のうち都道府県等の負担分を国庫に納付させ、知事管理河川では国等の負担分を都道府県に支出させる規定。手続は政令で定める。
Q · 国がやっている河川工事なのに、なぜ県がお金を払うの?
県の負担分を国庫に納める義務が河川法64条1項にあるから
河川法60条1項は、国土交通大臣が管理する一級河川の管理費用の一部を、区域内の都府県に負担させています。河川法64条1項は、その負担分と、63条1項により利益を受ける都府県の負担分を、政令の定めに従って国庫に納付するよう義務づけています。逆に、知事が管理する河川では、国や受益都府県の負担分が当該都道府県に支出されます(64条2項)。県予算の「直轄事業負担金」は、この仕組みに基づく支出です。
解説
堤防一本の工事費が、いつのまにか都道府県から国へ、国から都道府県へと流れている。その流れを実際に起こすのが河川法64条だ。60条や63条が決めるのは「誰がいくら負担するか」という割合までで、お金を実際にどちらへ動かすかは書いていない。本条は二方向の流れを定める。国土交通大臣が管理する一級河川では、都道府県や上流・下流で利益を受ける都府県が自分の負担分を国庫に納付する。都道府県知事が管理する河川では、国が負担すべき分や利益を受ける都府県の負担分を、その都道府県に支出する。具体的な手続は「政令で定めるところ」(河川法施行令)に委ねられている。あなたの住む県の予算書の土木費には「直轄事業負担金」という一行がある。その一行の法的な根拠をたどると本条に行き着く。県議会の質疑やニュースで「国からの請求書」が問題にされたとき、話の土台がどこにあるのかを知っている側に立てる。
法的な位置づけ
河川法64条は、河川管理費用の負担金の収支方向を定める規定である。大臣管理の一級河川では、60条1項・63条1項に基づく都道府県・受益都府県の負担分を国庫に納付させ、知事管理の河川では、60条2項後段・62条・63条3項に基づく国・受益都府県の負担分を当該都道府県に支出させる。具体的手続は政令に委任される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.予算書・決算書で負担金の額を確認する 都道府県の予算書・決算書の土木費から「直轄事業負担金」の項目を探し、河川分の金額と年度推移を把握する。
- 2.根拠条文を特定して情報公開請求する 河川法60条・63条・64条と河川法施行令を根拠として明示し、年度と工事区間を特定したうえで、国からの納付通知と工事内訳の開示を請求する。
- 3.内訳を照合して疑義を整理する 開示された内訳を工事区間・工種ごとに確認し、負担対象外の費用(廃止された維持管理費分など)が含まれていないかを照合する。
- 4.議会質問または住民監査請求につなげる 議決前の予算審議で議員を通じて質問するか、支出から1年以内に地方自治法242条の住民監査請求を行う。監査結果に不服があれば、通知から30日以内に住民訴訟を検討する。
よくある質問 AI による整理
Q1直轄事業負担金とは何ですか?
国が直接行う河川・道路などの事業費の一部を、地元の都道府県が負担するお金です。河川では負担割合を60条が、国庫への納付義務を64条1項が定めています。
Q2河川法64条の負担金はいつ納付するの?
本条自体に期限はなく、納付・支出の時期は河川法施行令と国からの納付告知に従います。年度単位の予算・決算の中で処理されるのが通常です。
Q3直轄事業負担金は拒否できる?
法律上の納付義務なので、都道府県が一方的に拒否することはできません。ただし算定範囲や内訳に疑義があれば、納付前の国との協議で異議を出す余地があります。
Q4直轄事業負担金の維持管理費分は廃止された?
2009年の知事らの批判を受けた制度改革で、維持管理費分の負担は2010年前後に廃止されました。現行の負担範囲は最新の法令で確認が必要です。
Q5県が国に払った負担金の内訳は情報公開請求できる?
できます。県から国庫への納付も県の公金支出なので、各都道府県の情報公開条例に基づき、納付通知や工事内訳の開示を請求できます。
Q6知事管理の河川で国はお金を出してくれる?
出します。河川法60条2項後段や62条により国が負担すべき費用は、64条2項に基づいて当該都道府県に支出されます。
Q7下流の県が上流のダム工事費を払うのは違法?
違法ではありません。河川法63条により利益を受ける他の都府県も費用を負担でき、その納付・支出の流れを64条が定めています。
Q8直轄事業負担金に住民監査請求はできる?
できる可能性があります。県の公金支出として地方自治法242条の対象になりえます。支出から1年以内が原則で、違法と認められるかは別問題です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国の工事なのに、なんで県がお金を払うの?
河川法60条1項は、大臣が管理する一級河川の費用の一部を、区域内の都府県に負担させている。本条1項は、その負担分を国庫に納付する義務を定める。治水の利益は地元に及ぶという考え方による。実務のポイント:負担の対象範囲は時代とともに変わっており、維持管理費分は2010年前後の改革で廃止された。古い解説書の数字をそのまま使うのは危ない(最新の改正状況をご確認ください)
Q2県が国に払った負担金って、住民がチェックできるんですか?
できる。県から国庫への納付も県の公金支出なので、情報公開請求や住民監査請求(地方自治法242条)の対象になりうる。根拠は本条と60条・63条である。実務のポイント:請求書面で根拠条文と年度、工事区間まで特定すると、県側は内訳を出さざるを得なくなる。漠然とした請求では、総額だけを示されて終わることが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 国の直轄工事は全額国費だと思われがちだが、実際は違う。一級河川の大臣管理区間でも都府県に負担部分があり、本条1項によって国庫に納付する義務がある。国直轄でも県の財布が空になるわけではない
- 「負担金は国と県の内輪の話で、住民が口を出せる余地はない」という問いの立て方自体がずれている。県が国庫に納める負担金も県の公金の支出だ。そのため住民監査請求(地方自治法242条)の入口になりうる。違法と認められるかは別の問題だが、検証する手段は住民の手元にある
- 負担金の存在は知っていても、その規模まで実感している人は少ない。2009年には複数の知事が直轄事業負担金の不透明さを公然と批判し、維持管理費分の負担を廃止する改革へとつながった。県財政の一行が国と地方の力関係を映す鏡になった実例である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 河川法64条:負担金の送金の向き(国庫納付/都道府県への支出)と義務 | 河川法60条:一級河川等の管理費用における国と都道府県の負担割合 河川法63条:管理によって利益を受ける他の都府県の負担 |
| 主な名宛人 | 納付する都道府県・受益都府県、支出する国 | 管理費用を分担する国と都道府県 受益する他の都府県 |
| 決めていないこと | 負担割合そのもの(60条〜63条に依拠) | 実際の送金方向と手続 実際の送金方向と手続 |
| 手続の委任先 | 政令(河川法施行令) | 割合の細部は政令等に依拠 受益都府県間の協議等 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では中央管河川と地方管河川の区分があり、管理主体に応じて費用を分担する。日本の64条のような納付・支出の方向を独立して定める条文構造かは要確認
米国では陸軍工兵隊の洪水対策事業について、州・地方などの非連邦主体に一定割合の費用負担(cost sharing)を求める仕組みがある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 県の予算書を眺めていたら、土木費の中に数十億円規模の「直轄事業負担金」があった。国の工事なのに、なぜ県が払うのか? 負担割合は60条1項で決まり、実際に国庫へ納める義務は本条1項から生じる
- あなたは県庁の河川課に異動したばかりの職員だ。年度末まであと2週間で、国から負担金の納付告知が届いた。内訳の根拠が工事のどの部分に当たるのかを確認しないまま決裁を回せば、後で住民監査請求の対象になったときに説明できない
- 上流県のダム改修で下流県が洪水被害の軽減という利益を受ける。下流県の議員は「なぜうちが払うのか」と議会で追及する。63条の受益者負担と、本条による納付の流れを区別して答弁できるかどうかで、議論の質が変わる
- 市民オンブズマンとして、県が国へ支払った負担金の明細を情報公開請求する。請求先は県だが、根拠法令は本条と河川法施行令だ。そこを特定して請求すれば、開示範囲を絞り込める
取るべき行動
被害を受けた側:(住民・議員の立場)1. 県の予算書と決算書から直轄事業負担金の額を確認する2. 情報公開請求で、国からの納付通知と工事内訳を求める(根拠は本条、河川法施行令、60条・63条) 3. 負担範囲や算定に疑義があれば、議会質問や住民監査請求(地方自治法242条)を検討する4. 監査結果に不服がある場合は住民訴訟(同法242条の2)が残っている
訴えられた側:(県・国の担当者の立場)1. 負担金の根拠を60条・62条・63条のどれに置くかを明確にし、本条と施行令の手続に沿って記録を残す2. 算定の内訳を工事区間・工種ごとに説明できる状態にしておく3. 住民監査請求を受けたら、負担義務の法的根拠と、算定が適正であることを証拠書類とともに示す4. 国と県の協議記録を保存し、事後の検証に耐えられるようにする
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期限はない。納付・支出の時期は政令(河川法施行令)と国の告知に従う。住民監査請求は、当該支出のあった日または終わった日から1年以内(地方自治法242条2項、正当な理由がある場合を除く)。住民訴訟は監査結果の通知から30日以内(同法242条の2第2項)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:旧河川法(明治29年)を全部改正する現行河川法の制定に伴い、管理費用の負担金の納付・支出の規定として設けられた
- 河川法 第60条一級河川管理費用の国と都道府県の負担割合
- 河川法 第62条国が負担すべき費用の根拠(現行効力を要確認)
- 河川法 第63条利益を受ける他都府県の負担
- 河川法 第59条管理費用は管理者側負担という原則
- 地方財政法 第10条の2河川等の建設事業経費の国の負担
- 地方自治法 第242条負担金支出に対する住民監査請求
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める