河川法 第62条(二級河川の管理に要する費用の国の負担)
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国は、二級河川の改良工事(第十六条の三第一項の規定による協議に基づき市町村長が行うものを除く。)に要する費用については、政令で定めるところにより、二分の一を超えない範囲内でその一部を負担する。
この条文の基本情報
二級河川の管理に要する費用の国の負担とは何ですか?
定義二級河川の管理に要する費用の国の負担とは、河川法第62条に定められた規定で、「国は、二級河川の改良工事(第十六条の三第一項の規定による協議に基づき市町村長が行うものを除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第62条(二級河川の管理に要する費用の国の負担)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第62条の条文原文は「国は、二級河川の改良工事(第十六条の三第一項の規定による協議に基づき市町村長が行うものを除く。」で始まります。
- 河川法第62条は第三章 河川に関する費用に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第62条の前の条は河川法第61条です。
- 河川法第62条の次の条は河川法第63条です。
- 河川法第62条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第62条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第62条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/62
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法62条は、二級河川の改良工事費について、国が政令の定めにより二分の一を超えない範囲でその一部を負担すると定める。市町村長が協議に基づき行う工事は対象外である。
Q · 二級河川の改修工事って、国はどれくらいお金を出してくれるの?
最大でも工事費の半分まで。実際の割合は政令と予算次第
河川法62条により、国は二級河川の改良工事の費用について、政令で定めるところにより二分の一を超えない範囲内でその一部を負担します。「二分の一」は上限であり、半額が保証されるわけではありません。二級河川の管理費用は原則として管理者である都道府県が負担し(59条)、本条はそこに国の負担を上乗せする特則です。なお、市町村長が16条の3第1項の協議に基づいて行う改良工事は対象外です。
解説
近所の川があふれるたびに「県は何をしているのか」と怒る声が上がる。だが二級河川の改修が進むかどうかは、県の意思だけでは決まらない。二級河川を管理するのは都道府県知事(河川法10条)で、管理にかかる費用も原則は都道府県が負担する(59条)。その原則に、国が「二分の一を超えない範囲内」で改良工事の費用の一部を負担すると上乗せしたのが本条である。読み落としやすい点が二つある。第一に、「超えない範囲内」は上限であり、半額を保証する規定ではない。実際の割合は政令(法律の細部を内閣が定めたルール)と、毎年の予算配分によって変わる。第二に括弧書きである。市町村長が16条の3に基づき県と協議して自ら改良工事を行う場合は、本条による国の負担の対象から外れる。地元の川の改修を求めるなら、県庁に陳情するだけでは足りない。その工事が国の予算の流れに乗るかどうかで決まる。
法的な位置づけ
河川法62条は、二級河川の改良工事費に関する国庫負担を定める規定である。二級河川の管理費用は原則として管理者である都道府県が負担するが(同法59条)、本条は改良工事に限り、国が政令の定めにより二分の一を上限としてその一部を負担する旨を定める。市町村長が同法16条の3第1項の協議に基づき行う工事は対象から除外される。
よくある質問 AI による整理
Q1二級河川とは何ですか?
国土保全上または国民経済上の重要な一級水系以外の水系で、公共の利害に重要な関係がある河川として都道府県知事が指定した河川です。管理者は都道府県知事です(河川法10条)。
Q2二級河川の改修費用は誰が払う?
原則は管理者である都道府県の負担です(河川法59条)。改良工事については、国が62条により二分の一を上限としてその一部を負担します。
Q3河川法62条の国庫負担は必ず半分もらえる?
もらえるとは限りません。条文は「二分の一を超えない範囲内でその一部」と上限を定めるだけで、実際の割合は政令と予算配分で決まります。
Q4川の維持管理や草刈りにも国の負担はつく?
本条の対象は「改良工事」に限られます。日常の維持・修繕は文言上本条の対象外で、原則どおり管理者である都道府県の負担となります。
Q5市町村が二級河川を工事したら国の負担はある?
16条の3第1項の協議に基づき市町村長が行う改良工事は、62条の括弧書きで本条の国庫負担の対象から除かれています。別の財源を検討する必要があります。
Q6水害後の災害復旧工事も河川法62条の対象?
災害復旧には公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法という別の国庫負担の枠組みがあります。本条は平時の改良工事の費用負担を定める規定です。
Q7自分の地域の川が二級河川か調べる方法は?
都道府県の河川課のウェブサイトや、国土交通省・各都道府県が公表する河川の指定状況で確認できます。一級・二級・準用河川で管理者と費用負担が変わります。
Q8河川改修が遅いと県を訴えられる?
国家賠償法2条の管理の瑕疵として訴えることは可能ですが、改修途上の河川は財政的・時間的制約が考慮されるため、認められるハードルは高いとされます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1近くの川が毎年あふれるのに、何年たっても工事が始まらない。県がサボってるんですか?
サボっているとは限りません。二級河川の改良工事は県の負担(河川法59条)に国の負担(62条)が上乗せされて進む仕組みで、国の予算配分がつかないと着工しにくいのが実情です。実務のポイント:要望が通るかどうかは、県の河川整備計画に位置付けられているかで大きく変わります。計画に載っていない区間の要望は、いくら熱心でも国への予算要望の候補に入りません。まず計画に載っているかを確認すると無駄足が減ります
Q2市長が「市で川を直す」と言ってるけど、それって国からお金は出るの?
市町村長が16条の3の協議に基づいて行う二級河川の改良工事は、62条の括弧書きで本条の国庫負担の対象から外されています。費用は別の規定や補助制度で手当てすることになります。実務のポイント:市が自ら工事をすると着工は早くなりますが、どの財源を使えるかは個別に確認が必要です。議会で「国の支援は受けられるのか」と質問すると、市の財源計画が具体的かどうかがすぐに分かります(最新の制度の状況をご確認ください)
Q3水害で家がやられた。工事が遅れたせいだって県を訴えられますか?
国家賠償法2条の「管理の瑕疵」として訴えることはできます。ただし改修途上の河川について、最高裁は財政的、時間的、技術的な制約を考慮して、過渡的な安全性で足りるとしました(大東水害訴訟、最判昭和59.1.26)。実務のポイント:勝ち目があるのは、改修済みの区間が計画どおりの安全性を欠いていた場合です(多摩川水害訴訟、最判平成2.12.13)。決壊した場所が改修済みの区間かどうかが、最初の分かれ目になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「国が半分払ってくれる」と理解されがちだが、条文が定めているのは「二分の一を超えない範囲内でその一部」である。上限が決まっているだけで、実際の負担割合は政令と予算の範囲で決まる。半額がつく前提で地元の資金計画を組むと、計算が狂う
- 「川の工事が遅いのは県の怠慢だ」という問いの立て方そのものが、的を外していることが多い。二級河川の改良工事は県の負担分と国の負担分がそろって初めて動く。誰の判断で止まっているのかを特定しないまま責めても、事態は一ミリも動かない
- 住民から見れば「川を直すのは役所の仕事」の一言で済む。だが法律から見ると、国、都道府県、市町村の誰が工事をし、誰がいくら払うかで、適用される条文が分かれている。括弧書き一つで国の負担が外れるという落差を知らないまま市町村に工事を求めると、地元自治体の財政に跳ね返ってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 河川法62条:二級河川の改良工事費の一部を国が負担(上限二分の一) | 河川法59条:管理費用の原則(一級は国、二級は都道府県が負担) 河川法16条の3:市町村長による河川工事(協議に基づく) |
| 負担者 | 国(都道府県負担への上乗せ) | 河川管理者(二級河川は都道府県) 工事を行う市町村(本条の国庫負担は対象外) |
| 対象となる行為 | 二級河川の改良工事に限る | 河川の管理全般(改良・維持・修繕等) 市町村長が協議を経て行う工事 |
| 金額・割合の決まり方 | 政令の定めにより二分の一以内、予算配分で変動 | 法律・他法の特別の定めがない限り全額を管理者負担 62条による国庫負担なし、別の財源を要検討 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も中央管河川と地方管河川を区分し、地方管河川の整治には中央政府の補助が入る。補助の割合は地方の財政力等で調整される点が日本の上限付き負担と比較される
韓国は国家河川と地方河川を区分し、地方河川の整備に国の財政支援を行う仕組みをもつ
ドイツでは治水は州の権限だが、連邦が共同任務として洪水防御の財源を共同負担する
米国は連邦の治水事業に地元(non-federal sponsor)の費用分担を義務付ける。日本とは負担の向きが逆で、連邦事業に地元が拠出する構造
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 去年の台風で床上浸水した。自治会で「川幅を広げてほしい」と要望書を作ることになった。宛先を知事だけにすると、県は「国の補助がつかないと着工できない」と答えて終わる。国の負担がつくかどうかで、着工が五年早まることもある
- 地元の小さな川が二級河川か一級河川か、調べたことはあるだろうか。それによって工事の発注者も、お金の出どころも、文句を言う相手も変わる
- もし市長が「県を待っていられない、市で川を直す」と宣言したら、費用はどうなる? 16条の3の協議に基づいて市町村長が行う改良工事は、本条の国庫負担の対象外である。市長の英断が、市の財政に予想以上の負担を残すこともある
- あなたは県の河川課の担当者で、来月が国への概算要望の締切だ。事業計画の熟度が低いと、国の負担分の配分がつかず、来年度の改修予算そのものが消える。住民説明会は締切前に終わらせておく必要がある
- 川沿いの土地を相続した。県から用地買収の打診が来たが、担当者は「事業化はまだ先」と言う。国の負担がつくかどうか決まる前は、買収の時期も金額の見通しも立たない。売るか待つかの判断は、事業の予算化の状況を確かめてからでも遅くない
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず地元の川が二級河川か一級河川かを県の河川課で確認する。二級なら管理者は知事である(河川法10条) 2. 県の河川整備計画に、その区間の改修が位置付けられているか調べる3. 浸水被害の写真、水位記録、被害件数をまとめ、県が国に予算を要望する時期より前に要望書を出す4. 被害の賠償を求める場合は、国家賠償法2条の管理の瑕疵(安全性の欠陥)で争う。ただし改修途上の河川は財政的制約が考慮されるので、証拠の整理は専門家と行う
訴えられた側:1. 自治体の担当者として管理の責任を問われた場合、改修計画の合理性、国の負担を含む予算の推移、工事の優先順位の判断過程を記録で示せるよう整える2. 市町村として工事を検討するなら、16条の3による協議の工事は本条の国庫負担の対象外であることを前提に、財源を比較してから決める3. 住民説明では「国の負担は上限が二分の一で、割合は予算で変わる」と正確に伝え、過大な期待を生まないようにする
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。水害で損害を受けて国家賠償を求める場合は、国家賠償法4条により民法が適用され、損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年、民法724条・724条の2)、不法行為の時から20年で請求できなくなる。予算の要望は、国の概算要求の時期(例年夏頃)から逆算すること(最新の運用をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:旧河川法を全面的に改めた現行河川法の制定により、一級河川・二級河川の区分とあわせて、管理費用の負担区分と国庫負担の規定が整備された
- 河川法 第10条二級河川の管理者は都道府県知事
- 河川法 第16条の3市町村長による改良工事、本条の除外対象
- 河川法 第59条管理費用の原則、二級河川は県が負担
- 河川法 第60条一級河川の費用分担、本条と対になる規定(現行効力を要確認)
- 地方財政法 第10条の2国が負担する建設事業、河川を含む
- 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法 第3条災害復旧の国庫負担は別の枠組み
- 国家賠償法 第2条河川管理の瑕疵による賠償責任
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