法人に十五以上の支店、工場その他の事業所がある場合において、その事業所の三分の二以上に当たる事業所につき、その事業所の所長、主任その他のその事業所に係る事業の主宰者又は当該主宰者の親族その他の当該主宰者と政令で定める特殊の関係のある個人が前に当該事業所において個人として同一事業を営んでいた事実があるときは、その法人の各事業所における資金の預入及び借入れ、商品の仕入れ及び販売その他の取引のすべてがその法人の名で行なわれている場合を除き、税務署長は、当該各事業所の主宰者が当該各事業所から生ずる収益を享受する者であると推定して、更正又は決定をすることができる。
要点所得税法158条は、15以上の事業所を持つ法人で3分の2以上の主宰者が元個人事業主のとき、全取引が法人名義でない限り、税務署長が収益を主宰者個人の所得と推定できると定める。
Q · 多店舗を一つの会社にまとめたら、その売上は必ず会社の所得になるの?
会社の売上でも主宰者個人の所得と推定されることがあります
所得税法158条により、法人に15以上の事業所があり、その3分の2以上の主宰者(またはその親族等)が以前そこで個人として同一事業を営んでいた場合、税務署長は各事業所の収益は主宰者個人に帰属すると推定して更正・決定できます。この推定を破れるのは、資金の預入・借入から商品の仕入・販売まで、すべての取引が例外なく法人名義で行われていると立証できる場合だけです。通帳や仕入伝票に個人名義が一つでも混じれば、除外規定は使えず推定が固まります。
あなたが、のれん分けで独立させた元従業員たちを、今度は自分の会社の「支店長」として束ねたとする。支店が増えれば会社は立派に見え、各支店の利益は法人所得としてまとめて申告できる。個人事業だった頃より税負担も軽い。よくできた節税に見える。だが所得税法158条が、その設計図に静かに穴を開ける。15以上の事業所を持つ法人で、その3分の2以上の支店長(またはその親族ら)が、かつて同じ場所で個人として同一事業を営んでいた事実があれば、税務署長は「各事業所の儲けは会社ではなく、その支店長個人のものだ」と推定して更正・決定できる。会社という器を通しても、実質は個人事業の寄せ集めに過ぎない、と法が見抜く仕組みだ。この推定を破る道はただ一つ、資金の預入・借入から商品の仕入・販売まで、すべての取引が例外なく法人名義で行われていると示せる場合だけである。
所得税法158条は所得の帰属の推定を定める規定であり、法人に15以上の事業所があり、その3分の2以上の事業所で主宰者またはその親族等が過去に個人として同一事業を営んでいた場合、全取引が法人名義で行われている場合を除き、税務署長が各事業所の収益を主宰者個人に帰属すると推定して更正・決定できることを規定する。
法人という形式をとっていても、実質は個人事業の集合体だとみなし、収益を主宰者個人の所得と推定して課税する仕組みです。所得税法158条が根拠で、15以上の事業所と3分の2以上の元個人事業主という要件を満たすと発動します。
法人に15以上の事業所があり、その3分の2以上の主宰者またはその親族等が以前そこで個人として同一事業を営んでいた場合に適用されます。全取引が法人名義で行われていれば除外されます。
収益が名義人ではなく、それを実質的に享受する者に帰属するとして課税する原則で、所得税法12条が定めます。158条はこの原則を多店舗法人の場面で具体化した推定規定です。
元従業員を店長として独立させ、その店を法人にまとめて15以上になると158条の要件に近づきます。規模が小さくても事業所数と主宰者の前歴という機械的基準で射程に入るため注意が必要です。
原則として法定申告期限から5年、偽りその他不正の行為があれば7年です(国税通則法70条)。158条自体に特別の時効はなく、更正・決定の期間制限に従います。
157条は同族会社等の不当な行為・計算を税務署が引き直す否認規定、158条は多店舗法人の収益帰属を主宰者個人に付け替える推定規定です。実務では12条とあわせて主張が組み立てられます。
開業初日から資金の預入・借入、仕入・販売の名義を完全に法人へ統一することが重要です。元個人事業主の口座を使い続けると、後の調査で個人事業の継続とみなされる恐れがあります。
経営者と会社の利害が一致し、形式と実態が乖離しやすいためです。158条・157条・12条など、法人格を透かして実質に課税する条文が複数用意されています。
事業所が15未満なら158条の要件は満たしません。ただし要件を満たさなくても、実質所得者課税の原則(所得税法12条)や同族会社等の行為計算否認(157条)で、別ルートから同じ結論に導かれることがあります。業界裏話ヒント:税務署は158条を単独で振りかざすより、12条・157条とセットで「実質は個人事業だ」という主張を組み立てる。15という数字だけを避けても、実態が個人事業なら他の条文で追われる。数字合わせではなく実態づくりが要る
158条は「資金の預入及び借入れ、商品の仕入れ及び販売その他の取引のすべて」と書いています。つまり例外なく全取引です。一つでも個人名義の口座入金や個人名の仕入契約が残れば、この除外規定は使えず推定が発動します。業界裏話ヒント:実務で崩れやすいのは、開業当初に元個人事業主の口座をそのまま使い続けているケース。名義変更を後回しにした数か月分の取引が、後の調査で「個人事業の継続」の証拠にされる。法人成りの初日から名義を切り替えるのが鉄則
争えます。158条は「推定」規定なので、反証すれば覆せます(更正・決定に対しては国税通則法に基づく再調査の請求・審査請求・取消訴訟)。全取引の法人名義性を納税者側が示せれば、推定は破れます。業界裏話ヒント:推定規定は税務署にとって「立証が楽になる」道具であって、真実を確定するものではない。だからこそ反証の余地が制度的に残されている。「推定」と書かれた条文を見たら、それは反論の扉が開いている合図だと読む
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 仕組み | 158条:多店舗法人の収益を主宰者個人に帰属すると推定 | — |
| 適用対象 | 15以上の事業所 × 3分の2以上が元個人事業主の主宰者 | — |
| 効果 | 推定に基づき税務署長が更正・決定できる | — |
| 覆す手段 | 全取引が法人名義であることの立証(除外規定) | — |
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