税務署長は、居住者に係る所得税につき更正又は決定をする場合には、その者の財産若しくは債務の増減の状況、収入若しくは支出の状況又は生産量、販売量その他の取扱量、従業員数その他事業の規模によりその者の各年分の各種所得の金額又は損失の金額(その者の提出した青色申告書に係る年分の不動産所得の金額、事業所得の金額及び山林所得の金額並びにこれらの金額の計算上生じた損失の金額を除く。)を推計して、これをすることができる。
要点所得税法 156 条は、税務署長が財産・収入・従業員数など外形的事実から所得を推計して更正・決定できると定める。ただし青色申告書に係る事業所得等は推計の対象から除かれる。
Q · 税務署は帳簿がなくても、勝手にこっちの所得を決められるんですか?
白色申告なら推計されうるが、青色申告なら推計の対象外
所得税法 156 条により、税務署長は財産・収入・支出の状況、生産量・販売量・従業員数など事業規模を示す外形的事実から各種所得を推計し、更正・決定をすることができます。帳簿がなくても課税権は失われません。ただし青色申告書に係る年分の不動産所得・事業所得・山林所得は括弧書きで推計の対象から除外されます。つまり青色申告をしている限り、税務署は推計という近道を使えず、あなたの帳簿の実額と正面から向き合うことになります。
帳簿を付けていないラーメン店主のところへ、税務署員がやってくる。レシートの束はレジ横の紙袋、売上ノートは去年で途切れている。それでも税務署長は所得を確定できる。所得税法 156 条が与えているのは「推計」という道具だ。仕入れた小麦粉の量、電気とガスの使用量、従業員の人数、店の坪数、同業者の平均利益率。こうした外側の数字だけで、あなたの一年の所得金額をはじき出し、更正または決定を打つ。ここで決定的なのは括弧書きである。青色申告書を出している年分の不動産所得・事業所得・山林所得は、推計の対象から外れる。つまり青色申告をしている限り、税務署はあなたの帳簿そのものと向き合うしかない。白色のままなら、あなたの所得はあなたの記録ではなく、税務署が選んだ同業者の平均で語られる。青色申告を「節税の話」だと思っていた人は、いま一つ、防御の話でもあることを知った。
所得税法 156 条は推計課税を定める規定であり、税務署長が更正・決定に際し、帳簿による実額把握が困難な場合に、財産の増減・収入支出の状況・生産量・販売量・従業員数など外形的事実から各種所得の金額を推計して課税できる旨を規定する。青色申告書に係る不動産所得・事業所得・山林所得はその対象から除外される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
帳簿による実額把握が困難な場合に、税務署長が財産増減・収入支出・生産量・従業員数など外形的事実から所得を推計して課税する制度です。根拠は所得税法 156 条です。
青色申告書に係る事業所得等は推計の対象外ですが、白色申告や無申告の年分は推計の射程に入ります。帳簿を提示できないと外形的事実だけで所得が算定されます。
実額を示す原始資料(通帳・仕入伝票・外注請求書)を積み上げ、推計値より実額が低いと立証します。収入と経費を一体で示す実額反証が原則です。
違法ではありません。判例上、実額把握が困難という必要性と、推計方法の合理性の両方が満たされれば適法とされます。争点はこの必要性と合理性です。
課税庁が管内から業種・規模・立地の似た事業者を抽出し、その平均所得率を用いて所得を推計する方法です。抽出基準の妥当性が実務で最も争われます。
されます。無申告者こそ推計課税の主戦場で、国税通則法 25 条の決定処分により、稼働記録や支払調書を材料に所得が推計されます。
再調査の請求または審査請求は、通知を受けた日の翌日から原則 3 か月以内です(国税通則法 77 条、最新の改正状況をご確認ください)。
原則その年の 3 月 15 日まで、新規開業なら開業日から 2 か月以内です(所得税法 144 条)。この期限を逃すとその年分は推計の射程に入ります。
言うだけでは覆らない。推計課税の適法性は課税庁側に一応の合理性の立証責任があるが、実務では納税者が実額を示して反証する形になる。通帳・仕入伝票・外注請求書を積み上げ、推計値より実額が低いと示す必要がある。業界裏話ヒント:実額反証は「一部だけ実額」では通りにくく、収入も経費も一体で実額を示せと判断されることが多い。中途半端な資料提出はかえって推計値を追認させる
課税庁が管内から業種・規模・立地の似た事業者を抽出し、その平均所得率を用いる(同業者比率法)。氏名は守秘義務で明かされないが、抽出基準と件数は訴訟で開示が争われる。業界裏話ヒント:抽出母数が極端に少ない、地域が広すぎる、規模の幅が大きすぎる。この三点は裁判で推計の合理性を崩す定番の攻撃線であり、税理士が最初に確認する箇所である
違う。所得税法 156 条の括弧書きは、青色申告書に係る年分の不動産所得・事業所得・山林所得を推計の対象から明確に外している。さらに更正には帳簿否認の理由付記が要求される(同 155 条)。業界裏話ヒント:税理士が新規開業者に真っ先に青色申告を勧めるのは控除額のためではない。将来の税務調査で課税庁の手札を一枚減らせるからで、この理由は営業トークでは滅多に語られない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 156 条:推計による更正・決定の授権 | — |
| 青色申告者への効果 | 事業所得等は推計の対象から除外 | — |
| 納税者の立場 | 白色・無申告なら外形的事実で所得算定 | — |
| 争い方 | 推計の必要性・合理性、実額反証 | — |
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