要点所得税法239条は、偽りその他不正の行為で源泉徴収すべき所得税を免れた者に最長10年の拘禁刑を科す。単なる納付遅れの240条とは区別される。
Q · 天引きした源泉税を納めなかったら、逮捕されるんですか?
帳簿操作など不正で免れれば最長10年の拘禁刑です
所得税法239条は、偽りその他不正の行為により源泉徴収すべき所得税を免れた者に、10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(併科可)を定めます。単なる納付遅れは不納付犯(240条)ですが、二重帳簿や支払の隠蔽など『不正の行為』が絡むと逋脱罪に跳ね上がります。免れた額が100万円を超えれば、罰金の上限はその額まで引き上げられます(2項)。
給料日、あなたの会社は従業員の給与から所得税を天引きする。フリーのデザイナーに報酬を払うときも、一定の報酬なら天引きする。この天引きした金は、一瞬あなたの口座を通るが、一円もあなたの金ではない。国の金を預かっているだけだ。所得税法239条は、この預かった源泉所得税を「偽りその他不正の行為」でごまかして納めなかった者に、最長10年の拘禁刑を科す。傷害罪の下限より重いこともある刑だ。ここで決定的なのは「不正の行為」という一語である。単に資金繰りで納め遅れただけなら別条(240条の不納付犯)だが、帳簿を操作し、二重帳簿を作り、支払を隠して納付を免れると、一気に逋脱罪へ跳ね上がる。同じ「納めていない」でも、隠したかどうかで刑の重さが桁違いになる。あなたが源泉徴収義務者なら、その分水嶺の上に立っている。
所得税法239条は、源泉所得税の逋脱犯を定める罰則規定である。給与・報酬・利子・配当・非居住者への支払等について源泉徴収義務者が徴収すべき所得税を、偽りその他不正の行為により免れた場合に、10年以下の拘禁刑または罰金を科す。不正を伴わない単純不納付犯(240条)と区別され、隠蔽の有無が処罰の分水嶺となる。
偽りその他不正の行為で、源泉徴収すべき所得税の納付を免れる犯罪です。所得税法239条が根拠で、最長10年の拘禁刑が科されます。単なる納付遅れとは区別されます。
239条は帳簿操作や隠蔽など『不正の行為』を伴う逋脱犯で最長10年の拘禁刑。240条は不正を伴わない単純な不納付犯で、法定刑が大きく軽くなります。分水嶺は隠したかどうかです。
239条1項の逋脱罪は長期10年の拘禁刑のため公訴時効は7年、3項は3年です(刑訴250条)。起算点は原則として当該源泉所得税の法定納期限の経過時です。
非居住者等への支払には源泉徴収義務があります(212条)。放置し虚偽の説明を重ねれば、行政上の追徴だけでなく239条の逋脱に発展しうるため、発覚時は速やかに是正すべきです。
不正がなければ不納付加算税・延滞税といった行政上の負担が中心です(240条の不納付犯の問題)。ただし資金流用を隠すため帳簿を操作すると239条の逋脱に格上げされます。
行政上の重加算税(国税通則法68条)と刑事罰は目的が異なるため併存し得ます。二重処罰の禁止(憲法39条)には原則反しないと解されています。
逋脱罪の成立は金額の多寡ではなく『不正の行為』の有無で決まります。免れた額が100万円を超えると罰金上限がその額まで上がるだけで、少額でも手口が悪質なら起訴対象です。
退職所得の受給に関する申告書を提出せず源泉徴収税額を免れた場合は、239条3項で1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象となります。
単なる納付遅れであれば239条の逋脱罪ではなく、不納付犯(240条)や行政上の不納付加算税の問題にとどまることが多いです。239条が発動するのは『偽りその他不正の行為』、つまり帳簿操作や隠蔽が絡む場合です。業界裏話ヒント:税務署が刑事告発するかどうかは、金額よりも『隠す意図があったか』を重視します。調査で正直にミスを認め、即座に納付する人ほど告発を免れやすい。逆に取り繕った説明が、隠蔽の証拠として不利に働く
税務署の調査が入る前に自主的に期限後納付すれば、不納付加算税が軽減され、刑事告発のリスクも大きく下がります。天引きした源泉税は預かり金なので、遅れても速やかに納めれば単純不納付の範囲で収まる可能性が高い(239条・240条)。業界裏話ヒント:最も危険なのは、資金がないからと帳簿上の数字をいじって隠すこと。その瞬間に単純不納付が逋脱罪へ格上げされる。納められないなら隠さず、税務署に分割等を相談する方が刑事リスクは圧倒的に低い
原稿料・デザイン料・講演料など、所得税法204条1項が列挙する報酬・料金に該当すれば、支払者に源泉徴収義務があります。該当するのに天引きも納付もせず、それを隠せば本条の射程に入ります。業界裏話ヒント:個人事業主やフリーランス同士の取引でも、支払う側が源泉徴収義務者になる場面は多い。『会社じゃないから関係ない』という思い込みが一番危ない。支払前に、その報酬が204条の列挙項目か確認する習慣が身を守る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる税 | 239条:源泉所得税(他人から預かる税)を逋脱 | — |
| 成立要件 | 偽りその他不正の行為+源泉税を免れる | — |
| 法定刑の重さ | 10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(併科可) | — |
| 分水嶺 | 隠蔽・帳簿操作があれば本条へ跳ね上がる | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。