要点所得税法 36 条は、収入金額を入金日ではなく収入すべき権利が確定した年に計上すると定める(権利確定主義)。金銭以外の経済的利益もその時価で課税される。
Q · まだ入金されていない売上でも、去年の所得として税金がかかるの?
権利が確定した年の所得になる。入金日ではない
所得税法 36 条は「その年において収入すべき金額」を収入金額とすると定めます(権利確定主義)。現実にお金が入った日ではなく、報酬を請求できる権利が確定した年に計上するのが原則です。したがって 12 月納品・翌年入金でも、原則として納品した年の所得になります。さらに 36 条 2 項により、社宅の値引き・無利息融資・債務免除などの経済的利益も、その享受時の時価で収入金額に算入されます。通帳の入出金だけで申告すると、税務調査で計上漏れを指摘される危険があります。
12月末に仕事を納品して請求書を出した。入金は翌年1月。それでも、その売上は「去年分」の所得として課税される。まだ一円も受け取っていないのに、だ。所得税法36条が定めるのは「収入すべき金額」、つまり現実にお金が入った時点ではなく、受け取る権利が確定した時点で所得を数えるという原則(権利確定主義)。フリーランスや個人事業主がこれを知らずに通帳の入出金だけで確定申告すると、税務調査で「計上漏れ」を指摘され、過少申告加算税まで乗る。さらに36条はもう一つ牙を持つ。現金でなくても、会社から無利息で金を借りた、社宅を格安で借りた、借金を肩代わりしてもらった、こうした「経済的利益」もその時価で収入になる。受け取ったのが物でもサービスでも値引きでも、税務署はそこに所得を見る。
所得税法 36 条は各種所得の収入金額の帰属時期を定める規定であり、収入金額は別段の定めを除き「その年において収入すべき金額」によるものとする。これは収入すべき権利が確定した時点で所得を計上する権利確定主義を意味し、金銭以外の物・権利その他経済的な利益はその享受時の時価をもって収入金額に算入される。
所得を現金の入金日ではなく、収入すべき権利が確定した年に計上する原則です。所得税法 36 条 1 項の「その年において収入すべき金額」という文言が根拠で、フリーランスや個人事業主の所得計算の起点になります。
原則として役務完了・納品した年です。入金が翌年でも、報酬を請求できる権利が確定していればその年の所得になります(所得税基本通達 36-8)。通帳の入金日で申告すると計上漏れになる恐れがあります。
現金以外の受益、たとえば社宅の値引き・無利息融資・債務免除・現物支給などを指します。36 条 2 項によりその享受時の時価が収入金額に算入され、給与明細に現れなくても課税対象になります。
青色申告者で前々年分の事業所得と不動産所得の合計が 300 万円以下の小規模事業者は、事前届出により現金主義の特例を選べます(所得税法 67 条)。届出がなければ原則どおり権利確定主義です。
税制適格でない場合、権利行使時に株式の時価と払込額の差額が経済的利益として課税されます(36 条 2 項)。現金を受け取っていなくても納税義務が先に発生する構造です。
課税されます。36 条 2 項により金銭以外の物・権利・経済的利益も収入金額に算入され、受け取った時点の時価がそのまま所得になります。「お金じゃないから申告不要」は通りません。
現実に収受した金額ではなく、その年に収入すべき権利が確定した金額を指します。値引きや代物弁済など金銭以外で収入する場合は、その物・権利・経済的利益の価額をもって収入金額とします(36 条 1 項)。
原則として通常の利息相当額が経済的利益として給与所得に加算されます(36 条 2 項)。役員貸付は税務調査の定番チェック項目で、否認されると数年分まとめて追徴される場合があります。
原則として納品・役務完了した去年分です。36条の権利確定主義では、入金日ではなく報酬を請求できる権利が確定した時点で計上します(所得税基本通達36-8)。業界裏話ヒント:役務提供型の仕事は「引渡し」や「検収完了」がいつかで確定日が動く。契約書に検収条項を入れておくと、どの年の所得かを事実で示せて、税務調査での争いに強くなる
原則は差額が経済的利益として給与課税されます(36条2項)。ただし通常の賃貸料相当額の一定割合以上を自己負担していれば給与課税されない取扱いがあります(所得税基本通達36-15等、最新の取扱いをご確認ください)。業界裏話ヒント:使用人の場合、賃貸料相当額の50%以上を払っていれば課税されないのが実務。設定家賃をこのラインで組むかどうかで、手取りが変わる
原則ダメですが、例外があります。青色申告をしていて前々年分の事業所得と不動産所得の合計が300万円以下の小規模事業者は、現金主義の特例を選べます(所得税法67条)。業界裏話ヒント:この特例は事前の届出が要る。使えば入出金ベースで済み事務負担が激減するのに、条件に当てはまるのに届出していない小規模事業者が非常に多い
権利確定の時点は一律ではなく、契約・引渡し・検収・支払いのどこかで、判例上『管理支配基準』など複数の解釈があります(36条1項の運用)。事案次第で争う余地があります。業界裏話ヒント:調査官は自分に有利な確定時期を主張してくる。だが確定時期は解釈が分かれる論点なので、契約書と客観的事実を揃えれば別の時点を根拠に反論でき、追徴額を圧縮できることがある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 所得税法 36 条:収入金額(いつ・いくらを収入に計上するか) | — |
| 帰属時期の原則 | 権利確定主義(収入すべき権利が確定した年) | — |
| 適用対象者 | 原則すべての納税者 | — |
| 経済的利益の扱い | 36 条 2 項で時価により収入金額に算入 | — |
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