要点所得税法 61 条は、昭和 27 年以前から所有する資産の売却時、取得費を昭和 28 年 1 月 1 日の価額で計算できると定める。土地・山林・古い有価証券に及び、実額が高ければそちらも使える。
Q · 取得費が分からない先祖代々の土地を売ると、税金は丸ごとかかるの?
昭和 28 年 1 月 1 日の価額を取得費にできる場合があります
所得税法 61 条により、昭和 27 年 12 月 31 日以前から引き続き所有していた資産を譲渡する場合、取得費は昭和 28 年 1 月 1 日の価額(政令で計算した金額)を基礎にできます(2 項)。実際の取得費のほうが高いと証明できればそちらを使えます。山林所得の必要経費(1 項)や昭和 27 年以前取得の有価証券(4 項)にも同じ基準日が及びます。取得費が不明でも概算取得費 5%(租税特別措置法 31 条の 4)だけが選択肢ではなく、昭和 28 年基準のほうが有利になることが少なくありません。
先祖から受け継いだ山林や土地を売ることになった。だが、いつ、いくらで手に入れたのか、家族の誰も知らないし、書類も一枚残っていない。取得費が不明なら譲渡益をほぼ丸ごと課税される、そう覚悟していないだろうか。所得税法61条は、その古い資産に別の物差しを与える。昭和27年12月31日以前から持ち続けている資産なら、その取得費を「昭和28年1月1日時点の価額」(政令で計算した金額)として扱ってよい、と定める。しかも実際の取得費のほうが高いと証明できれば、そちらを使える。取得費が上がれば、課税される譲渡所得はその分下がる。山林所得も同じ構造で、昭和28年1月1日の価額に、その後かけた管理費・伐採費・育成費を積み上げて必要経費にできる。第4項は古い有価証券にも同じ基準を及ぼす。あなたが売る前にこの日付を知っているかどうかで、納める税額が変わる。
所得税法 61 条は、昭和 27 年 12 月 31 日以前から引き続き所有していた資産の譲渡または山林の伐採・譲渡について、その取得費または必要経費の基礎を、昭和 28 年 1 月 1 日における価額(政令で定める計算による金額)とみなす規定である。実際の取得に要した金額が同日の価額を上回ることが証明された場合はその実額を用い、山林所得および昭和 27 年以前取得の有価証券にも同一の基準日を適用する。
昭和 27 年 12 月 31 日以前から持つ資産を売るとき、取得費や山林所得の必要経費を昭和 28 年 1 月 1 日の価額を基礎に計算できると定める規定です。土地・山林・古い有価証券に及びます。
取得費が不明なとき、譲渡価額の 5% を取得費とみなす租税特別措置法 31 条の 4 の特例です。ただし昭和 27 年以前の資産なら昭和 28 年基準のほうが高くなることが多く、5% だけが道ではありません。
当時の相続税評価額、固定資産税評価、近隣の売買事例などが手がかりです。政令の計算方法に沿って算定し、資料で裏付けます。立証責任は納税者側にあります。
取得費をゼロや低額とすれば譲渡益が過大になり税額が上がります。しかし昭和 27 年以前保有なら 61 条の昭和 28 年基準で取得費を積み上げられ、課税所得を圧縮できます。
はい。61 条 4 項により、昭和 27 年 12 月 31 日以前に取得した有価証券は昭和 28 年 1 月 1 日の価額を取得に要した金額とみなせます。実額のほうが高ければそちらを使えます。
更正の請求は原則として法定申告期限から 5 年以内です(国税通則法 23 条)。申告後の是正は難しいため、申告前に昭和 28 年基準の資料を揃えるのが有利です。
被相続人の取得費を引き継ぎますが(所得税法 60 条)、その資産が昭和 27 年以前取得なら 61 条の昭和 28 年基準を併せて検討でき、最も有利な取得費を選べます。
山林が昭和 27 年以前から保有なら、61 条 1 項で昭和 28 年 1 月 1 日の価額を土台にし、同日以後の管理費・伐採費・育成費を積み上げて必要経費とします。
ゼロにはなりません。昭和27年12月31日以前から持つ土地なら、所得税法61条2項で昭和28年1月1日時点の価額を取得費にできます。実際の取得費のほうが高いと証明できればそちらも使えます。業界裏話ヒント:多くの人は取得費不明イコール概算5%(租税特別措置法31条の4)で処理しますが、昭和28年時点の評価額を掘り出せば5%より高くなることが少なくない。当時の評価資料で裏付ければ、譲渡所得税が大きく下がる余地がある(最新の改正状況をご確認ください)
その山林を昭和27年以前から一族で保有していれば、61条1項により昭和28年1月1日の価額を必要経費の基礎にできます。そこに昭和28年以降の管理費・伐採費・育成費を積み上げます。業界裏話ヒント:山林所得は5分5乗方式で税負担が軽くなる特殊な所得です(所得税法32条)。取得時期が古いほど昭和28年基準で必要経費を厚くでき、5分5乗と組み合わせると自己流計算とは税額がかなり変わる。山を相続したら山林所得に詳しい税理士に相談する価値がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 取得費・必要経費の基礎 | 所得税法 61 条:昭和 28 年 1 月 1 日の価額(政令計算額) | — |
| 適用対象資産 | 昭和 27 年以前から保有する資産(土地・建物・山林・有価証券) | — |
| 実額が高い場合の扱い | 実額取得費が価額を上回れば実額を選択可(2 項但書) | — |
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