要点所得税法 62 条は、別荘や競走馬など生活に通常必要でない資産の災害・盗難・横領による損失を、その年か翌年の譲渡所得からのみ控除できると定める。給与所得や事業所得からは引けない。
Q · 別荘や競走馬を災害で失った損は、確定申告で給料から引けますか?
給料からは引けず、譲渡所得からその年か翌年だけ控除できます
所得税法 62 条により、別荘・競走馬・1 個 30 万円超の書画骨董などの「生活に通常必要でない資産」を災害・盗難・横領で失った損失は、その年分または翌年分の譲渡所得(資産を売った利益)の計算上でのみ控除できます。給与所得や事業所得からは控除できません。しかも保険金や損害賠償金で補填された部分は損失額から差し引かれ、控除できるのは残りの金額だけです。生活に通常必要な自宅・家財の損失は 72 条の雑損控除で総所得から広く引けるのと、救済ルートが根本から分かれます。
台風で流された別荘、厩舎火災で死んだ競走馬、盗まれた高価な壺。これらの損失を、あなたは給料や事業の所得から差し引けると思うかもしれない。だが所得税法は資産を二つに割る。生活に通常必要な資産(自宅、家財、通勤用の車)と、そうでない資産(別荘、競走馬、1個30万円超の貴金属・書画・骨董、所得税法施行令178条)。前者の災害損失は雑損控除(72条)で総所得から広く引ける。後者、つまりこの62条が扱う「生活に通常必要でない資産」の損失は、給料からも事業所得からも一切引けない。引けるのは、その年か翌年の譲渡所得(資産を売った利益)からだけ。しかも保険金で補填された分は除かれる。同じ災害でも、失ったものが贅沢品か生活必需品かで、救済ルートが根本から分岐する。この線引きを知らずに雑損控除で申告すると、税務署に否認され、加算税まで乗ってくる。
所得税法 62 条は、生活に通常必要でない資産の災害・盗難・横領による損失の取扱いを定める規定である。当該損失(保険金等の補填分を除く)は、損失を受けた日の属する年分またはその翌年分の譲渡所得の金額の計算上控除すべき金額とみなされ、給与所得や事業所得からは控除されない。損失額の計算等の細目は政令に委任される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
別荘、競走馬などの娯楽・保養用資産、1 個または 1 組 30 万円超の貴金属・書画・骨董などです(所得税法施行令 178 条)。自宅・家財・通勤用の車などの生活必需資産とは区別されます。
62 条は生活に通常必要でない資産の損失を譲渡所得からのみ控除する制度、雑損控除(72 条)は生活に必要な資産の災害損失を総所得から広く控除する制度です。資産の性質で自動的に振り分けられ、納税者は選べません。
損失を受けた日の属する年分と、その翌年分の譲渡所得に限られます(62 条 1 項)。翌年末までに譲渡益がなければ、損失は控除できないまま消えます。
競走馬は生活に通常必要でない資産にあたり、62 条により損失年と翌年の譲渡所得からのみ控除できます。給与所得や事業所得からは控除できません。
翌年に含み益のある不動産や株を売って譲渡益を作り、そこに損失をぶつけることで相殺できます。2 年の窓を使い切らないと損失は宙に浮いて消えます。
生活に通常必要な動産で 30 万円以下のものは、譲渡益が非課税で損失も無視されます(9 条)。62 条の対象外で、こちらは 72 条の雑損控除の対象になり得ます。
ゴルフ会員権などの娯楽・保養用資産は生活に通常必要でない資産とされ、損失は 62 条の枠で譲渡所得とのみ相殺できます。損益通算の対象にはなりません(69 条)。
雑損控除の欄ではなく、譲渡所得の計算欄で控除します。欄を間違えると税務署に否認され、過少申告加算税が乗る場合があります。時価と保険金補填額の資料を用意します。
引けますが、給料や事業の所得からではありません。別荘は「生活に通常必要でない資産」(所得税法施行令178条)なので、62条により譲渡所得(不動産や株を売った利益)からだけ控除できます。しかもその年か翌年の2年間限定。業界裏話ヒント:損失を受けた年に譲渡益がなくても、翌年に含み益のある資産を売れば相殺できる。捨てるはずの損失を翌年の売却益にぶつける「2年の窓」を意識している税理士は、この控除を無駄にしない
1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・書画・骨董などが対象です(所得税法施行令178条)。30万円以下の生活用動産は、そもそも譲渡益が非課税で損失も無視される(9条)ため、62条の対象外。業界裏話ヒント:ここで言う「価額」は購入時の値段ではなく損失時の時価。バブル期に高く買った品でも、今の評価額が30万円以下なら救済ルートから外れる。査定書をいつ時点の価額で取るかが分かれ目になる
保険金や損害賠償金で補填された部分は、控除できる損失額から差し引かれます(62条1項カッコ書き)。全額補填されれば控除はゼロ。業界裏話ヒント:保険金の入金が翌年にずれ込むケースでは、いったん損失を計上した後で補填額が確定し、修正申告が必要になることがある。保険会社との交渉が長引きそうなら、申告のタイミングを税理士と相談して後の修正リスクを減らす
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象資産 | 62 条:生活に通常必要でない資産(別荘・競走馬・30 万円超の書画骨董) | — |
| 控除先 | 譲渡所得のみ(損失年と翌年の 2 年限定) | — |
| 損益通算 | 給与・事業所得との損益通算は不可(69 条) | — |
| 損失額の計算 | 時価ベース、保険金等の補填分を差引 | — |
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