要点所得税法 69 条は、不動産・事業・山林・譲渡の 4 所得で生じた損失を他の各種所得から控除できる損益通算を定める。株式や暗号資産等の損失は原則この対象外である。
Q · 副業や投資で損を出したら、その損を給料の税金にぶつけて取り戻せるの?
通算できるのは不動産・事業・山林・譲渡の 4 所得の損失だけです
所得税法 69 条 1 項により、損失を他の所得と通算できるのは不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の 4 種類に限られます。これに該当する損失は確定申告で給与所得等と通算でき、源泉徴収された税金の一部が戻ります。一方、上場株式等の譲渡損(申告分離課税)、FX や暗号資産の雑所得の損は 4 種類の枠外で通算できません。さらに 2 項は、別荘や高級品など生活に通常必要でない資産の損失を原則なかったものとみなします。損の大きさではなく、損の出所が取り戻せるかを決めます。
税理士の受験生が真っ先に暗記する語呂がある。「富士山上(ふじさんじょう)」。赤字を他の所得の黒字にぶつけて税金を取り戻せる、いわゆる損益通算ができるのは、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4種類だけ、という意味だ。所得税法69条1項がその根拠である。副業や投資で損を出したとき、あなたがまず問うべきは「この損はどの所得か」。4種類の輪の内側なら給料にかかる税金すら取り戻せるが、輪の外、たとえば株式の譲渡損(原則、申告分離課税)、FXや暗号資産による雑所得の損は、給料など他の所得とはぶつけられない。さらに2項は、別荘や高級品のような「生活に通常必要でない資産(趣味や保養のための、生活に必須ではない財産)」の損失を、原則なかったものとみなす。損の大きさではなく、損の出所が、取り戻せるかどうかを決めている。
所得税法 69 条は損益通算を定める規定であり、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の計算上生じた損失を、政令所定の順序で他の各種所得の金額から控除する仕組みを規律する。2 項は生活に通常必要でない資産に係る所得の計算上生じた損失を、原則として生じなかったものとみなす特則である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
ある所得で出た損失を、他の所得の黒字から差し引いて所得税を減らす仕組みです。所得税法 69 条 1 項が根拠で、政令で定める順序に従って控除します。
不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の 4 種類だけです。語呂合わせ「富士山上(ふじさんじょう)」で覚えます。この 4 種類以外の損失は他の所得と通算できません。
給与など他の所得とは通算できません。FX(店頭・くりっく365)の利益は先物取引に係る雑所得等で申告分離課税となり、同じ区分の先物取引等の損益とだけ相殺できます。
はい。政令で定める順序に従います。まず経常所得内で通算し、次に譲渡・一時所得、最後に山林・退職所得へと控除する段階的な順序が定められています。
損益通算しても控除しきれなかった損失(純損失)を、翌年以降 3 年間の所得から差し引ける制度です(所得税法 70 条)。青色申告が原則で、連続した確定申告が要件です。
できません。損益通算も純損失の繰越も確定申告で行います。損の出た年に申告を怠ると、後から遡って通算・繰越する権利は原則戻りません。
できます。会社員でも不動産所得や事業所得の赤字があれば、確定申告で給与所得と通算し、源泉徴収された税金の一部が還付されます。年末調整では処理できません。
損益通算は確定申告で行い、期限は原則翌年 3 月 15 日です。申告し忘れた場合の更正の請求は、原則、法定申告期限から 5 年以内です(国税通則法 23 条)。
できません。上場株式等の譲渡損は申告分離課税で、69条1項が定める4種類の外です。給料や事業の利益とは通算できず、同じ株の譲渡益や配当とだけ相殺できます。ただし確定申告すれば相殺しきれない損を翌年以降3年繰り越せます(租税特別措置法37条の12の2)。業界裏話ヒント:損が出た年は申告不要口座だと放置しがちだが、繰越には損失年からの連続申告が必須。損の年に申告を怠ると、翌年大きく儲けても遡って相殺できない
本当ですが、落とし穴があります。不動産所得の赤字は給与所得と損益通算できます(69条1項)。ただし土地を取得するための借入金の利子に相当する部分は通算の対象から除外されます(租税特別措置法41条の4)。業界裏話ヒント:節税シミュレーションで『赤字全額が給料の税金を減らす』と説明されたら要注意。土地分の金利は差し引けない。建物と土地の金利を按分した後の数字が本当の節税額で、営業トークとの差が驚くほど大きいことがある
できません。個人の暗号資産の利益は原則として雑所得で、雑所得は69条1項の4種類に含まれないため、損が出ても給料や他の所得と通算できず、翌年への繰越もできません。業界裏話ヒント:同じ雑所得の中(複数の暗号資産や他の副業)でなら年内で相殺できる。含み損の通貨を年末に一度売って損を確定させ、同じ年の利益とぶつける『損出し』は雑所得内では有効な手。ただし年をまたぐと使えないので、判断は12月中に
取り戻せません。別荘やリゾート物件のような『生活に通常必要でない資産』を売って損が出ても、その損は原則なかったものとみなされ、給料や事業の利益とは通算できません(69条2項)。同種の資産の譲渡益とだけ相殺できます。業界裏話ヒント:平成26年の改正でゴルフ会員権の譲渡損失もこの扱いになり、給与との通算ができなくなった。昔の節税本の情報は今は通用しない(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 所得税法 69 条:同一年内で損失を他の所得と相殺(損益通算) | — |
| 対象となる損失 | 不動産・事業・山林・譲渡の 4 所得の損失 | — |
| 時間軸 | その年の各種所得の間で完結 | — |
| 主な要件 | 対象 4 所得であること・確定申告 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。