要点法人税法135条は、事実を仮装して経理した過大な法人税(仮装経理法人税額)を直ちに還付せず、70条と一体で最長5年間将来の法人税と相殺する特例を定める。
Q · 粉飾決算で法人税を払い過ぎたら、更正すれば戻ってきますか?
事実を仮装した過払いは直ちに還付されず、最長5年塩漬けです
法人税法135条により、事実を仮装して経理し過大に納付した法人税(仮装経理法人税額)は、税務署長が更正をしても直ちには還付されません。国税通則法の一般原則では過払いは還付されますが、仮装経理による過払いはこの特例で除外されます。70条により最長5年間、将来の法人税と相殺され、使い切れなければ5年経過時に還付。会社更生・民事再生・破産・合併等の事実が生じた場合は、その日から1年以内に還付請求ができます。
銀行融資を維持したくて、あるいは上場廃止を避けたくて、会社の利益を実際より大きく見せる。これが粉飾決算だ。利益を水増しすれば、その分だけ法人税も余計に払うことになる。ここで多くの経営者が誤解する。「払い過ぎたのだから、後で更正してもらえば戻ってくる」。戻ってこない。法人税法135条は、正直な過払い(すぐ還付)と、事実を仮装した過払い(還付しない)を明確に線引きする。仮装経理でふくらませた分の法人税を「仮装経理法人税額」と呼び、税務署はこれを還付せず、最長5年かけて将来の法人税と相殺していく(70条と一体で働く)。5年経ってなお使い切れなければそこで還付、途中で会社更生や民事再生に入れば別途還付請求ができる。つまり粉飾のツケは、税金の面でも数年間あなたの資金繰りに重くのしかかる。
法人税法135条は、内国法人が事実を仮装して経理したことに基づき過大に納付した法人税額(仮装経理法人税額)について、税務署長による更正があっても即時の還付を認めず、将来の法人税額との控除(70条)を経て、最長5年後・一定の倒産手続開始時・合併時に還付する特例を定める規定である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
事実を仮装して所得を過大に経理することです。架空売上の計上など粉飾決算がこれに当たり、利益を水増しした結果、法人税を過大に納付することになります。
原則、更正の日の属する事業年度開始日から5年を経過する日の属する事業年度の確定申告期限に還付されます。それまでは70条で将来の法人税と相殺されます(135条3項)。
粉飾決算は利益を水増しして税を余計に払う行為、脱税は利益を圧縮して税を減らす行為で、方向が正反対です。だから粉飾には追徴ではなく還付停止という形で対応します。
納税地の所轄税務署長に、還付を受けようとする仮装経理法人税額とその計算の基礎を記載した還付請求書を提出します(135条6項)。会社更生・民事再生等の場合の請求です。
ある事業年度の減額更正に伴い、その前の事業年度の所得も減少させる更正です。減少分に仮装経理した金額があれば、仮装経理として135条が適用されます(135条5項)。
原則、更正の日の翌日以後1月を経過した日から計算されます。3項の還付は最終申告期限の翌日、請求による還付は請求日の翌日以後3月を経過した日が起算日です(135条8項)。
粉飾決算は税を過大に納付する行為なので、原則として追徴課税や重加算税は生じません。代わりに135条により過払い法人税の還付が最長5年間停止されるペナルティを受けます。
70条は仮装経理法人税額を将来の法人税額から控除する規定、135条は還付を制限し倒産時・合併時・5年後に還付する規定です。両者が一体で相殺メカニズムを構成します。
残念ながらすぐには戻りません。国税通則法なら過払いは還付されますが、事実を仮装した過払いは法人税法135条1項で還付対象から除外され、70条により最長5年、将来の法人税と相殺されます。業界裏話ヒント:この非対称を知らない経営者は「更正されたら資金が戻る」前提で資金繰りを組み、後で穴に気付く。粉飾の後始末を計画するなら、相殺に回せる将来の黒字があるかどうかが生命線になる。
消えるとは限りません。会社更生・民事再生の開始決定、破産手続開始、残余財産の確定などの事実が生じれば、135条3項4項で還付請求ができます。特に4項は事実発生から1年以内という期限付きです。業界裏話ヒント:倒産処理の実務では、この還付請求を回収資産として組み込めるかで配当額が変わる。管財人や再生債務者側の代理人がこの出口を見落とすと、本来戻せた現金が国庫に残ったままになる。
適格合併の場合、被合併会社の仮装経理法人税額は合併法人であるあなたの会社に承継されます(135条3項の適用法人)。つまり「還付されない税金」という潜在資産兼リスクも一緒に引き継ぎます。業界裏話ヒント:M&Aのデューデリジェンスでこの残高を確認する専門家は少ない。仮装経理法人税額は将来の税負担を軽減しうる資産にもなり得るので、把握すれば買収価格の調整に使える隠れた交渉材料になる。
粉飾決算は投資家や銀行を欺いて利益を水増しする行為で、その過払い税金を即座に還付すれば、粉飾のコストを国が肩代わりする形になる。135条は還付を最長5年遅らせ、静かなペナルティを科す(70条と一体)。業界裏話ヒント:脱税には重加算税という派手な制裁があるが、粉飾への制裁はこの「還付しない」という地味な形で存在する。税の面でも確実に代償を払っている。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 機能 | 135条:仮装経理法人税額の還付を制限し、期限到来・倒産・合併時に還付 | — |
| 適用場面 | 更正で過大納付(仮装分)が減少した場合 | — |
| 効果 | 還付を最長5年遅らせ、期限到来・倒産・合併時に還付 | — |
| 相互関係 | 70条と一体で相殺メカニズムを構成、9項で134条と調整 | — |
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