要点法人税法 55 条は、罰金・課徴金・賄賂・附帯税などの制裁的支出を損金不算入と定める。令和 4 年改正で、隠蔽仮装により証明できない簿外経費も損金にできなくなった。
Q · 罰金や課徴金、賄賂を会社の経費(損金)にできますか?
できません。制裁的な支出は損金不算入です(55 条)。
法人税法 55 条により、罰金・科料・過料、独占禁止法・金融商品取引法・景品表示法などの課徴金、賄賂、そして延滞税・重加算税等の附帯税は、現実に支出しても損金に算入できません。加えて令和 4 年改正の 3 項では、隠蔽仮装で売上を隠した場合、帳簿・請求書等で取引を証明できない仕入れなどの実額経費も損金不算入となります。制裁で減った利益に、さらに法人税が課される構造です。
取引先との会食を交際費で落とすように、支払ったお金は損金にして税負担を減らせる、多くの経営者はそう考えている。だが法人税法55条は、その常識に穴を開ける。脱税が発覚して課された重加算税、談合で公正取引委員会に命じられた課徴金、公務員に渡した賄賂、これらは実際に会社の金庫から出ていった支出でありながら、一円も損金に算入できない。つまり制裁で減った利益に、さらに法人税が乗る。二重に痛い。そして2022年(令和4年)の改正で最も鋭い刃が加わった。売上を隠して申告した会社は、たとえ本当に仕入れや外注費を払っていても、帳簿と証憑でその取引を証明できなければ、その原価すら損金にできなくなった(3項)。あなたが経理や経営に関わるなら、この条文は税務調査の当日、あなたの資金繰りを正面から直撃する。
法人税法 55 条は、内国法人が支出する制裁的・不正関連の費用を損金不算入とする規定である。具体的には、隠蔽仮装行為に要する費用、附帯税(重加算税・延滞税等)、罰金・科料・過料、独占禁止法等に基づく課徴金、賄賂が対象となる。令和 4 年改正では、隠蔽仮装に基づき帳簿等で証明できない原価・費用・損失も損金不算入とされた。
AI 輔助整理,以條文原文為準
制裁的・不正関連の支出を損金不算入とする規定です。罰金・科料・過料、課徴金、賄賂、附帯税が対象で、令和 4 年改正で証明できない簿外経費も加わりました。
なりません。重加算税は延滞税・各種加算税とともに 55 条 4 項で損金不算入です。追徴本税だけでなく制裁部分にも法人税がかかり、手元資金の目減りは表面税率以上になります。
刑法 198 条の贈賄と不正競争防止法 18 条の外国公務員贈賄に当たる金銭等は 55 条 6 項で損金不算入です。経費否認に加え刑事責任のリスクも伴います。
隠蔽仮装があっても、帳簿書類で取引と金額を証明できる場合、または相手方調査で税務署長が取引を認めた場合は 3 項ただし書で損金算入できます。
できません。延滞税・過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税・重加算税・印紙税の過怠税は 55 条 4 項ですべて損金不算入です。
できません。独占禁止法・金融商品取引法・景品表示法・薬機法などの課徴金と延滞金は 55 条 5 項で号ごとに列挙され損金不算入です。
なりません。所得税法 45 条が法人税法 55 条と同趣旨で、罰金・科料・過料・賄賂等を必要経費不算入とします。副業や個人事業も対象です。
帳簿の改ざん、二重帳簿、売上除外など、所得や税額の計算基礎となる事実を隠し又は偽る行為です。55 条 1 項・3 項適用の前提となります。
ダメです。罰金・科料・過料は5項1号で損金不算入と明記されています。会社の業務中の違反で会社が払った反則金でも、税務上は利益を減らす費用として認められません。業界裏話ヒント:制裁的な支出を経費にできない趣旨は「国が科した制裁の効果を、税負担の軽減で薄めさせない」ため。逆に言えば、純粋な私法上の損害賠償金(相手への賠償)は損金になり得るので、支払いが制裁なのか賠償なのかの性質の見極めが、損金算入の分かれ目になる
売上を隠すなどの隠蔽仮装で申告漏れがあり、その原価・費用を帳簿と証憑で証明できない場合、3項でその額が損金不算入になります。実在の支出でも証明できなければ落ちません。業界裏話ヒント:この3項は令和4年度改正の新設で、狙いは税務調査の現場で「実は簿外の経費があった」と後出しして追徴を薄める手口を封じること。改正前は税務署側が経費不存在を立証する必要がありましたが、今は証明責任が実質的に納税者側へ移った。だから隠し事のある会社ほど、逆に証憑管理を怠れなくなった
なりません。5項は独占禁止法、金融商品取引法、景品表示法、公認会計士法、薬機法などの課徴金と延滞金を号ごとに列挙して損金不算入としています。刑罰でなくても制裁的性格を持つものは広く対象です。業界裏話ヒント:この列挙は新しい課徴金制度ができるたびに追加されてきた歴史があり、令和6年にはスマホソフトウェア競争促進法の課徴金まで加わった。自社の業界に新設された課徴金があるなら、たとえ条文に固有名が載る前でも、性質上「制裁」なら損金不算入と扱われるリスクを織り込んでおくのが実務の相場観だ
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|---|---|---|
| 規律対象 | 55 条:制裁的・不正関連費用の損金不算入 | — |
| 損金算入の可否 | 不算入(原則に対する政策的例外) | — |
| 立法趣旨 | 制裁の実効性確保・不正抑止・正確な記帳への誘導 | — |
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