要点法人税法 38 条は、内国法人が納付する法人税・地方法人税・住民税を損金の額に算入しないと定める。ただし提出期限延長に伴う利子税は損金算入できる。
Q · 会社が納めた法人税や住民税って、翌期の経費にできますか?
法人税と住民税は経費にできません。事業税は経費にできます。
法人税法 38 条により、内国法人が納付する法人税・地方法人税・道府県民税・市町村民税は、所得の金額の計算上、損金の額に算入されません。税は事業遂行の費用ではなく利益の処分と位置づけられているためです。一方、事業税は損金算入でき、確定申告書の提出期限を延長した場合の利子税も損金算入が認められます。延滞税・加算税は 55 条により不算入です。決算では申告書の別表四でこれらを加算・減算して調整します。
決算で黒字が出て、法人税を納めた。ではその納めた法人税を、翌期の経費として利益から差し引けるか。答えは否だ。法人税法38条は、内国法人が納める法人税・地方法人税・住民税を、所得計算上「損金の額に算入しない」と定める。つまり税金を払っても、その分だけ課税所得は減らない。なぜか。法人税は「儲けを得るための費用」ではなく「儲けの処分」だと法が位置づけているからだ。ここに玄人だけが見る分岐がある。同じ税でも事業税は損金算入できる。延滞税や加算税といったペナルティは損金不算入だが、正規に納期限を延長した際の利子税は損金算入できる。この線引きを知らずに顧問任せにすると、申告書の別表四で加算・減算を取り違え、納税額そのものがずれる。会計帳簿の利益と税務署に出す所得が一致しない最大の理由が、ここに埋まっている。
法人税法 38 条は、内国法人が納付する法人税・地方法人税および住民税について、各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない旨を定める規定である。租税を事業遂行上の費用ではなく利益の処分と位置づける趣旨に基づき、退職年金等積立金に係る法人税および提出期限延長に伴う利子税を例外として除外する。
なりません。法人税法 38 条が損金不算入と定めています。地方法人税・道府県民税・市町村民税も同じ扱いです。経費になるのは事業税や固定資産税などの一部の税に限られます。
会計上は費用として処理していても、税務上の所得計算では費用として認めない扱いのことです。申告書の別表四で会計上の利益に加算し、課税所得を計算し直します。
会計上の当期純利益から税務上の所得金額を導くための調整表です。損金不算入額を加算し、益金不算入額を減算します。法人税申告書の中核となる様式です。
できます。固定資産税・自動車税・印紙税・事業税などは事業遂行上の費用と扱われ損金算入できます。38 条が不算入とするのは法人税・地方法人税・住民税です。
所得が過少になり、税務調査で否認されて修正申告や更正処分を受けます。過少申告加算税や延滞税も課され、それらは 55 条により損金不算入となります。
更正の請求により、原則として法定申告期限から 5 年以内であれば還付を求められます。損金算入できる事業税を落としていた場合などが典型例です。
均等割も道府県民税・市町村民税である以上、38 条 2 項により損金不算入です。赤字でも課される点が特徴ですが、税務上の扱いは法人税割と変わりません。
外国税額控除を選択した場合、その外国法人税は 41 条により損金不算入となります。控除を選ばず損金算入する選択も可能です。38 条の対象は日本の法人税等です。
事業税は事業を営むためのコストと性質づけられ損金算入できます。一方、住民税・法人税は「儲けの処分」とされ38条で損金不算入です(38条2項が住民税を挙げ、事業税は対象外)。業界裏話ヒント:さらに事業税は「申告した事業年度」に損金算入するのが原則で、決算時にまだ確定していない当期分は落とせません。この期ズレをどう扱うかで、黒字年度の税負担の山を平準化できる余地がある
本当です。納期限に遅れたペナルティである延滞税・加算税は損金不算入、正規の手続で納期限を延長した際の利子税は損金算入できます(38条1項が利子税を控除対象から除いています)。業界裏話ヒント:申告期限の延長を正式申請して利子税を払う形にすれば、その利息は経費になる。何も申請せず延滞税を食らうより、延長申請して利子税を払う方が、税務上のダメージが軽くなる場面がある
会計上の利益に、38条のような損金不算入項目を足し戻し(加算)、益金不算入項目を差し引いて(減算)、税務上の所得を出すからです。この調整表が申告書の別表四です(通則は22条)。業界裏話ヒント:税金の損金不算入は別表四の加算項目の常連で、機械的に処理している顧問も多い。だが交際費や役員給与の否認とセットで眺めると、加算項目全体が自社の課税所得を膨らませる構造が見えてくる。別表四を読める経営者は、翌期の納税額を自分で予測できる
できません。38条3項が、他の内国法人に支払う通算税効果額を損金不算入と定めています(受け取る側は26条4項で益金不算入)。業界裏話ヒント:グループ通算制度では税負担を各社で精算する内部のお金が動きますが、これは税金そのものの付け替えなので損益に影響させない設計です。連結決算の見た目と各社単体の申告がズレる原因になるので、グループ入りの初年度はこの3項を最初に押さえておく
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 不算入となる対象 | 38 条:法人税・地方法人税・住民税、相続税法 66 条等による贈与税・相続税 | — |
| 不算入とする理由 | 税は事業の費用ではなく利益の処分であるという位置づけ | — |
| 例外・除外 | 退職年金等積立金に対する法人税、提出期限延長に伴う利子税 | — |
| 対になる損金算入項目 | 事業税・固定資産税・自動車税・印紙税 | — |
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