要点法人税法 39 条は、第二次納税義務により他人の国税・地方税を納付して生じた損失を損金不算入と定める。その納付に係る求償権の貸倒れ損失も対象となる。
Q · 第二次納税義務で他社の滞納税金を払ったら、その分は経費にできますか?
損金になりません。求償権の貸倒れ損失も同じです。
法人税法 39 条 1 項により、国税徴収法 33 条、35 条から 40 条まで、41 条 1 項、および地方税法 11 条の 2 等の第二次納税義務の規定により納付・納入した国税・地方税(滞納処分費を含む)から生じた損失は、各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されません。その納付に係る求償権について生じた損失、つまり相手から回収できなくなった貸倒れ損失も同様に損金不算入です。2 項は残余財産の分配に係る清算人等の第二次納税義務(国税徴収法 34 条)を対象とし、但書により税額が益金不算入額を超える部分だけは損金算入が認められます。
グループ会社が税金を滞納して倒れかけている。あなたの会社はその会社から資産を安く譲り受けただけ、あるいは同じオーナーの下にあるだけ。それなのに税務署は、あなたの会社に「あの会社の滞納税金を払え」と告知してくる。これが第二次納税義務だ。国税徴収法33条から41条が、滞納者と一定の関係にある者へ肩代わりを命じる。そして法人税法39条が二発目を撃ち込む。肩代わりした税金は、あなたの会社の損金に算入できない。さらに、いったん払って相手に請求する求償権が回収不能になった損失すら、損金にならない。つまり他人の税金を払わされた上、その支出で自社の課税所得を一円も減らせない。二重の打撃だ。理由は、この肩代わりが実質的にあなたと滞納者の間の資産移転や支配関係から生じたものであり、損金として認めれば租税回避の抜け道になるからだ。
法人税法 39 条は、第二次納税義務に係る税金の損金不算入を定める規定である。内国法人が国税徴収法または地方税法の第二次納税義務の規定により国税・地方税を納付したことで生じた損失の額は、その納付に係る求償権について生じた損失の額を含め、各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されない。2 項は残余財産の分配に係る清算人等の第二次納税義務を対象とし、但書で益金不算入額を超える部分を除外する。
滞納者と一定の関係にある者に、滞納国税の納付を肩代わりさせる制度です。国税徴収法 33 条から 41 条が定め、無償・著しい低額の譲受人、同族会社、清算人などが対象になります。
国税徴収法 33 条、35 条から 40 条まで、41 条 1 項により納付すべき国税と、地方税法 11 条の 2、11 条の 4 から 11 条の 9 まで等により納付・納入すべき地方税です。滞納処分費も含みます。
納付告知は行政処分なので争えます。処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内に審査請求(国税通則法 77 条)、その後 6 か月以内に取消訴訟という流れになります。
39 条 2 項が適用され、原則として損金不算入です。ただし但書により、納付した税額が益金の額に算入されなかった金額を超える部分は損金算入が認められます。
納付した第二次納税義務の税額が、受けた残余財産分配のうち益金不算入とされた金額を上回るときです。その上回った部分に相当する金額だけが損金算入の対象になります。
はい。地方税法 11 条の 2、11 条の 4 から 11 条の 9 まで、12 条の 2 第 2 項により納付・納入すべき地方税も、39 条 1 項 2 号で損金不算入とされています。
受けた利益の額や取得した財産の価額など、国税徴収法の各条が定める限度で決まります。無償・著しい低額の譲受人であれば、受けた利益の限度です(国税徴収法 39 条)。
いいえ。本来の納税者に滞納処分を執行しても徴収すべき額に不足すると認められる場合に、補充的に告知されます。まず本人への徴収が尽くされるのが前提です。
第二次納税義務は、あなたが滞納者から著しく安く資産を譲り受けた場合など(国税徴収法39条)、その受けた利益の限度で肩代わりを命じる制度です。加えて法人税法39条で、払った税金は損金になりません。業界裏話ヒント:この告知は行政処分なので、指定要件を争うなら審査請求で覆せる余地がある。払う前に、なぜ自社が指定されたのかの理由を書面で確認する
法律上は求償権があります。ただし相手は滞納するほど資力がないのが通常で、回収は困難です。しかも法人税法39条は、その求償権が回収不能になった貸倒れ損失も損金不算入と定めています。業界裏話ヒント:普通の貸倒れは損金になるのに、この求償権だけは別扱い。だから後で取り戻せる前提でキャッシュフローを組むと、二重に読み違える
買収対象が過去にグループ内で資産を安く譲り受けていたり、清算した関係会社があると(法人税法39条2項)、買った後に第二次納税義務が顕在化することがあります。業界裏話ヒント:デューデリでは滞納の有無だけでなく、過去の関連当事者間取引の対価が適正だったかまで見る。低額譲受の履歴が地雷。表明保証条項に税務の第二次納税義務を明記させるのが実務の防御
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 損金不算入となる対象 | 39 条:第二次納税義務として納付した他者の国税・地方税と、その求償権の損失 | — |
| 不算入とする趣旨 | 資産移転・支配関係を使った課税所得圧縮という抜け道を封じる | — |
| 例外・緩和規定の有無 | 2 項但書あり:税額が益金不算入額を超える部分は損金算入可 | — |
| 発動のきっかけ | 他社の滞納 + 自社との資産移転・支配関係(外部要因で降ってくる) | — |
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