要点労働保険徴収法 12 条は保険料率の構成を定め、3 項のメリット制により、100 人以上等の事業は過去 3 保険年度の収支率に応じ労災保険率が 100 分の 40 の範囲内で増減する。
Q · 労災を使うと、会社の労災保険料は本当に上がるんですか?
対象は原則 100 人以上の事業。20 人未満は上がりません
労働保険徴収法 12 条 3 項のメリット制により、連続する三保険年度の収支率が 100 分の 85 を超えると、非業務災害率を除いた労災保険率が 100 分の 40 の範囲内で引き上げられます。ただし対象は原則 100 人以上の労働者を使用する事業で、20 人以上 100 人未満は災害度係数が省令の基準に達する場合に限られ、20 人未満は対象外です。反映されるのは基準日の属する保険年度の次の次の保険年度であり、労災保険料は全額事業主負担です。
給与明細の控除欄にある「雇用保険料」の一行と、上司が労災申請を渋るときの微妙な空気。この二つは同じ条文から出ている。1 項から 4 項までが保険料率の設計図で、雇用保険率は失業等給付分 1000 分の 8、育児休業給付分 1000 分の 5、二事業分 1000 分の 3.5 という本則を組み合わせて決まる。だが実務で本当に効くのは 3 項である。過去 3 保険年度の労災の収支率が 85% を超えた事業場は、翌々年度の労災保険率(正確には非業務災害率を除いた業務災害分)が 40% の範囲内で引き上げられ、75% 以下なら同じ幅で引き下げられる。これがメリット制。労災保険料は全額事業主負担であるにもかかわらず、事業主があなたに「健康保険で治してくれないか」と言う経済的動機は、この一文の計算式に埋まっている。あなたが窓口でどちらの保険証を出すかは、会社の経理に 2 年後まで効き続ける。
労働保険徴収法 12 条は、一般保険料に係る保険料率の構成を定める規定である。労災保険及び雇用保険の保険関係の成否に応じて適用される率が決まり、労災保険率は災害率等を考慮して厚生労働大臣が定める。3 項はメリット制を規定し、一定規模以上の事業について収支率に応じ 100 分の 40 の範囲内で労災保険率を増減させる。4 項以下は雇用保険率の本則と弾力条項を定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
労災の収支率に応じて労災保険率を増減させる制度です。労働保険徴収法 12 条 3 項が根拠で、増減幅は非業務災害率を除いた率の 100 分の 40 の範囲内と定められています。
全事業の過去 3 年間の業務災害・複数業務要因災害・通勤災害の災害率や社会復帰促進等事業の内容等を考慮し、厚生労働大臣が業種ごとに定めます(12 条 2 項)。会社は選べません。
原則 100 人以上の事業、20 人以上 100 人未満で災害度係数が省令基準以上の事業、その他省令で定める規模の事業です。いずれも基準日時点で保険関係成立から 3 年以上必要です。
労災保険率に応ずる部分は全額事業主負担です。労働者の給与から控除されるのは雇用保険率のうち失業等給付分と育児休業給付分のみで、二事業分も事業主負担です(徴収法 31 条)。
原則として毎年 6 月 1 日から 7 月 10 日までに、概算保険料の申告納付と前年度確定保険料の申告を行います。メリット制が適用された年は労災保険率決定通知書の率を使います。
連続する三保険年度の最後の年度の 3 月 31 日が基準日で、反映されるのはその属する保険年度の次の次の保険年度です。つまり今日の 1 件は約 2 年後に効き始めます。
請負事業の一括(徴収法 8 条)により、原則として元請の労災保険関係で処理されるため、下請現場の災害も元請の収支率に計上され、元請のメリット率に反映されます。
労災保険の適用事業は派遣元であるため、派遣先の倉庫や工場で被災しても派遣元の収支率に計上されます。指揮命令する会社と保険料の痛みを負う会社がずれる構造です。
健康保険は業務外の傷病を対象とする制度なので(健康保険法 1 条)、業務災害には使えない。後で発覚すれば保険者から治療費の返還を求められ、あなたが立て替える羽目になる。労災なら治療費の自己負担はゼロ、休業補償も給付基礎日額の 6 割に特別支給金 2 割が加わる。業界裏話ヒント:請求書の事業主証明欄が空欄でも労働基準監督署は受理する。会社が証明を拒んだ経緯を書いた書面を添えればよく、会社の承諾は労災申請の要件ではない
継続事業のメリット制の対象は原則 100 人以上、20 人以上 100 人未満は災害度係数の要件を満たす場合に限られる(12 条 3 項各号)。15 人の事業場は対象外で、労災を使っても率は動かない。ただし建設業や立木の伐採事業の有期事業は徴収法 20 条の別ルールがある。業界裏話ヒント:メリット制が適用されると労働局から労災保険率決定通知書が届く。届いていないなら対象外であり、「上がるから」という説明は伝聞に基づく思い込みである可能性が高い
会社は決められない。4 項が本則(失業等給付分 1000 分の 8、育児休業給付分 1000 分の 5、二事業分 1000 分の 3.5)を定め、5 項・8 項・10 項・11 項の弾力条項で、厚生労働大臣が労働政策審議会の意見を聴いて 1 年以内の期間を定めて変更する。積立金や雇用安定資金の残高が引き金になる。業界裏話ヒント:二事業分は事業主のみの負担で、労使折半は失業等給付分と育児休業給付分だけである(徴収法 31 条)。給与控除額の増減を見て二事業分を疑うのは筋違い(最新の改正状況をご確認ください)
長年、事業主には労災の支給決定そのものを争う不服申立適格がないという実務が確立していた。だがメリット制の対象事業主にとって支給決定は保険料に直結するため、保険料の認定決定に対する不服の中で支給要件を争う道について、近年運用の整理が進んでいる(最新の運用をご確認ください)。業界裏話ヒント:これは被災労働者にとって逆風にもなる。会社が認定内容を争う場面が増えれば、労基署だけでなく勤務先と直接対立する構図になる。証拠の保全を最初から丁寧にやる意味が増している
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 徴収法 12 条:保険料率そのもの(労災保険率+雇用保険率)と継続事業のメリット制 | — |
| 適用の前提 | 連続する三保険年度+基準日に保険関係成立から 3 年以上+規模要件(100 人以上等) | — |
| 増減の効き方 | 非業務災害率を除いた率を 100 分の 40 の範囲内で増減、次の次の保険年度に反映 | — |
| 労働者負担の有無 | 労災保険率部分は全額事業主負担、雇用保険率部分の一部のみ労働者負担 | — |
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