要点労働保険徴収法 46 条は、雇用保険印紙の不貼付、帳簿の不備・虚偽記載、職員の質問への不答弁などを、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金で処罰する。保険料の滞納は対象外。
Q · 労働保険料を滞納したら刑務所に行くことがあるんですか?
滞納は対象外。罰せられるのは帳簿と調査対応です
労働保険徴収法 46 条が処罰するのは、雇用保険印紙の不貼付・不消印(23 条 2 項)、帳簿の不備付け・不記載・虚偽記載や報告の懈怠(24 条)、報告・文書提出命令違反(42 条)、当該職員の質問への不答弁・虚偽答弁や検査拒否(43 条 1 項)の四類型であり、法定刑は六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金です。保険料の不納付は本条の構成要件に含まれず、督促・延滞金・滞納処分で処理されます。労災保険事務組合では、違反行為をした代表者・代理人・使用人その他の従業者も処罰対象になります。
労働保険料の世界で、罰則が発動する引き金は「保険料を払わなかったこと」ではない。本条が処罰するのは、印紙を貼らなかったこと、帳簿を備えなかったこと、報告を出さなかったこと、そして調査に来た職員の質問に答えなかったこと、この四つだ。つまり、金銭債務の不履行ではなく、行政が保険制度を把握するための「情報の流れ」を止めた行為が刑罰の対象になる。あなたが事業主なら、ここが決定的に重要になる。滞納は徴収と延滞金の世界(本法 26 条、27 条)で処理されるが、帳簿の不備や調査への非協力は、六月以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金という刑事処分に直結する。しかも第二文により、労災保険の事務組合(労災保険法 35 条 1 項の団体)については、団体そのものだけでなく、実際に違反行為をした代表者・代理人・使用人まで同じ刑を受ける。「うちは委託しているから」は逃げ道にならない。
労働保険の保険料の徴収等に関する法律 46 条は、労働保険制度の実態把握を担保する罰則規定であり、雇用保険印紙の貼付・消印、帳簿の備付けと記載、報告及び文書の提出、当該職員の質問への答弁と検査の受忍という四類型の義務違反を、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金の対象とする。保険料の不納付は本条の構成要件に含まれない。
労働保険の保険料徴収制度における罰則規定です。雇用保険印紙の不貼付、帳簿の不備・虚偽記載、報告や文書提出命令違反、職員の質問への不答弁の四類型を、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金で処罰します。
違法です。23 条 2 項が雇用保険印紙の貼付と消印を義務づけており、違反は 46 条 1 号として六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金の対象になります。後でまとめて処理する運用も違反です。
24 条違反として 46 条 2 号に該当し、刑事罰の対象になります。実務では行政指導で是正を求められることが多いものの、条文上は拘禁刑まで射程に入る犯罪類型である点が見落とされがちです。
拒否できません。43 条 1 項の当該職員による検査を拒み、妨げ、又は忌避した場合は 46 条 4 号に該当します。日程調整の申し入れは可能ですが、正当な理由のない拒絶は処罰対象です。
46 条 4 号は不答弁と虚偽答弁を同列に処罰します。分からない事項を憶測で答えるのは危険で、確認のうえ書面で回答する旨をその場で述べ、期限を約束するのが実務上の安全策です。
48 条が定める規定で、法人の代表者や従業者が違反行為をしたとき、行為者を罰するほか法人にも罰金刑を科すものです。46 条の違反では行為者個人と法人の双方が問われ得ます。
法定刑が六月以下の拘禁刑であるため、公訴時効は 3 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項)。起算点は犯罪行為が終わった時であり、帳簿不備のように状態が継続する類型では起算点が争点になり得ます。
24 条の報告義務違反は 46 条 2 号、42 条の報告・文書提出命令違反は 46 条 3 号に該当します。いずれも六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金の対象で、提出の先延ばしも不提出と評価され得ます。
本条 46 条の四つの号に、保険料の不納付は入っていない。滞納は督促を経て、国税徴収法の例による滞納処分(財産の差押え)と延滞金(本法 27 条、28 条)で処理される。業界裏話ヒント:ただし滞納が続くと調査が入り、その調査の場での帳簿不備や虚偽答弁が本条の対象になる。滞納そのものではなく、滞納から派生した調査対応で刑事事件化する経路が実務上の入り口である。
24 条は帳簿の備付け・記載に加え、虚偽の記載を独立の類型として挙げており、本条 2 号がこれを処罰する。誤りの是正自体は正しい対応だが、調査開始後に遡って書き換えると隠蔽と評価されうる。業界裏話ヒント:訂正する場合は元の記載を消さず、訂正日と訂正理由を残す形にする。この「訂正履歴が残っている」という事実が、虚偽記載の故意を否定する最も強い材料になる。
ありうる。本条第二文は労災保険法 35 条 1 項の団体側の代表者・代理人・使用人を処罰対象とするが、これは事業主自身の義務を免除する規定ではない。23 条 2 項の印紙貼付、24 条の帳簿備付、43 条の答弁義務は事業主に残る。業界裏話ヒント:委託契約書に「一切の事務を委託する」と書いてあっても、公法上の義務は契約で移転しない。組合とのトラブル時、この点を先に確認しておくと責任範囲の交渉が有利になる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の性格 | 46 条:義務違反に刑罰を科す罰則規定(四類型) | — |
| 名宛人 | 事業主、及び労災保険法 35 条 1 項の団体の代表者・代理人・使用人 | — |
| 効果 | 六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金 | — |
| 保険料の不納付との関係 | 不納付は構成要件に含まれない(情報遮断行為のみ処罰) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。