要点労働保険徴収法 48 条は、従業者が業務に関して 46 条・47 条の違反行為をしたとき、行為者に加えて法人にも同じ罰金刑を科す両罰規定。法人格のない労働保険事務組合も処罰対象となる。
Q · 従業員が労働保険の届出でミスや虚偽をしたら、会社まで罰金を取られるんですか?
はい。行為者本人に加えて会社にも罰金刑が科されます
労働保険徴収法 48 条 1 項は、法人の代表者や従業者が業務に関して 46 条・47 条の違反行為をしたとき、行為者を罰するほか、その法人または人にも各本条の罰金刑を科すと定めています。最高裁はこれを無過失責任ではなく、事業主の選任・監督上の過失が推定される趣旨と解しています(最大判昭和 32 年 11 月 27 日)。したがって、教育記録や承認フローなど監督を尽くした証拠を示せば推定を破る余地があります。2 項により、法人格のない労働保険事務組合や労災保険法 35 条 1 項の特別加入団体も処罰対象となります。
罰金の納付書に印字されているのが違反をした本人ではなく会社名だったとしても、それは誤りではない。徴収法 48 条は、法人の代表者や従業員が業務に関して前二条(46 条・47 条)の違反行為をしたとき、行為者本人を罰したうえで、さらにその法人にも同じ罰金刑を科すと定める。担当者一人の手抜きが法人そのものの前科に直結する回路が、ここに引かれている。そして 2 項がさらに異例だ。法人格を持たない労働保険事務組合や、労災保険法 35 条 1 項の特別加入団体(建設業の一人親方団体など)まで、刑事被告人になりうる。人格なき団体は原則として刑事被告人になれないのに、この条文は正面からそれを認め、代表者が訴訟行為で団体を代表すると定める。ただし最高裁は両罰規定を無過失責任とは解していない。事業主の選任・監督上の過失が推定される構造であり、その推定を破る材料を手元に持っている法人だけが、通電した回路を切ることができる。
労働保険の保険料の徴収等に関する法律 48 条は両罰規定であり、法人の代表者または法人若しくは人の代理人・使用人その他の従業者が業務に関して同法 46 条・47 条の違反行為をした場合に、行為者を処罰するほか、その法人または人に対しても各本条の罰金刑を科す旨を定める。2 項は法人格のない労働保険事務組合や労災保険法 35 条 1 項の団体も処罰対象に含める。
違反行為をした行為者本人を処罰するのに加え、その業務主である法人や個人事業主にも罰金刑を科す規定です。労働保険徴収法では 48 条がこれにあたります。
48 条自体は金額を定めず「各本条の罰金刑」を科すとするため、金額は 46 条・47 条それぞれの法定刑に従います。法人重科の規定はなく、行為者と同じ上限です。
罰金刑は前科として記録に残ります。公共調達の資格審査や取引先のコンプライアンス調査で説明を求められることがあり、罰金は税務上も損金に算入できません。
48 条 2 項は労災保険法 35 条 1 項の特別加入団体を明示的に処罰対象としています。法人格のない任意団体であっても、団体そのものが被告人になります。
判例は選任・監督上の過失を推定する趣旨と解するため、反証は可能です。研修記録、承認フロー規程、二重チェックのログなどを送検前に提示できるかが分かれ目です。
罰金にあたる罪の公訴時効は 3 年(刑事訴訟法 250 条 2 項)で、起算点は犯罪行為が終わった時です。継続的な不届出はその状態が終わるまで時効が進行しません。
代表者自身が違反行為をした場合は行為者として処罰されます。他方、部下が行為者の場合、代表者個人ではなく法人が 48 条により処罰対象となります。
どちらも両罰規定ですが、労基法 121 条には違反防止に必要な措置をした事業主を免責する但書があります。徴収法 48 条にその明文はなく、判例解釈で調整されています。
48 条 1 項が、行為者処罰に加えて法人にも各本条の罰金刑を科すと定めているためです。ただし最高裁は、これを事業主の選任・監督上の過失が推定される趣旨と解しており(最大判昭和 32.11.27)、無過失責任ではありません。業界裏話ヒント:この推定は反証できる。教育記録、承認フローの規程、二重確認のログを任意調査の段階で提示できるかどうかで、法人まで起訴されるか行為者だけで終わるかが分かれる。事件が起きてから作った書類では、作成日時で見抜かれる
委託しても事業主自身の義務が消えるわけではなく、逆に組合側の違反があれば組合そのものが処罰されます。48 条 2 項は法人格のない事務組合や労災保険法 35 条 1 項の団体まで被告人にできると定めています。業界裏話ヒント:事業主が知らないうちに組合担当者が申告を操作していた事案では、委託契約書・年度更新時の確認書・やり取りの記録が事業主側の防波堤になる。組合任せで自社に一枚も記録を残していない事業主が、いちばん脆い
両方科されます。行為者と法人は法律上別の人格であり、憲法 39 条の二重処罰の禁止には当たらないと理解されています。金額は「各本条の罰金刑」なので、法人重科の規定はなく行為者と同じ上限です。業界裏話ヒント:会社が担当者個人の罰金を肩代わりする例があるが、税務上は損金不算入や本人への給与課税として扱われる可能性がある。刑事で片付いたつもりが、翌年の税務調査で再燃する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 徴収法 48 条:行為者処罰に加えて法人・人へ波及させる両罰規定 | — |
| 処罰される主体 | 行為者+法人・人+法人格のない労働保険事務組合・特別加入団体 | — |
| 免責の明文 | 免責の但書なし。判例が選任・監督上の過失の推定と解し反証を許す | — |
| 手続上の特則 | 2 項:代表者が訴訟行為につき団体を代表し、刑訴法の法人被告人規定を準用 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。