要点著作権法 31 条は、政令で定める図書館等が営利を目的とせず、公表著作物の一部分を一人一部に限り複製できると定める。2021 年改正でメール送信や絶版本の個人送信も可能になった。
Q · 図書館って、本をどこまでコピーしてくれるんですか?全部はダメなの?
原則は著作物の一部分・一人一部までで、全部複製は不可です
著作権法 31 条 1 項一号により、政令で定める図書館等は、利用者の調査研究のために公表された著作物の「一部分」を「一人につき一部」だけ複製できます。半分という目安は多くの図書館の運用で、条文上は「一部分」です。例外として、国や自治体が周知目的で作成した白書・統計などの「国等の周知目的資料」は全部複製できます。さらに 2021 年改正で、要件を満たした特定図書館等は登録利用者へ著作物の一部分をメール送信でき(2 項)、国立国会図書館は絶版等資料を事前登録者の自宅へ自動公衆送信できるようになりました(8 項)。
図書館で論文や本をコピーしようとして「全部はダメ、半分までです」と断られた経験はないだろうか。あれは司書の気まぐれでも、その図書館の独自ルールでもない。著作権法 31 条が、図書館の複製を「公表された著作物の一部分」に厳格に限っているからだ。なぜ図書館だけが他人の著作物を勝手にコピーできるのか。それは本条が著作権者の権利を例外的に制限し、調査研究のための情報アクセスを優先しているからである。だがこの権利は無制限ではない。一部分のみ、一人一部、営利目的でないこと、政令で指定された施設であること、この四つの条件で縛られている。そしてあなたが本当に知っておくべきは、2021 年の大改正でこの条文が一変したという点だ。登録すれば図書館が論文を自宅にメール送信できるようになり、絶版本は国立国会図書館から自宅のパソコンで読めるようになった。あなたが古書店で絶版本を高値で探している間、その同じ本が無料で画面に表示できるかもしれない。
著作権法 31 条は、図書館等における著作物の複製および公衆送信に関する権利制限規定である。国立国会図書館および政令で指定された図書館等が、営利を目的としない事業として、利用者の調査研究に供するため、公表された著作物の一部分を一人につき一部に限り複製できる旨を定める。2021 年改正により、特定図書館等による登録利用者への公衆送信と、絶版等資料の個人向け自動公衆送信が追加された。
AI 輔助整理,以條文原文為準
31 条の対象は政令指定の図書館等だけで、営利の代行業者は含まれません。複製の主体は業者と評価され、私的複製(30 条)にも当たらず著作権侵害と判断されています。依頼者も巻き込まれる可能性があります。
できます。国や地方公共団体等が周知目的で作成・公表した広報資料・調査統計資料・報告書(国等の周知目的資料)は、31 条 1 項一号の括弧書きにより著作物の全部を複製できます。市販書とは扱いが異なります。
原則できません。31 条が許すのは「一部分」かつ「一人一部」までです。半分は多くの図書館の運用上の目安で、条文上は一部分。全部複製は国等の周知目的資料など政令で定める例外に限られます。
メール送信(公衆送信)を行える図書館等です。責任者の設置・職員研修・利用者情報の管理・送信防止措置など 31 条 3 項の 5 要件を整えた施設に限られ、全国どの図書館でもできるわけではありません。
無料ではありません。31 条 5 項により図書館設置者は著作権者へ相当な額の補償金を支払う義務があり、その分が利用者の手数料に上乗せされます。ただし遠方の図書館へ行く交通費より安いことが多いです。
違法となる可能性が高いです。営利企業の社内資料室は政令指定の図書館等に当たらず 31 条は使えません。業務での配布は 30 条の私的使用も超えるため、権利制限の根拠を欠く複製になります。
国立国会図書館の利用者登録(本人確認を含む)を行うと、絶版等資料を自宅のパソコンから閲覧できます。31 条 8 項が法的根拠で、事前登録者であることを識別する措置が講じられています。
31 条の図書館等は「政令で定めるもの」に限られ、著作権法施行令 1 条の 3 が公共図書館・大学図書館などを具体的に列挙しています。政令に列挙されない施設は本条の特例を使えません。
著作権法 31 条 1 項一号が、図書館の複製を「公表された著作物の一部分」かつ一人一部に限っているからです。半分というのは多くの図書館が運用上引いている目安で、条文上は「一部分」と書かれています。業界裏話ヒント:国や自治体が周知目的で作った白書・統計・報告書は、同じ括弧書きで全部複製できます。市販書は半分でも、政府刊行物は丸ごとコピー可能。レポート作成では、まず資料が官公庁刊行物かどうかを疑うと取れる範囲が変わります
国立国会図書館でデジタル化されていれば読めます。2021 年改正で新設された 31 条 8 項により、絶版等資料は事前に利用者登録した個人の自宅へ自動公衆送信されます。図書館に行かなくても自宅のパソコンで閲覧できます。業界裏話ヒント:対象は「絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難」な資料で、市販されていない古い専門書・郷土資料が大量に含まれます。古書店で高値の本ほど該当しやすい。買う前に国立国会図書館デジタルコレクションを検索する習慣が出費を防ぎます
本当です。2021 年改正の 31 条 2 項で、要件を満たした「特定図書館等」が登録利用者の求めに応じて著作物の一部分を公衆送信できるようになりました。ただし全国どの図書館でもできるわけではなく、責任者の設置・研修・防止措置など 5 要件(31 条 3 項)を整えた施設に限られます。業界裏話ヒント:この送信には著作権者へ補償金が支払われており(31 条 5 項)、その分が利用者の手数料に上乗せされます。無料ではないが、遠方の図書館まで行く交通費を考えれば桁違いに安い。制度の存在自体を知らない利用者がまだ多い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用主体 | 31 条:政令指定の図書館等・国立国会図書館 | — |
| 複製できる範囲 | 公表著作物の一部分・一人一部(周知目的資料は全部) | — |
| 目的の限定 | 利用者の調査研究、営利を目的としない事業 | — |
| 補償金の有無 | メール送信(2 項)は補償金あり(5 項) | — |
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