要点著作権法 33 条は、公表された著作物を学校教育上必要な限度で教科用図書に無許諾で掲載できると定める。掲載者は著作者へ通知し、著作権者へ算出方法に基づく補償金を支払う義務を負う。
Q · 自分の作品を教科書に載せるとき、著作者の許可は要らないんですか?
許可は不要ですが、通知と補償金が保障されます
著作権法 33 条により、公表された著作物は学校教育上必要な限度で著作権者の許可なく教科用図書に掲載できます。著作権者は掲載自体を拒否できません。その代わり、掲載する側は著作者へ通知する義務を負い(33 条 2 項)、文化庁長官が定める算出方法で計算した補償金を著作権者に支払わなければなりません。算出方法はインターネットで公表されるため(同 3 項)、本来の補償金額を自分で検算できます。通信教育用学習図書や教師用指導書への掲載にも準用されます(同 4 項)。
あなたが書いたエッセイ、撮った写真、描いたイラスト。それが全国の小中学校の教科書に載る日が来るかもしれない。しかも、あなたへの事前の許可なしに。著作権法 33 条は、公表された著作物を学校教育上必要な限度で教科書に掲載することを認めている。著作権者は「載せないでくれ」と拒む権利を持たない。これが普通のライセンス契約との決定的な違いだ。だが代わりに二つの権利が保障される。第一に、掲載する側はあなたに通知する義務を負う。第二に、文化庁長官が定める算出方法で計算された補償金を支払わなければならない。算出方法はインターネットで公表されている。つまりあなたの取り分は交渉ではなく公式で決まる。もし自分の作品が教科書に載っているのに通知も補償金も来ていないなら、それは制度の網から漏れている。あなたが受け取れるはずの対価が、宙に浮いている。
著作権法 33 条は教科用図書への掲載に関する権利制限規定であり、公表された著作物を学校教育上必要と認められる限度で教科用図書に許諾なく掲載することを認める。掲載者は著作者への通知義務を負い、著作権者には文化庁長官が定める算出方法による補償金が支払われる。同条 4 項は通信教育用学習図書および当該教科書発行者が発行する教師用指導書への掲載にも準用される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
著作物を教科書に掲載する側が著作権者に支払う法定の対価です(著作権法 33 条 2 項)。文化庁長官が定める算出方法で額が決まり、掲載者と著作権者の個別交渉では決まりません。
33 条 2 項の通知は著作者に届くはずです。届いていなければ教科書発行者を特定し、通知の有無と補償金の支払状況を問い合わせます。制度の網から漏れている可能性があります。
文化庁長官が定めた算出方法に、作品の種類(文章・写真・絵画など)と分量を当てはめて計算します。算出方法はインターネットで公表されているため(33 条 3 項)、本来額を自分で検算できます。
33 条は許可不要ですが通知・補償金義務は残ります。著作権者が不明なら探索の証跡を残し、著作権者不明等の場合の裁定(67 条)と供託の手続きを検討します。
紙の教科用図書は 33 条、教科書に代えて用いられるデジタル教材は 33 条の 2 が特則を定めます。掲載媒体によって根拠条文と補償金の枠組みが分かれます。
補償金請求権に固有の時効はなく、債権として民法 166 条の一般消滅時効(知った時から 5 年、または行使できる時から 10 年)が適用されます。掲載と補償金額を知った時が起算点になりえます。
当該教科書発行者が発行する教師用指導書への掲載には 33 条 1〜3 項が準用されます(同 4 項)。したがって通知義務と補償金支払義務が生じます。
掲載を止められないことと改変を甘受することは別問題です。教育目的の用字・用語の変更は 20 条 2 項で一定範囲許されますが、作品の本質を書き換える改変までは許されません。
補償金額は文化庁長官が定めた算出方法で決まり、作品の種類(文章・写真・絵画など)や分量に応じて単価が設定されています(33 条 2 項)。算出方法はインターネットで公表されているので(同 3 項)、自分の作品の分量を当てはめれば概算できます。業界裏話ヒント:この補償金は教科書会社が著作者へ直接渡すより、著作権等管理団体や著作者団体を通じて分配される運用が多い。だから自分が該当団体に未登録だと、補償金が宙に浮いたまま受け取れていないことがある。心当たりがあれば自分のジャンルの管理団体に問い合わせる(最新の運用をご確認ください)
33 条は著作権者の許可を不要とする権利制限規定なので、掲載自体を差し止めることは原則できません。ただし著作者人格権(公表権・氏名表示権・同一性保持権)は別枠で残ります。氏名表示を求めたり(19 条)、意に反する改変に異議を述べたり(20 条)はできます。業界裏話ヒント:教育目的の用字・用語の変更は 20 条 2 項で一定範囲許されるが、作品の本質的な書き換えまでは許されない。改変が『教育上やむを得ない』範囲を超えていると感じたら、掲載全体ではなくその一点に絞って交渉する余地がある
原則として補償金は『著作権者』に支払われます(33 条 2 項)。著作権を出版社に譲渡していれば補償金は出版社に入り、あなた個人には届きません。一方、33 条 2 項の通知は『著作者』であるあなたに来ます。業界裏話ヒント:著作権を譲渡しても著作者人格権は譲渡できない(59 条)ので、氏名表示や改変への異議はあなたに残る。譲渡契約を結ぶときに『二次利用・教育利用に係る補償金は著作者に留保する』と明記しておけば、譲渡後も補償金を受け取れる。この一文の有無が長期の収入を左右する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 利用態様 | 33 条:教科用図書への掲載 | — |
| 許諾の要否 | 許諾不要(著作権者は拒否できない) | — |
| 補償金 | 必要。文化庁長官の算出方法で著作権者へ支払う | — |
| 通知義務 | 著作者への通知義務あり(2 項) | — |
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