要点著作権法33条の2は、教科書に載った著作物をデジタル教科書にも掲載・利用できると定める。掲載者は発行者へ事前通知し、文化庁長官の算出方法による補償金を著作権者へ支払う。
Q · 教科書に載った作品がデジタル教科書になったら、著作者は別途お金をもらえるの?
はい、デジタル分の補償金が別に発生します
著作権法33条の2により、教科書に掲載された著作物をデジタル教科書(教科用図書代替教材)に掲載・利用する場合、掲載者は紙の教科書の発行者へ事前通知したうえで、文化庁長官が定める算出方法による補償金を著作権者に支払わなければなりません。紙の教科書掲載の33条とは別個に補償金が発生するため、著作者は紙で一回、デジタルで一回、それぞれ対価を受け取る権利があります。この二回目を知らずに取りこぼす著作者は少なくありません。
あなたが書いた文章や描いたイラストが、ある日、小学校の教科書に採用された。それだけでも誇らしいが、話はそこで終わらない。2019年から本格化したデジタル教科書(法律上の名は「教科用図書代替教材」、紙の教科書に代えてタブレット等で使える教材のこと)にその作品が載るとき、著作権法33条の2が動き出す。本条は、教科書に掲載された著作物をデジタル版にも掲載し利用してよいと定める。ただし無料ではない。デジタル版に載せる者は、紙の教科書の発行者にあらかじめ通知し、そのうえで文化庁長官が定めた算出方法に従った補償金を、著作権者であるあなたに支払わなければならない。つまり、紙で一回、デジタルで一回、補償金は別々に発生する。この二回目の存在を知らないまま取りこぼしている著作者は、決して少なくない。
著作権法第33条の2は、教科用図書に掲載済みの著作物をデジタル教科書(教科用図書代替教材)に転載・利用することを認める権利制限規定である。無許諾での掲載を許す代わりに、掲載者へ発行者への事前通知義務と、文化庁長官が定める算出方法に基づく補償金の支払義務を課し、著作権者の経済的利益を確保する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
学校教育法34条2項に基づき、紙の教科書に代えてタブレット等で使えるデジタル教材のことです。いわゆるデジタル教科書で、著作権法33条の2が掲載・利用のルールを定めています。
教科書に掲載された著作物をデジタル版に掲載・利用する時点で発生します。紙の教科書掲載の補償金(33条)とは別個に、デジタル化のたびに新たな補償金請求権が生まれます。
固有の時効規定はなく、民法166条の一般消滅時効(権利行使できると知った時から5年、または行使できる時から10年)が適用され得ます。デジタル版掲載開始時が起算点になりうるとされます。
紙の教科書を発行する者にあらかじめ通知します(33条の2第2項)。通知先は発行者、補償金の支払先は各著作権者であり、通知と支払いの相手が別である点に注意が必要です。
二重取りではなく別個に発生します。紙の教科書掲載は33条、デジタル教科書掲載は33条の2が根拠で、それぞれ独立した補償金請求権が生じます。片方だけ受け取って完了と誤解しないことが重要です。
33条は紙の教科用図書への掲載、33条の2は掲載済み著作物のデジタル教科書への転載・利用を許す規定です。33条の2は補償金の算出方法を33条2項を考慮して文化庁長官が定めます。
文化庁長官が算出方法を定め、インターネット等で公表します(33条の2第3項)。公表資料に照らして提示された補償金額を自分で検算でき、言い値を受け入れる必要はありません。
一人一台端末の普及がデジタル教科書の需要を押し上げ、33条の2の補償金が動く件数を急増させました。教育政策が多数の著作者の補償金請求権と直結しています。
なりません。著作権は著作者に残ったままです。33条は紙の教科書への掲載を、33条の2はデジタル版への掲載を、それぞれ許す代わりに補償金を払えという制限規定にすぎません。業界裏話ヒント:出版社は買い取り契約でデジタル利用まで一括取得しようとすることがありますが、契約書に明記がなければ、デジタル分の補償金は別途請求できる余地があります
33条の2第2項は、紙の教科書の発行者への事前通知と、各著作権者への補償金支払いの両方を求めています。通知先と支払先が別だという点に注意が必要です。業界裏話ヒント:実務では権利処理が膨大になるため、著作権等管理事業者を経由してまとめて処理するのが通例です。ここを自前で抱え込むと配信スケジュールが破綻しやすい
文化庁長官が算出方法を定め、それをインターネット等で公表します(33条の2第3項)。個別交渉ではなく、この算出方法によって額が決まる建付けです。業界裏話ヒント:算出方法は公表されているので、提示された額がその方法に合致しているか自分で検算できます。額がブラックボックスだと思って言い値を受け入れる必要はありません
買い取り契約の文言次第です。デジタル利用とその補償金が明示的に含まれていなければ、33条の2に基づく請求の余地が残ります。業界裏話ヒント:古い契約はそもそもデジタル教科書を想定しておらず、解釈が分かれます。実務上、解釈が分かれている論点なので、契約書を専門家に見てもらってから諦めるかどうか決める価値があります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる利用 | 33条の2:デジタル教科書(教科用図書代替教材)への掲載・利用 | — |
| 許諾の要否 | 無許諾(権利制限)だが補償金必要 | — |
| 手続義務 | 発行者への事前通知 + 著作権者への補償金支払い | — |
| 補償金の算定主体 | 文化庁長官が算出方法を定め公表 | — |
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