要点著作権法 53 条は、団体名義の著作物の著作権が公表後 70 年で消滅すると定める。個人著作物の死後 70 年とは起算点が異なり、公表日を基準に計算する。
Q · 会社が昔出したポスターやパンフレット、もう著作権は切れて自由に使えるの?
公表から 70 年経過していれば自由に使えます
著作権法 53 条により、法人その他の団体名義の著作物の著作権は公表後 70 年で消滅します。個人著作物のような「著作者の死亡」を起算点とせず、公表日を基準に計算するのが特徴です。注意すべきは、この 70 年が 2018 年 12 月 30 日までは 50 年だった点で、TPP11 の発効に伴い当時まだ保護期間内だった作品は一律 20 年延長されました(すでに公有になっていたものは復活しません)。計算は公表の翌年 1 月 1 日起算(57 条)なので、公表年を年単位で特定しなければ使えるかどうかは判断できません。
昭和の企業が出した広告ポスター、古い会社案内のイラスト、終戦直後に組織が発行した冊子。これらを自分の動画やデザインに使おうとして「これくらい昔なら大丈夫だろう」と判断したなら、危ない。個人の著作物は著作者の死後70年で計算するが、法人その他の団体が名義を持つ著作物には「死亡」という起算点がない。だから公表後70年で数える。さらに第3項で、会社が職務上作らせたプログラム(ソフトウェア)は、会社名が表に出ていなくても団体名義とみなして同じ70年が適用される。そして決定的なのは、この「70年」は2018年までは「50年」だったという点だ。TPP11の発効に伴い、2018年12月30日時点でまだ保護期間内だった作品は一律20年延長された(すでに公有になっていたものは復活しない)。あなたが「あと数年で自由に使える」と見込んでいた作品が、ある日突然20年遠ざかった。いつ公表されたかを年単位で確認しなければ、使えるかどうかは判断できない。
著作権法 53 条は、法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の保護期間を定める規定である。当該著作権は公表後 70 年、創作後 70 年以内に公表されなければ創作後 70 年を経過するまで存続する。著作者の死亡を起算点とする個人著作物の原則(51 条)に対する、公表時起算の特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
公表後 70 年です。創作後 70 年以内に公表されなければ創作後 70 年で計算します(著作権法 53 条 1 項)。個人著作物の死後 70 年とは起算点が異なります。
公表の翌年 1 月 1 日から起算します(著作権法 57 条)。2024 年公表なら 2025 年 1 月 1 日が起点で、年末公表と年始公表で実質約 1 年ずれます。
TPP11 の発効に伴い、2018 年 12 月 30 日に 50 年から 70 年へ延長されました。当日時点で保護期間内の作品は 20 年延び、すでに公有だったものは復活しません。
法人その他の団体が著作者名として表示された著作物です。会社が公表した社史・ポスター・カタログや、職務上作成させたプログラムなどが該当します(53 条 1 項・3 項)。
職務著作の要件を満たせば会社が著作者となり(15 条 2 項)、団体名義作品として公表後 70 年保護されます(53 条 3 項)。書いた本人ではなく会社に帰属します。
名義(団体か個人か)と公表年を特定し、団体名義なら公表翌年から 70 年を計算します。初版の奥付・当時の広告・国立国会図書館の所蔵記録で公表年を詰めるのが定石です。
第二次大戦の連合国・連合国民の著作物に、通常の保護期間へ約 10 年を上乗せする特例です(連合国特例法)。戦前の外国作品は「切れている」計算が約 10 年ずれることがあります。
映画の著作物も公表後 70 年です(著作権法 54 条)。団体名義の 53 条と並行する類型で、団体か個人かを問わず公表時起算で計算します。
公表から70年が経過していれば自由に使えます。会社(法人その他の団体)名義の著作物は、著作者の死亡ではなく「公表後70年」で計算します(著作権法53条1項)。ただし2018年12月30日時点で保護期間内だったものは旧50年から70年へ延長されているので、計算をやり直す必要があります。業界裏話ヒント:実務では「公表年が特定できない」ことが最大の壁になる。初版の奥付、当時の新聞広告、国立国会図書館の所蔵記録で公表年を詰めるのが定石。年が曖昧なまま使うのが一番危ない。
法人格が消えても著作権は公表後70年存続します。権利は清算手続の中で承継者や譲受人に移り、誰も引き継がなくても「消滅して自由に使える」わけではありません(著作権法53条)。業界裏話ヒント:倒産企業の著作物は権利者が事実上たどれない「孤児著作物」になりやすい。この場合、文化庁長官の裁定制度(著作権法67条)で補償金を供託して適法に使う道がある。「権利者不明だから諦める」前にこの制度を検討する人は意外に少ない。
原則ダメです。職務として作成したプログラムは会社が著作者になり(著作権法15条2項)、その著作権は団体名義作品として公表後70年保護されます(53条3項)。あなたが書いたコードでも、著作権は会社に帰属します。業界裏話ヒント:争点になるのは職務著作の要件を満たすか。勤務時間外に個人で作った、契約で帰属を別途定めた、といった事情があれば著作者が個人に戻る余地がある。退職前の契約書とコミット履歴が、後の帰属争いの決め手になる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護期間の起算点 | 53 条:公表後 70 年(団体名義) | — |
| 起算の基準となる事実 | 作品の公表(死亡は関係しない) | — |
| 適用対象 | 法人その他の団体名義の著作物・職務著作プログラム(3 項) | — |
| 計算方法の共通ルール | 公表の翌年 1 月 1 日起算(57 条) | — |
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