要点著作権法 94 条の 3 は、商業用レコードに録音された実演を原則として個別許諾なしで放送同時配信等でき、事業者が補償金を特定実演家に支払うと定める。ただし管理下・連絡先公表済みの実演は除外される。
Q · 昔 CD に録音した自分の演奏が、番組のネット同時配信で勝手に流れることってあるの?
あり得る。届出をしなければ許可不要・補償金だけの対象になる
著作権法 94 条の 3 により、商業用レコードに録音された実演は、放送同時配信等について原則として個別許諾なしで利用でき、事業者は通常の使用料相当の補償金を特定実演家に支払います(1 項・2 項)。ただし、その実演の送信可能化権が著作権等管理事業者の管理下にある場合、または文化庁長官が定める方法で氏名・連絡先等を公表している場合は除外され、許諾権が実演家に残ります。つまり実演家が事前に動いたかどうかで、許諾権者か補償金受領者かが分かれます。
テレビ番組をネットで同時配信する。今では当たり前のこの仕組みが、つい最近まで法律の壁で止まっていた。番組内で流れる市販 CD の演奏には、その演奏家(実演家)が持つ「ネット送信を許すかどうか」の権利があり、放送局は一曲ずつ、一人ずつ許諾を取らねばならなかった。何千曲分の交渉は事実上不可能。だから令和 3 年(2021 年)の改正で生まれたのがこの 94 条の 3 だ。仕組みを丸ごと逆転させた。実演家が著作権等管理事業者に管理を委ねているか、自分の連絡先などを文化庁長官が定める方法で公表していない限り、放送局は個別許諾なしで同時配信でき、後から通常の使用料相当の補償金を払えばよい。つまり、あなたが演奏家なら、何もしなければ「許可不要・補償金だけ」の対象に自動的に入る。逆に一手打てば、許諾権を自分の手元に残せる。動くか動かないかで、立場が裏返る条文である。
著作権法 94 条の 3 は、放送番組のインターネット同時配信等を円滑化するため、商業用レコードに録音された実演について実演家の送信可能化に係る許諾権を原則として補償金請求権へ組み替える opt-out 型の規定である。著作権等管理事業者の管理下にある実演、および文化庁長官が定める方法で連絡先等が公表された実演は除外され、これらは従来どおり個別許諾を要する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
放送番組を放送と同時にインターネットで配信することです。TVer や radiko が代表例で、著作権法 94 条の 3 はこの場面での実演利用の許諾処理を円滑化するために新設されました。
商業用レコードに録音された実演を行った実演家で、94 条の 3 の補償金を受け取る立場にある者です。氏名や連絡先が公表されていない実演家も含まれ、補償金請求権を持ちます。
配信が始まる前に、著作権等管理事業者へ管理を委ねるか、文化庁長官が定める方法で氏名・連絡先・許諾申込先を公表します。これで 94 条の 3 の除外対象となり許諾権が手元に残ります。
通常の使用料相当額です(94 条の 3 第 2 項)。具体額は使用態様や集中管理団体の使用料規程により決まり、指定された著作権等管理事業者を通じて分配されます。
令和 3 年(2021 年)改正で新設され、令和 4 年(2022 年)1 月 1 日に施行されました。放送番組のネット同時配信を促進する一連の改正の中核規定です。
全国を通じて一個に限り文化庁長官が指定した著作権等管理事業者のみが行使できます(94 条の 3 第 3 項)。個々の実演家が事業者へ直接請求することは原則できません。
あります。レコード製作者については著作権法 96 条の 3 が並行して同様の放送同時配信等・補償金の仕組みを定めています。実演家分が 94 条の 3 です。
特定実演家の氏名・名称、許諾の申込先など円滑な許諾に必要な情報を、文化庁長官が定める方式で公表することです。形式要件を満たして初めて除外の効力が生じます。
市販レコードに録音されたあなたの実演が同時配信されれば、通常の使用料相当の補償金を受け取る権利が発生する(94 条の 3 第 2 項)。ただしこの権利は、全国に一個だけ指定された著作権等管理事業者を通じてしか行使できない(同 3 項)。業界裏話ヒント:補償金は「発生」と「分配」が別問題で、その団体があなたを特定し連絡が取れなければ、お金は宙に浮いたまま届かない。発生を待つのではなく、団体に自分が登録・連絡可能な状態かを能動的に確認しておくのが受け取る側の現実的な動き方だ
事後に止めるより、事前に枠から外すのが筋道だ。著作権等管理事業者に管理を委ねるか、文化庁長官が定める方法で氏名・許諾の連絡先などを公表しておけば、あなたの実演は 94 条の 3 の対象(許可不要・補償金だけ)から除かれ、放送局は個別許諾なしには同時配信できなくなる。業界裏話ヒント:この「公表」は単なる意思表示ではなく、文化庁長官が定める方法・情報の要件を満たして初めて効力を持つ。形式を外すと公表したつもりでも除外されない。やるなら基準を正確に踏むこと
いいえ、そこを変えたのがこの条文だ。実演家の送信可能化権について管理事業者の管理が行われている実演、または連絡先などが公表されている実演を除けば、個別許諾なしで同時配信でき、後から補償金を支払えばよい(94 条の 3 第 1 項・2 項)。業界裏話ヒント:効率化の裏に選別リスクがある。除外対象(管理下・公表済み)を取りこぼして補償金スキームで流すと無許諾配信=侵害になりうる。配信開始前に除外リストを作り込み、文化庁長官の定めの更新を追い続ける体制があるかどうかが、この制度を安全に使えるかの分かれ目になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権利の性質 | 94 条の 3:送信可能化権を原則補償金請求権へ組替(opt-out) | — |
| 対象 | 商業用レコードに録音された実演(管理下・公表済みは除外) | — |
| 権利者の取り分 | 通常の使用料相当額の補償金(指定管理事業者経由) | — |
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