要点著作権法 91 条は、実演家が自己の実演を録音・録画する権利を専有すると定める。ただし映画の著作物に録音・録画された実演には、ワンチャンス主義により以後の録音権・録画権が及ばない。
Q · 自分が出演した映像、勝手に録音・録画されないって本当ですか?
原則は実演家の許可が必要だが映画出演後は権利が及ばない
著作権法 91 条 1 項により、実演家は自己の実演を録音・録画する権利を専有します。許可なく演技・歌唱・演奏を録音・録画することはできません。ただし 2 項のワンチャンス主義により、実演家が許諾して映画の著作物に録音・録画された実演は、音のみを取り出して録音物にする場合を除き、その後の再放送・DVD 化・配信に録音権・録画権が及びません。最初の出演契約の対価が事実上すべてとなります。
あなたがバンドのライブを録音されるとき、あなたが出演した映画が配信されるとき、あなたの声がアニメに吹き込まれるとき。そのすべてに、実演家であるあなたの権利が関わっている。著作権法91条1項は、実演家が自分の実演を録音・録画する権利を専有すると定める。つまり、あなたの許可なく誰もあなたの演技や歌や演奏を録音・録画できない。ところが2項に恐ろしい仕掛けがある。一度あなたが許可して映画の著作物に録音・録画された実演については、その後どう使われようと、原則としてあなたの録音権・録画権はもう働かない。これがワンチャンス主義だ。あなたが出演した映画やドラマがDVD化され、配信され、海外で売られても、最初の出演契約の対価以外、あなたには一円も入らない構造になっている。再放送のたびに俳優が追加報酬を受け取る米国の仕組みとは、正反対の世界だ。
著作権法 91 条は実演家の録音権・録画権を定める規定であり、実演家が自己の実演を録音し又は録画する権利を専有する旨を規定する。2 項は、許諾を得て映画の著作物に録音・録画された実演について、影像とともに再生する目的でない録音物への録音を除き本条を適用しないとするワンチャンス主義を採用する。
著作権法 91 条 2 項の仕組みで、実演家が映画の著作物への録音・録画に一度同意すると、その後の再放送・DVD 化・配信に録音権・録画権が及ばなくなる原則のことです。
実演が行われた後 70 年です(著作権法 101 条、平成 30 年改正で 50 年から延長)。録音権・録画権もこの存続期間内で保護されます。最新の改正状況をご確認ください。
あります。声優は実演家に当たり、その演技・声の録音には 91 条 1 項の録音権が働きます。ただしアニメ(映画の著作物)に録画されればワンチャンス主義が適用されます。
録音は音を物に固定する行為、録画は影像を物に固定する行為です。91 条はその両方を実演家の専有権とし、いずれも実演家の許諾なく行うことはできません。
映画以外の単独の実演を無断で録音・録画すれば 91 条 1 項の侵害になります。差止請求や損害賠償(民法 709 条)の対象です。ライブや舞台の無断録音が典型例です。
録音権は固定(録音・録画)を対象とし、送信可能化権(92 条の 2)はネット配信のためのアップロードを対象とします。配信案件では両者を分けて確認する必要があります。
映画フィルムに限らず、ドラマ・アニメ・CM・配信ドラマなど、影像を連続して再生できる著作物全般を指します。これに録画された実演がワンチャンス主義の対象です。
まず映画の二次利用か単独の無断利用かを切り分け、後者なら証拠を保全し、内容証明で差止め・損害賠償を通告します。配信ならプラットフォームへの削除申立ても並行します。
日本では原則もらえません。著作権法91条2項のワンチャンス主義により、映画やドラマに録音・録画されることへ一度同意すると、以後の再放送・DVD化・配信に実演家の録音権・録画権は及びません。出演時の契約料がすべてです。業界裏話ヒント:これは法律の初期設定にすぎず、契約で覆せる。交渉力のある俳優や事務所は、出演契約に二次利用の対価分配条項を別途入れている。もらえないのではなく、もらえる条項を入れていないだけのことも多い
できます。ライブの演奏は映画の著作物ではないので、ワンチャンス主義は働きません。91条1項の録音権が生きており、無断の録音・販売は侵害です。差止めと損害賠償(民法709条)を請求できます。業界裏話ヒント:会場の録音禁止アナウンスは、著作権法上の権利を入場規約という契約でも二重に固める意味がある。録音権侵害に加えて規約違反としても追及できるので、規約のある会場の方が法的な攻め手が増える
いいえ、それは別扱いです。91条2項の括弧書きで、映画に録音された実演でも『音を専ら影像とともに再生する目的でない録音物』、つまりサントラCDのように音だけを取り出す場合は、実演家の録音権が復活します。あなたの許諾が必要です。業界裏話ヒント:映画出演への同意とサントラ化への同意は法律上別物。制作側が『すべての利用に同意』という包括条項でまとめてくることがあるが、音源単独利用は分けて対価交渉する余地が法律に残されている
微妙です。91条が保護するのは『実演家』であり、実演家とは著作物を演じ、歌い、演奏する等の者(著作権法2条1項4号)。セリフも個性的な演技もない単なる映り込みは実演に当たらないと解されることが多く、その場合は録音権・録画権が発生しません。業界裏話ヒント:実演家に当たるかは『創作的・個性的な表現があるか』が分かれ目。同じエキストラでも、監督の指示で特定の演技をすれば実演家性が認められうる。契約書に『実演家として』と明記されているかも判断材料になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護内容 | 91 条:実演の録音・録画(固定)を専有 | — |
| ワンチャンス主義の適用 | 適用あり(映画録音・録画後は原則権利消尽、音のみ録音物化は例外) | — |
| 実演家が得られる対価 | 原則は出演契約の対価のみ(追加報酬なし) | — |
| 侵害時の手段 | 差止請求・損害賠償(単独利用の場合) | — |
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