要点著作権法 96 条の 3 は、放送事業者等が商業用レコードを用いて放送同時配信等を事前許諾なしに行えると定める。対価として通常の使用料相当額の補償金をレコード製作者へ支払う。
Q · テレビ番組をネット同時配信するとき、流れる音楽は許可なしで使えるの?
一部は補償金の後払いで使えるが、管理曲は許諾が必要
著作権法 96 条の 3 により、放送事業者・有線放送事業者・放送同時配信等事業者は、商業用レコードを用いた放送同時配信等を事前許諾なしに行えます。対価として、通常の使用料相当額の補償金をレコード製作者へ支払う義務が生じます。ただし、著作権等管理事業者が管理している曲、または権利者の連絡先等が公表されている曲は、この後払いルートの対象外で、従来どおり許諾が必要です。補償金は、文化庁長官が全国で一つだけ指定する管理事業者を通してのみ行使できます。
ネット配信のスタートアップを立ち上げ、テレビ局と組んで番組をリアルタイムでネット配信したい。だが番組で流れる BGM やヒット曲、その一曲ごとにレコード会社へ許諾を取りに回ったら、配信開始は何年先になるか分からない。2021 年の著作権法改正で生まれた 96 条の 3 が、その壁を壊した。放送事業者、有線放送事業者、放送同時配信等事業者は、商業用レコードを使って放送と同時のネット配信を、事前許可なしで行える。条件は一つ、通常の使用料に相当する補償金をレコード製作者へ後から支払うこと。許可を取る世界から、使ってから払う世界への転換だ。ただし例外がある。その曲の権利が著作権等管理事業者によって管理されている、あるいは権利者の連絡先などが公表されている場合は、この後払いルートは使えず、通常どおり許諾を取る必要がある。あなたが配信側なら、使える曲と許可が要る曲の線引きが、事業設計の最初の分岐点になる。
著作権法 96 条の 3 は、商業用レコードを用いた放送同時配信等について、レコード製作者の送信可能化権(96 条の 2)を制限し、事前許諾に代えて補償金の支払により利用を可能とする規定である。著作権等管理事業者の管理下にある、または権利者情報が公表されたレコードは適用除外となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
放送と同時に行うネット配信のほか、放送途中から追いかける追っかけ配信や、一定期間の見逃し配信を含む配信類型です。著作権法 2 条の定義規定で規律されます。
市販の CD 音源のほか、配信用に販売された原盤も含みます。番組で流す BGM やヒット曲の多くが該当し、96 条の 3 の補償金ルートの対象になり得ます。
通常の使用料の額に相当する額です(96 条の 3 第 2 項)。自己流に値切ると権利侵害として扱われる余地があるため、指定管理事業者の算定基準に従います。
文化庁長官が全国で一つだけ指定する著作権等管理事業者を通してのみ行使できます(同条 3 項)。レコード製作者へ直接払う仕組みではありません。
著作権等管理事業者の管理下にあるか、権利者情報が文化庁長官の定める方法で公表されているかを確認します。該当すれば後払いルートは使えません。
いいえ。外れたのは事前許諾だけで、補償金の支払義務は残ります。管理曲は後払いルート自体が使えないため、実務では許諾交渉が多く発生します。
放送事業者と提携して放送同時配信等事業者の立場になれば使える余地があります。単独のオンデマンド配信は対象外で、別の権利処理が必要です。
管理曲を後払いルートで使えるとの誤解のまま配信すると、送信可能化権侵害として差止請求や損害賠償を受ける恐れがあります。楽曲リストの仕分けが必須です。
いいえ、半分だけです。96 条の 3 が外したのは事前許可で、補償金の支払義務は残ります。しかも著作権等管理事業者が管理している曲や、権利者の連絡先が公表されている曲は、この後払いルート自体が使えず、従来どおりの許諾が必要です(同条 1 項括弧書き)。業界裏話ヒント:実務では大半のヒット曲が管理事業者の管理下にあるため、後払いルートで自由に使える曲は意外と限られます。何でも使える前提で企画を組むと、結局ほとんどの曲で許諾交渉が発生して計画が崩れる
取れる可能性があります。96 条の 3 第 2 項は、あなた(レコード製作者)に通常の使用料相当額の補償金請求権を保障しています。ただし第 3 項により、補償金は文化庁長官が全国で一つだけ指定する管理事業者を通してしか行使できません(同条 3 項)。業界裏話ヒント:自分で配信者へ直接請求するのではなく、指定管理事業者に自分の権利情報が登録されているかがすべて。登録がないと、あなたの取り分が分配されず宙に浮く。気づいた時点で指定団体への登録状況を確認するのが先決
放送と同時に行う配信のほか、放送の途中から追いかける追っかけ配信や、一定期間の見逃し配信も含まれます(著作権法 2 条の定義規定)。ただし期間や態様に要件があり、無制限のオンデマンド配信は別枠です。業界裏話ヒント:同時配信と見逃し配信では権利処理の根拠が微妙に異なる場面があり、サービス設計時にどの類型へ当てはめるかで必要な手続きが変わる。配信期間を一日延ばすだけで前提が変わることもあるので、定義の境界線は法務と詰めておく
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権利処理の方式 | 96 条の 3:事前許諾不要 + 補償金の後払い | — |
| 権利者の立場 | レコード製作者は補償金請求権を持つ(差止はできない) | — |
| 適用除外・行使方法 | 管理曲・情報公表曲は対象外/補償金は指定管理事業者のみ行使 | — |
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