レコード製作者は、そのレコードを送信可能化する権利を専有する。
要点著作権法 96 条の 2 は、レコード製作者がレコードを送信可能化する権利を専有すると定める。サーバーへの無断アップロードは再生数ゼロでも侵害が成立する。
Q · 自分で買った曲をクラウドに上げて友達に共有したら、何の権利を踏むの?
アップした瞬間、再生ゼロでも侵害が成立します
著作権法 96 条の 2 により、レコード製作者は自らのレコードを送信可能化する権利を専有します。サーバーにアップロードして公衆がアクセスできる状態に置いた時点で侵害が成立し、実際に誰かがダウンロード・再生したかは問いません。しかも作詞・作曲家の著作権(JASRAC 等)とは別に、その音源を固定したレコード会社の原盤権の許諾も必要です。片方をクリアしても、もう片方の送信可能化権が残ります。
配信が始まったばかりの新曲を、自分が買った音源だからとクラウドストレージに上げ、リンクを友人グループに配った。あるいはライブ音源を録ってファイル共有サイトに置いた。その瞬間、あなたは別々の二つの権利を同時に踏んでいる。一つは作詞家・作曲家の著作権。そしてもう一つ、ほとんどの人が見落とすのがレコード製作者の権利だ。96条の2は「レコード製作者は、そのレコードを送信可能化する権利を専有する」と定める。送信可能化とは、サーバーにアップロードして公衆が誰でもアクセスできる状態に置くこと、その行為そのものを指す。つまり、誰一人ダウンロードも再生もしていなくても、置いた瞬間に侵害は完成する。そして「レコード製作者」とは歌手でも作曲家でもなく、その音を最初にCDや音源に固定したレコード会社のことだ。あなたが相手にするのは一社ではなく、複数の権利者である。
著作権法 96 条の 2 が定める送信可能化権とは、レコード製作者が自己のレコードを自動公衆送信し得る状態に置く行為を専有する著作隣接権である。サーバーへのアップロード等により公衆が受信可能な状態を作出する行為自体を対象とし、現実の受信や再生の有無を問わない点に特徴がある。
レコード製作者などが、音源をサーバーに上げて公衆が受信できる状態に置く行為を専有する権利です(著作権法 96 条の 2)。置いた時点で権利が働き、実際の再生は要件ではありません。
歌手や作曲家ではなく、その音を最初に CD や音源に固定したレコード会社を指します。市販音源を使う場合、あなたが交渉する相手はこの原盤権者になります。
無視が最も不利です。まず該当コンテンツを削除し、いつ何を上げたか事実を整理して、回答期限内(多くは 2 週間ほど)に対応します。早期に弁護士へ相談してください。
作曲家の著作権に加え、レコード製作者の送信可能化権にも触れます。動画をアップした時点で侵害が成立し、再生数ゼロでも同じです。自作カバー録音なら原盤権は不要になります。
著作権法 119 条により刑事罰の対象になり、差止・損害賠償の民事責任も生じます。故意か過失かで賠償と量刑の重さが変わります。
著作権法 114 条の推定規定で算定されます。権利者は再生数を立証する必要がなく、侵害の立証が容易なため、早期削除と示談が現実的な落とし所になります。
中古 CD の売買(複製物の譲渡)は適法です。ただしその音源をデータ化してクラウドで共有した瞬間、まったく別次元の送信可能化権侵害になります。
違法です。クリックは一回でも、一曲ごとに送信可能化権の侵害が積み上がります。契約解約後に保存分をまとめて公開する行為も同様です。
ダメです。CDを買って得たのは、その複製物を手元で楽しむ範囲で、ネット上で誰でもアクセスできる状態に置く権利(送信可能化権、96条の2)までは含まれません。私的複製(30条)も公衆送信には及びません。業界裏話ヒント:「一部だけ」「引用なら」と逃げ道を探す人は多いですが、音源をまるごと上げると引用の要件(32条)はまず満たしません。短くても音源そのものを使う時点で、レコード製作者の許諾が要ると考えるのが安全です。
それだけでは足りません。JASRACが管理するのは作詞・作曲の著作権で、レコード会社が持つ原盤の送信可能化権(96条の2)は別管理です。市販音源を使うには楽曲の権利と原盤の権利の両方をクリアする必要があります。業界裏話ヒント:この原盤権の処理を忘れて炎上する企業案件は後を絶ちません。カバー演奏を自分で録音すれば原盤権は不要になる、という抜け道を知っているかどうかで、制作コストも法的リスクも段違いです。
本当です。送信可能化権は送信できる状態に置く行為を対象にするので、サーバーにアップした時点で侵害が成立し、実際に誰かが視聴・ダウンロードしたかは問いません(96条の2、2条1項9号の5)。業界裏話ヒント:権利者側は再生数を立証する必要がないため、侵害の立証は容易です。「誰も見てないから実害ない」という反論は損害額の交渉材料にはなっても、侵害の成否そのものは覆せない。だから早期削除と示談が現実的な落とし所になります。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護対象の行為 | 96 条の 2:送信可能化(アップロードして公衆受信可能な状態に置く) | — |
| 権利者 | レコード製作者(音を最初に固定したレコード会社) | — |
| 侵害成立の時点 | アップロードで受信可能な状態になった瞬間(再生不要) | — |
| 同一アップロードでの関係 | 市販音源の配信では原盤権として並行して働く | — |
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